豪国防省は汎用フリゲートの調達について「ドイツ、スペイン、日本、韓国に情報提供の要望書を5月24日に送った」と明かし、Defense Newsは「各国の造船所はフリゲート艦を現地建造する方法について説明するよう求められている」と報じた。
参考:Australia fast-tracks its hunt for replacement frigates
少なくとも秋までには各造船所からの提案が出揃うはずだ
アルバニージー政権は海軍再編に関する分析結果を今年2月に発表、この報告書は政府に「水上艦戦力を2倍に増やせ」と求めており、具体的にはハンター級フリゲートの取得数を9隻→6隻、アラフラ級哨戒艦の取得数を12隻から6隻に削減し、有人運用も可能な大型無人艦(6隻)と汎用フリゲート(11隻)を取得するよう勧告。
汎用フリゲートの取得はアンザック級フリゲートの後継艦を想定しており、報告書は検討候補にドイツのMEKO A-200、スペインのAlfa3000、日本のもがみ型、韓国の大邱級BatchIIもしくはBatchIIIを挙げていたが、アルバニージー政権が勧告に従うかどうか、仮に従った場合でも汎用フリゲートに対する要求要件や調達スケジュールなどは一切不明で、この報告書も汎用フリゲートの調達について「海外で3隻、西オーストラリアで8隻建造すべきだ」としか勧告していない。
この件について豪国防省はDefense Newsの取材に「政府はProject Sea 3000(汎用フリゲート調達のためのプロジェクト)のため、ドイツ、スペイン、日本、韓国の造船企業に情報提供の要望書を5月24日に送った」「公正な調達手続きに基づく評価が進められているため、これ以上の詳細は明かすことができない」と述べた。
Defense Newsは「要望書に対する回答期限として各造船所は4週間の猶予が与えられた」「オーストラリアでフリゲートを建造する方法を説明するのに3週間の追加猶予も与えられた」「Project Sea 3000の選定は2025年中に行われ、海外で建造される1番艦の就役は2030年を予定している」「オーストラリアで建造される4番艦から6番艦までは同一仕様になるが、7番艦以降の仕様をどうするかは決まって無い」と報じており、少なくとも秋までには各造船所からの提案が出揃うのだろう。
因みに読売新聞は先月7日「オーストラリアの汎用フリゲート導入には日本、スペイン、韓国、ドイツの艦艇が導入候補に列挙された。年内にも具体的な要求性能などを明らかにし、各国に共同開発を提案すると見られる。既に防衛省は三菱重工業などと非公式の協議を始めており、豪政府の対応を踏まえて検討作業を本格化させる方針だ」「防衛省は豪政府が求めてくる装備や機能を追加したもがみ型ベースの艦艇開発を検討している」「日豪で艦艇を共通化すれば相互運用性と抑止力の向上が図れる他、国内の防衛産業への経済的効果も期待できる」と報じた。
さらに「日本はオーストラリアの次期潜水艦受注を逃した経験があり、汎用フリゲートの導入候補に列挙されたスペインと韓国には豪軍装備品の開発に関わった実績がある。受注競争は激しくなると見られ、日本政府はライバルとなる3ヶ国の動向や提案内容も注視する構えだ」とも指摘している。
ライバルとなる韓国のHanwhaは「米造船業界への投資」を兼ねてAustal買収に動いており、Austal側も「豪海軍や米海軍の元請け企業としての立場、防衛契約に関する所有権事項を考慮するとHanwhaの買収案は豪米当局から承認される可能性が低い」「Hanwhaが豪米当局の承認について追加の確実性を提示できれば当社はさらなる関与に前向きだ」と含みを持たせているため、もし買収が成立するとHanwhaは汎用フリゲートの受注戦で著しく有利になるだろう。
現代重工業もGE Aerospaceと「輸出向け艦艇に最適化された推進システムの共同開発」で合意、現代重工業はグローバル市場向けの艦艇設計・建造を、GE Aerospaceは同艦艇向けのガスタービン供給を担当し、輸出向け艦艇のMRO事業やオーストラリアが調達を検討している汎用フリゲートなどでも協力する構えだ。
ドイツとスペインの動きは観測されていないものの、この手の入札で勝利を勝ち取るのは「突き抜けた艦艇の性能」ではなく「どの提案がオーストラリアのニーズを満たしているか」で、オーストラリアのニーズとは海軍の要求要件と産業界の雇用を意味し、提案内容の評価で差が出やすいのは現地建造を通じた豪産業界との協力やサプライチェーンの現地化など「海外建造に関するマネージメント能力」だろう。
関連記事:日本も豪海軍のフリゲート調達に参戦、もがみ型ベースの艦艇開発を検討
関連記事:豪シンクタンク、もがみ型の取得で海軍再編が上手くいくかもしれない
関連記事:オーストラリア海軍の再編計画、汎用フリゲートの検討候補にもがみ型が浮上
関連記事:豪州が海軍の戦力構造を小型艦中心に変更か、ハンター級が削減の対象に
関連記事:韓国のHanwha、米軍プログラムの元請け参加が可能なAustal買収に動く
関連記事:現代重工業がGE AerospaceやL3Harrisと提携、豪海軍や加海軍の受注戦で協力
※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊
普通にハンファが受注なんだろうな
本命の米国に食い込むための布石だからかなり条件良くするだろうし安く受注しそうだよね…
日本は、受注できる気がしねぇ。
そこは欧州勢でしょ
なんでイタリア抜きなん?
