複数のドイツメディアは「ハンガリー政府とラインメタルはパンターの生産で合意した。既にハンガリーは新型戦車を完成させるための開発費を負担しており、ハンガリーは現地生産されたパンターを調達する」と報じて注目を集めている。
参考:NDR: Rheinmetall wird Kampfpanzer „Panther“ offenbar in Ungarn bauen
参考:Ungarn soll den neuen Kampfpanzer Panther bekommen
ハンデルスブラット紙はパンターの価格について「1,500万ユーロ程度」と予想している
この話は独国営放送が10月28日に放送する「Inside Rheinmetall: Zwischen Krieg und Frieden」の内容に基づいており、国営放送加盟局の北ドイツ放送は「番組内でラインメタルのパッパーガー最高経営責任者は“まだパンターの量産準備には約15ヶ月ほど必要でハンガリー政府がその費用を負担している。ハンガリーが最初にパンターを調達することになると思う”と述べた」と、ハンデルスブラット紙も関係者の話を引用して「ハンガリー政府とラインメタルはパンターの開発・生産で合意し、オルバン政権はパンターを完成させるため約3億ユーロを負担する見通しだ」と報じている。
パンターを完成させるため開発とは「オリジナルの車体開発」を指しているらしく、これは「レオパルト2A4までの権利が誰のものなのか」を争うKMWとの法廷闘争が関係している可能性が高い。
1980年代に生産されたレオパルト2はミュンヘン、カッセル、キールで生産され、ラインメタルは「キールの生産拠点をMaschinenbau Kielから引き継いでいるため、同拠点でライセンス生産されたレオパルト2A4は自社の権利に基いている」と主張し、レオパルト2A4の車体をパンターに流用したのだが、KMWは「我々の権利を侵害している」と主張して法廷闘争に発展しており、現状のままではパンターを販売できないためオリジナルの車体開発が必要なのだろう。
NDR: Rheinmetall wird Kampfpanzer „Panther“ offenbar in Ungarn bauen | Regierung will Entwicklungsauftrag erteilen https://t.co/jBf9CFrucE
— Rheinmetall (@RheinmetallAG) September 27, 2023
報道内容が事実かどうかは不明なものの、ラインメタル公式のXアカウントが「北ドイツ放送の報道」を投稿したため、ハンガリーメディアを含む海外メディアも「ハンガリー政府はパンターを調達する」と報じ始めているが、ハンデルスブラット紙は「まだ正式な契約は締結されていないため計画が頓挫する可能性もある」とも指摘している。
因みにハンデルスブラット紙はパンターの価格について「1,500万ユーロ程度」と予想して「最新のレオパルト2よりも安価だ」と指摘しているのが興味深い。
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※アイキャッチ画像の出典:Rheinmetall
あれ?ハンガリーって、NATOの足並みを乱すロシア贔屓じゃなかったっけ?
ウクライナにパンター売るって話が先にあったけど、ハンガリーと共同開発ってなったら、
販売阻止に動くんじゃあ・・・?
商売の邪魔になることはラインメタルがさせないって話になるのかな?
