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フランスも無人戦闘機導入を前倒し、市場で入手可能なシステムを調査

フランス国防省は2024年10月「無人戦闘機と協調可能なラファール F5規格、nEUROnベースのステルス無人戦闘機を2033年までに実用化する」と発表したが、ドイツ空軍は2029年までに無人戦闘機を導入予定で、フランス空軍副参謀長も「無人戦闘機導入を前倒しするため情報提供要請書を発行する」と明かした。

参考:How the wars in Ukraine and Iran made France rethink its military plans
参考:L’armée de l’Air & de l’Espace envisage de se procurer des drones de combat collaboratif… sans attendre le Rafale F5

無人戦闘機の実用化と導入は第6世代戦闘機よりも優先順が高く、どれだけ効果的で何ができるのかによって第6世代機の役割も第4世代機の将来性も変化してくる

フランス政府はウクライナ侵攻の教訓を反映させた軍事計画法を2023年8月に成立させ、2024年~2030年の7年間に総額4,130億ユーロ(約76兆円)を投じてフランス軍再軍備の具体的な計画を策定したが、ウクライナ侵攻の新たな教訓と中東地域で体験した教訓を反映させた「軍事計画法の修正バージョン」を今月8日に閣議決定する予定だ。

この修正バージョンは弾薬・消耗品に割り当てた160億ユーロの資金を245億ユーロ(約4.5兆円)に増額し、フランスは弾薬の大量一括調達、在庫管理、供給を一元化する仕組み(フランス弾薬プラットフォーム=Plateforme France Munitions)を官民共同出資で設立する予定で、この取り組みは「小規模備蓄中心の平時モード」から「大量生産・大量備蓄中心の有事モード」への本格シフトを法的に裏付けるものになり、新設する国家安全保障警戒状態(危機的状況において規則を一時的に緩和し、決定の加速や迅速な産業動員を可能にする例外制度)と合わせてフランス軍の再軍備を加速させる重要な取り組みになる。

フランス空軍副参謀長のドミニク・タルディフ中将はPOLITICOとの取材の中で「軍事計画法の修正バージョン」について興味深いことに言及しており、Shahed-136=自爆型無人機の迎撃コストを引き下げる取り組みについては「フェネックヘリを活用した迎撃テスト」「ラファールと低コストのレーザー誘導ロケットの組み合わせ」「安価な迎撃ドローンの開発」を挙げ、特にフランス企業のAlta AresとHarmattan AIが共同開発している迎撃ドローンは既に中東地域に配備済みらしい。

セバスチャン・ルコルニュ首相も「複数のフランス企業が月数千機の迎撃ドローンを生産可能で新工場の開設も間もなく行う」と述べ、タルディフ中将も「小規模備蓄で十分だった時代から、備蓄を大幅に拡大する必要がある新たな時代に移行している」「これは生産ラインを増やす必要があることを意味する」「一つしかないなら二つにするべきであり、それには投資が必要だ」と指摘したが、NATOの基本的な戦闘原則である制空権についても「ロシア軍がウクライナ軍との間でドローン戦争に陥って戦線が膠着してるのは制空権の確保に失敗したためだ」と指摘した。

“制空権がなければ対地攻撃作戦は麻痺する。ロシアがウクライナに対して行った深部攻撃のうち目標に命中したのはわずか20%に過ぎない。これに対して米国とイスラエルがイランに対して行った攻撃は100%命中した。敵防空システムの約80%を破壊したイスラエルの空爆は「制空権の確保が可能である」と示している。敵が特定の領域に進入・機動するのを阻止する戦略=接近阻止・領域拒否(A2/AD)は回避不可能ではなく、適切な手段を講じさえすれば対処できると分かっている。フランス空軍は敵防空網制圧能力を獲得するための手段を検討中で、これは制空権の確保において不可欠なものであり、消耗戦から決戦へと移行するための手段だ”

