インド太平洋関連

韓国のハンファ、米国のAndurilと組んで米陸軍のUGV調達に挑戦

Andurilは米陸軍が実施する無人地上車輌の入札に「実績のあるハンファ製UGVをベースにした車輌を提案する」と発表、この入札にはシンガポールのST Engineeringも参加する見通しで、米陸軍のUGV調達にアジア企業2社が参加するという点でも注目に値する。

参考:Anduril Industries to partner with Hanwha Defense USA on the U.S. Army’s S-MET program
参考:한화에어로스페이스, 美육군 ‘다목적무인차량’ 사업 도전

米陸軍のUGV調達にアジア企業2社が参加するという点でも注目に値する

米陸軍が実用化を進めている無人地上車輌は「有人車輌に随伴できるRobotic Combat Vehicle=RCV」と「歩兵に随伴できるSmall Multipurpose Equipment Transport vehicle=SMET」に別れ、RCVは10トン以下のRCV-Light、20トン以下のRCV-Medium、30トン以下のRCV-Heavyで構成されており、2023年9月にRCV-Lightの開発契約がTextron、GDLS、McQ、Oshkoshの4社に授与された。

出典:Photo by Kevin C Mcdevitt RCV-Mのプロトタイプ

RCV-Lは回転翼機での輸送を想定し「戦闘での損耗は許容される消耗型システム」と、RCV-MはC-130での輸送を想定し「RCV-Mは戦場での生存性がRCV-Lより高い」と、RCV-HはC-17で2輌の輸送を想定し「既存の敵車輌を打ち負かすことができる直接射撃兵器が搭載され、有人車輌並な戦場での生存性を備える」と定義され、今のところRCV-MとRCV-Hは要求要件を決めるための研究段階に留まっている。

歩兵に随伴できるSMETは直接射撃、関節射撃、物資輸送、ISR、EW、C-UASなどの任務に対応が予定されているマルチプラットフォームで、米陸軍は2020年7月にSMETの第一弾としてGDLSのMUTTを採用したが、昨年10月に第二弾(SMET increment2)の入札を行うと発表、これに参加するAndurilは先月末「実績のあるハンファ製UGVをベースにした車輌を提案する」と発表。

実績のあるハンファ製UGVとは国防総省の比較評価プログラム(FCT)に選定され、昨年12月にハワイの演習場でテストされたArion-SMETのことで、ハンファ・エアロスペースは「FCTでArion-SMETの優秀性を再び実証した(既に在韓米軍がテスト済みなので再びという表現)」「今後も世界のUGV市場に向けてArion-SMETの優秀性と競争力を証明していく」述べていたが、あのAndurilがハンファ・エアロスペースと手を組んでSMETに挑戦するというのだから驚きだ。

ハンファ・エアロスペースは「Andurilとのパートナーシップは同社の素早い対応力と革新性を米国市場で披露する絶好の機会だ」「SMETへの挑戦を通じてArion-SMETも技術的に飛躍を遂げるはずだ」と自信を見せており、Andurilも「同社のソフトウェア開発能力、ハンファ・エアロスペースの製造能力、Forterraの無人技術開発能力を組み合わせて誰でも簡単に扱える高度なUGVを作る」と述べてるのが興味深い。

因みにSMET increment2の入札にはTeledyne FLIR、GDLS、Rheinmetall、ST Engineering、HDTが参加する見通しで、これにアジア企業2社が参加するという点でも注目に値する。

関連記事:陸上戦も無人化の波、米陸軍が無人戦闘車輌の開発契約を間もなく締結
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関連記事:米メディア、AUSA2022で韓国は防衛産業としての地位を示す

 

※アイキャッチ画像の出典:Hanwha Aerospace

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コメント

    • 2024年 3月 09日

    最近、空自基地警備隊がロボット犬を導入したと広報したが、それは韓国防衛大企業LIG NEX1が昨年買収したGhost Roboticsの製品だった。

    米国最高の2足歩行ロボット会社(Boston Dynamics)と4足歩行ロボット会社(Ghost Robotics)がすべて韓国会社の所有となった。

    4
      • ネす
      • 2024年 3月 09日

      苦手な先進的なものは輸入で補えるものは輸入で補えばいいんですよ

      無理に作ろうとしても世界シェアを握っている韓国より優れたものは作れないのは明らかですし、
      そのうえ価格も遥かに高価になるでしょう

      4
      • 牛丼チーズ
      • 2024年 3月 10日

      アメリカ政府は防衛分野の重要企業が外資に買収されるというのに気にしなかったんですかね?

    • 58式素人
    • 2024年 3月 09日

    昔の94式軽装甲車みたいなものが必要になったのでしょうか。
    歩兵と共に活動出来て、歩兵の盾にもなれるし、他方で補給品の運搬もできるような。
    ならば、ドイツにウィーゼルという実例があると思えるのですが。
    これがまた、要求が積み重なって来ると、歩兵戦車になったりするのかな、と思ったり。

    0
    • あああ
    • 2024年 3月 09日

    MUTTが自走リヤカーでしたし追加導入分も形態こそ違えど同じ範囲だろうと思う。10t無人戦車は画像の通りでMCT30等の中口径RWS用の装軌車体って感じでしょうが、まあ自走砲台ですかね。
    問題はこれを20t、30tとした所で下車兵が乗るわけでもないし対AFVもやるなら105mmになろうかと思うがストライカーMGSのあの装填装置で無人なら大丈夫やろでまたやるんかいな?
    しかしMPFで既にM10があるのに協同用ですか?もしかしたら米軍の105mmニーズは拡大で海兵戦車代替でACVのMGSも登場するか分からん。米国地上軍の優位性は圧倒的数と質のAHによる部分が大きいが今後これが通用する見通しが暗く、その上は海空共にF35となればAFVでガン復権は確かに分かる。
    となるとここで再注目されるのは無人の車体は当然ながら105mm用のALSではないか?

    1
      • 58式素人
      • 2024年 3月 09日

      ”105mmニーズは拡大”
      素人は、現存兵器の中では、106mm無反動砲M40が
      向いているのでは、と勝手に思っています。軽いし。
      米軍は、昔、これの機械装填を一度検討したようだし。 
      スウェーデン製HEAT弾で700mmを貫徹するそうだし。
      その意味で、日本の60式自走無反動砲のコンセプトは
      再検討されるべきでは、などと思っています。
      もちろん、紙装甲は厚く、機械装填も実現すべきと思いますが。
      主機もハイブリッドにして、モーター駆動時に低騒音で動けるようにして。

        • あああ
        • 2024年 3月 09日

        確かに米軍までも84mmの採用範囲は拡大してますから、あの弾薬を使う車載火力システムは間接照準機能も追加で大いにニーズはあると思う。弾種も多用で低価格でTKGが比較にならんほどの超軽量化が可能です。
        対装甲は別にミサイル使って撃ち合う可能性の無いAPC以下のみ狙うのであれば84mmで十分でしょう。当てる能力は無反動砲って実は結構ある。同じ肩撃ちでもRPGの3倍先を狙える精度はあるわけです。
        車載化に必要な装填機構はMGSのオーバーヘッドマウント砲塔がまさに答えです。車上にバックブラスト出して排莢するが出来る。無反動砲なのだから車体は小型軽量の装輪でも別に十分です。
        そこまでせずともリボルバー弾倉化した84mmを軽車両用RWSで搭載するだけで相当な火力手段にはなるだろうと思います。ストライカーのMGSが105TKGでなく106RRならどんだけ開発も楽だったかと思います。

        3
          • 58式素人
          • 2024年 3月 09日

          ”相当な火力手段にはなる”。同意です。

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