米国関連

米空軍、ボトルネックだったF-22とF-35の戦術情報共有に成功

米空軍は14日、F-22とF-35が初めて戦術情報の共有を直接行うことに成功したと発表した。

参考:gatewayONE and attritableONE test moves joint force one step closer to “IoT.mil,” demonstrates F-22, F-35 first secure bi-directional data sharing

ボトルネックだったF-22とF-35の戦術情報共有がGatewayOneを通じて可能になる

F-22とF-35には敵に感知されにくく安全性の高い独自の戦術データリンクが搭載されており敵の厳重な防空システムに守られた空域に活動する際に威力を発揮するのだが、問題はF-22が搭載する「IFDL」とF-35が搭載する「MADL」には互換性がないため両機が戦術情報の共有を直接するためには標準的な戦術データリンク「Link-16」を利用するか早期管制警戒機や地上管制局を経由するしか方法がなく、F-22とF-35が共同で任務を行う際のボトルネックと言われていた部分だ。

この問題を解決するため米空軍はGatewayOneと呼ばれるプロトコル変換装置を使用してIFDLとMADL間で戦術情報共有を実現させることを計画を進めており、今月9日にF-22とF-35を使用してテストを行い初めてIFDLとMADL間の戦術情報共有を直接行うことに成功したと発表した。

出典:U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. James Cason

このテストの成功によりF-22とF-35は敵に感知されにくく安全性の高い独自の戦術データリンクを使用して相互通信を直接やりとりすることが可能であると実証されただけでなく、米空軍が開発している「アドバンスバトル・マネージメントシステム(Advanced Battle Management System:ABMS)」を通じて戦術情報を共有することが可能になり、米軍全体が進めているセンサーとシューターの分離にF-22とF-35は独自の戦術データリンクを通じて参加が可能になった。

つまり地上管制局はABMSを通じて敵の厳重な防空システムに守られた空域で活動するF-22やF-35に他のセンサーが収集した戦術情報を流して直接指示を与えることで「秘匿性の高いシューター」として活用できるようになったという意味だ。

米空軍は「GatewayOneが複数のプラットフォームと複数のドメイン間で安全な双方向のトランスレーショナル(橋渡し的な)データパスを確立できるのを確認できた、これこそがABMSの本質だ」と語ったが、同時に行われたGatewayOneを使用したXQ-58ヴァルキリーとの相互通信には失敗している。

関連記事:ようやく本領発揮、世界最強の戦闘機F-22Aが「神の視点」を味方に提供
関連記事:生まれ変わる米空軍のF-22A、F-35並のアビオニクス搭載で2060年頃まで運用予定

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by 1st Lt Savanah Bray

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 12月 16日

    予め共有が必要とわかってるはずだろうに
    なんで互換性のない機体を開発するのかが謎だ

    7
      • 匿名
      • 2020年 12月 16日

      F-22って、空軍が求めたMADL搭載アップグレードの予算を議会にキャンセルされてるような。
      アビオニクスが古いままで、変換プロトコルかまして、共通プロトコルに対応。他のステルスはMADLアップグレード予算降りてるんだよね。

      4
      • 匿名
      • 2020年 12月 16日

      互いのベーシック・プログラムが異なるので、アダプター・アプリが必要だったのだろう。
      F-22のベーシック・プログラムは1980年代にIBMが作成したものだ。

      14
      • 匿名
      • 2020年 12月 16日

      ヒント:両者の開発開始年

      8
      • 匿名
      • 2020年 12月 16日

      F-22はAda言語で記述していますが、F-35はC++なのでモジュールが転用できないですね。
      gatewayONEはデバイスと書いてありますから、MADLを送受信してIFDLにフォーマット変換、機体のミッションコンピュータと連携する仕組みなのでしょう。
      第四世代機ともMADL連携の話が出ていて、これもgatewayONEを使うようです

      6
    • 匿名
    • 2020年 12月 16日

    IFDLの設計要件が甘かったか当時のコンピュータでは処理が重すぎたんだろう。

    1
    • 匿名
    • 2020年 12月 16日

    F-22は年代半ばに実用化されて殆どアップデートされていないのでWin95/98みたいな物と考えてみると、最新でアップデートされ続けているF-35はiOS14.3と見なすと隔世の感がありますよね。それを連動させるのだから一苦労ですね。

    17
    • 匿名
    • 2020年 12月 16日

    《大変だ、ジャン・ルイ!敵は全部GatewayOne付きだ!》
    《ああ!ジャン・ルイがやられた!》
    《落ち着け!ジーン、指揮を引き継げ!》

    3
      • 匿名
      • 2020年 12月 16日

      は、なにが言いたいんだ?

      2
        • 匿名
        • 2020年 12月 16日

        エスコンネタでしょ

        2
          • 匿名
          • 2020年 12月 16日

          それは分かりますが場違いのネタを出すのは子供のやる事ですな。
          オタクのダメな癖。

          11
            • 匿名
            • 2020年 12月 17日

            なんか余裕がなくて生きづらそうな人だなぁ

            2
            • 匿名
            • 2020年 12月 17日

            この程度の小ネタに食って掛かり挙句に相手をダメなオタクと罵倒する人間が
            「大人の付き合い」を出来そうには思えないのは私だけか?

            3
    • 匿名
    • 2020年 12月 16日

    寧ろ今までデータリンク出来なかった事の方に驚いた

    9
    • 匿名
    • 2020年 12月 16日

    前記事でも出たからここは一つ「アドバンスバトル・マネージメントシステム(Advanced Battle Management System:ABMS)」について単独記事が欲しいな

    1
    • 匿名
    • 2020年 12月 16日

    しれっと会話に入れてもらえないXQ-58ちゃん可愛そう
    まるで学生時代の俺らみたいだな

    8
      • 匿名
      • 2020年 12月 16日

      一緒にしないで~w

      2
      • 匿名
      • 2020年 12月 17日

      リンク先を見ると、XQ-58ちゃんは、F-35ともF-22とも喋れるけど、F-22用に、XQ-58ちゃんが古代言語を学んだような感じ。

      2
      • 匿名
      • 2020年 12月 17日

      このレスいいねする人はつまり・・・
      あ、ボクもいいねしたよ(´;ω;`)

      2
    • 匿名
    • 2020年 12月 16日

    この戦闘機間のデータリンクを担当してるのがノースロップなわけだが
    F-3のデータリンクも当然ノースロップが参加
    日米のステルス戦闘機のネットワークはノースロップの元で統合されていくわけだ
    これで完成したのに米軍とはリンクできないとかいう事態にはならないと思うが

    9
      • 匿名
      • 2020年 12月 18日

      「出来る」と「する」の間にはマリアナ海溝並の深い断絶があるからね
      アメリカの兵器産業にとって有益ならば普通に米軍との統合拒否位はするでしょ
      あんまり期待しない方が良いんじゃない?

      1
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