出典:Telegram経由

さらにShahed-136=自爆型無人機による飽和攻撃についても「ウクライナがロシア領深部で達成したこと、つまり安価な手段でロシア軍基地を攻撃し、地上の輸送プラットフォーム、航空機、爆撃機を無力化することを我々も念頭においている。我々は防空網を飽和させ、レーダーや地対空システムを突破するために量を求めているが、同時に決定的な効果を発揮する弾薬も必要だ。消耗戦用の兵器しか持たなければウクライナのような膠着状態に陥る」と述べ、フランス空軍は高度な技術や高コストの兵器を捨てて消耗戦に陥るつもりはないと示唆している。

ウクライナとロシアのドローン戦争を見て「自爆型無人機やFPVドローンがあれば高価な従来兵器は必要ない」と勘違いする人も多いが、従来兵器と無人機・ドローンの関係性は「競合関係」ではなく「補完関係」であり、タルディフ中将の言及は突飛なものではなく非常に一般的な常識に沿った内容だ。

出典:Ministère des Armées et des Anciens combattants

フランス国防省は2024年10月「核抑止をミラージュ2000Nから引き続くラファールF5規格の初回発注を行った」「2030年に完成予定のF5規格はコネクティビティとデータ処理能力の面で革新的な技術を導入しているF4規格を発展させたものでコネクティビティ戦闘機の第2世代だ」「F5規格は通常任務と核抑止の両方で仏空軍の作戦能力を強化し、偵察任務や敵防空網への侵入を容易にするよう設計されたステルス無人戦闘機の支援を受けられる」と発表。

当時のルコルニュ国防相もラファールのコックピットから制御可能なステルス無人戦闘機について「ダッソーが中心となって開発した技術検証機=nEUROnの結果に基づいて開発される」「このステルス無人戦闘機の任務はラファールよりも先行して敵地侵入のための道を切り開くことだ」と、ダッソーの最高経営責任者を務めるトラピエ氏も「ステルス無人戦闘機は2033年までに仏空軍の技術的・作戦的優位性に貢献するようになる」と述べてたが、タルディフ中将は「フランス空軍も無人戦闘機の導入を前倒しする」と示唆した。

出典:Helsing

タルディフ中将は「軍備総局を通じて有人戦闘機に随伴して飛行な2トン〜4トン級のAI搭載航空機の情報提供要請書(RFI)を発行し、産業界が提供できる能力を評価する」と述べており、フランスの軍事ブログ=Zone Militaireも先月31日「タルディフ中将が述べた要件に合致する可能性があるのはHelsingが発表したCA-1 Europaだ」「Helsingも去年の発表会の際『フランス空軍は有人戦闘機の能力を拡張し、航空戦力を飛躍的に増強することを目的とした高度なAIシステムへの傾注をますます強めている。CA-1 Europaはモジュール性とオープンアーキテクチャによってフランスの技術をシームレスに統合可能だ』と述べていた」と指摘。

米空軍の無人戦闘機=CCAは2027年に量産機が登場する見込み、ドイツ空軍も2029年までにタイフーンと協調可能な無人戦闘機を約100機調達する予定で、フランス空軍もラファールF5と独自の無人戦闘機が登場する2033年まで待つのではなく「市場で入手可能な無人戦闘機の調達を検討している」となり、とにかく無人戦闘機の実用化と導入は第6世代戦闘機よりも優先順が高く、どれだけ効果的で何ができるのかによって第6世代機の役割も第4世代機の将来性も変化してくるだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:Helsing

英伊日の戦闘機開発が初契約を締結、開発作業を6月末まで継続するつなぎ契約前のページ

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コメント

  • コメント (2)

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    • 無印
    • 2026年 4月 03日

    >無人機があったら在来兵器は必要無い
    昨日もヤフコメで見たなぁ…
    けっこうな「う〜ん」になっていたいたけど

    3
    • 戦車
    • 2026年 4月 03日

    開発がとてもじゃ無いが間に合わないと判断されたか、無人随伴機を実用レベル又は試作迄いけてると思われる国がアメリカ、中国、ロシア、オーストラリアとフランス、トルコ、日本くらいでしたっけ?確か。

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