バイデン大統領がウクライナにF-16を提供するつもりはないと発言、ホワイトハウスのカービー報道官も大統領の決定を擁護したため「戦闘機提供に対する周囲の期待」を正式に否定した格好だ。
参考:White House defends decision not to send fighter jets to Ukraine
ウクライナへの戦闘機提供は今のところ優先順位が低い=将来の戦闘機提供まで否定しているという意味ではない
米国とドイツがエイブラムスやレオパルト2の提供に踏み切ったため「西側製戦車は提供できない」という不文律は破られた格好で、ウクライナのゼレンスキー大統領やクレバ外相は「次はF-16を提供して欲しい」と主張、NATO加盟国の一部でも「F-16提供に協力する用意がある」と、ロッキード・マーティンも「政府の決定があればグリーンビルでの生産量を増やしてウクライナへの提供をサポートできる」と述べており、西側製戦闘機の提供に期待感が集まっている。
‼️ VOA Ukrainian asked Biden whether the US will provide F-16s to Ukraine, @POTUS said “No”.
— Ostap Yarysh (@OstapYarysh) January 30, 2023
この問題はメディアの関心を集め「F-16提供が直ぐにでも実現に向かう」と大いに盛り上がっているが、各国の国防当局者、米軍事委員会の議員、ディフェンスメディアなど安全保障分野に精通した関係者はF-16提供に否定的で「防空システムや大砲の供給を優先すべきだ」と主張、さらにバイデン大統領も記者の質問に答える形で「ウクライナにF-16を提供するつもりはない」と発言したため注目を集めており、ホワイトハウスのカービー報道官も大統領の決定を擁護したため「戦闘機提供に対する周囲の期待」を正式に否定した格好だ。
本ブログの読者には不要な説明かもしれないが、F-16を提供すればロシア軍の地上部隊を空から攻撃したり、ロシア軍が使用する巡航ミサイルやイラン製の自爆型ドローンの迎撃に大活躍するという訳ではなく、米国を含むウクライナ支援国の資金は青天井ではないため「ウクライナへの戦闘機提供は今のところ優先順位が低い=将来の戦闘機提供まで否定しているという意味ではない」というのが真実なのだろう。

出典:Radafaz / CC BY-SA 3.0
因みに米国がF-16を提供しないと言っているためNATO加盟国が保有するF-16のウクライナ移転も不可能で、タイフーンもGPS関係で米議会の輸出承認が必要(タイフーン購入にはエアバス発行のユーザー証明証を取得する必要があり、この証明書の取得にはイギリス、ドイツ、スペイン、イタリア+米議会の承認が必要らしい)と言われているため、西側製戦闘機(ラファールは米国保有の技術排除が進んでいるため仏政府だけの判断で移転が可能かもしれない)をウクライナに提供するには米国を説得する必要がある。
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※アイキャッチ画像の出典:VictorCozmei / CC BY-SA 4.0
アメリカ製がダメとなると、送れるのはMiG-29、ラファール、ミラージュ、ですかね…
アメリカ製エンジン機も許可下りなさそうなので、選択肢が極端に少なくなってしまう
インドネシアから、フランカーとか。
アメリカとしては、ロシア本土を攻撃せずにウクライナ領から追い出して欲しいのでしょうが、出来るのかな?
ミラージュもGPSつけてるとダメやろ
そうなると、あとは現実的な選択肢としてあるのは、ルーマニア空軍の
「MiG-21ランサー」
かもしれません。
ルーマニア空軍のMiG-21ランサーは近代化改修されており、ルーマニア空軍ではMiG-29の方を先に退役させて、逆に維持コストのかからないMiG-21ランサーの方を残したのです。
またアフリカ諸国には、まだMiG-21を現役で使ってる国もあり、それらを近代化改修して使うという方法もあります。シリア空軍やインド空軍もまだMiG-21を使っています。
真正面からロシア空軍のSu-27や、Su-35に太刀打ちできる性能ではありませんが、空中ゲリラ戦ならMiG-21デモできるかもしれません。
またポーランド空軍にはまだSu-22があり、地上攻撃には十分使えます。
ルーマニアはウクライナにも近く、ルーマニアにはMiG-21ランサーの代わりに使えないF-16でもくれてやればいいでしょう。
グリペンは?
