インド太平洋関連

台湾は2027年までに2隻の新型潜水艦を配備、後期型は対艦ミサイルを搭載

ロイターは25日、台湾が28日に進水式を行う予定の新型潜水艦について「2027年までに台湾は2隻の新型潜水艦を配備する予定で、後期型は潜水艦発射型ミサイルを搭載することになる」と報じている。

参考:Taiwan expects to deploy two new submarines by 2027, security adviser says
参考:Taiwan to unveil first locally built sub; US, half-dozen countries help with tech

台湾の新型潜水艦はディーゼル+リチウムイオン電池方式で、MK-48とハープーンで武装か

台湾海軍の潜水艦戦力は1980年代にオランダのズヴァールトフィス級潜水艦をベースに建造された海龍級潜水艦(2,300トン)2隻、第2次大戦中に米国で建造されたテンチ級潜水艦(2,420トン)2隻を合わせて計4隻で構成されており、あまりに時代遅れなため何度も後継艦の調達が浮上したが中国の圧力によってことごとく潰されしまう。

出典:Negatieven en Dia’s voormalig Instituut voor Maritieme Historie/CC0 ズヴァールトフィス級潜水艦

この状況に変化が生じたのは2018年で、当時のトランプ政権は潜水艦建造に必要な技術や部品の台湾売却(AN/BYG-1ベースの戦闘システム、MK-48と関連機器、ソナーシステム、潜望鏡)を、英国も1.67億ポンド相当の潜水艦に関連した技術と部品の輸出を承認したが、台湾で潜水艦建造を支援している国(米国、英国、フランス、インド、オーストラリア、カナダ、スペイン、日本、韓国などの名前が浮上)については謎のままだ。

2020年11月に高雄で建造が開始された1番艦はスケジュールが前倒され、2023年9月に進水予定(2025年就役予定)と発表されていたが、台湾メディアは「9月28日に高雄の小港区で進水式と命名式が行われる見込みで、政府高官や各界の代表者が式典に出席する」と報じており、潜水艦プログラムの内部説明会に出席したロイターも「台湾は2027年までに2隻の新型潜水艦を配備する予定で、後期型は潜水艦発射型ミサイルを搭載することになる」と報じている。

出典:public domain コリンズ級に搭載されている戦闘システム「AN/BYG-1」のトレーニングを行うオーストラリア海軍将兵

プログラム責任者を務める黃元大将は「ロッキード・マーティン製の戦闘システムとMK-48を搭載する新型潜水艦の建造コストは15.4億ドルで、後期モデルには潜水艦発射型の対艦ミサイルを搭載するスペースを設ける予定だ」と明かしたが、これを追加できるかどうかは「逼迫している米国の生産能力次第だ」と述べており、建造に必要なコンポーネントや技術の輸出許可については「米国、日本、韓国、インドを含む国々の軍事関係者と接触した。我々の考えに賛同してくれた軍事関係者は自国政府にメッセージを伝えたり、会談の場をセッティングしてくれたため輸出許可を得るのに役立った」と明かした。

さらに黃元大将は「英海軍の元少将が率いるチームが大きな助けになった」と謝意を述べ、このチームはジブラルタルに拠点を置く企業を通じて「英国からの輸出許可」を確保してくれたらしいが、逆に台湾との協力を中国大使館にリークされた海外企業の中には「土壇場で手を引いた企業もあった」と明かし、黃元大将が示唆した企業と恐らくドイツ企業(+トルコ企業)のことだろう。

出典:海上自衛隊 潜水艦「たいげい」

米ディフェンスメディアのBreaking Defenseは潜水艦発射型の対艦ミサイルについて「魚雷発射菅から発射するバージョンのハープーンの事かもしれない」と指摘しており、これまでに報じられた情報や噂を総合すると台湾の新型潜水艦は「たいげい型」と同じディーゼル+リチウムイオン電池(自主開発)方式で、MK-48とハープーン(後期型のみ)で武装することになる。

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関連記事:台湾メディア、待望の国産潜水艦が9月28日に進水式を行う予定
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※アイキャッチ画像の出典:台湾国防部 国産潜水艦の模型

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コメント

    • たむごん
    • 2023年 9月 28日

    日台関係、経済関係・安全保障の両面において極めて緊密な関係であり、建造支援の可能性がある事も素晴らしいです。
    中国への牽制にも、繋がりますね。

    台湾が、新型潜水艦を保有する事は、台湾海峡・バシー海峡の防衛において、好ましいと考えます。

    ====================
    管理人様、保守管理、お疲れ様です。

    32
      • 偏頭痛
      • 2023年 9月 28日

      実際は別として、名前を出すだけで効果があるよね
      日本の潜水艦を日本人より知っているであろう中国に対しては、日本の技術が含まれている「かもしれない」だけで実態以上の圧力、抑止力になりそう
      日本の現状、表立って支援することはできないだろうから台湾のこれはうまいこと使ってきたなーって思う
      実際の戦闘力を構成してるのは英、米国製コンポーネントだとしても、諸外国との協力関係をしっかりアピールしていく台湾のしたたかさが光るね

      7
        • たむごん
        • 2023年 9月 28日

        仰る通りです。
        「かもしれない」は、抑止力になりますよね。

        他国の軍艦が、出向くよりも、外交的な軋轢を減らせる事もメリットが大きいように感じます。

        4
    • ブルーピーコック
    • 2023年 9月 28日

    進水まで早かったな。まだ艤装とか試験とかあるだろうが、何にせよおめでとう。

    管理人さん、いつもお疲れさまです。コメントを削除された経験のある自分が言うのもなんですけども、コメント欄の変遷を見てきた身としては、よくぞサイトを続けてくれたものだと思っています。

    33
    • 58式素人
    • 2023年 9月 28日

    模型を見ると。
    ズヴァールトフィス級をリファインしてアルバコアのX舵を付けたように見えますね。
    ”ロッキード・マーティン製の戦闘システムとMK-48を搭載する”
    完全に動けば、個艦の戦闘能力は海自潜水艦と同等以上では。
    ”「たいげい型」と同じディーゼル+リチウムイオン電池(自主開発)方式”
    変にAIPに頼るよりは順当ではないかと思います。
    思うのですが、これは日本もですが。
    海中での非接触式の充電ポイントを設けても良いのでは。
    UUVでは実例があるそうですから。待ち伏せには最適なような。

    4
    • TA
    • 2023年 9月 28日

    イギリスが手を引かなかったのは香港も尾を引いてるのかな

    2
    • YF
    • 2023年 9月 28日

    各国で運用されてるAIP方式ではなく現状運用してる国が日本しかない「たいげい型」と同じディーゼル+リチウムイオン電池方式という時点で色々察する事が出来ますね。

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