米空軍は2023会計年度予算を編成するため航空戦力の好ましい組み合わせについて研究を開始したと報じられており、米空軍のトップは新しい航空戦力にF-16ではなく「4.5世代戦闘機もしくは第5世代戦闘機マイナス」と呼ばれる新しい非ステルス戦闘機が含まれる可能性を初めて公式に言及した。
参考:Air Force Boss Wants Clean-Sheet Fighter That’s Less Advanced Than F-35 To Replace F-16
参考:The Air Force is interested in buying a budget-conscious, clean sheet fighter to replace the F-16
米空軍の参謀総長が全く新しい非ステルス戦闘機の開発に言及、F-35Aで構成された航空戦力の編成計画は崩れた可能性が高い
米空軍は第5世代戦闘機F-35Aを1,763機調達してF-15C、F-16C/D、A-10を更新する予定だったのだが、開発遅延や調達コストの高騰が影響してF-35Aの調達が計画通り進んでいない。最近になってF-35Aの調達コストは第4.5世代機水準(8,000万ドル台)まで引き下げられたが、依然として運用コストは3万ドル台を維持しているため計画通りF-35Aを調達して運用するのは難しいのではないかと噂されてきた。
確かに米空軍を取り巻く環境は変化しており米議会予算局(CBO)は議会に対して「F-35A導入の中止」を含む83の予算削減オプションを提案中で、空想の産物だと思われていたAI搭載の無人戦闘機実用化も現実のものになろうとしているがF-35プログラムは米空軍の大量調達で成り立っており、これを途中で投げ出すようなことになればF-35の調達コストや運用コストが高騰することになるので多少の削減はあってもF-35Aでレガシーな戦術航空機更新するという前提は維持される可能性が高いと管理人は予想していたが見事に裏切られてしまう。
米空軍関係者はロッキード・マーティンとF-16の新規調達について協議中だと先月報じられていたが、今度は米空軍のチャールズ・ブラウン参謀総長が「まだF-16の再調達が正しい選択だと確信しておらず、私はF-16以外の新しい戦闘機を作りたりと思っている」と述べてF-35Aで構成された航空戦力の見直しが現実のものであることを示唆した。
ブラウン参謀総長はF-35A以外のプラットフォームにも目を向けて「適切な戦力構成を見極めたい」と述べたが、F-35Aの代わりにF-16Vを最調達することに関してはソフトウェアがオープンアーキテクチャに対応していないことを理由にF-16以外の新しい戦闘機製造に言及して「この新しい戦闘機はデジタルアプローチ(デジタルエンジニアリング、ソフトウェアのアジャイル開発、オープンアーキテクチャ)を採用して開発を行いF-16よりも高速なプラットフォームになるだろう」と語っている。
米メディアはブラウン参謀総長が言及した新しい戦闘機について「4.5世代戦闘機もしくは第5世代戦闘機マイナス」もしくは「F-16Vよりも高度でF-35よりも高度ではない戦闘機」だと表現しており、恐らく任務効率や生存性を高めるためスーパークルーズ(超音速巡航)の能力を求めているのではないかと推測しているがF-35プログラムはF-15EXの再調達、予想よりも開発が早く進捗している次期戦闘機、新たに登場した非ステルス戦闘機開発の可能性から圧力を受けることになると報じているのが非常に興味深い。
果たしてブラウン参謀総長が言及した非ステルス戦闘機の開発を本当に実行するのかは今のところ不明だが、F-35Aでレガシーな戦術航空機更新するという前提が崩れていることだけは確かなのでF-35導入国にとっては有り難くない方針の転換だと言えるだろう。
関連記事:米空軍、F-16の新規調達についてロッキード・マーティンと協議中か
関連記事:米空軍、次世代戦闘機のプロトタイプを製造して試験飛行中だと明かす