あれエンジンはF-18と同じGE製のF414
武装もAIM-120とか装備できるし、その辺デリートしないと無理じゃない
さすがにフランスも戦時中の国に戦闘機まで提供はないかなとは思うんですが、もしかして将来の市場開拓を兼ねてミラージュ2000の移転くらいはありそうですね。
もはや何が提供されてもさほど驚きませんが。
それはさておき支給開始のタイムラグを考えて使える機体は、オーバーホールと改修すべきだと思うの
もちろん単独提供は無いでしょうが、ラファールは売りやすいパッケージですね。
タイフーンより売れるわけだ。
今のウクライナ情勢からして防空能力不足で空軍基地を維持できるか、というのからして問題だしなぁ。
供与したけど地上撃破されましたになる可能性高い訳で、グリペンみたいに基地外の道路で運用する能力を強化してるとかじゃないと厳しいかも。
まぁそれを台湾はF16でやろうとしてる訳だけど、先日のCSISのレポートなんかだと台湾海空軍はあっと言う間にぼろカスになるから、陸軍のゲリラ戦能力上げろ、陸軍が崩れるな・・・みたいなF16どうなのよ的な感じなので、
結局の所だと戦闘機は、基地の防空能力を維持されている前提がないと効果的な戦力にはならないのでしょう。
グリペンは…? グリペンなら…! 今こそグリペンが!
どうでもいいんですが、初めて買った模型はグリペンでした。
グリペンはエンジンがベースがアメリカ製だし、GPS積んでたらタイフーンと同じ扱いになるのでは?
そうなると旧ソ連製か大穴で中国製しか無いのかも。
個人的には戦闘機よりもやはり地対空兵器の供与を優先するアメリカの判断は有りじゃないかと思いますね
ロシアの度重なるインフラ攻撃でメインのS-300の残弾が心配されてるわけで
ウクライナ側のSAMが機能不全になれば今の均衡状態が終わってしまう
新型のF16じゃないと対応できないのもあるが
エスカレーションを防ぐための火消しでは?
戦車を提供した直後にこれもやりますっていうのは問題で
またウクライナが不利になったところで提供かな
戦闘機を乗用車みたく思ってる人多過ぎ
あればすごく便利だけどmigが健在だから他の兵器と比べると優先度は低いな
役に立たない(防空網の突破が無理なので)戦闘機をウクライナは本気で欲しいと思ってるんか。。。?
彼らに1番必要なのは長距離攻撃手段でしょ
これも供与されるのは時間の問題だろうけど。。。早めに供給されるようになるといいね
昨年早期から欧米で選抜パイロットを訓練させていたとかならまだしも、今のところ昨年10月末頃にウクライナ空軍報道官による「パイロットは選出済み」以上の声明が出て来ていませんね。
直近ですとウクライナ空軍パイロット曰く「半年でマスターする」と答えており、将来的に方針転換があるとしても、全く運用体制が整ってもいない現時点では、西側戦闘機供与を発表するのは時期尚早でしょう。
露宇戦争じゃ役に立たないから送らないって話なんですが、コメント欄を見るとやれラファールだミラージュだと盛り上がってますね。
軍事フォーラムだというのに航空戦力が活動出来ていないからこんなWW1みたいな戦いが続いているという前提すら共有されていない方々がいるのはそれだけこの戦争が広く耳目を集めているということでしょうか。
とは言え、当時国であるウクライナが西側戦闘機を所望し、支援国が訓練を始めとする供与の選択肢を排除しないとも答えているので、全く価値が無いとは言えないのでは?
連帯感強化等の政治的アピールで、使えない兵器の供与を議論するほど、余裕がある訳では無いですし
現段階で西側製戦闘機を提供しても、持て余すだけでゲームチェンジャーにはならないと思います。それなら旧ソ連機を送った方がマシでしょう。今は防空システムや砲弾の供給にリソースを割いた方が良いと思います。
何が狙いなのかウクライナが要求してきたから断っているだけですね。
ウクライナの分を弁えない発言が波紋を呼んでいるだけです。
あまり話題にならないけれども。
2023年国防権限法案には、ウクライナ人戦闘機パイロットの訓練費用は無事に認められたのかな?。
もしそうならば、訓練がじきに始まると思うのだけれども。
ウクライ人パイロットは”半年で訓練を終わらせる” と言っているそうだけれど、
もしそれが正しければ、戦闘機供与は、早くて今年後半の話になるのかな。
今はまだ、その前の段階(いずれ戦闘機が供与される)と思いたいですね。
F16等の戦闘機・攻撃機は高価だし、パイロットや整備要員の訓練に時間がかかる。
それを考えたらATACMSやGLSDB等の長距離攻撃兵器は、HIMARSやM270に対応ソフトウェアをダウンロードすれば、あとは簡易な訓練ですぐに使える(ハズ)。
だから個人的には戦闘機よりも長距離ミサイルの方が、早期に供与が行われると思っています。
もしかしたらレオ2等の数がある程度揃った、数ヶ月後の反抗時に供与があるのでは無いかと考えています。
西側戦車による反攻は乾坤一擲、失敗が許されない作戦になるでしょうから。