インド太平洋関連

インドのラファール導入に対するパキスタンの回答、中国からJ-10Cを25機導入

パキスタンのシェイク・ラシード・アーメド内務相は29日、現地メディアの記者団に対して「来年の建国記念日(3月23日)に予定されている式典に25機で編成されたJ-10C装備の飛行隊が姿を見せる」と明かした。

参考:Pakistan Orders 25 Chinese J-10C Fighters

JF-17/Block3よりも優れた性能を備えるJ-10C+PL-15の登場にインドはどう反応するのだろうか?

パキスタンのシンクタンク(House for Strategic&International Affairs/HSIA)は今年7月「パキスタン空軍は2021年中に36機のJ-10Cを受け取る予定だ」と言及して注目を集めていたが、管理人はパキスタン空軍が中国と共同開発したJF-17/Block3の導入(計50機発注)を始めたばかりなので「J-10とJF-17の同時調達は難しいのではないか?」と思っていた。

しかしパキスタンのシェイク・ラシード・アーメド内務相は29日、現地メディアの記者団に対して「来年の建国記念日(3月23日)に予定されている式典に25機で編成されたJ-10C装備の飛行隊が姿を見せる」と明かし、我々のJ-10C導入はインドのラファール導入に対する回答であると付け加えたらしい。

内務相が言及したJ-10Cは中国の成都飛機工業公司(CAIG)が開発したJ-10シリーズの最新モデルで、機体に使用された複合材料の適用範囲を増やし新開発のステルスコーティング(レーダー反射を抑制する塗料)と併用することでRCS値を大幅に減少させることに成功、さらに国産AESAレーダーやJ-10Bで採用を見送った国産エンジン「WS-10B(A/B使用時14.6トン)」を装備しており、西側製のシングルエンジン戦闘機と比較しても遜色のない戦闘性能を備えているというのが一般的な評判だ。

出典:Public domain パキスタン空軍のJF-17

両機の基本的なスペックを比較してもJ-10Cの方が最大速度、戦闘機半径、最大離陸重量、ペイロード、エンジン性能といった主要項目でJF-17/Block3を大きく上回っており、ラファールを調達したインド空軍との戦力バランスをとるためパキスタン空軍はJF-17/Block3よりも優れた性能を備えるJ-10C導入に踏み切ったのだろう。

因みに来年の建国記念日(3月23日)に25機で編成されたJ-10C装備の飛行隊が姿を見せるということは「既にパキスタン空軍へのJ-10C引き渡しが始まっている」という意味で、過去J-10の輸出仕様(J-10Aの輸出モデルFC-20やJ-10Cの輸出モデルJ-10CEなど)を幾つか発表してきた中国にとってパキスタン空軍のJ-10C導入は念願の「海外輸出」を叶えたマイルストーンだと言ってもいい。

出典:public domain インド空軍のラファール

果たしてミーティアを搭載したラファールとPL-15を搭載したJ-10Cとでは「どちらが優位なのか?」個人的に気になるが、インドメディアは過去に「ミーティアとラファールの組み合わせによる優位性は一時的なものに過ぎず、パキスタン空軍がPL-15の性能を活かせるAESAレーダー搭載のJF-17導入が進むとインド空軍の優位性は失われる」と報じていたことがあるので、JF-17/Block3よりも優れた性能を備えるJ-10C+PL-15の登場にインドはどう反応するのだろうか?

関連記事:JF-17Block3調達が始まったばかりのパキスタン、年内に中国からJ-10Cを36機導入?
関連記事:インド空軍、中国の戦闘機「JF-17 Block3」に対して仏製戦闘機「ラファール」は優位性を失う
関連記事:中国、米空軍も恐れるPL-15を搭載する第4.5世代戦闘機「J-10C」に国産エンジンを統合

 

