欧州関連

ポーランド陸軍司令官、予備戦力確保には兵役義務の復活が避けられない

ポーランドが2026年に開始する国民の軍事訓練は強制ではなく「兵役義務の復活」を意味するものではないが、ポーランド陸軍のマチェイ・クリシュ作戦司令官は29日「適切な予備戦力を確保するためには兵役義務の復活が避けられない」と述べて注目を集めている。

参考:Wróci obowiązkowa służba wojskowa? Generał Klisz: to nieuniknione

ロシアの脅威に備えるなら「予備役の数」は抑止力の重要な要素

ポーランドは本格的なウクライナ侵攻勃発前から安全保障体制の改革に着手、2021年10月に新国防法導入を発表してポーランド軍の大規模な拡張を開始し、2022年に戦争が勃発すると当時のPiS政権は「ロシアが再び襲いかかってくることはないという主張は幻想だった」「来年の国防予算をGDP比2.4%から3.0%に引き上げる」「最終的に5.0%まで引き上げたい」と、ドゥダ大統領も2023年2月「ロシアの侵略や占領、ロシア軍の行動が何をもたらすかを忘れていない」「ロシア軍が来るということは死、残忍さ、慈悲のない戦いを意味する」「2023年の国防予算を4.0%以上に引き上げる」と言及。

出典:16 Dywizja Zmechanizowana

この資金でM1A2/SEPv3×250輌、M1A1/FEP×116輌、HIMARS×500輌、K2×180輌、K2PL×800輌、K9×648輌、Chunmoo×288輌、Borsk×1,400輌、FA-50×12機、FA-50PL×36機、AH-64E×96機、AW149×36機、Saab340 AEW&C、Arrowhead140×3隻、偵察衛星×2基といった調達契約を締結、さらに戦闘機の追加調達、F-16Block50+/52のアップグレード、輸送機の調達、新型潜水艦の導入、ロシア・ベラルーシ国境沿いの要塞化も進めており、2025年の国防予算はGDP比4.7%=1,866億ズウォティ(約7.1兆円)に達する見込みだ。

PiS政権は欧州諸国(特に仏独)との協調よりも米国との二ヶ国間関係を重視し、防衛装備の調達で米国製兵器に優先権を与えていたが、トゥスク政権は欧州と安全保障分野で関係を強化する方向に舵を切り、トランプ政権誕生で欧州と米国の関係が対立に転じると同方針を強化して「Airbusへの資本参加」を模索し始め、欧州全体をロシアの脅威から守るため「フランスの核抑止力を活用する」というマクロン大統領のアイデアにも歓迎の意を示し、トゥスク首相は「この提案を真剣に検討しなければならない」と述べている。

出典:Kancelaria Prezesa Rady Ministrów

さらにトゥスク首相は7日の議会演説で「我々はウクライナの安全保障に米国が関与することを期待している。と言うのも我々がウクライナについて語る時、自国の安全保障を念頭に置いているからだ。私は希望だけでは十分ではないことを明確にしたい。希望は決して戦略の代わりにはならない」と述べて「軍の規模を30万人(現役25万人+領土防衛軍5万人)から50万人に拡張する可能性」「軍に入隊しない国民に対する軍事訓練の提供」「オタワ条約=対人地雷禁止条約からの離脱も含む防衛力強化の検討」に言及。

50万人という数字は「ロシア軍の兵力が130万人」「ウクライナ軍の兵力が80万人」という脈略から出てきたもので、現時点では「ポーランドにも50万人規模の軍隊が必要という認識」に過ぎず、軍に入隊しない国民に対する軍事訓練も「有事への備え=予備戦力の拡充」という意味合いが強く「今直ぐポーランド軍を現役50万人に拡張する」という意味ではないが、ポーランド陸軍作戦司令官を務めるマチェイ・クリシュ少将は29日「適切な予備戦力を確保するためには兵役義務の復活が避けられない」と述べて注目を集めている。

