英国が主導する第6世代戦闘機「テンペスト」プログラムは順調に推移しており、開発チームを主導するBAEシステムズは「数週間以内に国防省が次の作業に関する新しい契約を発表するだろう」と明かして注目を集めている。
参考:British ‘Team Tempest’ is itching to enter new fighter design phase this summer
欧州で進められている2つの第6世代戦闘機に関するプログラムは奇しくも同時に機体開発のスタートを切ることになる
英国は2018年にチーム・テンペスト(BAE、ロールス・ロイス、MBDA、レオナルド)と呼ばれる産業界のパートナーと共に未来戦闘航空システム(Future Combat Air System:FCAS)に関する初期作業を開始、これが現在の第6世代戦闘機「テンペスト」プログラムでフランス、ドイツ、スペインが開発を進めているFCASと区別するため「FCAS UK」とも呼ばれており、プログラム全体の概念設計及び評価フェーズ(concept and assessment phase)を行っている最中だ。
チーム・テンペストを主導するBAEシステムズの広報担当者によれば概念設計及び評価フェーズは順調に推移しており、今年の夏までに次の作業に関する新しい契約=つまりテンペストの基本設計フェーズに関する契約を国防省が発表すると明かして注目を集めている。

出典:BAE Systems テンペスト
英国が主導するテンペスト・プログラムの基本設計フェーズからはスウェーデンとイタリアが作業に関わってくると見られているが、あくまでスウェーデンとイタリアはテンペストの開発に国際的なパートナーとして参加するだけで英国と共同でテンペストを導入する予定はなく、特にスウェーデンはテンペスト開発に参加して得た技術や経験を元にグリペンEのアップグレード開発や次期戦闘機の開発を行うと昨年6月発表しているので今後も独自性を維持する可能性が高い。
イタリアも未来戦闘航空システム開発協力に関する覚書に署名した際に「このMoUは次世代戦闘機の取得を行う上で必要になる技術の研究開発や共同構想に関する活動に関係するものだ」と説明してテンペスト導入や共同生産については一切触れておらず、チーム・テンペストには開発国や国際的なパートナー国と関係のないボンバルディア(カナダ)、GEアビエーション(米国)、コリンズエアロスペース(米国)、タレス(フランス)といった企業も加わっており利益誘導に拘る国家主導の開発では考えられない開発体制が最大の特徴とも言える。

出典:Airbus
一方でフランス、ドイツ、スペインが開発を進めてる未来戦闘航空システム(Future Combat Air System:FCAS)も機体とエンジンの開発に関する基本的な合意形成に成功、今年の夏以降にデモンストレーター・フェーズ=つまりFCASの本格開発に移行することが予定されているので、欧州で進められている2つの第6世代戦闘機に関するプログラムは奇しくも同時に機体開発のスタートを切ることになるのだろう。
因みにテンペストに関する新しい契約の発表は議会が夏休みに入る前の7月に行なわれる可能性が高いらしい。
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※アイキャッチ画像の出典:BAE Systems テンペスト
他国に配備計画がない分 イギリスの要求仕様のみで口出されないには良いね
しかしイギリスさんは技術供与に関して相変わらず寛容
アメリカさんとは大違い
テンペストは完成品の開発を目標にしているわけではないので、どういう形の成果物を目標にするのかは興味があります。
アメリカと同じように普通にYF-XXのようなテスト機になるのでしょうかね。
そこから各国が自国仕様の完成品を開発するor技術習得のみで終わらせるのでしょうか。
プログラム・テンペストは最終的に英国の第6世代戦闘機実用化を目指す開発計画でしょ。
ただし開発参加国はテンペストそのものの自国採用を前提とせず、共同開発で得られる技術的知見を自国の次期戦闘機開発等に活用すると公表しています。(本記事解説の通り)
これでFCASも内輪で揉めてる場合じゃないと一致団結してくれたらいいんだが
人類史上初の偉業を成し遂げろって言ってるに等しいわけだけど
そんな無茶な…って感想しか出てこないw
FCASって英語なんだから仏独西に遠慮なく使えば良いのに(笑)
F-3のライバルたちか
F-3とどっちが強くなるんだろ
前にも言われてたけど運用者とシチュエーション次第でいくらでも変わるでしょ
そこんところ気になる。
日本の次期戦闘機の方が強いと予想する。
日本の次期戦闘機のコンセプトは、長大な航続距離/重武装/一定のマルチロール能力、対Fi戦闘での敏捷性/空中撃破/敵A2AD環境での生存性を備え、高性能センサ/ 全体ネットワークでの眼/機上での統合処理能力を備えるというものだ。ネットワーク戦闘の中心となって数的不利でもステルスFiを撃破し、一定のマルチロール能力も備える。
よって、中型戦闘爆撃機のテンペストなどとは異なり、日本の次期戦闘機は大型制空戦闘機となる。機体規模はエンジン推力/燃費に直結し、撃破目標/戦闘環境の差はセンサや火器管制能力にも影響を与える。
なので日本の次期戦闘機は空戦性能で優れたものとなるだろう。
凄い独り言だねぇ!W
反論になってないよ。
それこそ何の反論だよ。
全部それで済ますなよ。
上で述べたことに対する反論になっていないと言っているんだ。
何か上記に異論でも?