イタリアだから
” 汎用フリゲートの取得はアンザック級フリゲートの後継艦を想定しており”
アンザック級はMECO200型ですから、今度もドイツの船に欧州製の装備類では。
”韓国のHanwhaは「米造船業界への投資」を兼ねてAustal買収に動いており”
先日、オーストラリアが買収を拒否していたと憶えています。変わったのかな?。
米国製の推進系を入れると、また、ギヤボックスで揉めそうな気がします。
アンザック級でディーゼル×2機とガスタービン×1機を1軸に纏めて、更に2軸に
分配するような事をして、コスト削減で味をしめているようだから、要注意では。
誰が請けてもその辺りで苦労しそうな気がします。
と勝手に予想します。
日本の兵器は、国際競争力が低いですが、色々とチャレンジしていって欲しいですね。
トライ&エラーを繰り返していけば、改善していく面が増えていくと思います。
一番ネックなのはオーストラリアって製造業向いてないんじゃないかという点かな
コストかかりすぎでトヨタですら匙を投げるレベルだし
実際日本が選ばれなかったらネットではコストや技術移転などとにかく色々並べてオーストラリアが悪い選ばれなくて良かったと現実逃避するでしょうね。
そもそも最初から選ばれるべきではないと思ってるけどね
オーストラリアで作られた船の製造責任なんて(法がビジネスより優先される)日本には取れないし
あとオーストラリアで工業が発展できないのは、常に水が不足してるというどうしようもない事があるから
そういった真っ当な理由があるのに現実逃避と解釈するのはバイアス掛かり過ぎではないかと思う
要求考えると一番手をくわえないで良さそうなのは、ドイツ、スペインかなー
隠しきれない当て馬感
既に指摘されていますが、当て馬としてすら実力不足では
国際競争力から考えてHanwhaに勝てるわけがない
技術力、コスト、知見ノウハウどれをとっても日本じゃ足元にも及ばんでしょうに
日本の役所はやってる感だけの無駄な仕事ばかりで、実態が何もない
そりゃ30年成長しないわけです
話に食い込んで情報収集が目的であればまだ良いんですが、この手のって自衛OBが絡んでて内だけの権威が何処でも通用すると勘違いしてたりするんで困ったものです。
付き合う企業は災難ですが逆に現実を理解してくれる一助となってると思えば、まだなんとか?
韓国が選ばれてるのは安さ、納期、現地生産や技術供与への柔軟さであって技術力ではない(最低限求められる技術力はある)
なので技術力や製造ノウハウでは古くから造船業のある日本に利がある。
国民一人当たりのGDPは韓国に既に逆転されたし
失った白物家電や半導体や造船に代わる新たな魅力的な輸出商品を創造できず毎年膨大な貿易赤字を垂れながしている現状
この技術力
日本>韓国って
いう時代劇の決まり文句的な言葉は本当に現代でも正しいのか?
一人当たりGDPなんて技術力の大小と全く関係がない
そうなら韓国は台湾に負けているというロジックになる
まぁ実際、韓国唯一の頼みに綱の半導体じゃ負けてるけど
少なくとも「安全性」においては言える
だって、耐圧可能深度で水中圧壊する潜水艦を作ったり
作って一年で落ちる橋を造る
この韓国と一緒はさすがに無理がある
ちなみに、韓国は2024年の家計債務比率がGDP比で100%超えの4年連続で「34カ国中1位」だそうです。
経済状態は文字通り火の車で日本よりヤバいですよ?
米国の高金利政策から生じた為替変動を考慮せず、ドルベースのGDPだけを尺度にするのはいかがなものかと。
韓国の新聞が好むランキング万歳のの記事と全く同じ手法ですね。
より実質的な比較が出来る購買力平価での比較が良いでしょうか?