出典:Robert Suchy 宣誓を行うポーランド軍の兵士

ポーランド国営放送=polskieradio24の取材に応じたクリシュ少将は「民間人に提供されている3日程度の訓練では兵士を育成できない。基礎訓練には最低でも40日間はかかる。その一方で訓練の必要性と国民経済をどう両立させるかという問題も残っており、国民は長期間の訓練に応じる余裕はないと言うだろう」と、兵役義務の停止に関する立場についても「軍人として答えるなら兵役義務の復活は避けられないと考えている」と、元ポーランド陸軍准将のクラシェフスキー氏も「兵役義務を復活させるべき」「期間は最低でも半年」「イスラエルを見習って女性も兵役義務に含めるべきだ」と述べた。

兵役義務を復活させるのは有事の際の予備戦力を確保するためで、クリシュ少将はフィンランドを模範的な例に挙げて「人口550万人の小さな国は人口の約20%=約100万人の予備役だ」「この比率をポーランドに適用すれば700万人の予備役がいることになる」と指摘し、ウクライナとロシアの戦争でも動員力が戦場の優位性を左右しており、ロシアも将来を見越して徴兵年齢(ウクライナ向けの動員ではなく年2回の義務的徴兵のこと)の上限を27歳から30歳に引き上げて「潜在的な徴兵対象者」を200万人も増加させているため、ポーランドにとって予備戦力の確保は「消耗戦に発展した際の継戦能力」に直結する問題だ。

出典:Минобороны России

政府は兵役義務の復活について何も言及していないものの、ロシアの脅威に備えるなら「予備役の数」は抑止力の重要な要素なので、トゥスク政権は何らかの変更を加えてきても不思議ではない。

関連記事:ポーランド首相、軍を50万人に拡張する可能性やオタワ条約離脱に言及
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※アイキャッチ画像の出典:Wojsko Polskie 

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コメント

  • コメント (50)

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    • たむごん
    • 2025年 3月 30日

    ポーランドは、自国防衛の為に、着々と準備を進めていますね。

    上記の新兵器について、ウクライナからの提供要請は拒否。
    ウクライナ平和維持軍について、英仏への追随を否定しいてるのが興味深く感じています。

    男女平等の時代ですから、女性の兵役についても、一般的になってきてるのでしょうね。

    24
    • gepard
    • 2025年 3月 30日

    我が国の自衛隊定員割れの問題は深刻化している。
    予備兵役の人員がいなければ初撃で防衛力を崩壊させるプランが仮想敵にとってますます魅力的な選択肢となる。徴兵制、外国人部隊設立、ドローン規制の抜本的解除、ROTCの導入などタブーのない議論を進めなければならない。

    国防無くして国家など存在しないからだ。

    17
      • Mr.R
      • 2025年 3月 30日

      他にも自衛隊に入隊する場合の税制優遇とかも良いかもですね。
      よく目にする「血税」の「血」はそもそも徴兵の事な訳ですし

      34
        • イーロンマスク
        • 2025年 3月 30日

        自衛隊に何年かいたら所得税永久免除くらいしてもいいかもね
        その位しないと集まらないだろう

        16
          • 通りすがりA
          • 2025年 3月 31日

          しかし、免税目的のためだけに入隊し「何年か」が経過したら辞める者も出てくるでしょうから、そこも対策は必要になりますね。日露戦争以前でも、学業を受ける手段として士官を目指した貧困士族層は多くいました。

          11
        • ルイ16世
        • 2025年 3月 31日

        同じ予算なら長期的な税制優遇よりすぐ分かる給料やボーナスを増やした方がいいと思います
        自衛官候補生になる人間の大半は税金の計算とか将来に向けた貯蓄とか出来ないので
        引き算出来ないやつとか給料日の次の外出で給料全額使い切ってタバコ代も無くなった同期も普通にいました
        なのでほぼ強制的に給料から一定額定期預金に入らされるやつもいました(利率は民間ではほぼ0が当たり前の時代に3%はありましたが)

