ドイツのランブレヒト国防相は19日、演習に参加したPumaが全て故障したことを受けて「運用状況が安定するまで追加発注を停止する」と明かし、予定されていたNATOの高高度即応統合任務部隊(VTJF)には旧型のMarderで参加することになった。
参考:Lambrecht setzt “Puma”-Nachkauf aus
派遣に間に合わせるためアップグレードしたPumaが完全に無駄に終わってしまったドイツの受けたショックは計り知れない
ドイツ連邦軍の第10装甲師団のフォン・バトラー司令官はランブレヒト国防相に宛てた書簡の中で「ニーダーザクセン州の演習に参加した18輌のPumaが全てが故障した。最後まで動いていた2輌のPumaも砲塔の故障で動かなくなり、あるPumaの運転席ではケーブルから出火した。(Pumaの不具合はよく知られた問題だが)これほどの頻度で不具合が生じたことはなく、今回故障したPumaを作戦準備が整った状態に戻すのに3ヶ月~4ヶ月はかかるだろう」と明かし、これを受けてランブレヒト国防相はPumaの追加発注を停止すると発表した。
ランブレヒト国防相は「Pumaの追加購入に関する契約が予定されていたが署名を保留することになった。最近のPumaが起こした失敗は痛恨の極みだ。運用状況が安定するまで第2次バッチの発注は行われない」と説明、国防省も2023年のNATOの高高度即応統合任務部隊(VTJF)に派遣する第37装甲擲弾兵旅団は「旧型のMarderを装備して派遣される」と発表して注目を集めている。
Puma故障の報告を受けた国防省は当初「直ぐに専門家と調査を行って2023年1月1日からの義務を果たせるようにする=問題を直ぐに改善してVTJFの派遣に間に合わせる」と主張していたが、どうやらPumaの問題を直ぐに改善するのは不可能だと判断して「MarderのVTJF派遣」に切り替えたという意味で、派遣に間に合わせるためアップグレードしたPuma(通称Puma VTJFバージョン)が完全に無駄に終わってしまったドイツの受けたショックは計り知れない。
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※アイキャッチ画像の出典:Dirk Vorderstraße/CC BY 2.0
全機故障は流石に笑っちゃう
いや、日本も笑い事じゃないんだけどもさ。。。
日本は来年度装備品の維持整備費に2兆355億円を充ててるのでまぁ…
技術的な問題というより行きすぎた官僚主義という点で日本は本当に明日は我が身だと思っている。官僚主義というか、ドイツも日本も事なかれ主義といえる。
ドイツは曲がりなりにも軍需産業が発達しているので投資の拡大と効率化が進めば一気に好転しそうな気もします。EU市場もありますし。
ドイツはそのEU市場から丸見えでポカしまくりでした
「使えない奴」に代わり韓国防衛産業の大隆盛へつながってきているわけで…
プーが付く奴は何をやれせても駄目だな
これはリンクスの営業にも響くのでは
LynxはPumaの失敗を教訓にラインメタルが企業ベンチャーで独自開発しPumaと比べると現代戦に対応しつつ堅実な設計の印象。
今だとハンガリーへの供給で製造ラインが動いているのでドイツはPumaの追加調達とアップグレードを中止してLynxを後継車両として調達した方が良い様な気がします。
円換算で約3000億円かけて、2回に分けてPumaを改修していく予定だとドイツ語のWikipediaに書いてあったが、1回目の改修でこれなら、そりゃ2回目の改修は無くなるよな。
実戦なら乗員も全滅
訓練で把握出来て良かった
いや、それ以前に、戦場にたどり着けないというオチでは。
MGCSの件でKMW社がラインメタル社のことを怒ってたけど、この体たらくじゃラインメタル社がKMW社を馬鹿にするのも無理ないのでは。
でもこれを開発したPSMって、クラウスマッファイとラインメタルの合弁会社なんですよ。他にもMTUとかカールツァイスとか色々関わっているようです。
まあラインメタルはKF21リンクスをハンガリーに輸出したりしているので、余裕のつもりなんでしょうけど。
貞子ちゃう
リンクスはKF-41や
21だと戦闘機になっちまう
貞子ちゃう、節子や
ややこしいよね、似た名前。
K21歩兵戦闘車、AS21歩兵戦闘車、KF21戦闘機、B21ステルス爆撃機、KF31歩兵戦闘車(Lynx)、KF41軽戦車、KF51(Lynx)
たまーに記事を読んでいる最中で頭の中で取り違えが発生する事がある
21世紀だから21という数字の見映えにこだわりを感じる
マーケティングを意識した名称だろうか
訂正ありがとうございます。やっちゃったぜ
そういう突っ込みは節子がデフォだと思っていたが、貞子は初見だ。(論点はそこじゃない
20年のテストで不具合だらけだったからめっちゃ直して21年のテストで良い感じって言ってたのに、どうして22年の末にもなって急にこんな事になるんだ
つまり書類上は改善されたことになってたとかじゃないかと
20年のテスト結果の惨状考えたら、各部品から再設計必要な感じだったけど、短期間で直ったってことになってたし
この記事で言ってるPUMAはVJTF2023向けのアップデートモデルの事だと思われて、
このアップデートは電装系の改良が主だから自走できなくなるような事にはならないと思うんですけどね。
おかしいな。
自分が認識してた工業大国ドイツは何処へ?