※アイキャッチ画像の出典:L.G. Images / Public domain J-10B

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コメント

    • 無無
    • 2021年 12月 31日

    この同時調達の裏側には、パキスタンへの中国政府による融資か値引き優遇措置が隠されててもおかしくない
    目で見える戦争をしてなくても、こうやってライバル国は水面下で静かな戦争をしてるわけで
    今の平和を守り続けろと叫ぶお花畑さんの現状認識の甘さが笑えてくる
    水面に浮かぶ白鳥の見えぬ水かきの如く、優雅に見えても実は必死にやらないと生き延びられない

    24
      • ミリオタの猫
      • 2021年 12月 31日

      当然、中国はその様な優遇措置をやっているでしょう。
      中国にとってパキスタンは貴重な同盟国の一つで、兵器の共同開発までやっている仲ですし。
      その意味で、平和主義者は「戦争を招き寄せる者」と言い換えるべきだと思いますね…以前「暴走族」を「珍走団」と言い換えた人が居た様に。
      後、日本国内のミリタリーマニアの間では国産兵器の輸出云々が議論されていますが、日本ではこの様なえげつない武器輸出や技術移転は現状出来ない(防衛装備移転三原則で規制されている)ので、今後日本の生き残りの為にはもっとこの様な分野における議論を進める必要が有ると思いますね。

      14
        • ブルーピーコック
        • 2021年 12月 31日

        平和主義者が戦争を起こす byチャーチル

        平和を謳うのは構いやしないんですが、とりあえず領海・領空侵犯してくる国を無視するなよと。まあ本気で自分の行為が平和を呼ぶ考えてる構成員と、ビジネスでやってる上層部に言うだけ無駄なんですがね

        3
          • 匿名
          • 2021年 12月 31日

          領海侵犯はともかく軍用機の領空侵犯は滅多にない気が、、

          4
    • APSF
    • 2021年 12月 31日

    大晦日の更新お疲れ様です。
    来年も最新軍事情報よろしくお願いします!

    パキスタンに輸出されるWS-10の実力が気になりますね。やはりロシア製エンジンの方が良いとなるのか、それとも満足させる性能があるのか。

    13
    • jgp
    • 2021年 12月 31日

    パキスタン向けの054A型フリゲート(054AP型)は、中国軍の054A型より高性能な電子装備を搭載しているので、J-10Cに関しても中国軍の物より高性能な装備を搭載して輸出する可能性あり。

    1
      • FF-X7
      • 2021年 12月 31日

      高性能な装備が手に入って買い手のパキスタンも満足、様々な運用データを収集できる売り手の中国も満足、と。
      よく出来た関係ですねぇ…。

      2
    • 334
    • 2021年 12月 31日

    ってことは遠からずイランにも輸出される訳だ
    ラビ戦闘機を配備したイラン空軍を見てイスラエルはどんな顔するんだろ

    7
      • ブルーピーコック
      • 2021年 12月 31日

      「これはラビではない」が中国とイスラエル両国の見解なので、無表情でパイソン4を撃つんじゃないですかね

      2
        • JMW
        • 2021年 12月 31日

        ラビ戦闘機の開発者がJ-10Aのレーダーやアビオニクスの開発に協力したのは事実らしいけど、J-10の機体のベースはJ-9Ⅵだし、イスラエルはJ-10B以降開発に協力していない。
        J-10とラビ戦闘機は似て非なるものですよ。

        4
      • ファッツ
      • 2022年 1月 04日

      su-35の輸出の話出たので難しそうな気も。(貿易制裁解除で輸出型に使ってる欧州やイスラエル製部品の使用に問題無くなったとか)まぁJ-10Cとのハイローミックスやるなら無きにしもあらずですが。

    • ブルーピーコック
    • 2021年 12月 31日

    《JF-17/Block3よりも優れた性能を備えるJ-10C+PL-15の登場にインドはどう反応するのだろうか?》

    春頃までにSU-57Eの調達が正式発表されるかもしれませんね。F-35?ハハッ(苦笑)

    4
    • もり
    • 2021年 12月 31日

    J-10はかなり好きなスタイルですねカッコイイ
    開発経緯から現在に至るまでも面白い

    1
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