リトアニアではウクライナ侵攻を受けて「戦車大隊の創設=戦車導入」の噂が浮上していたが、アヌシャウスカス国防相は25日「レオパルト2調達に関する意向表明書(LOI)をドイツ国防省に送付する提案を国防評議会に提出した」と明かした。
参考:Arvydas Anušauskas
参考:Lithuanian president criticises minister‘s Facebook posts about German tanks
戦車としてのスペックが他の戦車より優れていたからではなく、運用面や維持環境面で優れていたため選ばれた
リトアニア陸軍は機械化歩兵旅団と志願兵や予備役に訓練を提供する国防義勇軍(予備旅団)の4個旅団で構成されており、バルデマラス・ルプシス陸軍中将(国防長官=制服組のトップ)は3月「陸軍の編成を旅団から師団に再編する一貫として機械化歩兵大隊の1つを戦車大隊に変更することを政府に提案している」と明かして注目を集めたが、アヌシャウスカス国防相は25日「レオパルト2調達に関する意向表明書(LOI)をドイツ国防省に送付する提案を国防評議会に提出した」と明かした。
さらにアヌシャウスカス国防相はレオパルト2を選択した理由について説明しており、その内容を要約すると以下の通りになる。
KNDSがレオパルト2を、GDLSがエイブラムスを、現代ロテムがブラックパンサーを提案、これを国防参謀本部が作成した要求要件(取得コスト、維持コスト、運用環境、機動性、火力、防御力、適応性など)に基づいて評価した結果、エイブラムスとブラックパンサーは「要求要件の全部」もしくは「要求要件の一部」を満たしておらず、国防参謀本部の要求要件を最も満たしていたのがレオパルト2だった。
- 評価された戦車の納期はどれも同じ=4年~6年
- レオパルト2とエイブラムスはブラックパンサーよりも入手が簡単
- レオパルト2とエイブラムスの取得コストはほぼ同じ
- エイブラムスの維持コストはレオパルト2の1.5倍
- レオパルト2は保守性とスペアパーツの入手性で他の戦車より優れている
- レオパルト2はKNDSが国内に設立済みの整備拠点で保守が可能
- レオパルト2はリトアニア陸軍が保有するドイツ製装備と親和性が高い
- レオパルト2は14のNATO加盟国が採用している
- レオパルト2なら国内駐留のドイツ旅団と相互運用や互換性が確保できる
以上がレオパルト2の選定理由で、要するに「戦車としてのスペックが優れていたからレオパルト2が選ばれた」のではなく「リトアニアにとってレオパルト2は最も運用面や維持環境面で優れていたため選ばれた」という意味だが、ナウセーダ大統領や野党議員は正式発表前にアヌシャウスカス国防相がレオパルト2選定を明かしたことを批判(要するに交渉力の低下=複数の選択肢がある状況で交渉しなければ価格の釣り上げにあうという意味)しており、正式な契約締結までにひと悶着あるかもしれない。
因みにレオパルト2の調達を発表したノルウェーでは「政府が契約に含まれる18輌の追加調達=同じ価格と条件でレオパルト2を追加調達するためのオプションを期限内に行使しなった」と報じられており、現地メディアは「現在のレオパルト2の価格はノルウェーが契約の提示を受けた時より高騰しているため、もし追加調達が必要になれば割高な価格で購入しなければならない」と報じている。
関連記事:主力戦車の需要が高まる欧州、リトアニアでも戦車大隊の創設が浮上
関連記事:ノルウェー軍の調達部門、レオパルト2A7とK2に大きな性能差はなかった
関連記事:K2は優れた戦車、レオパルト2A7と決定的な違いはエコシステムの熟成度
※アイキャッチ画像の出典:Forsvaret
うぬ
最近のドイツは軍縮とロシア依存をやめて正気を取り戻してきたので
世論がモンロー主義になって次期大統領候補の複数がそういう政策掲げてるアメリカより信頼できるんですよね
韓国もよくわからないし欧州の国であれば身近なドイツを選定する理由が出てきた
そりゃ、レオパルド2はバランスと防御力が優れてるからな
エイブラムスは癖が強すぎる
リトアニアの査定条件を見ると。
余計なお世話かもだけれども、4〜6年先のポーランドは大丈夫かな。
レオ2は二種類あるし、K2はあるし、M1A2はあるし、
当面は数が必要なので良いのでしょうが、
戦車戦力の整理が必要になってくるのでは。
これまた余計なお世話だけれども、
M1A2の維持費が高いと言われていますね。
