もはや保有していない国の方が少ない無人戦闘航空機(UCAV)導入にカナダが踏みったと報じられており、2025年~2030年までに総額50億加ドル/約4,530億円を投じてUCAV部隊を立ち上げる計画を正式にスタートさせた。
参考:Ottawa launches long-awaited competition for purchase of armed military drones
次期戦闘機プログラム、次期海上哨戒機プログラム、UCAV導入プログラムの3つを同時に進めるカナダ
カナダは20年以上前から領空・領海監視や海外派遣部隊の支援などに無人機を活用するため研究を続けてきたが、無人機を使用したミッションで意図しない民間人への被害が報告されたため歴代の政権は武装可能な無人機=無人戦闘航空機(UCAV)の導入に消極的で、現在のトルドー政権が2017年の国防政策に「戦闘機やヘリコプターと同じように常設の無人機部隊を創設する」と盛り込んだことで遂にUCAV導入が動き出し、先週の11日に正式な提案依頼書の発行に至ったらしい。

出典:U.S. Air Force photo Staff Sgt. Brian Ferguson
計画では2022年~2023年までに導入するUCAVを選定して契約を締結、2025年頃に初号機の引き渡しをうけて2030年頃までにUCAV部隊の創設を完了させる予定で、プログラムコストは総額50億加ドル/約4,530億円と報じられている。
今のところUCAVに要求される要件や何機導入するのかについて情報はないが、プログラムに入札する企業に求められるのは「UCAV導入を通じてカナダ経済にも利益をもたらすこと」と現地メディアが報じているので、提案機種の現地製造や現地企業からの構成コンポーネントの調達といった手法で契約金額の一定額をカナダ産業界に還元する必要があるのだろう。

出典:GA-ASI
米ジェネラル・アトミックスはトルドー政権が策定した無人機部隊創設を受けて2018年にTeamSkyGuardian Canadaを設立、MQ-9B SkyGuardianをカナダ産業界と協力して提供できる体制を構築済みなので入札に応じることがほぼ確定しているが、正式な提案依頼書を受け取った企業がもう1社あると報じられているので試験的に短期間導入したヘロン(アフガニスタンで使用後にオーストラリアへ売却)を製造しているイスラエル航空宇宙産業(武装可能なヘロンTP)が入札に応じるのではないかと管理人は予想している。
カナダは現在CF-18A/Bの後継機として導入する次期戦闘機プログラム、CP-140の後継機として導入する次期海上哨戒機プログラムを同時に進めており、ここにUCAV導入プログラムまで加わるためカナダ空軍は2025年~2030年にかけて大きく飛躍を遂げるはずだ。
関連記事:カナダ政府、CF-18A/Bの後継機争いからF/A-18E/Fが脱落したことを正式に発表
関連記事:ボーイングがカナダ空軍の次期海上哨戒機にP-8Aを提案、日本参戦の可能性も
※アイキャッチ画像の出典:TeamSkyGuardian Canada
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UCAVとUAVの違いはなんぞや。
C(ombat)、なんだから戦闘機と航空機の違いと一緒では。
大喜利を求めてたならすまん。
カナダもロシアと直に接する国の一つだもんなぁ。
なんかカナダが軍備に力を入れ出すと不安になる。
北極航路開拓だの、資源開発が温暖化の恩恵とか単純に喜んでる経済人もいるようだが、今まで凍った聖域だった北極圏が実は東西の対峙する最前線という現実が同時に迫ってる、ロシアはそれに先に気がついて極北での軍備をも整えてるというのに
米国のように他国領土でテロリスト狩りに用いるなら誤射・コラテラルダメージは増えるのは当然。
日本のように主目標が艦艇や無人島などへ上陸した部隊ならほぼなくなるし、人的損耗が極端に許されない日本にはこれ以上ない最適な装備。
国内ではメディア報道でUAVにネガティブなイメージが定着して政権も手を付けたがらないけど、カナダでも少し前まで同じ状況だったんだな。それをトリュドー政権が正攻法で打ち破ったことに感心する。
日本も真に国益を考えるなら、国民受けが悪くとも必要性を訴えて同様の部隊を早く創設してほしい。
「戦闘機やヘリコプターと同じように常設の無人機部隊を創設する」
人員の少ない自衛隊にも、ぜひ! しかも100%国産部品で!