こちらはかなり前から日本は韓国に負けてますが…
何が問題かというと
かつては凡ゆる計算方法で日本は韓国を台湾をそして香港ですら圧倒していたという点です
失われた40年で日本はアジアにおける例外的地位を自ら放棄してしまいました
どちらが上か下かではなく、GDPや購買力のような単純かつ相対的評価の指標に付き纏う「平均」の意味をよくお考えになることををおすすめします。
加えて人口、雇用、労働構造、社会構造や各指標の計算方法に各国でかなりの差異が存在することも重要です。
特に韓国におけるGDPの計算方法は、少なくとも日本においてはGDPに参入されない金額もガッツリGDPに取り込んでいますので。
管理人様に迷惑を掛けてしまうので、こちらからはこれで終わりにします。
経済ニュースこまめに見てない方はご存じないかも知れませんが、一人当たりGDPは再逆転してるんですね。
ドルベースの数字で、この円安の中で
しかもさ、高齢化率は日本の29%に対して韓国は17%弱。
日本の労働力一人当たりGDPって、国民一人当たりGDPの2倍近いんだよね。
しかも欧米(役員とか)と異なり、就業している高齢者(再雇用や嘱託)の平均所得は極めて低い。
まあそれでもOECD平均の8割程度にしかならないが、あちらさんは金融など利益率の高い産業メインの国やTax Haven的な国が平均を持ち上げているので。。。
それなりの製造業(どの国だろうと利益率は低い)を維持してこの数値は馬鹿にしたものじゃないと思います。
金融やICT業界に振り過ぎて、製造業が怪しくなっている欧米の最近のゴタゴタを見ると余計に。。。
技術力や製造ノウハウを知らない人間ほど、曖昧なモノに縋り付きますね。
アメリカのゴタゴタを見てると吊るしでフネを買った方が良いと思う。手をいれるのは調理器具や入浴設備くらいにしておかないと。
潜水艦みたいにだれも得しない流れになりそうでこわい
既に指摘されていますが、当て馬としてすら実力不足では
国際競争力から考えてHanwhaに勝てるわけがない
技術力、コスト、知見ノウハウどれをとっても日本じゃ足元にも及ばんでしょうに
現時点で世界がHanwha製艦艇で席捲されているわけじゃないですからねえ。
「コスト、営業的知見ノウハウ」に限定しておくのが、無難なところでしょう。
もがみ型の強み…
・省力省人性能は突出(RANも人手不足)
・SH-60系を艦載可能
・新造艦ながら運用実績あり
・戦闘能力の不足を補う新型艦を建造予定
・建造スピード早い
改修は最低限でほぼそのまま数隻を導入したいとのオーストラリアの要望を踏まえると、日本にとってこんなに条件が整ってる案件もそうそうないぞ
潜水艦のときはオーストラリアの要望とかけ離れたそうりゅう型だったから当然だと思ったけど、もがみ型はあるていど要望に沿ってるし見た目もカッコいいし、日本も売り込みやすいと思ってるので意外に採用されるんじゃないかと思ってる。
あー、はいはい。
分かってますよ。
いつもの、アレ(当て馬)ですよね。
ドイツ・スペインが本命で(搭載システム的に)大穴が韓国かな
かつては視界にすら入っていなかっただろうから、
『当て馬』になれただけでも進歩だとは思っています。
何れ、『大穴』扱いにはなりたいものですが。
営業というか
方針自体がどっちかというとフランスと同じ感じだからね。
何で習うとしたらフランス何では?って感じはある>日本の兵器というか独自システム搭載品
FFMblock2は性能は良くても
自衛隊向けの年2隻に加えて豪州向けに建造となると日本の造船所に建造余裕が無いのでは
確かに。
2030年就航ということは2027年起工。
他の造船所で新型FFM作りつつ、民間向け造船所で、もがみ型を作れるのかな。
新しい造船所を作る時間はないだろうから。
もがみ型や新FFMの年2隻ってのは「出来るからやってるペース」であって海自側で「何がなんでもそのペースで調達したい」訳ではないかと。ましてや最終艦建造中は他の造船所は手仕舞い始めてるはずなんだから余力はあるかと。
そもそも軍用艦のローテ考えれば計24隻体制の24隻目が数年遅れただけで運用に大きな問題が出るはずもないし、5年以上も前に計画変更するなら尚更です。
もちろん本来それは事故や不具合、国外派遣や有事等の不確定要因に対応するためのマージンなので、そうした事態と重なれば問題になることもあり得ますが、豪や豪海軍との関係強化はそうした事態への対応にもFFM一隻よりはるかに有効でしょう。
概略、MHI長崎で3年間に5隻、MHI-MSで3年間に2隻のペースでFFMを進水させています。新型FFMではこれにJMSが建造に加わります。つまり、最大で3年間に概略9隻を進水可能な建造能力があると考えられます。
あくまで最速での予測ですが、新型FFMは今後4年間で予定の12隻を進水可能かと。
最終艦の予算化は2028年の見込みですが、3隻予算化でも2027年時点で少なくとも船台に1~2隻分の余裕がありそうです。
仮に豪新型フリゲート1番艦が2030年に引き渡しで良いならば2027年起工は可能と思われます。Project Sea 3000の選定が2025年中に行われるとすれば、基本設計の変更と詳細設計及び起工準備に2年の流れでないと間に合わなさそうですが。
しかも話が決まれば教育兼ねてオーストラリアの人員も使えるんですよね。
機密面等では面倒の種にはなるだろうけどそれは現地生産に応える気があるならどのみち越えなきゃいけないハードルですし。
各国軍とも省力(人)は、求めているけど
パソコンやスマホにたとえるとWinやドロで動くところ前提があってトロンOSで動くやつに全面入れ替えしたいわけじゃあないからね。
保守とかも考えて
逆に言うと全面入れ替えしてもいい国とかになら売れるとはいえるけど。
素直にホバート級を追加すれば良いのでは?