        11
      • Authentic
      • 2025年 3月 31日

      タブーに挑むなら独自核武装を俎上に載せないと意味がない
      核がない中で徴兵制なんか導入すれば一億玉砕が再来するだけ

      8
    • レプタリアン
    • 2025年 3月 30日

    大陸国家は全面戦争になったら歩兵の消耗戦だから大変そうだな
    本邦は島国なので敵味方どっちかの海空戦力が撃滅出来たら停戦交渉出来そう
    ガチ消耗戦の本土決戦はエイリアンとか幻獣相手だけでいいかな

    19
      • のー
      • 2025年 3月 30日

      日本周辺の場合、例えば中国の台湾進攻のような場合。
      戦域が海上なので、戦うには船が必須ですが、船は破壊されたら直ぐには再建できませんし、恐らく製造設備も大損害を受けて復旧にはかなり時間がかかります。
      つまりどちらかの一方的な壊滅は無くて、両方とも壊滅状態でしょう。
      長距離ミサイルを撃ち込む能力を維持できるなら、完敗は無いです。
      だからこそ、日本は反撃能力を必死で構築している訳です。
      まあ、それは敵側にとっても然りですけど。

      19
        •    
        • 2025年 3月 31日

        どうなのかな?
        漫画でも海軍・空母VS海軍・空母の設定だけど。
        台湾周辺の場合は、中国は大陸からの航空機とミサイルで、艦艇・空母を温存できるんだよね。
        やり方を間違えて、日米は空母に大ダメージ。中国は温存成功だと、芳しくないんだよな・・・

        戦争はシステムなので。戦車VS戦車。戦闘機VS戦闘機みたいな思い込みは危険なような。
         

        7
      • ハナー
      • 2025年 3月 31日

      話がそれるけど、なんで幻獣?

      1
        • レプタリアン
        • 2025年 3月 31日

        この質問で、ガンパレは25年も前かと気付いた
        ちょい古くらいに思ってたんだがなぁ

        17
    • Mr.R
    • 2025年 3月 30日

    大国に挟まれた小国は戦争となったら大抵悲惨な目にあうからな……
    道路のことバルト3国って言うのやめろよ!

    10
      • 通りすがりA
      • 2025年 3月 31日

      バルト三国のうち、ポーランドへ進む道路の価値が一番あるのはリトアニアでしょうね。エストニアとラトビアは港湾狙いになるでしょうし。

      1
      • T.T
      • 2025年 3月 31日

      普段道路と呼ばれているのは、どちらかというとベルギー・オランダ・ルクセンブルクの方かなと思いました、まる
      特にベルギーとルクセンブルクは2度も轢かれたからね・・・

      1
    • アルファ
    • 2025年 3月 30日

    日本も自衛隊の人員不足が深刻だから待遇の大幅改善や無人兵器導入は必須事項だがそれだけじゃ解決はしないだろうね。
    解決策を軽く上げるなら2つ。
    1.男女共に良心的兵役拒否(代替義務)を加えた上で徴兵制度を導入する。
    2.身元調査を徹底した上で日本在住の外国人の採用に踏み切る。
    因みに台湾じゃ台湾在住外国人の軍採用を検討してるらしいし、日本もどの道徴兵制度か外国人採用のどちらかもしくは両方は避けられないかもだし。

    5
      • らっく
      • 2025年 3月 31日

      台湾の気持ちはわかるが、愚策な気がする。外征に外国人を使う国は多々あったが、本土の防衛にそれを用いた例は稀。士官招聘ならまだしも、兵として意味のある数を外国人にしてしまうとそれ事態が国防上の懸念になりかねない。

      10
      • とある帝國臣民
      • 2025年 3月 31日

      外人部隊とか戦争犯罪の温床では。守るはずの日本人も襲われそうだ。女とか拐われるで。

      6
    • nk
    • 2025年 3月 30日

    一定の豊かさや思想の自由に権利や人権意識の向上したそれなりの国では、国家の為に命かけるのはそもそもの選択肢として上がりずらいので徴兵制を再導入も世論が受け入れるのは難しく、規制はあるが解決策としてロボット兵士や自立AI兵器の開発進める流れでしょうかね。