工作機械が良いとかは聞いたけど、製品で良い物って何かありましたっけ
ドイツ車も故障が多いと言うし、自分の実際に触った図書館用品でも
性能はともかくとしてデカくて電源ケーブルが無茶ぶっとくって、
組み立て方法も面倒で、あんまり洗練されてないなあって印象でした
洗練されてないというより変に工夫を凝らそうとしてかえって面倒な設計になってる印象。
この前リクセンカウルの自転車用のアタッチメントを買ったけど普通にテープで留めればいいところをわざわざワイヤーをグルグル巻いて固定しなきゃいけなくてすごい面倒だと思った記憶がある。
車に関しては車体剛性含めた乗り味は良いと思う。ただ何でこんな物を樹脂で作ったとか、耐久性が無いくせに高いパーツなんで金をある程度使える人じゃないとお勧めはしない。車の部品は消耗品って文化がそうさせるんだろうけど。
流石に車と同じレベルの兵器作ってたら、よほどじゃ無い限りは売れないだろうね。本体も高いランニングコストも最悪じゃ余程ドイツ好きじゃないと無理だわ。
今のドイツ兵器でそんなに転けてないのHK416/417とパンツァーファウスト3とレオ2のアップグレードぐらいかね。
クリーンディーゼルという完全な偽物を売りまくって、欧州の大気汚染を30年後退させたのが
工業大国ドイツですし、、
マイスター制度風教育でいいものづくりができる時代でもなければ、いいものづくりができればお金になる時代でもないですからね今。東西ドイツ統一で不況に陥っていたドイツ連邦が再び欧州の中心に返り咲いたのは基軸通貨導入と東欧諸国のEU加盟という(ドイツにヨーロッパの富が集まる)構造的な要因であって、21世紀以降のあの国の製造業のパフォーマンス自体はそんなに良くないのではと思っています。もちろん、過去数百年積み上げてきた技術やパテントのレガシーは依然として価値あるものですが。
対空任務に使えない歩兵戦闘車なんて現代の戦場では何の役にも立たないからなぁ。仰角MAX45度ってだけでオワコンなんだから諦めて新しいの作った方が早いってことでは。自衛隊も89年の遺物しか置いてないんだしスパっと諦めよ。
少し前の兵器のパーツの安全保障の話も絡むが、兵器の複雑化が許容度を超えたのではないかと感じる人は多いのではないだろうか。
設計・部材の増加・部材の調達・電子機器の増加・ソフトウェアの開発・それらの統合・・・etc.
