ロシアと軍事的緊張を強いられているウクライナは国内の人材と技術を結集して有人戦闘機とのチーミングも可能なステルス無人機開発に乗り出した。
参考:ce oneace one AI powered combat drone with stealth technology and swarming capabilities
ウクライナが開発するエア・チーミング対応のステルス無人機はXQ-58Aと同じ「低コスト」を追求か
このステルス無人機開発プロジェクトは「ACE ONE」と呼ばれており、アントノフ設計局や国立宇宙機関で働いていた航空宇宙分野におけるウクライナ最高の技術者25人とモトール・シーチやプログレスといった主要防衛産業企業が協力して「スウォーミングシステムを備えたAI制御のステルス無人攻撃機」を開発するという内容で、公開されたプロジェクトサイトやプロモーション用の動画によるとACE ONE UAVのサイズは全長8m×全幅11m、重量7.5トン、最大速度マッハ0.95、作戦半径1,500km、約1トンまでの兵器をACE ONEのウェポインベイに搭載することができるらしい。
現地メディアはACE ONE UAVの機体デザインについて「米国のRQ-170やロシアのS-70と多くの共通点がある」と報じているが、恐らく同機最大の特徴は信じられないほど調達コストが安価な点だろう。
参考:ACE ONE надсучасний український багатоцільовий ударний stealth-БПЛА
ウクライナのキエフで開幕する防衛装備品の見本市「Armaments and Security2021」でACE ONE UAVのモックアップが展示公開されるらしいのだが、これに先立ちリリースされた文書によれば3機のACE ONE UAVと地上管制装置で構成されるユニットの平均調達コストは約1,200万ドル/13.2億円~1,300万ドル/14.3億円だと説明しており、単純に3機で割ると1機あたりの調達コストは4億円台になる。
追記:別のメディアの情報によるとACE ONE UAVの価格は1機1,200万ドル~1,300万ドルだと報じているのでよく解らなくなってきた。
参考:New Ukrainian combat drone costs over $10 M

出典:public domain XQ-58ヴァルキリー
つまりウクライナが開発するACE ONE UAVは米クラトス社が開発を進めているXQ-58A(300万ドル以下)と同じカテゴリーで、再使用を前提にしながらも戦闘での損耗に耐えられる「低コスト無人機」に分類されるという意味だ。
プロジェクトサイトには戦術航空機のコスト増加を打ち破り、有人戦闘機に無人機による護衛を提供するためACE ONE UAVを開発すると明記されているので、同機は各国が競うように開発を進めている有人戦闘機とのエア・チーミングを前提にしている可能性が高く、ウクライナ空軍が計画している次期戦闘機(F-16Vかラファール調達の可能性が噂されている)とのチーミングを想定しているのかもしれない。
関連記事:ギリシャで米国に勝利したフランス、今度はウクライナにラファールを提案か
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※アイキャッチ画像の出典:ACE
兵器の世界はUAVによる価格破壊が進んでますね~。今まで列強国での寡占から第三国への広がり方が速くてビックリ。
数年前までは大国の贅沢なオモチャ扱いだったのにな
今や航空戦力に劣る国々の必需品であり、その開発は技術先進国のステイタスにもなってる
こういう開発レースを聞くたびに、がんばれニッポンって叫んじゃう、内心w,
スタートが出遅れてもゴールで先頭に立ってれば優勝だもんな
問題はそのゴール設定だけど
ゴール設定よりも、まずはこの分野でスタート位置へ立つかどうかの国内メーカーの
経営判断が先でしょう。
海外でこの分野に進出しているメーカーは国の後押しはあるにしても、民間メーカーが
積極的に企画して新商品として軍事分野へどんどん売り込んでいます。
日本ではメーカー独自で攻撃兵器になり得る分野での兵器市場への参入はまだ忌避意識
が強いですから、軍事(兵器)分野への進出を経営側が忌避したらゴールもへったくれも
ありません。
後は国が旗振って取り組むかですが、それじゃ海外市場でどんどん実績積み上げて行く
民間メーカーには追いつけないでしょう。
1次大戦後のドイツみたいに民間(国営)会社作ってコソコソやるしか…
内部を民生品使いまくって徹底的にコストダウンを図るのかな
中枢回路に中華ドローンがまんま組み込まれていたりしてw
アントノフは機体販売が芳しくなく保守事業がメインなので、西側や政府から出資が欲しいところだろう
共同開発国でもできれば良いが
トルコやポーランドやイスラエルと組みそう
NATOがあてにならないせいで面白い組み合わせが勃興しつつある
多分すでにトルコが喰い込んでいるかと。
これまで有人機はどこにコストが掛かってたんだ?
というより、随伴無人機は何を削って安く仕上げてるんだ?
