防衛省はF-2の後継機として開発を進めている次期戦闘機「F-X」に搭載可能な無人機の導入に乗り出すと読売新聞が報じている。
参考:【独自】AI搭載の無人機、次期戦闘機と同時配備へ…自律飛行し敵機やミサイル探知
欧米もロシアも開発を進めている戦闘機型の小型UAV、防衛省も次期戦闘機「F-X」に搭載可能な無人機の開発に乗り出す
読売新聞によれば防衛省は2035年頃の配備を目標に開発を進めている次期戦闘機「F-X」に搭載可能な無人機の研究・開発予算を2022年度の概算要求に盛り込む予定で、F-Xと同じ2035年頃の配備を目指しているらしい。
この無人機はセンサーを搭載して有人機のF-Xよりも前方に展開して敵の戦闘機やミサイルを遠方で探知することを想定しており、有人機のF-Xが制御する形で運用することを想定しているが複数の無人機を同時に制御したり、周囲の状況に応じた自律的な飛行を行うにはAI技術が不可欠で防衛省は同技術の実用化を急ぐと読売新聞は報じている。
特に今回の記事で最も注目すべき点は、この無人機が小型でF-Xに搭載され必要に応じて分離・発進することを想定していると報じている点だろう。
![](https://grandfleet.info/wp-content/uploads/2021/02/longshot-619-a.jpg)
出典:DARPA LongShot UAV
これまでも防衛省は次期戦闘機「F-X」とチーミング可能な無人機の開発に言及していたが、今回登場したのは戦闘機搭載型の無人機なので以前言及されていた無人機と同一のもなのかは不明だが、戦闘機搭載型の無人機は米国の国防高等研究計画局(DARPA)が開発を進めている「LongShot UAV」やロシアがSu-57に搭載して運用することを想定している「ライトニングUAV」、フランス、ドイツ、スペインが開発を進めている未来戦闘航空システム(FCAS)プログラムに含まれる100kg以下の運搬可能型UAVと同じカテゴリーに属する可能性が高い。
米国の国防高等研究計画局(DARPA)は現在、複数の空対空ミサイルを運搬可能な空中発射型の無人航空機「LongShot UAV」を開発するためジェネラル・アトミックス、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンの3社に予備設計作業を行うための契約を授与したばかりで、ロシアは偵察・攻撃や電子戦に使用できる多用途無人航空機「ライトニングUAV」を改良したSu-57のウェポンベイに十数機搭載する計画を進めている最中だ。
![](https://grandfleet.info/wp-content/uploads/2021/04/1614691238_molnija-3-1.jpg)
出典:ロシア国防省 小型の多用途無人航空機「ライトニング」
さらにフランス、ドイツ、スペインが開発を進めている未来戦闘航空システム(FCAS)プログラムには第6世代と目される有人戦闘機(NGF)やエア・チーミング可能な無人戦闘機に加え、100kg以下で運搬可能な小型無人機の開発も含まれており、戦場認識力を拡張させることが出来る使い捨てで航空機に搭載可能な小型UAV開発(LongShot UAVは小型というほど小さくなさそうだが、、、)に注目が集まっている。
防衛省は次期戦闘機「F-X」のファミリーシステムとして再使用が可能なタイプの大型無人機と使い捨てタイプの小型無人機の2種類を用意するのか、防衛省が以前から言及していた次期戦闘機「F-X」とチーミング可能な無人機は今回の読売の記事で登場した使い捨てタイプの小型無人機のことを指すのかは今のところ不明だが、なかなか面白いことになってきた。
関連記事:米軍、複数の空対空ミサイルを運搬可能な空中発射型UAV「LongShot」開発を発表
関連記事:これは無人戦闘機?ノースロップ・グラマンが空中発射型UAV「LongShot」案を公表
関連記事:ロシアも戦闘機に小型無人航空機を統合、Su-57のウェポンベイにライトニングUAVを搭載か
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※アイキャッチ画像の出典:財務省 令和2年度防衛関係予算のポイント
こういう無人機だけでもイギリスあたりと共同開発すればいいのに。イギリスと組めばF-35にも搭載出来ると思うし。
搭載型無人機、かなり昔に言及されて以降音沙汰がなかったから、無かったことにになったものと思ってた。
ちゃんと話進んでたんだな
かなり昔って今年の頭でしょ。
リンク
15年先の装備の話が半年出てこないくらいで音沙汰なし、て。
うんにゃ。2018年
リンク
いやそれ貴方がその間の情報見てないだけじゃん…
「搭載型」って情報出なかったよその記事
記事の観点が「行動制御について」だから「搭載型」とも何とも書いてないだけでは?