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo/Tech. Sgt. Nicholas Rau
これはアメリカの時代が終わりますね
F35という大がかりなプランの、参加か否か購入か不買で敵味方を峻別し同時に同盟国軍をコントロール下に置いて米国の優位を確保しようという企てが米国自身により破綻するのか、そこまで自滅コースを進むのかは疑問だが
話によっては米国主導の計画に乗り手は無くなるね
T-7レッドホークをベースにした軽戦闘機だったりして。それあたりが現実的ではないかと。
そいれだと「4.5世代戦闘機もしくは第5世代戦闘機マイナス」じゃなくて、せいぜい「3.5世代戦闘機もしくは第3世代戦闘機マプラス」でしょ
そんなオモチャで米軍の要求はこなせないよ、輸出専用がせいぜい
F-35は確かにオーバースペックで、センサとキャリアの分離を進めることが前提なら搭載量の多い4.5世代機とのミックス運用は確かに理に適っています。
ただ、その4.5世代機のお値段がF-35と変わらないのが問題で、であればF-35だけでいいじゃん…となってしまうと。
そこで低コストで製造できるデジタルセンチュリー構想ということなら、F-35の価値が下がるということはないと思うのですよ。
運用コストも言及されているというのに
問題になっているのは製造コストではなく運用コスト。
F-35の飛行1時間当たりの運用コストは3万ドル台だけど、第4世代機の飛行1時間当たりの運用コストは約1万5000~6000ドル。
F-35で全部統一してしまうのは作戦の幅がかなり狭くなるし米軍としてはやっぱりやりたくないだろうな
冗長性を保つ為にも統一はあり得ないでしょう。機体構造に問題が出て、飛行停止になったら飛べる作戦機が無くなってしまいます。
レーダーの進歩でステルスの優位性を維持できなくなると判断したのか?
もう一つの新機種が出てきたあたりで方向性が見えてくるかな。
単純にコストだろ
F-35に耐環境非ステルス塗装じゃあかんのかね。
ていうか、ステルス運用せず普通にビーストモードでいいよね。
素人考えだけど、ステルス性能を維持するためにコストかかるなら、その辺の整備のコストカットしてしまえばいい気がする。
ビーストモード運用前提なら別にいらんよね。
更新前提なアップデート費用や部品の交換管理システムが原因ならビーストモードではコストダウンにつながりませんね
うーん、ちょっと第三者には分からない壁が・・
ですねぇ。
多分コーティングはしないと複合材がヘタるので耐久性重視の塗装に変更、
ウェポンベイをドンガラにして燃料タンク詰め込む、
エリアルール考慮してウェポンベイ蓋をエグってミサイル半埋め込み?
程度の改修なら開発費ほぼ無しでステルスコート維持の運用費は激減、
航続距離・兵器搭載量は4.5世代機並み、F-35の量産効果もある程度キープ、
何なら輸出の需要もあるんじゃないのかね。
それだと﹙負荷の分布が変わり﹚構造設計やり直しだろうから、相応の開発費が掛かると思います。
「ビーストモードよりはマシ」な範囲に収めれば良いだけでは。
F-35からステルスを取ったらいまいち汎用性に欠ける高コストな単発機になっちゃうから
今のブロックじゃ運用できる兵器の種類も限りがあるし
ゆーてF-16Vと大差ないしF-15EXよりは安い。
アビオは同じなんだからF-35のアップデートの恩恵も
そのまんま受けられるでしょ。
少なくとも4.5世代機を新開発とか
既存機のシステム総入れ替えするよりはLCC的には安いと思うけど。
F15EX「俺なら空いてるぜ?」
F18EF「お宅等にいい夢見させてやろうってんだぜ?」
参謀総長「糞して寝な。」
F15EX「そいつは残念。」
F18EF「最近の兄ちゃん、キツイや。」
アメリカがKF-X計画に参加したら面白いね
それなら、F-3購入の方が現実的でワンチャンあるのではないでしょうか。
F3はロッキードとの共同開発で決まったんだっけ?
