ロッキード・マーティンは米空軍がT-7Aと別に調達を検討している「高度な戦術訓練機」にT-50Aの派生型が提案すると発表したと報じらている。
参考:Lockheed to Offer ‘Competitive Pricing’ on T-50-Derived Advanced Fighter Trainer
T-XでT-7Aに敗れ米空軍需要に食い込むことに失敗した韓国の防衛産業界に再び大チャンスが巡ってきた格好
米空軍はパイロットの養成に使用しているT-38タロンを更新するためT-7Aレッドホークを351機調達する予定(初期運用能力の獲得は2024年)だが、今年10月に突然「T-7Aレッドホークとは異なる高度な戦術訓練機(Advanced Tactical Trainer/ATT)を最低でも100機(場合によって数百機)調達したい」と発表して情報提供依頼書を正式に発行した。
T-7Aの役割はパイロット養成をT-38タロンから引き継ぐことだが、空軍が新たに調達を検討しているATTはT-7Aでウイングマークを獲得した新人パイロットや熟練パイロットが実機を使用して行う訓練飛行時間を削減することを目的にしており、もっと具体的に言えば飛行コストが高価なF-22AやF-35Aを使用した訓練の一部をコストが安価で戦術訓練をシミュレートできる機体に置き換えて戦闘機の運用・維持コストを圧縮するという意味だ。
A.2020年度運用コスト | B.適正コスト | A-B=差額 | 2036年の推定運用数 | 差額の総額 | |
F-35A/空軍 | 780万ドル | 410万ドル | 370万ドル | 1,192機 | 44億ドル |
F-35B/海兵隊 | 910万ドル | 680万ドル | 230万ドル | 353機 | 8.12億ドル |
F-35C/海兵隊 | 790万ドル | 680万ドル | 110万ドル | 67機 | 0.74億ドル |
F-35C/海軍 | 990万ドル | 750万ドル | 240万ドル | 273機 | 6.5億ドル |
年間超過額 | 約60億ドル |
米空軍が運用してるF-35Aの年間運用コストは1機あたり780万ドル(2020年度実績)で早急に410万ドルまで削減することをロッキード・マーティンに要求しており、米政府説明責任局(GAO/旧会計検査院)は「F-35Aの年間運用コストが現状のまま進行して運用のピーク(推定1,192機のF-35Aが稼働)に達する2036年を迎えると空軍は1年間で93億ドル/約1兆円もの運用コストを負担する必要があり、適正コストとの誤差は約44億ドル/約4,860億円になる」と警告している。
この問題をシンプルに解決するにはF-35Aの年間運用コストを410万ドルまで落とすことなのだが、米空軍上層部の多くは「コスト削減の目標をロッキード・マーティンが達成できない」と考えているので新たにATTを導入してF-35Aの運用・維持コストを圧縮できないかと考えているのだろう。
ボーイングはT-7Aの改造機でATTに挑戦することを表明済みで、ロッキード・マーティンもATT挑戦を表明したもののT-XでT-7Aに敗れたT-50Aで挑戦するのか、全く異なる新型機を開発して挑戦するのかについては言及を避けていたが、遂にロッキード・マーティンは「ATTにT-50Aの改造機で挑戦して競争力のある価格を提供する」と発表した。
ロッキード・マーティンの説明によるとATTに提案するT-50Aの派生型は「米海軍がT-45後継機プログラム(UJTS)とは別に立ち上げた戦術的な代替航空機(Tactical Surrogate Aircraft/TSA)=ATTの海軍版にも対応している」と述べているため、入札が実施されればT-7AとT-50Aは空軍と海軍の両方で激突するという意味だ。
今のところT-50Aの派生型がどのようなものになるかは不明だが、T-XでT-7Aに敗れ米空軍需要に食い込むことに失敗した韓国の防衛産業界にとっては再び大チャンス(仮にT-50Aが採用になっても最終組立はT-7Aと同じように米国で行われるが構成部品の製造に関与して収益を上げることができ、何よりも米空軍採用という肩書きは輸出市場でT-50やFA-50に大きな影響を及ぼす)が巡ってきたのかもしれない。
まぁATTの競争入札実施はまだ確定していないので何とも言えないが本当に韓国は運がいい、、、
関連記事:ボーイング、米空軍が調達計画している新しい戦術訓練機にT-7Aを提案することが濃厚
関連記事:米空軍に続き米海軍も高度な戦術訓練機の調達を発表、最大の目的はF-35運用時間の削減か
※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin
運用コストを考えたらT-7改造機の方が有利な気もしますがどうなるでしょうね。
ハッキリ言えばT-7改造機で両方の任務こなせるなら、それが一番米国にとって有益だと思う。
どうせB社に仕事を回したいだろうし、T-7Aで決まりだろうな……
その代わりにA-の部分退役を交換条件にするぐらいの力技は見せてほしい
運がいいというか結果は出てないけど共同開発のいい点がこれですよね?