機密保持のためF-22バリに輸出を制限し、海外に売る分には劣化版にし、
日本を攻撃出来ないよう秘密のコードを仕組んでおきましょう。
どこの世界線の人ですか?
そんな技術があるとお思いで?
すでに出遅れている以上、関係する主要な技術ライセンスはすでに他国が取り終えた後です
そのため創設するにしても機体は丸ごと購入するか、ライセンス生産するか、ライセンス技術を使った国内向けマイナーチェンジ版をつくるかといったぐらいしか選択肢はないかと
無人機に関係する主要な技術ライセンスって、なんか他国に抑えられてました?
世界最高レベルのエンジンXF9-1を日本が作れたように、後からでも作れるのではないでしょうか。
前半には同意。
実用的なUAVを開発するために必要な最先端の独自技術なんてほとんどなくて、技術自体は航空機やロボットやAIの既存技術の流用で十分。
日本は航空機の全体やソフト面、AI辺りはやや弱い分野だけど前代未聞の画期的デザインとかSF染みた自律行動が可能なUAVとか作ろうとするんでもなきゃ問題ない程度のレベルにはあるし、ありがちだけど完成度の高いUAVを作る上で重要な航空機の素材やロボはむしろ得意分野。
ただそこで「【世界最高】レベルのエンジンXF9-1を日本が【作れた】」と言う文言は、日本の製造業こき下ろしたい勢には反論材料にしかならないのでやめた方がいいよ。
まだ地上試験用の実証プロトでしかないしコストも不明、米英辺りが開発中のエンジンに比べると革新性では見劣りする(性能面では比較困難)。
※とはいえ英露仏辺りの「2位グループ」をザワつかせるには十分なシロモノで、F-1F-2ではエンジンがネックで英米に振り回された日本がコレを作り上げた事は特筆に値する、とは思うけど。
日本は航空機の全体やソフト面、AI辺りはやや弱いですかね?
日本が開発した10式やP-1、新戦術情報処理装置ATECS (Advanced Technology Combat System)などの革新性を見てると、そんな実感がないんですよね。
あと、XF9-1は地上試験用の実証プロトではなくEETエンジンですよ。
それに、XF9-1は、エンジン性能確認試験もすでに受け終えています。
エンジン性能確認試験の試験項目として、地上性能試験、高空性能試験、制御機能試験のほかステルス性能試験(電波・赤外線)を実施し、目標性能の評価に必要なデータ取得を実施しました。
エンジン性能確認試験(その1)では、定常性能、振動特性、始動特性、制御特性、アフタバーナ着火特性、最大負荷などといった項目を試験しました。
エンジン性能確認試験(その2)では、高空定常性能、ウィンドミル特性、防氷機能、制御特性、着火・始動特性、アフタバーナ着火特性などといった項目を試験しました。
ちなみに、エンジン性能確認試験(その2)で試験したアフタバーナ着火特性で、高空条件のアフタバーナ最大推力確認も行われました。
また、XF9-1の革新的な点は、世界トップレベルの燃焼器出口ガス温度を実現したところなどでしょう。
XF9-1の燃焼器出口ガス温度は1800℃級であり、F119やF135などをはじめとする世界のエンジンの燃焼器出口ガス温度を大幅に上回ります。
あと、テンペスト用エンジンは、日本と共同開発しますよ。
英国側はテンペスト用エンジンで基本設計から日本の協力を希望しているといいますし。
英国のPFRTエンジンは、日本と共同開発したコア(圧縮機+燃焼器+高圧タービン)に、前述の自国技術を組み込むものになると推察されます。
構成部品はもちろん、各種装備やパーツの配置まで特許となりえます
日本に関係したものの一例として、日本が自走対空砲(87式自走高射機関砲)を開発した際にドイツのゲパルト自走対空砲のレーダー配置などがすでに特許を取られていたため、それに抵触しないように違う配置にした設計にしたことがあります(特許がなければ同様の配置にする予定だった)
特許になるかならないか、じゃなくて邪魔になる特許かどうか、の問題じゃないかな。
国内特許と特許の切れた既存技術の組み合わせで実用的なUAVは十分作れると思うけど。
海自の新型哨戒艦は無人タイプも検討されているらしい。
自衛隊でも無人艦から無人機を発進する時代もそう遠くないのかも知れない。
それはデマ
UUV(無人艇)の搭載を予定してるだけで
艦自体が無人になる訳じゃないよ
UUV搭載は知っているが、哨戒艦はまだ基本設計の段階ではなかったかな?