やっぱり、欧州向けはユーロパックを載せた方が良いのでは。
ユーロパックのディーゼルエンジンはライセンスまでしているのだし。
邪魔なら売って整理するだろうけど損するかな
平和が訪れると軍事費つかいすぎて苦しくなるな
性能が高スペックでも、維持と運用に難があったり、ユーザーが持て余す環境であれば、記載通りのパフォーマンスにならないのは、往々にしてありますね。
関係の無い事で大変恐縮ですが、最近「人は気温が30℃を超えると攻撃的になる」と言う研究結果を紹介するネット記事を拝見しました。
熱中症予防だけで無く、礼節ある態度を保つには、エアコンを積極的に活用した方が良いのかもしれませんね。
電気代の高騰でエアコンを控えたい方もいるかもしれませんが、身体と心の健康の維持費用として、ご再考してみては如何でしょうか。
しばらく猛暑日が続く様なので、管理人様やコメントの皆様方も、体調には十分お気を付け下さい。
気温が低い季節でも攻撃的なロシア人は暑いと気狂いするんでしょう。
熱狂的なウクライナ応援団と陰謀論者が参戦したせいで1つ前の記事のコメント欄凍結されてますやん
レスバしたところで実際の戦況は変わらないのになぜ仲良くレスが出来ないのだろうか。
ネットも戦場だから
電子、宇宙、サイバー
その一環
コメント欄ですら分かり合えないのに、物理的に戦争やってる本人たちが和解できるわけもなく
人類の殺し合いは、話し合いでは解決出来ないのですよ
それな
前に晒されたやつでしょ
長田の穴仁王
ウクライナ応援してるようで、ロシア堕とすの諫められると左派認定したりとよくわからなかったな
そもそも日本左派って親露派とは繋がり薄いし、ただの熱暴走した荒らしだと思ってる
前の記事
コメント欄無いぞ?
バグ?
察しろよ
ドイツで1992年以来行われなかったレオパルド2の新規生産が装甲の見直しとAPSトロフィー搭載のA8として行われるので、それに乗っかれば色々と都合の良い事が起こるのではないかと思いますよ、MGCSも吹き飛ばされて、フランスもレオパルド2買うことにされそうな勢い?
参考
リンク
リトアニアがレオパルド2の導入が決定となりましたが、レオパルドは過去の記事からだと結構順番待ちの雰囲気がありそうですが、制式な配備はいつくらいになるのでしょうかね?
製造能力がやや未知数ですが、K2に部品の互換性を持たせられれば早い段階でリトアニアに納入できて、互換性もあってWin-Winになる可能性はありそうでしたね。
さて、リトアニアが戦車を保有する事で米軍がローテーションで配備している機甲部隊は変化等するのでしょうか。
数が少ないからあまり変わらないですかね。
オーストラリアは次期歩兵戦闘車に韓国・ハンファのAS21レッドバックを選定。入札価格はハンファの方が高かったものの性能面でAS21を選定。ラインメタルは既にブリスベンにボクサー装甲車を製造する工場があり、先日にはドイツ軍からの受注でオーストラリア製のボクサーを輸出することで合意しているのでオーストラリアはドイツと韓国、双方の外交バランスを上手く考慮したといえる。
燃料ドカ食いのガスタービンエンジンなんて自前で調達できる産油国か金持ち国家でない限り悪夢でしかない
レオパルト2とエイブラムスはK2よりも入手が簡単と言うのは本当なんだろうか。
レオ2はノルウェー・イタリア・ドイツ・チェコ等々の発注で300両近くバックオーダー有りそうだし、エイブラムスだって米国・台湾・ポーランド・オーストラリアで400両近くのバックオーダーがある。K2も現時点で韓国とポーランドで300両近くのバックオーダー有りそうだし、フットワークの軽さを考えると韓国の方が1番入手が簡単そうに思えるが。
何気に今回の入札でK2にマイナスに働いている車体流用した回収車等の支援車両の現物が無いのが興味深い。単純に国情に合せた戦車設計だけしていれば売れるってもんじゃないな、K2のファミリー車両が出てくるのはいつだろうか。
まあ、リトアニアのような自前で生産できない国ならばヨーロッパ国内にすでに製造拠点がある戦車を採用するでしょうなぁ
K2が注文とれるようになれるのはポーランドに工場が出来てからでしょうな
逆に言えばドイツ企業はポーランドのK2工場が稼働するまでに旧東欧諸国から軒並み注文をとってスムーズに納品する必要があるというわけです
M1は燃費も整備費も悪いのですが、中古で導入コストが安いとは言えよくルーマニアは買ったもんだと思いますわ