日本がボーイング製品大好きなのも生産分担目当ての面もあるし
それよりワイがわからんのは何でT-7Aと機種を分けるのか?
念の為じゃない?多分、T-7の改造型が上手く行けばそのまま採用。けど、ボーイングがやらかしたらT-50にするんじゃないかと。
エアフォースワンでは40億ドルの見積もりだしてトランプ大統領激おこしてたし、日本にはF-15の改修で新造機みたいな見積もりだしてくるし、放っておいたらとんでもない額の請求書持ってくるからB社は米軍も警戒してるのでは。
端的に言うと「ボーイング製練習機じゃ、ロッキード戦闘機のATTにはならないぜ!」ということ?
違う。T-38の部分(日本だとT-4)までを代替するのがT-7A、
戦闘機で約1年やってる高等練習の大部分を代替するのがATT
それも少し違う。
これは通常、実戦配備されたパイロットが戦闘機そのものを使って行う訓練に使用して戦闘機での訓練での経費消耗を抑制するためのもの。
大雑把に言うと訓練専用の非武装戦闘機と考えれば分かりやすいかと。
つまり半人前を一人前に鍛える為の訓練機ではなく一人前のパイロットが技量向上の為に使う上級者向け訓練機。
いやT-7Aでウイングマークを獲得した新人パイロットも使うって本文にあるだろ
アメリカのFTU課程(日本だとF-2BやF-15DJによる戦闘機操縦課程に相当)の大半を代替する課程にまず配備されるしこの段階のパイロットは実戦配備されていない
T-7で良いならそのまま追加調達するだろうし、これT-50有力では?
本当に韓国は波に乗ってるな
これでまた航空機開発に拍車が掛かる
ポラメもこの調子で売れたら若しかしたらF-3のライバルになる様な主力戦闘機も40年代末、50年代前半には繰り出して来るかもね
韓国が戦闘機作るならローからミドルエンドのを売ろうとするんじゃないか。F-35の一個下くらいを狙ってくると思う
F-3は日本の独自仕様を受けて作った特注品みたいな感じだから比較対象からは外れると思う
ボラメはF-35というより、F-16VやF/A-18E/Fを対抗馬に置いた戦闘機だと思われ。
F/A-18E/Fとエンジンは同じ物だし、艦載機派生型「ネイビー」も思い描いているという(一部勢力が)。
ただF/A-18E/Fより安く作れる訳ないし、兵装もない。
ステルス性が何処まであるかも疑問。
F-16V相手ならやはりコストが合わんし。
KF-21が米国面無くせれば輸出用西側第4世代の一柱になれると思うがエンジン握られてちゃね。
アメリカが今更第4世代戦闘機を作ると思えないから、むしろサポートすんじゃない?まぁ、派生で5世代型作るとも言ってるから、そこを米国がどう見るかだけど・・・
T-38の置き換え計画の段階で、T-7Aは実戦闘機の性能模擬機能を謳ってたから
T-7Aの追加になるんじゃない?
