F-35Block4の構成要素の1つ=Tech Refresh3は2023年7月に量産機への組み込みが開始されたものの、F-35JPOは「テストが完了していないため受け取れない」と通告、検証作業中に問題が発覚して「出荷できないTR3構成機」が倉庫に積み上がり続けている。
参考:Upgraded F-35 deliveries slipping to fall 2024, Lockheed says
TR3構成機の引き渡しは2024年第3四半期(秋以降)までずれ込む
F-35Block4では66の新機能(AN/APG-85への換装、AN/ASQ-239、EOTS、DASの大幅強化など)実装が予定されており、この能力を活かすにはBlock4の電力・冷却要件に対応した「Engine Core Upgrade」や「Power and Thermal Management System」の他に「コアプロセッサやメモリユニットを刷新して演算能力を25倍に強化するTech Refresh3」が不可欠で、量産機へのTR3組み込みは2023年7月から開始されている。
他の要素に先駆けてTR3を量産機に組み込むのは「Block4へのアップグレードを容易にする=TR2構成機をTR3に刷新する時間と費用を節約できるという意味」という狙いがあるのだが、生産上の決定が下された時点で「試験機による検証作業(2024年4月までに完了予定)」は終わっておらず、F-35JPOは昨年6月「テストが完了していないため年内出荷のTR3搭載機は受け取れない」と通告、ロッキード・マーティンも9月「L3Harrisが開発しているIntegrated Core Processor(ICP)で予期せぬ問題が発生してハードとソフトの統合に影響が出た」と発表した。
ICPはTR3のハードウェアのことで「検証作業の完了は2024年4月から6月にずれ込むかもしれない」と付け加えていたが、ロッキード・マーティンは23日「システムの成熟プロセスに予想よりも多くの時間がかかっている」「TR3構成機の引き渡しは2024年第3四半期(秋以降)までずれ込む可能性が高い」「さらに遅れるようならTR3の生産ペースを落とす必要がある」と說明し、倉庫に積み上がるTR3構成機は約4億ドルの損失を同社にもたらしている。
因みにF-35の年間生産数は約150機(目標値)で、ロッキード・マーティンは「2023年に98機のTR2構成機を引き渡した」と発表しているため「最大で50機近いTR3構成機がフォートワースに保管されている」という意味になり、デンマークのポールセン国防相は昨年「2024年前半に取得予定だったF-35Aが少なくとも6ヶ月遅れる」「今のところいつ到着するかは不明」「取得が遅れる理由はソフトウェアのアップグレード問題だ」と述べていたため、デンマークもTR3構成機の出荷停止に巻き込まれている可能性が高い。
関連記事:検証作業中のTR3でトラブルが発生、F-35の年内引き渡しが97機に減少
関連記事:F-35Block4実用化に向けたマイルストーン、TR3搭載の試験機が初飛行
関連記事:F-35Block4の目玉機能、2024年にアップグレードされたAN/ASQ-239を実装
関連記事:F-35向けの次世代レーダー、ノースロップ・グラマンがAPG-85を開発中だと発表
関連記事:デンマーク国防省、ウクライナへのF-16AM提供が最大6ヶ月遅れると言及
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Katelynn Jackson
仕方ない変わりにラプターで我慢するから早くくれ
自衛隊向けの影響はどれだけなんでしょうね?
この前小牧からF35が飛び立って行くのは見ていたので組み立ては続いているとは思いますが…
記事から読み取るに空自の機体は軒並みTR2構成機なんじゃないですかね?
と言っても、米政府が各国分もlot単位で一括の部品発注かけているので、FACO毎の製造lotは開いても半年差とかそのぐらいなのではないかと。
時間の問題というか、もう名古屋でも直面しているかもしれないですね。
中々難しい問題だ。
遅れると、玉突きでF-16AMのウクライナへの供与が遅れる。
かと言って、バグだらけでは使い物にならない。
倉庫に機体が積み上がるって飛燕かな?
言葉の綾なんだろうけども倉庫に梱包されたF-35山積みになってる光景考えるとちょっと面白い。AmazonさんF-35の配送お願いします。
正確には工場から溢れ出て並べてあった感じかな。生前あの光景を見たけど頭を抱えたよ
あの世から書き込まれているのですか?w
現代戦闘機はアップグレードとアップデートばっかで面倒臭いわね
最初からもうちょっと余裕のある設計にしとけばよかったのに
米国空軍「せや!アップグレードしないで済むように新機種どんどん出して使い捨てよう!」←いまここ
余裕が有るからアップグレードとアップデートが出来るのでは?