苦境の米防衛産業を助けるために、パイをより多く米側に切り分けようと
余計なことしてくれそう・・・。
むしろKF-Xには完全に向かい風やない? ようは米国製のちょうど似たような立ち位置の戦闘機が米軍によって大量調達されるわけで……
第五世代機みたいに機密の塊って訳でもないんで同盟国にもばらまくんじゃね? なんならこのブログレギュラーメンバー感のあるインドネシアあたりにも将来的には売り込むんじゃねーかと,
たぶん、KFーX完全に潰すのと違いますか?Fー16の値段でユーロファイター以上の性能の戦闘機売る気ですよ、SUー35以上の性能では無いかと。
今の米軍のマネージメント能力を鑑みるとコスパのいい戦闘機なんて逆に作れないと思うぞ
だって自分たちが何を求めてるのか上手く整理できてないんだもん
KF-Xの調達価格は今のところ約140億円くらい。
ただインドネシアがキャンセルするだろうからもう少し高くなるはず。
KF-Xネイビーが出来たとしても採用国は今のところ韓国のみだし、調達価格に開発費用上乗せだからますます高い。
一方、F-35Aは日本の割高調達価格でも130億円。FMSなら100億円くらい。
潰すためだけなら何もしない方が良い。
>KF-Xネイビーが出来たとしても採用国は今のところ韓国のみだし
採用できますかね?
少なく見ても空母と艦載機同時開発の「ダブルリスク」、
KF-XネイビーはSTOLではなさそうだから空母自体が過去ぶっちぎり最大の艦艇とCATOBARの同時開発、そもそもKF-21自体がまだ辛うじて飛んで降りてミサイル撃てた、という段階なんだから「クアドラプルリスク」か。
それ以前に「韓国の空母事業」は「何のために?」という根本的かつ致命的なリスク抱えてますしね。
KF-Xは韓国軍の調達でも140億円くらいの想定。インドネシアのキャンセルで量産効果は吹き飛ぶと思う。ネイビーの開発も出来るか分からんが、それでも量産効果より開発費の上乗せ来そう。
一方、F-35Aは本国90億円くらい、FMSなら100億円くらい、日本の割高調達でも140億円くらい。
本当にKF-X潰すなら何もしなくて良い。
デジタルセンチュリーは第6世代を目指すんじゃなくて使いやすい4.5世代+αを目指す形になるのかな
ステルスやマルチロールとかを考えずにデジタルを屈指して作れば安価になるのもまあ分からなくもない、まあそれとは別に作るんだろうけど
DCSはそれこそセンチュリーシリーズの様に「色々作る」んじゃないのかな。
結果多少微妙でも一定数は使って一定期間は使う。
当たったら増産・派生で長く使う、と。
その意味で4.5世代機的な機体「も」作る可能性はありそうですね。
死に体のボーイングが末に待った案件かも
振り分ける社内リソースが残っているのかは知らないけれど・・・
X-32を再利用してワンチャン・・・
最終的にF-35も第6世代も第5世代マイナス(?)も全て中途半端になったりしてな
いつだか米空軍が電撃発表してた、「新型機はもう初飛行テスト済み」ってひょっとしてこれか?
いや、あれは第6世代機だったかと・・・
「F-16Vよりも高度でF-35よりも高度ではない戦闘機」
どんな戦闘機なんだ…
今更非ステルス機なんて導入したら、中国を喜ばせるだけだと思うのだが
機体が低価格になっても運用コストが問題なら、F-35にステルス塗装をせずミサイルや増槽をぶら下げて使うという、ロシア的思考はしないのか?
F-35はそれでも十分セミステルス機として使える。
ヴァルキリーの開発の速さを考えるに意外と短期で新型機を開発可能なのかも
これ議会が許さんやつじゃない?何か色々バッシングされてるF-35だけど、傾向として毎年「国防総省の要求数」は少な目だけど「議会の最終決定数」で大幅に増やされ手厚く保護されてるのがF-35の実態だし…この牙城を崩せるのか?
ステルス機が苦手な某航空メーカーへの救済やろなあ・・・
某航空機メーカーさん、ステルス不得手な印象なのは同意だけど、得意なのは何?となると、最近の姿を見るに候補が浮かばないです。
なんとしてもF-35を中止にもっていきたいのがありありとわかる記事が連続してるな
F-22に続いてF-35も中止できれば開戦だろ
トランプ政権で頑張って機体の価格を下げることができたわけだが
それ以前は、機体の価格だって上昇一辺倒だっただろ?
何事も努力と技術開発等の工夫であるのに、「現状の」コストが高いからダメという烙印を押す
例えば、キャノピーのコーティング維持が高いなら、なぜそれが簡素化できる方法を考えようとしない
代替手段だってあるだろ。
コーティングは実践の時だけとか。もしくは、キャノピーすらやめて全部覆ってしまい、外部カメラをヘルメットに投影するとかさ、考えようぜ
二転三転してるなあ…アメちゃん大丈夫?
