シンガポール国防省は実機による評価をスキップして「F-35Bの追加購入オプションを行使する」と発表、新たに8機を購入してF-35Bの保有数を計12機に拡張する予定で「F-35の将来に何の疑いもないとシンガポールは確信した」と報じらている。
参考:Singapore Commits To F-35B Stealth Jets With Follow-On Order
二次契約が話題になる頃は有人機+無人機の組み合わせで更新するという選択肢も登場しているはずだ
シンガポールはF-35プログラムに安全保障協力参加国(SCP)の資格で参加、2016年にF-16の後継機としてF-35Bを選定して2020年に4機を発注したが、この契約には追加購入(最大8機)のオプションが設定されており、シンガポール国防省は「最初の4機は本当にF-35Bが自国のニーズの適しているのか評価するために用いられる」と説明していたため「実機による評価後にオプションを行使するかどうかを検討する」と解釈されていた。
With the completion of F-35 evaluation, MINDEF will be exercising the option to purchase another eight F-35Bs.
These technologically advanced F-35Bs will ensure that the RSAF remains future-ready and effective in safeguarding Singapore’s skies. https://t.co/SFHB48zrdT
— The RSAF (@TheRSAF) February 24, 2023
F-35Bの引き渡しは2026年から開始されるため、シンガポールがオプションを行使する=追加発注をするのは早くても2020年代後半になると予想されていたが、ウン・エンヘン国防相は「F-35Bが我が国の現在及び将来の防衛ニーズに最も適しているという結論に達した。さらに8機を取得し2020年代中に保有機体を追加する」と発表して注目を集めている。
つまりシンガポールは実機による評価を1度も行うことなく「F-35Bの追加購入オプションを行使する」という意味で、米ディフェンスメディアは「F-35の将来に何の疑いもないとシンガポールは確信したようだが、12機目以降の発注がA型に切り替わるのか、B型のまま行くのかは実機による評価次第だろう」と報じているのが興味深い。

出典:Alert5/CC BY-SA 4.0 シンガポール空軍のF-16D
シンガポール空軍は60機のF-16C/Dを運用しているため「そう遠くない将来にF-35の追加発注を行う」と考えられており、空軍関係者も「将来の発注にF-35Aは候補として残っている」と述べているが、適時に保有するF-16にアップグレードを施しているためF-35への更新を急ぐ必要(Block70/72へのアップグレードに踏み切ればF-35への更新は更に遠のく)はないので、シンガポールのF-35に関する二次契約が話題になるのは当分先の話になる。
その頃になれば無人機とのチーミングが実用化されている可能性が高く、60機のF-16C/Dを有人機+無人機の組み合わせで更新するという選択肢も当然検討されるだろう。
関連記事:シンガポール海軍の新戦力、トマホーク搭載可能なインヴィンシブル級潜水艦
関連記事:シンガポール軍がサイバー部門を第4軍化、新領域の重要性は陸海空に劣らない
関連記事:イスラエルとシンガポールが狙う東南アジアの対艦ミサイル需要
関連記事:シンガポール、超音速飛行に対応した無人航空機「アロー」の初飛行を来年実施か
関連記事:仏伊独占を打破、シンガポールがUAE海軍から艦艇設計や建造支援に関する契約を受注
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Drew Verbis/Released
現在は友好的な関係ですけど、一応最大の仮想敵関係であるマレーシアはどうするんでしょうね。FA-50買ったばかりだしそうそう付き合ってもいられないと思いますが、これでASEAN地域でのF-35購入が広まってくれたら既存ユーザー的には多少恩恵があると思いますが…
シンガポールはF-3の潜在的な顧客と思うから、12機目以降の話は、そんなに急がなくても。
本当のところは米国に聞かないとですが。
素人の思うに、現在、豪州とシンガポールに売却していますが、
東南アジア地域はこの2ヵ国で終わりなのではないでしょうか。
インドネシアもタイも要求はしているようですが、
インドネシアにはF15が渡されるようですし、
タイに対しては検討をしていない印象ですね。米・中との間でコウモリですし。
もっとも、中共の出方次第というところはあると思いますが。
マレーシアとの関係でシンガポールのF35の数量は制限されるのではないでしょうか。
資格があるとすれば近隣に脅威が無いニュージーランド位ですね
空軍御固定翼機を廃止して早何十年のお国ですが
今でも対潜哨戒機よ輸送機は運用しているみたいですね。
ひょっとしたら、戦闘機/攻撃機の復活もあるかもですね。
シンガポールの国土の広さを考えれば、運用して見ないと分からないのは確かだがベストではないがF-35Bがベターに見えるわな。
コストパフォーマンス、ライフサイクルコストがどの程度上がるかの勝負になるのでは?
記事のF-16が60機というのが引っかかって調べたら
シンガポールって、隣国のマレーシアどころか、インドネシアすら超えて台湾と変わらない軍事予算なんですね!
予備役含めたら30万規模というのがびっくりしました。
F-16を持ってる事は知ってましたが、せいぜい10機未満で海賊対策程度であって
軍事は戦争しても島が小さすぎてどうせ勝てないから国内治安維持と小さな紛争程度の規模かと思ってました。
F-35を買うという所からそもそも金持ちの娯楽品と思って記事開けたんですが
シンガポールさん戦争になったら戦う気満々じゃないですか
地積のない国ですからね。
今でも、ジョーホールバルからブキテマ高地を陥されれば、
降伏しかないでしょうし。(水道が壊滅ということかと)
内地だけでなく、外地で戦うことを前提にしているものと思います。
高速道路からF-15SGやF-16を飛ばしているシンガポール空軍からすると
300mの滑走距離で飛ばせるF-35Bは魅力的な機材でしょうね。