    13
      •  
      • 2025年 3月 30日

      一応ポーランドは徴兵制復活の支持が過半数よ

      5
        • 774
        • 2025年 3月 30日

        徴兵制度については20代から40代の男性の意見を大切にして欲しなって思う
        徴兵対象にならない人の支持で徴兵制復活は不公平だよ

        62
          • イーロンマスク
          • 2025年 3月 31日

          選挙権ない未成年が主な対象になるからよく考えなくてもヒデえ事してるな

          14
    •  
    • 2025年 3月 30日

    ポーランド陸軍なんて現状陸自の半分の兵力しかないのに人員確保の見通しも立つ前から戦車1346両にIFV1400両に自走榴弾砲/ロケット砲1436両に戦闘ヘリ96機も調達しても意味あること出来るわけないだろ
    政治の側から押し付けられた兵器を無理に運用しようとして最低限の定数すら充足できずに組織が細切れにされて崩壊するか、不溶分は納入即退役で野ざらしにするか、の2つに1つ
    即時の徴兵制復活を言うならわからんでもないが、2027年には年間10万人の志願者を訓練できるようになる予定ですってさすがに編成を舐めてるんじゃないかとしか言えない

    26
      • やみと
      • 2025年 3月 30日

      ポーランドは以前にも壮大な装備調達計画を発表していたが、最終的にはそのごく一部しか買わず、発注の大半は財政赤字や政権交代などの問題でキャンセルされた

      17
        • kitty
        • 2025年 3月 31日

        ポーランドジョークのミリタリー版が作られそう。

        14
        • 航空万能論GF管理人
        • 2025年 3月 31日

        具体的に財政赤字や政権交代などの問題でキャンセルされた装備調達計画とは何ですか?

        8
          • 印象操作
          • 2025年 3月 31日

          具体的に答えられるわけんじゃん。調べもせず悪口を言いたいだけの書き込みなんだからw

          せいぜい「誰かが言ってた」「xで見た」が関の山

          2
            • やみと
            • 2025年 3月 31日

            例えば
            リンク
            リンク

              • 航空万能論GF管理人
              • 2025年 3月 31日

              HIMARS×500輌導入に関する枠組みの合意は契約締結を意味していません。この規模の契約は状況の変化に対応するため一括ではなく何回かに分けて契約するのが一般的で、500輌導入は確定事項ではありません。

              韓国の兵器導入に関する契約も同様で、Financial Timesの記事は政権交代に伴う見直しに言及していますが、トゥスク政権は韓国側と合意した枠組みの中で新しい契約を締結しているので、今のところ合意した数字分の導入に向けて進捗していますが、合意した枠組み分の全契約は締結されていないので将来変更される可能性があります。

              これを「発注の大半は財政赤字や政権交代などの問題でキャンセルされた」と言うのは悪意でしょ。

              5
                • やみと
                • 2025年 3月 31日

                ポーランドには現役中に4種類の自走砲、6種類の戦車があり、メンテナンスに迷惑をかけることは明らかだ。私の曖昧な記憶によれば、この現状は何度も「ほんの一部を仕入れただけで止まる」ことによってもたらされているはずです
                ただ今は正確な記載を見つけるのが面倒なので、私の個人的な推測としてもいいです

                0
                  • 航空万能論GF管理人
                  • 2025年 3月 31日

                  最終的に自走砲はKRABとK9、戦車はM1シリーズとK2シリーズに移行するのに、その移行期間に種類が増えてメンテナンスに迷惑をかけるってどういう意味ですか? 

                  なんでもかんでも悪い方に解釈しすぎでは? それともある日を境に何百もの装備が一度に切り替わらないと気が済まないの?