リンク
こんなんですら搭載を前提に研究してるんだから、
特に明示されてない限り搭載型と考えた方が自然かと。
というか自力で離陸・上昇した上でF-Xに随伴するって
航続性能的に相当ハードル高いのでは。
政府が無人機を戦闘機に搭載するって構想を語ったのは2018年以来でしょ。
今年冒頭のやつは全く別物
かなり昔っていうからTACOMの話かと思った
リンク
日本もやっと各国と足並み揃えて来たか
で、スパイ防止法は何時になったら制定されるんだ?
いくら防衛費を上げても、新兵器を開発しても情報を取られたら元も子も無いんだぞ
せめて、近頃、元気がいい防衛族の議員は公の場で発言ぐらいせえや
スパイ防止法は絶対に成立せんよ
一番困るのはアメリカだもん
いやいや、やっぱり一番困るのは中国様だぞ、アメリカは下命するだけで日本政府から技術情報をゲットできるんだからスパイ防止法があっても困らない。
一応特定機密保護法がスパイ防止法みたいなもんじゃない?
まあ他国と比べたら刑が軽すぎるけど
このニュース聞いたときロイヤルウイングマン的なのじゃないというんでちょっと驚いた
ウェポンベイに突っ込むタイプって搭載量的に効率大丈夫なんだろうか
まさにそれ
ん?搭載!?って思っちゃったよ
シューターは誰がやるんだろうね?
F-35がたくさんミサイル積めないからF-3にたくさん積めるようにするのかと思ってた…
>この無人機はセンサーを搭載して有人機のF-Xよりも前方に展開して敵の戦闘機やミサイルを遠方で探知することを想定しており、
と言ってるんだからこれは搭載型のセンサー機の話だよね。
今年頭の報道では有人機1無人機3を想定って言ってたので、
このセンサー機が2機、自力で飛行するシューターが1機で計3機、ってのがしっくりくるけどな。
大きいのは諦めて他所から買うって事だと思うよ
搭載型はウェポンベイでないにしろ結局搭載圧迫するから微妙のような
大型無人機ならそれに積んでしまえば余裕できるが
哨戒機に積むって手もあるか
対艦ミサイル八発くらい積めるし
ウェポンベイ搭載かは記事からは確認できないですね。
イメージ図では2機のセンサーUAVを先行させ自機のAAMで攻撃という図になってます。
AAM減載としてもウェポンベイに搭載可能なサイズでは航続時間が短く、搭載可能なレーダサイズもあって有効な索敵ができるかどうか・・・
もう少し情報が出るのを待ちたい気分です。
最悪ミサイル載せない可能性もあるのかな、保険で使えはするだろうけど、ASM-3もあるし。
まあこれからはネットワーク化の時代だから割りきって攻撃は他に任せるのもありなのかもな
まぁ初期から全スペック適用済じゃなくていいならスケジュール通りいけるか
結局いつぞやの次期戦闘機向け無人機にはAI搭載しないという記事は誤報ということか?