T-50にはそんな機能ないしなぁ…
改造するにしても小幅ですむT-7A、改造規模が大きいT-50
コストでみても当然後者が不利
陸海空と韓国が絡んでる兵器が購入対象として扱われるようになったのは驚いているんだけど、そろそろ韓国製兵器が売れたら日本にも利益が落ちてくるように立ち回った方が利口だと思うんだよね。
自分のスマホから韓国製部品を外すのは本人の勝手なんでお好きにどうぞ。
駐車場の遮断機が日本製品であることすら問題視する韓国人が、韓国製兵器に日本製部品やソフトウェアが採用されることを容認すると思ってるの?
ハイハイ。
そういう脳内韓国人もサムスンのスマホから日本製部品を外したらいいよね。
必死過ぎ。
>自分のスマホから韓国製部品を外すのは本>人の勝手なんでお好きにどうぞ。
何も無い所に、こんな事言い出すからおかしくなるんだよ。ちょっと控えたら?
頭おかしいよこの人😅
>運がいい、、、
運も実力の内と言いますからね。
挑戦し続けることが大切かなのでしょう。
運とは言ってもトライアンドエラーで挑戦し続けた結果だしな
戦う君の歌を、戦わない奴らが笑うだろう
F-35の運用コストだけで想定1兆円か
全軍の装備運用コストって20兆円いってそうな
中国付いていけるかね?10年後とか20年後だね
このトライアルの根幹には、RFXプログラムでT-Xに敗れたT-50を100機ほどリースしようという動きがあって、そこにM-346が割って入って、入札という話があったはず(そしてうやむやになった)。
肝心のM-346はどこ行った?
そのプログラムは今回のATT100機の先行研究用だし数量も8機程度だったはず
最初からエミュレート機能を考慮した設計と、地上訓練データリンクを実装したT-7Aがやっぱり圧倒的有利だとは思うなぁ
改造するにしても、準備工事が完了してる状態だから、小幅な改造で済むから、とうぜん低コストで済むし
T-50はその先進性では劣るから、どうしても改造内容の規模が大きい、高コスト化に直結しちゃうしなぁ
コストでT-7Aを上回るのは相当に厳しいんじゃないだろうか
ここにもある通りF-35のランニングコストが絡んだMR-Xが仮に作られるとしたら第四世代機になる可能性がまだ残っている。
俺が言いたいのは、米国に都合の悪い国へKF-21売ろうとしたら制限かけられるだろうって話。少なくともKF-21のサプライヤーに変更無ければ、FA-50と同じくアルゼンチンには売れない機体に仕上るのは確実。
エンジン米国製やねん。無理ぽ。
兵装は英独製やねん。無理ぽ。
ラファールのような強みないねん。
仮にT-50を米軍が採用したら主契約者は米企業のロッキードマーチンが指名されるのだろうね、それで世間的にはKAIは裏方扱いでLMのT-50という印象が強くなるだろうが、ロッキードマーチンが表に出るだけで100倍くらい安心感があるのは錯覚?
運がいい良いって言うけど、挑戦し続けた結果が少しずつ出てきてる、だけじゃないの?
知らんけど
継続は力なりって言いますから。
タイトル写真のT50Aにドーサルスパインがついているのが気になりますね。
(参考記事の写真にはドーサルスパインがついていない)
最初からドーサルスパインをつけているようでは、今後の拡張性に難があるのでは?
もちろん訓練機にどれくらい拡張性を求めるのか?と言うのもありますが、シミュレート対象になるF-35等のアップグレードに伴い、訓練機も機器を刷新する必要性はあると思います。
それとも機器刷新の際は、ドーサルスパインごと交換するんですかね?
そういう思想ならアリのような気もしますが。
「T-50Aの改造機」の部品に韓国製品が採用されると、いつから勘違いしてた?
知的財産的に、間違いなく韓国製部品は使われる
技術とかそういうのじゃなくて、出資者だから