                  3
                    • やみと
                    • 2025年 3月 31日

                    以前からこのような問題は長く存在しており、今回の移行による問題ではないと思います。だから今回の移行でまた同じ轍を踏むのではないかと疑っています——つまり最後に実際の購入数は宣伝よりはるかに低くなり、移行を実現せずに純粋に一部の新装備を追加するだけだ

                    5
                  •  
                  • 2025年 3月 31日

                  さすがにソースも出せずに推測としてもいいですは草しか生えないっすよ
                  そーゆーのは他所でやってほしい

    • ためいけ
    • 2025年 3月 30日

    ルッテが言うように、イギリスやフランスの核は無意味ではないものの米国の代替とは決してなりえず、
    しかもNATOやEUのような枠組みに入らない限り恩恵を受けられないという極めて限定的なものになります。

    世界中の様々な大規模紛争を抑止してきたのは米中露の核兵器、そしてアメリカの圧倒的な非核軍事力です。
    もしアメリカなしの世界平和を目指すなら、アメリカと同等のスケールで世界中に派兵と駐屯ができる体制が必要ですが、今の欧州にその力も想いもないでしょう。

    自分は今のアメリカ一強が世界の戦争を抑止していると思っているので、
    あのトンデモ大統領のためにそれを崩すのは避けたほうがいいと思います。

    彼をうまくハンドリングするためにも、プライドやべき論は捨てた方がいい。
    彼と、彼の思想に影響された人間を考慮してもたった数年数十年我慢するだけで、それで今後数千万数億の命が救われる可能性があるので。

    今のフランスやドイツの動きは戦前の自国第一主義に戻っただけに見える。

    13
      • やみと
      • 2025年 3月 30日

      トランプ:じゃあお前らはもっと金をくれよ、今のアメリカには世界を守る余裕はない、これ以上続けるとアメリカ自身が過労死するぞ

      21
      •     
      • 2025年 3月 31日

      >今のアメリカ一強が世界の戦争を抑止している
      どうなんだろう。
      南米やアフリカ、東南アジアから見れば、アメリカの軍事力のおかけで、世界平和ですとは思ってないでしょ。
      アメリカの同盟国でもないし。
      地域紛争を防げているわけでもないし。
      21世紀になると、大規模戦争はアメリカ絡みだし。
      世界=西側 発想かな。

      5
    • 初めて(実は14回目)書く人
    • 2025年 3月 31日

    いまの欧州の政治状況は複雑だ。
    政治的には、
    1.国粋主義的党派(いわゆる民族主義者)
    2.移民が嫌いな、あるいは不安な人々
    3.穏健な保守
    4.あまりポリシーがない、利益で動く都市部の中道(これが実は3,5,6を支えてきた)
    5.「ヨーロッパ国」とでもいうべき「国?」をあがめる国粋主義者
    6.社会民主主義的な穏健左派
    7.急進左派
    8.環境などを重視する人
    9.移民
    と色々いて、選挙ごとに動くわけだが、移民問題が噴き出すと1が2,3を巻き込み、7,8,9も活発化して、旧来中心であった3,4,5,6が圧迫された。いまだに政権は何とか3,4,5,6の野合で保っているが、その中で5の勢力が過激化してきているのがこのウクライナ戦争中にわかってきたことだ。ウクライナの戦争をなぜ欧州がこれほどまでに止めさそうとしないのか。いろいろな理由があるだろう。フランスやイギリスはもはや不可能な、世界に影響力を保つという以前の夢が最後に喪失することを恐れていることもあるかもしれない。差し押さえているロシア資産の問題も噴き出すだろう。ウクライナでの犠牲者数についても嘘をついていたことがばれて問題化するだろう。ほかにもいろいろな理由がありそうだ。だが、一番根本の理由は、欧州がEUでまとまろうとしてきた「欧州国」のアイデンティティーが、もはや「ロシアを敵国とみなしていつまでも戦う」ことにしかなくなっているという悲しい現実がある(以前は「通貨統一によりアメリカに匹敵する巨大な経済圏を作って世界に冠たりたい」という夢がまだしもあった)。私は個人的にはロシアはウクライナで仮に勝っても、欧州まで攻め入るような馬鹿な真似はしないと思うが(それはロシアの自滅を意味する)、欧州は「ロシアが侵略してくる」ような誇大妄想を人々にキャンペーンしているように思える。なぜか。平和になったらもう「欧州国」は持たないからだ。
    この点、(本題はポーランドなのだが)ポーランドの動きはむしろ「欧州国」を目指すというよりは「国単位」で動いているものだろう。コメントを書く時いつも「アメリカは」とか「フランスは」とかは書きにくく、「トランプ政権は」「マクロン政権は」のように書かなければ真実を表さないような気がするのだが、ポーランドは「ポーランドは」と書いても差し支えないような気がする。