同じこと思いました。変更されたのか、これとは別件かもしれない
ただの誤読だと思いますよ。
元記事からしてそうは読めない。
防衛省は導入するか分からないモノを検討中とか表明しない印象がある
あの記事はただの誤読ですよ。
原文を読めばわかると思いますが、AIを搭載しないとは一言も書かれていません。
また、より新しいニュース(リンク)によると、22年度予算案の概算要求に、AI技術研究に関する予算を盛り込む方針だそうです。
そもそもなにをAiとするのかにもよりますけど結局ロジックは人が考えてその場のセンサーで得た入力した情報処理を複雑な場面でオートでさせることなので
自動的自律的に動けばAiなのならすでにありますよね
境界はグレーなので処理能力の高い現代のコンピュータがまるで意思を持つかのように自律飛行回避武器選択攻撃をすればいいわけです
ですよね。
「③『無人機の編隊』が『自律して戦闘参加』」はまだ先、と報じられてるだけなのに
無人機の「自律的な飛行制御」も「AIによる戦闘支援」もしない、と勝手に分解して曲解してる様に読めます。
前々から出てた話なので嬉しい反面、ロイヤルウィングマンにあたる大型無人戦闘機は厳しそうなのが複雑な気持ち。
日本に必要なのはまさにこの大型無人戦闘機だと思うんだが、まあF3と今回のやつとの同時開発は厳しいか…
ハードルの低そうな小型センサータイプをとりあえず国内開発して、ロイヤルウイングマンタイプはどこかのプロジェクトに合流して共同開発みたいな流れでしょうか
理想を言えば独自開発なのですが正直ハードルは高いですよね…
イギリスと組むのかな?
横からですけど恐らくロッキード・マーティンだと思いますよ
輸出を狙うならオーストラリアを考えてボーイングが押されるかもしれない
UAVに中距離AAMを搭載しないなら前線が一歩近づくから、F-15の長距離AAMのデリバリーに危険が伴うようになるのでは。
レーダー発信を無人機で行い、F3は受信に専念かも
潜水艦のデコイと無音航行みたいな関係とか
防衛省は去年あたりからスバルにTACOMの再研究、UAVの試作を発注してます。TACOMと同様?FーXにぶら下げて離陸し、かなり手前でFXから分離し事に当たるのでは。
このニュース、研究開発ビジョン記載の「第3分類無人技術実証」機のことじゃないですかねえ。
>高脅威環境下において、ステルス性を考慮した機体間の連携・協調により、頑強なネットワークの構築を速やかに支援
>将来における各種無人機の役割拡大における基盤
この研究成果を受けて研究されるのがスケジュール上2035年頃開発完了見込みの「第4分類無人技術実証」機。
>戦況から、各機が取るべき戦術を生成して人間に伝達し、任務遂行能力の向上と人間のワークロードの低減を実現
>有人機には不可能な機動により、高脅威下において任務遂行能力と生存能力を向上
記事は両者をごっちゃにしてるような。
随伴UAVが小型になるってことは将来AAMの射程がとんでもないことになりそう
遂に日本にもファンネル搭載機が…!!!
予算の都合で大して採用されなさそう。
あまり関係ないですけど、ボーイングのMQ-25Aがスパホへの空中給油に成功したそうです
「将来無人装備に関する研究開発ビジョン」がロードマップなんでそれを無視した進行は考え難い。
ビジョンのロードマップによると「第3分類無人技術実証」は2022~2028頃の予定で、記事にあるUAV開発はこれに相当するんじゃないでしょうか。2035年云々は記者の早とちりと推測。
「遠隔操作型支援機技術の研究」(2019~2023)は内容から、有人機ー高アジリティ無人機間のマン・マシン・インターフェイス実証が主題で、今後の研究開発の必須要素として先行開発を行うものじゃないかと。
いまの防衛相だから進む話だね IとかNとかだったら、サボタージュされただろう
退役が進むP-3Cて可搬性高いのとまだ55機もあるのでこの辺の小型センサー機の母機にしやすそう 少なくとも4機程度積めれば まぁまぁ速いし P-1でももちろんいいけど アゼル中古のアントノフ集めて先に無人で飛ばすコスパにはかなわないけど
C-2を母機にしUAVの発進・回収を行うシステムについてアイデア募集をしていたような。
その後どうなったかは知りません。
日本は圧倒的にソフトウェア弱いからな・・・
>なかなか面白いことになってきた。
ものすごく、同意します。
タイトル見た瞬間に「お」と思いました。
ワクワクするなぁ。長く楽しめそうです。
1機50憶くらいで済むだろうか?