まるで読めもしない分量の参考書を大量に勝って満足する受験生のようだ。
>読めもしない分量の参考書を大量に勝って満足する受験生のようだ。
無意味なのだけど、何となく安心しちゃうんだよね。
昔から米軍にあるハイローミックス構想の再燃でしょうか?
元々F-35Aは、ハイのF-22に対するローの意味合いもあったように思いますが、
今度はF-35がトッピング全部乗せ状態でハイに昇格し、新たにローを作ろうということなのかなあ。
今の時代、そう簡単に新型戦闘機を開発できるものではないと思いますが。
>今の時代、そう簡単に新型戦闘機を開発できるものではないと思いますが。
個人的には同意ですが、
デジタルセンチュリー構想に夢を持っている層は、違う意見なのでしょう。
それが幻影か否かは、これからわかることでしょうが。
運用コストを下げたいからと現有のステルスを削減したいという話なら、
いま同じ方向に突き進んでるロシアと中国の懐具合はどうなんだろ
東側だからなんでも安いっていう話は現代では鵜呑みにできないんだよね、そもそもの国防予算が不透明なんだから
F-35Aより大幅にコストの安い戦闘機が必要だけどF-16Vでは性能が足りないとして
じゃあF-16Vのどの部分の性能が足りないのか?ってなるとやはり航続距離と超音速性能なんだろうな
だって対中国を真剣に想定すればするほど、F-35Aの航続距離の短さと非ステルスのKC-46の組み合わせが足を引っ張り続ける事になるので
とにかく足が長くて逃げ足の速い戦闘機の数が欲しいって気持ちにはなるし
つまり性能的にはF-15EXかF-111+相当の能力でコストはF-16V並の戦闘機を短期間で開発量産できる目途が立ったという事なんだろうか
それがデジタル・センチュリーの成果の一つって事かな
>つまり性能的にはF-15EXかF-111+相当の能力でコストはF-16V並の戦闘機を短期間で開発量産できる目途が立ったという事なんだろうか
能力か低コストの何れか一方を選択で、それを短期間開発する程度じゃないかな。
で蓋を開けると、何処かの海軍さんみたいに、評価不十分で運用後にトラブル多発のオチの可能性も。
F-35からステルスコーティング剥がして増槽つければ要求満たすんじゃない?笑
そんな戦闘機誰が買うんだ、と言いたいけど
アメリカあてにならんから、日本は早くF3開発しないとね
韓国の次期戦闘機当初の案で作ってたら、条件満たしたかもしれないのにミスったねこれ。企業側は輸出を考えてこのままの案のほうがいいって言ってたのに、日本に対抗心燃やして双発にしてステルスまでつけるとしたせいでチャンスを失ったな。
結局色々と押し付けられた挙げ句、世界で一番F-35を買ったのは日本となるオチが…
州兵空軍にステルスハイエンド機なんて要らんやんっていう最初の最初の理論に立ち返るアメさん
スケールメリットの限界ですな
何で対中対ロのハイエンドだけに視点がいくのか。対中対ロでガチンコの戦争やるより、ろくな対空兵器持っていないテロリスト相手とか弱小国家相手にする可能性の方が高い。おまけにスクランブルにステルス使用するのもコスパが悪いだけでしょ。運用に気を遣わない使い勝手が良いロー側の機体が欲しいのは理解できる。後出しで作るつもりなら既存の4.5世代機に対してアドバンテージある機体を作って輸出も視野に入れつつ運用するつもりじゃない?
F-15/F-16更新用ならF-135みたいに出力が高くならないようなコスパの良い双発エンジン搭載し、空気抵抗やステルス対策でコンフォーマルタンク/ウェポンベイとか20mm以上のシャッター付き固定武装を持つ機体とかどうだろう。
個人的に気になるのはデジタルセンチュリーシリーズやこの4.5世代機に積むエンジンなんだよね、機体の設計とかいくら短縮できようがある程度共通化されたエンジン無いと飛ばせもしない。まさかエンジンの開発も機体に合わせて柔軟にって事は無いはず。
だがF414単発じゃ給油ソーティ食いまくるんで無理
だいたいがそんなんT7クラスじゃねえかという