    23
    • 単純な概算は危険
    • 2025年 3月 31日

    もう少し戦術的な討議を踏まえて、必要な動員を出すべきだと思う。
    先ず兵士がいても、その訓練指揮には士官が何処まで要る?西側と同じ旅団制のウクライナみたいに兵士はいても訓練できない事も考えられる。歩兵、機甲、砲兵に加えてドローン、EWまで抱えて今の旅団制で間に合うか?師団制に戻すのか?
    ドローンを使える環境で歩兵に従来と同じ技能を求めるかも重要な議題。ロシア軍では戦術機動とか砲兵支援はドローンで後方の士官が勝手に差配するから、歩兵は小隊規模の訓練だけでもどうにかなってるとも聞く。西側諸国に受け入れられは絶対にしないんだろうけど。
    ドローン歩兵戦の黎明期だから士官の役割も兵士の役割もよく分からなくなってる。政治外交の問題は兎も角、西側の軍部同士で新しい軍隊のあり方について交流した方がいいんじゃないかな。

    7
    • 歩兵ってそんなに必要か?
    • 2025年 3月 31日

    個人的にはドローン、EW、砲兵、防空、航空の数を揃えて、協調さえさせれば契約兵しか使えない不利な状況で、西側諸国の支援を受けて強化されたウクライナ軍の総攻撃を防ぎ切るどころか、アウディウカでは逆襲まで出来たロシア軍の事例(2023年)をみるに、そんなに歩兵が必要なのか疑問ではあるんだけどな。
    ポーランドベラルーシ国境ってヘルソン〜アウディウカと大体同じくらいだしよ。

    7
    • もへもへ
    • 2025年 3月 31日

    はなから徴兵対象外だから威勢のいいこと言いまくる中高年や女性はともかく、現代西側の自由主義的思想をもった若者男性が自らの自由と命を投げ捨てて今時、国や国民を守りたいなんて思うものかね?

    しかも志願ではなく強制的な徴兵を支持するとか。

    ポーランドだけではなく、確かドイツはスウェーデンも徴兵制復活の支持が高いらしいが真に受けて本当に徴兵制再開したら大ブーイングになる可能性あるんじゃないか?

    今はロシアの脅威が喧伝されてるからそれっぽく道道的に受けの良い事は言うけどいざ自分が徴兵となったら大反対するか国外逃亡すると思います。

    今の国民世論は一瞬のお気持ちでその時その時の結果が出るが、皆もともとがお気持ちで衝動的に決めたから数カ月たったら真逆のこと言ってることはザラだと思う。

    14
      •  
      • 2025年 3月 31日

      逆に言えば、これまででは絶対に無理だったのが世相の流れに押されて今ならワンチャン復活あるかも?とも言える。しかしまぁ普通はわざわざ兵役が復活して喜ぶ親も若者もいないだろう。