契約に始めから明記とかで。
それはそうと、いつ見ても頭でっかちですね、この子。
丸々金属で詰まってたらあり得ないくらい重たくなりそうですが、
新型の空間を生かした装甲の構造とかになってるんでしょうかね。
130mmの主砲と砲弾30発(装填済み20発と予備10発)、さらに2には無かった自動装填装置を積んでますからね。
あとはモジュール装甲なので、外したら水に濡れたネコみたいに思ってたんと違う見た目になるんじゃないかなと。
ぶっちゃけ権利関係の話は契約次第だろうしハンガリーが関わる開発が車体メインであるならば最悪の場合は既存のレオパルト2車体の流用も考えられる。勿論、レオ2車体流用も平坦な道ではないだろうが。
頭でっかちなのは砲塔形状による見え方もあるだろうし、空間装甲もあるだろうが将来的な拡張含めて内部に余裕を持たせているからそう見えるとは思う。全体のバランスを考えるとトップヘビーで良い事は一つも無いので極端な重さはない筈。
ブルーピーコックさんの指摘に関しては改めて砲塔を見る限りオートローダー以外に予備10発を積むスペースはないと思う。ディレクターだったかが30発積むようにすると周囲のスペースを食うし性能的には20発で十分とも発言していたように思う。仮に30発を安全性が高い積み方するならローダーのマガジンを2列増やすしかない筈。
ちなみに流行に逆らって車体に砲弾積まない限りはHERO120を積んだら片側マガジンに装填された砲弾10発しか使えなさそうで敢えて戦車に内蔵させる必要あるかなんだよね。
レオパルド系列はアップグレード品がとめどなく売れてうらやましい。10式だって数年ごとに新規の契約が取れたなら、もっといろんな装備を載せられただろうに。
そういうことが出来ないなら出来ないなりに、滞りなく次期戦車の開発を進めていて欲しいけれど、それ以前に共通装軌車両ですらあんまりいい噂聞かないし。いやはや、前途多難ですな。
日本の場合は、調達ロットで細かな改修をしているので
発注年度が違ったらどこかに改修は入ってますよ。
IFVの車体設計はリンクスで積んでいるが、MBTの設計は経験がなさそうだが大丈夫だろうか。一年三か月で量産準備を整えるらしいが、納期がデスマーチになってそうで気になる。
0スタートじゃないにしても、去年契約を締結したK2PLより期限が早いし、実は前から準備していましたとかだろうか。
EMBTが登場する頃にはレオパルト2A8とパンターに需要がだいぶ食われてそう。
あとラインメタルがEMBTから追い出されそう。
ポーランドのブラックパンサーと並んでる演習の写真を見たいな
オリジナル車体開発となると最近のトレンド、開発費の高騰に開発期間の延長・試作車両の予期せぬトラブルによるまたまた量産延期という未来しか見えない・・・
どうなのでしょうね。
少なくも、パワーパックのメーカーはKMW社とは別だから、
パワーパックに供給不安はないのでは。
ラインメタル傘下には、かつてのティッセンもいますから、
車体の開発にも困らないのでは。
独仏が共同開発している戦車もスケジュール通りに行くかも分からんし、さりとてレオパルド2はセールス好調とはいえ、いずれは更新しなきゃならんし。
でもハンガリーか。現首相が明確にロシアを支持しているのに、実利目当てで契約していい相手なのかね。
と言うか、ハンガリー側が「金を出すからウクライナにパンター製造工場は作らんでくれ(去年の今頃、パンターをウクライナで生産しようかという話が有った)」と言って、ラインメタルを篭絡したのかも知れませんね
只、契約は未だ締結していないとの事なので、ハンガリー側としては交渉と称して時間を引き延ばした上で話を反故にする可能性が有ると思いますが
おそらくですけど、ほとんどの部品はハンガリーで採用されたLynxと共通なのでは。
MBT用に車高を下げてリアエンジンにした以外はほぼ同じなのではないかと予想します。
確か、LynxにはKF41の車体に120㎜滑腔砲を搭載したLynx120と言う戦闘重量約50tの火力支援車仕様の試作車が有りますから、それをベースに車体の全長を伸ばす方向で改設計すればパンター用の車体に使えるかも知れませんね
ラインメタル曰く、リンクス120は軽戦車とのこと(Wikiのリンクス歩兵戦闘車ページ脚注6より)
90式は軽戦車だった可能性が微レ存・・・?
あのハンガリーが今度は戦車開発で500億円弱も開発費を負担するんかいな。
額からすると250両作るリンクス派生になくMBT専用車体で間違いないな。
というかラインメタルはリンクス/パンターの歩戦セットをハンガリー本拠でウクライナ国内ノックダウンで供給する気なのではないか?