適用規格の見直しと、上の方で言及されてますがそれに伴う民生技術の大幅採用でしょうねえ。
それと実績のある量産部品を流用したり既存技術を出来るだけ適用するとか開発費削減も効くかと。
新規開発になりますが機体構造に一体成型材を多用するなんてのも量産コストを下げるでしょうね。
それにしても信じ難く安いですが。
(続き)
一つ忘れてました。
開発費削減には今後標準になるんだろうデジタルエンジニアリングの効用はあるでしょうね。
F-16Vとかでも高いのはセンサー部分だったりするし、センサー役になるような随伴無人機が無人だからってだけでそこまで安いってのはよく分からんけどなぁ
アンテナアレイだけ載せて信号処理するバックエンドは母機に任せるとかなのかなと勝手に想像してるけど
そこは有人機側がコストの雪だるまになってるから、かな。
戦闘機は高価だから一機を長く何にでも使える様に、と
多機能化し、モジュール化して将来的な拡張性を確保し、マルチロール化し、と詰め込んだ結果
開発費が高騰すると今度は、一国じゃ賄えん、と国際共同開発になって複数国の要望を詰め込まれ…(以下略
安価な無人機ならそこは別機種なり派生機なりを作れば良いからね。
無人機でも何とは言わんが一部の高価な大型機は同じ泥沼にハマってる様だけど。
>アンテナアレイだけ載せて信号処理するバックエンドは母機に任せる
開発中のヴァルキリーやロイヤルウィングマンはそれに近いか一歩進んだ段階じゃないかと私は推測してます。
当面は外部センサー/外部ウェポンベイの制御レベルなんじゃないかと。
自律飛行に必要なAI搭載は必須ですが、求められる能力によって制御レベルは変わります。
防衛装備庁が構想するF-X連携用戦闘型UAVは搭載AIについてグループ単位の目標達成のために次の実現を目標にしています。
①複数機が互いを認知し行動を相互調整可能なレベルの実現
②相対する敵機を認知し、協調行動可能なレベルの実現
③限定領域における敵機の行動を予測し、複数の僚機に任務を割り当てられるレベルを実現
①は来年度に予算化予定のセンサー型UAV研究開発での実証が見込まれます。
もしかしたらロードマップを先取りし②の実証も兼ねる計画かも。
③はその後の第4分類無人機での実証を目指すものです。クラウド・シューティングを念頭に置いているのでしょう。
③を実現するAIは技術レベルが高く現時点では見通しを得た段階にないと推測します。
しかしクラウド・シューティングはF-Xに求められる核心的機能ですので、是非にも実現しなければならない技術です。
米の技術レベルなら①②実現の難度は現状でも高くないと考えます。
ACE ONEはウクライナの英知を結集するようですので同レベルの自律性を目指しているのかと思います。
未処理の生データじゃ情報量多くなり過ぎないかな。
軍用・民間問わず有人機で最も高価な「部品」は常にパイロットだぞ
それは実運用コストの話であってここで言ってるのは機体のコストの話だよね。
とはいえ調達のコストも、与圧・酸素・温度・脱出その他の生命維持系から機体のサイズ、部品の精度・強度の様なハード面や
パイロットの命を危険に晒さないテスト(十分な地上試験など)や検証や対応等のソフト面、と
結局は人命のためにコストが掛かってるって話にはなるんだけどね。
※車の部品なんかでもエアバッグ関連みたいな人命に直接関わる部分用の部品は形も機能も大きさもほぼ同じ部品なのに要求精度も強度も値段も全然違ったりする(だからこそ十数年前のタカタの部品不良が大問題になった)。
まあ有人機と無人機の差は何だ、といやそりゃ「有人である事」だ、という面白くも何ともない当たり前の結論だわね。
パイロットを考えなくていいのはとても大きいですよ
機体サイズ、搭載量から生命維持、育成から救難を設計段階そして維持費から考慮しなくて済む
すべからく、社会における無人化はまさに人間というコストとリスクを軽減することに尽きます
専用の部品を作るとクソ高くなる
既成の部品は安い。
あとはデザインやソフトウェアの話
なんかハボックエンジンで作ったようなPVですな。
要点はまとまっていて伝わりますがね。
ウクライナはエンジンにレーダー、空母といったソ連の遺産を
表立ってではないが中国に技術移転してるから、2~3年後には
中国でも飛んでそう
ウクライナは中国と取引しているからラファールはわかんないけどF-16はアメリカの安全保障上の都合からシステムに組み込んでもらえない気がするんだが
ドイツ・フランスなんかも兵器の完成品ではなくパーツ・ユニットを中国へ輸出しているから大口取引を止めたウクライナの方が案外ましなのかもね
政権が変われば元に戻るのでしょうが
アメリカ海軍で予算の関係で開発中止となった、X-47Bの外形をもろにパクって形状ステルスケットとか、
凄いコストダウンですね。安く作れるはずで。。
ばれている パクリ しかもロシア オホトーニクのX-47B真似て失敗高額化マルチロール機にせづ 任務ごとに 機体だけ統一プラットホームにすれば 安さは達成できる ちなみにオホトーニク70億円 X-47B200億円。