欲しいのは「汎用フリゲート」なので「防空艦」ではないのです
防空はハンター級の役目では
普通に考えればMEKO A-200で決定だろうけどね。お互いになれてるだろうし、価格もそれなり?
韓国はUAEの原子炉のごとく大赤字覚悟の安値受注の可能性はあるけどねぇ
韓国の現政権がそこまでするとも思えんな
どう考えても日本は当て馬だろうねぇ(笑
他所の記事によると。
ロシア黒海艦隊の水上艦は、ノヴォロシースクを出て、アゾフ海に向かったとのこと。
今現在、アゾフ海にウクライナの自爆USVは侵入を果たしていないから、そのせいかな。
ウクライナの巡航ミサイルやドローンは、オデーサ付近から発射されているようだから、
これも逃げることが出来る?かな。ウクライナはドニプロ河流域に発射場所を変えるのでは。
黒海艦隊主力は小型なので、いずれカスピ海に逃げることもできるでしょう。
カスピ海を聖域化するのかな。Tu22M3/95がカスピ海上空からミサイルを撃っているし。
また、逆もありで、ロシアは現在、聖ペテルブルグで後継艦の建造をしている様子。
これは、聖ペテルブルグから内水路を通って回航することが可能です。
ドック内で撃破された潜水艦の修理も行っている様子。まだまだ、のつもりなのでしょう。
ウクライナは、UUVが必要では?。そして、アゾフ海沿岸に出る必要もあります。
最終的に黒海艦隊主力がカスピ海に逃げたら、カスピ海を機雷封鎖しないと、でしょうか。
キロ級潜水艦などは、艀に乗せないとカスピ海には逃げられないので、残置かな。
ボルガ/ドン運河の閘門の水深は3.5mとされています。大型の揚陸艦も残置かな。
当て馬なんだろうけど、将来的にアメリカが日韓に海軍艦艇の建造・修理・整備を発注するのはほぼ確定事項なので、多少無理をしても食い込んでもらいたいもんだ
これだけで終了といえる話し
オーストリアで現地製造?また同じことの繰り返し
>Defense Newsは「各国の造船所はフリゲート艦を現地建造する方法について説明するよう求められている」
オーストラリア相手に建造を考えると日本が受注するのは一番無いね。今のオーストラリアだとあれこれ修正来そうだし最初からかなり余裕のある設計してないとあかんでしょ、あんまり日本が余裕がある設計できるとも思えない。
新造艦が基準状態で傾いてしまうとか、あり得ないような不具合出す造船業の実力低下が著しいドイツはまず無い。それに1万t超の新型のフリゲートの建造を計画していて、よそにかかずらわっている余裕なんか無いはず。
満載で4000t〜5000t程度の艦の場合、長船首楼型の船型でないと荒天時に武器が使えないといった問題が生じやすいし、大邱級は錨鎖具類が露頭しているためステルス性的にも問題があり、中央楼型のままでは不利。改設計して艦首側を1レベルかさ増しする方法もあるが、当然重心が上昇するのでかなりの設計変更が発生する。その場合艦型を大型化するか艦橋構造物やマストの見直しになり、いずれにしても別物と言って良いレベルになってしまう。
多分大邱級は、近海での作戦を前提に対艦ミサイルなどの探知性能とかに振っている設計で、コンセプト的にあってない。
多分イタリアが入ってないのも同じ理由では。サイズ的にベルガニーニ級になるけど、基本地中海での戦闘想定で、外洋では哨戒艦程度が想定されている設計なんだと思う。
つまり基本設計として外洋での行動を前提とした長船首楼型船型のNAVANTIAのAlfa3000かもがみ型が本命と対抗で、韓国は当て馬か大穴。