構想中の段階で無人化の対応も検討中では?
産経の飛ばし記事か!?
1000トン級の無人艦艇なんてアメリカ海軍ですら持ってないのに
無人装備素人の自衛隊がいきなり開発なんて出来る訳ないじゃん
「無人艦」じゃなくて「将来的な無人運用を視野に入れた省人化艦」でしょ?
通常運用を30人程度の乗員でこなせる様に省人化して、将来的には定常の哨戒任務なら更に少人数や無人でこなせる様に、って程度の話。
無人運用ったって自律AIじゃなくてリモートで十分だし、接続水域周辺くらいまでの哨戒任務なら機械的なトラブルがあれば投錨なり漂駐なりしてメンテ艦を待てばいい。
決して日本の苦手な分野ではないし、日本向きの運用形態だと思うけど。
哨戒艇本体の無人化の話も(話だけは)あったと思います。ただ並行開発というのではなく、まず有人運用型で運用データを収集した後に無人化したサブタイプの開発をするかどうか検討って話だったと。
実現するかどうかは別にして、ヘリパッドまでついてる無人哨戒艇なんて面白いと思いますけどね。
たしか国内でフェリー(瀬戸内海だったかな?)で無人航行の実証実験をやってたと思いますが、日本独自の運用が出来たら面白いですね。
当然のようにオフセットを要求出来て羨ましい
日本も無人機を導入する際はオフセット要求していって欲しい
防衛省もこの無人兵器の分野に1000億円単位で予算をぶっ込んで欲しいもんです。最近はフジインバック等の民間メーカーにも目をつけるようになったし、いい兆候だと思います。
予算が少ないのとスピード感が無いけど
「戦闘支援無人機コンセプトの検討」に101億円ほどぶっ込むみたいですよ。
戦闘支援無人機コンセプトの検討(101億円)
AIの適用を含めたシミュレーションにより、次期戦闘機等の有人機と連携する戦闘支援無人機の機能・性能、運用の効果
に関するコンセプトを導出
リンク
今開発中の3000km機が1機1.5億とか言ってるんだから、とりあえず試作機1〜3機と一通りのテストを依頼すりゃいいのにねぇ。
新明和のXU-Sとかだって可能性は色々感じるし、国内の技術と防衛やる気のある有望企業には数億ずつくらい予算出してもバチは当たらんと思う。
米軍などは海外でテロリスト狩りに使用するから必然的に誤爆やコラテラルダメージが多くなる。
日本の場合は艦艇や上陸部隊が主目標になるからその辺はかなり少ないはずだし、人的資源が減る一方な現状で一番必要な装備。
国内ではメディア報道でUCAVへのネガティブイメージがついて国も手を付けたがらないけど、少し前までカナダも同じような状況だったんだな。それをトルドー首相が正攻法で打ち破ったことに感心する。
日本も国益にかなう装備は、たとえ国民受けが悪くともその必要性を説いて、一刻も早く導入してほしい。
なんで同じコメが3つも投稿されてんだ・・
米軍などは海外でテロリスト狩りに使用するから必然的に誤爆やコラテラルダメージが多くなる。
日本の場合は艦艇や上陸部隊が主目標になるからその辺はかなり少ないはずだし、人的資源が減る一方な現状で一番必要な装備。
国内ではメディア報道でUCAVへのネガティブイメージがついて国も手を付けたがらないけど、少し前までカナダも同じような状況だったんだな。それをトルドー首相が正攻法で打ち破ったことに感心する。
日本も国益にかなう装備は、たとえ国民受けが悪くともその必要性を説いて、一刻も早く導入してほしい。
空自の場合は領空侵犯対応用の無人機導入が急務で領域ISRは海保と海自で運用の無人機になる
後者はグロホと合わせどうもなるが前者をなんとかせんと支那の物量嫌がらせで戦闘機の平時消耗が進み事故につながり乗員失いかねずイザって時に機体もパイロットも体調不良になりうる
取り敢えずL3Harris WescamのIO/IRは普通に搭載するし後何があるんだろう。
衝突回避のための対空レーダーはあるが対空監視も重視するならレーダー搭載位置変えないといけないと思うけど具体的な要求分からない事には、何とも言えないね。