反論である必要があるのかな。
ブログのコメ欄に根拠のない妄言を書いても問題ないのと同様に、
具体性の薄い「評価」「感想」を書いたって別にいいんじゃないの?
まあどちらもまだ絵に描いた餅だから、どっちがどう優れてるか分からんわな
形状パッと見F-22っぽいのにblock2までミサイル半埋め込み式の今更4.5世代
仮想敵が空軍貧弱で陸軍大国なのにblock1はまさかの制空仕様
米製ミサイルが使えない
双発だからコスト的に輸出も苦戦しそう
といったKF21みたいにどちらかが見え透いた地雷ならともかく
>対Fi戦闘での敏捷性
2016年の防衛技術的シンポジウムでの将来戦闘機像でいえば、F-3は「機動性重視型」や「速度重視型」ではなく、「航続性&ウェポン重視型」の路線を選択している様に見えるので、敏捷性は期待出来ないと思います。
>中型戦闘爆撃機のテンペスト
テンペストの公開されてるモデルも、徐々に肥大化している様なので、F-3と同様に大型機で登場しても不思議ではないと思っています。
海外協力企業に期待するサポート業務に「ステルス性能と運動性能の両立」てのがありますよ。
つまりステルス性と運動性で次世代版F-22相当を目指しているんでしょ。
採用予定の推力偏向ノズルは運動性向上を意図したものですね。
推力偏向ノズルを使うことで動翼の使用頻度とか角度を少なく出来るのなら、ステルス性能維持の面でメリットあると思います。
前にも似たような書き込みがあったような
マジキチ速報管理人の溝口によるコピペかな?
F3は大型で対空時間が長く攻撃回数が多い
単体としてのポテンシャルは最強クラスになるだろうがコストや費用対効果の面でどうなるか
無人機との連携も重要な要素であるのでそこら辺が非常に不安
なぜ不安に思うんです?
UAVの開発が現状低調に見えるからでは?
対ステルス機な戦闘機よりのF-3に対して、
マルチロールな欧州次世代機と見ているので、
対マンな空戦ならF-3、対地攻撃は欧州次世代機が各々有利と予想します。
対マンなだけでなく、F-3部隊vs欧州次世代機部隊の部隊単位でも傾向が大きく変わらないかもしれないけど、
UAVもありだと、空戦でも欧州次世代機の方が優位かな?
まぁ、空想出来る内は楽しいですね。
英国軍事ニュースは最近明るい話題が増えてきたね
英国面のクセして独仏西よりコケる気配が無い、だと……
これは見逃せないですな
でも英国さんなら何かやらかしてくれる、と信じています。
英国面は伊達ではないと。
遂にテンペストちゃんもベールを脱ぐのか…グヘヘヘ…
単体、複数ご自由にお使いください。
①テンペスト開始、FCASのドイツ承認より前に発表
②テンペスト開始、FCASのドイツ承認より後に発表
③参加国や企業が増える
④参加国や企業が増えない
⑤新規CGや情報
⑥新規情報は無い
⑦要素研究開始
⑧部品等試作開始
⑨延期、中止
⑩日本政府参加
⑪アメリカ政府参加
⑫FCASと合流
⑬上記以外
予想①④⑤⑧
>⑩日本政府参加
日本のF-X用多機能レーダの日英共同研究が決定済で41億円の今年度予算も満額認められますから、双方メリットがあると判断した結果で、英側もその成果をテンペストに採用する意図があると見てかまわないでしょ。
事業自体は所謂「日英防衛装備・技術移転協定」に立脚するものですが、プログラム・テンペストの開発形態からすれば他の参加国と同様の立ち位置になるのかと。
同意です。
防衛省は次期戦闘機のエンジン・アビオの開発で米英と協力の可能性を追求する、と明言してますし、
リンク
英国国防省とのジェットエンジン認証プロセスに係る共同研究なんかもその準備の側面があると考えます。
リンク
ただ他の参加国(テンペストその物の開発に参加して得た技術を自国機の開発に適用できるけど、
自国機の技術情報も共有する必要がある?)よりは一歩引いた立ち位置にはなるんじゃないかな。