空戦なら長距離AAMの方が抑止になりそうな
アゼルバイジャンがSAM狩りに使った無人複葉機の方がまだ役に立ちそうな気が・・・
つーか随伴じゃなく単独で向かって4発撃ってこい って話
もしくは三式弾みたいなもんをステルスミサイル化して一網打尽でいこうか
リンクのニュースでは、無人戦闘機は探知や迎撃の役割を担うとされているけれど、この記事のニュースでは探知だけを担うとされている。
ということは、無人戦闘機と小型無人機の2種類のUAVが用意されるのかな?
それとも誤報か?
または、翼下懸架型というのはAI研究での無人機研究システムの流用をさしてる可能性もあるかも。(リンク)
皆様はどう思いますか?
まあ日刊工業新聞によると、能力・性能は運用構想や将来の対外的な脅威動向、技術的成立性、コストなどを考慮し、フルスケール実験機の飛行実証を通じて判断するとのことなので、現時点で無人機の仕様を論じても意味のないことなのかもしれませんが。
ん~誤報かどうかはわからんから置いとくとして、ひとまず今岐阜で運用してるのが無人機研究システムだからそっちのノウハウが流用出来そうな方から固めに行ったのじゃないかなと
将来自力で小型UAVor無人戦闘機を作る必要がある、あるいは両方を作る必要があるってなっても小型UAVで基本を抑えておけば無人戦闘機作りにもノウハウは活かせるし、小型UAVの方は勿論そのまま進めていけば問題なく行けるだろうから3パターン(小型のみ、大型のみ、大型と小型の両方)の将来性に柔軟に対応出来るし
仕様決めるのにある程度時間を要するならとりあえず今持って装備で取り掛かれる要素からやっておいたら無難だと思うし
防衛装備庁は平成28年(2016)8月に「中長期技術見積り」と「将来無人装備に関する研究開発ビジョン」を公表しています。
それを見る限り、記事にある無人機システムに相当するのは「第3分類無人機実証」事業になります。
防衛装備庁の計画は、概ね2035年頃に技術実証完了見込みの「第4分類無人機実証機」をF-Xと連携する戦闘型UAV原型機としようとするものです。
言ってみれば2035年頃までに世界トップレベルの技術水準に達したいてことでしょうか。
用途別タイプはそこに至る過程で確立した技術成果を適宜転用しそれぞれ開発する計画です。
英国が構想している小型UAVなども戦術シミュレーションで必要と判断されれば検討されるはずです。
返信ありがとうございます。
>防衛装備庁の計画は、概ね2035年頃に技術実証完了見込みの「第4分類無人機実証機」をF-Xと連携する戦闘型UAV原型機としようとするものです。
上記のコメントにリンクを貼ったニュース(リンク)には、「防衛省は19日の自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議で、2035年めどで人工知能(AI)を搭載した無人戦闘機の導入を目指すと表明した。同時期の配備に向けて開発を進める航空自衛隊F2戦闘機の後継となる次期戦闘機と編隊を組ませる方向で検討。」とあるので、第4分類無人機実証機による技術実証は2035年頃よりも早くなるのではないかと思います。
>言ってみれば2035年頃までに世界トップレベルの技術水準に達したいてことでしょうか。
すみませんが、なぜ2035年頃までに世界トップレベルの技術水準に達したいと言えるのか教えてくれませんか。
i3fighterの時代から随伴無人機とはセンサー機能であり複数センサーこそがステルスキラーの基礎であるのは明白だった。
うまく行けばAAMを搭載するかも、とは言ってたけど、まずは小さな基礎から確実にクリアしてってほしいね。
AAM載せずに燃料載せる方が主旨には合ってるだろうし。
最初は大型輸送機からバラまいても別にOK。