全く違うね
配備更新計画に間に合わないから未完成のまま生産スタートしたので
いつまで経っても未完成なのでフルレート生産にも移行できずにひたすら遅延し続ける状況
テストが終わっていない部品を先に実機に乗せるとかなかなか見切り発車なスケジュールですね
これでICPのハード的な修正が必要になったら50機近くの在庫をまた換装して…うーん頭が痛いですね
ロッキードマーチンの経営には、痛手ですね。
半製品が、高額・大量長期に滞留すれば、研究開発の資金などに影響していく事になります。
Block4は相当高性能とは聞くけど、肝心のエンジンは日本はどうするんだろうか…
近代化改修計画して、グダグダになって、面倒くさくなって新しい機種を買う・開発するのいつものしぐさだと思われ。
キヨでなくても自衛隊のお買い物のクソさは文句言いたくなりますわ。
単年度の予算ばっか見て文句言ってくる財務省が悪いよ…
国防関連の買い物は安全保障ということで口出しされないよ
「日本はどうする」じゃなく「ロッキードと米政府がどうする」だね
日本に決定権ないから
米国以外にエンジンの選択肢なんて無いでしょう。OHするエンジンを送って代わりのエンジンが来る体制じゃなかったかな。通常の交換サイクル内で既存のF135から将来自動的にF135ECUになって行くんじゃなかろうか。
もっと簡易で安価なステルス機を開発してF‐35を補完した方がいいだろうに
最新になるほどシステムが複雑化して統合するのにとんでもない労力と時間を消費する。
機体だけなら第四世代戦闘機と比べても安価らしいけどね
あえて作るならF-35の進化をどこかで止めるしかなんじゃないかな
当然、F‐35は第6世代に取って代わられるまで進化は続けるでしょう。
ただ当初の計画のF‐22とF‐35でハイアンドローとはいかなかったので、F‐35のみで更に安価とも言い難く、システムの複雑さ故の開発の遅延等々問題を抱えています。現在、他の選択肢もなのは確かですが、仮想敵国の物量が脅威になっている現在F‐35で数を揃えることは不可能におもえます。新型のミサイル開発に予算を使って、安価なステルス機をキャリアとして運用、それをネットワークで繫いで神の目のF‐35で制御する。これが、手っ取り早く現実的なアプローチだと思う。
ほとんど使わないどうでもいい機能、おせっかい機能、中途半端な多機能ばかり無駄に増やして、かえって使いづらくなる、逆に故障しやすくなる、というパターンです。
昔、ママチャリにカーナビをつけて、自動変速にしたのがあったそうですが、ママチャリのユーザーにそういう需要はなく全然売れなかったと言います。自動車でもそういうのはたくさんあります。オーバースペックという奴です。
プレステのソフトでも逆に初代PSやPS2の方がよかったというのはたくさんあり、メタルギアソリッドならスネークが色々拾って食べれるPS2のMGS3くらいの方がよかった、という声もあります。宮崎駿監督のジブリ映画や、ルパン三世でも昔の手描きの絵の方が面白かったとよく言われます。常に最新=最高とは限らない、逆に退化する場合もたくさんあります。去年のNHK紅白歌合戦などもそうです。
>去年のNHK紅白歌合戦などもそうです。
名指しするならば、昔と比べてどこがどう良くないと思ったか書くべきでは?
空自の飛行時間を占めるであろうアラート任務に高価なステルス機を使用するのは無駄と思っていましたが、調べたら、
ミリレポさんところで
戦闘機・爆撃機の1時間当たりの運用コストはいくら?最も高いのは6万ドル!
という記事で米軍の2022年度の資料が紹介されていますが、F-35Aの費用は既に安いとまで言えます。
F-5より安いというのは、やはり数は力ということなのでしょう。
まあ一番安いのはやっぱりF-16なんですけど、これも数の力臭い。
当初F‐35は安価なステルス機としてF‐22を補完するためのものでした。
価格もF‐16と同程度という触れ込みでした。
F-16もボイドの構想とは裏腹にどんどん高機能化して、F-16VのFMS価格はF-35Aといい勝負になってきました。
焦ってるようにすら感じるけど、信頼性がまだ担保されてないような新機能を次から次へと搭載させなきゃならない必要性ってあるんだろうか
技術的優位を保つってそういう事なんだろうね。
コンピュータの処理能力なんて正に恐竜的進化を続けてるんだから、メーカーも大変だよ。
いくつか機能削ってでも良いから早く配備出来るようにして欲しいと思うのはワシだけか?
早く配備しても、搭載するミサイルなども一式揃ってないと、戦力にならないからな。
日本はJSMの調達が遅延していたけど、購入時期の目途は立ったのだろうか。
JSMは来年度の予算が373億円ついてるのでまとまった数を調達する様ですね。
ただF-35でのJSM運用はblock4以降なので記事の問題が解決しない事にはどーにもなりません。
まあJSMはP-1でも運用できる様なので無駄にはなりませんが早いとこ解決してもらいたいところですね。
ウクライナ戦争みてると不安定な最新のものよりも、性能低い古いのでも大量に投入すればそれなりに仕えるからそこまでこだわる必要はない気がします
関係ないけどTR3ってカッコいいな(ガンダム脳)
日本にとってF35ってどれ位価値あんのかな?
純粋にF4の変わりなら、違う機体でも良かった気がする。F15Eとか。F21とか(まだ当時はないか)。
数多くの国が採用してて、性能も折り紙付き何だから価値しかない。
そもそも日本はロシア、中国と対面する西側の最前線何だから、性能に目をつぶるわけにはいかないよ。
いやF-4って空自の導入時点(F-15初飛行前)ではまだ世界最強の制空戦闘機で、色々あって長く使った結果として旧式化しちゃっただけなので、
「F-4の代替機だから◯◯で良かった」って考え方はおかしいかと。
アメリカはソフトウェアに強いという強力な幻想があると思いますが、
多分ソフトも移民使ったり、外国へ外注しまくってるので本当に実力があるかどうかは疑わしいです
外注が難しい軍事はマジで悲惨
結局F-35のブロックごとの相違って、タイフーンのトランシェごとの相違と同じくらいか、それ以上に大きいんでしょうね。
改修でアップデートするのはコスト的に非現実的なくらいに…。一方、ラファールはほぼソフトウェアのインストールだけで済むようですが。