鉄板を溶接して砲や銃を搭載すれば形になった時代から比較して、あまりに兵器に要求され、搭載するものが増えた。
もはやAIに「こういう兵器を作れ」と概念だけ伝えて、人間は完成品を受け取るだけにしないと、一定以上のクォリティを持った兵器の安定供給は無理なようにも思える。
もっともこれは兵器に限らない。
もしかしたら文明が、消費の基盤である生産システムの大革命を必要とする時期に達したのかも知れない。
・・・またSFみたいな書き込みになっちゃったな。
アフリカの紛争では、西側の新型戦車よりも整備や修理の容易なT-54戦車の方がいいという話は前からありました。
陸自でも、オートマ変速で自動装填の10式戦車や90式戦車よりも、セミオートマで手動装填の74式戦車の方がいいという話がけっこうありました。機動戦闘車ではまた手動装填の105㎜砲に回帰しています。
カラシニコフ氏の設計したAK-47などは、まさに性能よりも戦場での実用性、整備や修理、生産の容易さを追求した兵器です。アフガニスタンでは口径が小さく射程の短いAK-74よりも実戦向きと言われます。
ドイツのG36などは、部品の樹脂化をし過ぎて、暑さで銃身の樹脂が劣化して曲がって、真っ直ぐ弾が飛ばないと言われました。
ママチャリなどは、自動変速にも全輪駆動にもならず、カーナビもつきませんが、それで十分な性能とユーザーが判断しているのです。ホンダのカブや軽トラックなども似た感じです。
オーバースペックや過剰性能ではかえって実用性が低下するわけです。日本のテレビなどもそうです。一体成型の樹脂化をしすぎたテスラのEVなども修理ができないと言われます。
アフリカの紛争でトヨタのピックアップを改造したテクニカルが多用されているのも、戦場での信頼性を求めれば結局トヨタということになるのかもしれません。
マルダーで充分。
新型の通信機器に載せ替えて、暗視装置を替えるだけで良い。
マルダーの維持運用や部品入手がやばいから、プーマに交代させつつ合ったんだけど
今度はマルダーが故障しまくると予想
ドイツも金本位制の時代から脱却できずに国債発行せずに防衛費用削り防衛企業と訓練削った影響。もう信用通貨の時代だから国債発行とあわせて通貨供給で国債で軍事費だすのが世界主力に反発して他国からの貿易黒字だけで財政規律といい予算削ったなれの果て、日本の財務省がお手本にしろいっていた国のいかに時代遅れの考え方。
> もう信用通貨の時代だから国債発行とあわせて通貨供給で国債で軍事費だす
それをやろうとしたイギリスの内閣は市場にNoと言われて超短命で倒れましたがね
こんなことになるならプーマ作らずにマルダーを改修しておけばよかったのでは….
まあ、ドイツ国民のオーダーが軍備より経済、軍事費の支出は厳しく管理しろ! だったわけで、
こうなるのは必然の気がしますね。
マルダーはそれこそ冷戦期の車両で訓練等ガンガン使われていたはずだから、足回りは大丈夫? と思ってしまうけど、それでもプーマよりマシなんだろうか??
プライマリーバランス厨とテクノクラート独裁国家の末路
我が日本もね…
未使用のジャベリンで敵兵のドタマをかち割った事例は流石にまだ無いとは思うんやけど、そんくらいの蛮用があってもおかしくは無いのが戦場なんやから、平時に運用できない兵器が有事に役に立つわけはないのは常識の範疇やし、しゃーない決定でんな。
ありとあらゆる事態に対処するには複雑化するしか無いんやけど、戦場での整備がどこまで複雑化を許してくれるかを見極めるのが今後の兵器開発のポイントにはなるんでしょうな。
自動化部分が故障で使えんようになっても、人力でなんとか弾だけは撃てるってなところが落とし所にはなるんやろうな。
英国のエイジャックス歩兵戦闘車はどうなってるんだろう。
エイジャックスはどうにもならなそうだからウォリアー戦闘車を近代化改修しようという話があったけど。
演習をちゃんとやって問題の洗い出しに成功したともいえる(超ポジティブ
なんかこの問題って、メーカーよりも受け入れ側に問題があるように思えますけどねえ
全部故障するようなあからさまなゴミであれば、受入テストの時に何らかの不具合が発覚するはずと思います。
・そもそも受入テストはやったのか?
・受入テストをやっている場合、どのようなテストを行ったのか?
・テストの結果はどうだったのか?
この辺のラインで調達局の方を詰めて行ったら何かおかしいところが出てくると思いますけど
このレベルの騒動というのは受け入れテストの時点で発覚する話であって
受け入れてかつ、即応部隊に入る前の段階でゴミが表面化するというのがおかしすぎると思います。
・受入テストをしてなかった
・受入テストの項目が動作、耐久性の項目が皆無
・受入テストの結果の改竄があった
量産品なので、個別の車両にはさすがに耐久性のテストはしていなくても、発注前の試作車の実車テストでは耐久テストはやっている筈ですよね。
全台故障するような車両が試作車では耐久テストクリアしていたのであれば、発注時の仕様と異なってるという事になりますよね。