      10
      • らっく
      • 2025年 3月 31日

      自由な世界を永遠なものにするために、これは最後の戦争だ。といって国民を引っ張ろうと思ったらその戦争の最終目標はロシア、中国の解体以外ではあり得ず、その行き着く先は世界核戦争です。といって勢力均衡によって実際には戦火を交えることのない新冷戦をはじめるとすれば、他への投資を控えて終わりの見えない軍備の拡張とその維持を続けて行くしかありません。
       結局、自由は持続可能な範囲の自由に限られるべきであり、それを享受できるものも持続可能な範囲に限られるのは仕方のないことだ。ということが新世紀の社会常識になって行かざるを得ないのでしょう。
      まずは通信会社を選択する自由が失われて各国とも国策のただ一社に絞られるのが第一歩になりそうですね。

      5
      • kitty
      • 2025年 3月 31日

      良心的徴兵忌避者で支えられていたドイツの福祉が、徴兵制度撤廃で崩壊ししかけた事がありました。
      外国人の雇用で凌いだのですが。
      我が国でも看護師不足に外国人を登用しようとしたのですが、待遇が悪すぎて「買い負け」して広がりませんでしたわ。
      自衛隊に外国人を採用しようとしても同じようなことにならないですかねえ。

      5
    •  
    • 2025年 3月 31日

    正直、どんな短くとも兵役義務を置くことで、自分や自分の家族がどこかの時期でほぼ必ず兵役につくわけで、そうなると自然国防への意識は兵役がないよりは生じるだろう。また自分や家族が兵役にいる間に戦争が起きたらたまったものではないと思うのは当然で、そうならないように選挙にも身が入るだろうから、兵役は戦争を避けるための抑止力としての兵力と外交力の増強につながるのかもしれない。

    14
      • やみと
      • 2025年 4月 01日

      『スターシップ・トゥルーパーズ』の原作のようなものでしょうか
      兵役経験者だけが参政権を獲得する
      いわゆる軍国主義ではなく、外交や戦争に対してより慎重になるようにすることだ。戦いたいリーダーが選ばれれば、有権者自身が優先的に戦場に送られる

      1
    • メロン
    • 2025年 3月 31日

    正直人に戦わせる事に慣れ過ぎた人達へいきなり戦え、というのは中々難しい
    アゾフ連隊やドネツクの民兵組織、カディロフのカディロフツィなんかは、
    元々チンピラ裏社会、格闘技などをやってたある意味暴力を生業としてた連中を核にしたから、あれだけ戦えてる
    まず心も体も弛んでるのが多いから、入口としてスポーツをやらせて徴兵対象の下地を作る方が先に思える
    君達は野球観戦で騒ぐんじゃなくて、君達が野球をやるんだ、的な
    そうすれば現実を知って、ネットで好戦的な事書く人も少なくなるんじゃないかな

    11
    • 風読み
    • 2025年 3月 31日

    大陸国家がロシア軍に対抗して徴兵に類似する話を復活させていくのを見ると
    海洋に守られる島国という立地はやはり有難く思いますね
    テクノロジーが発展した現代であっても大軍を渡海揚陸するのは依然として面倒くさい
    むしろ偵察衛星や対艦ミサイルの発達で近づくこと自体の難易度が上がってますしね
    日本がまた大陸に進出するような事態にでもならなければ徴兵制復活は必要ないと思ってますがどうなるでしょうか。

    6
      • T.T
      • 2025年 3月 31日

      日本みたいな、島が多く複雑な地形の海岸が続く地形の国が、水上自爆ドローンを大量投入するじゃ無いですか。上陸側としては、かなりやってられませんよね。

      2
    • 風読み
    • 2025年 3月 31日

    大陸国家がロシア軍に対抗して徴兵に類似する話を復活させていくのを見ると
    海洋に守られる島国という立地はやはり有難く思いますね
    テクノロジーが発展した現代であっても大軍を渡海揚陸するのは依然として面倒くさい
    むしろ偵察衛星や対艦ミサイルの発達で近づくこと自体の難易度が上がってますしね
    日本がまた大陸に進出するような事態にでもならなければ徴兵制復活は必要ないと思ってますがどうなるでしょうか。

    2
      • 風読み
      • 2025年 3月 31日

      ごめんなさい2回書いちゃった
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