米空軍のブラウン参謀総長は防衛政策の分析や防衛産業界の市場調査などを手掛けるMcAleese&Associates主催の防衛プログラム会議に出席した際、将来における空軍の戦力構成について興味深い言及を行い注目を集めている。
参考:Air Force Chief Hints At Retiring the F-22 Raptor in Fighter Downsize
参考:The Air Force is Planning For a Future Without the F-22
米空軍はF-16C/DをF-35Aで更新するのか、後継機を別に用意して空軍の戦力構成に追加するのか6年~8年先に決断する
米空軍が保有する戦術戦闘機(訓練に使用される複座型や攻撃機を含む)はF-15C/D×234機、F-15E×218機、F-15EX×1機、F-16C/D×1,089機、F-22A×178機、F-35A×283機、A-10×281機の計2,284機で構成されているのだが、ブラウン参謀総長は将来における空軍の戦力構成はF-15EX、F-16C/D、F-35A、NGAD(Next Generation Air Dominance/次世代エアドミナンス)の4機種に絞られると明かした。
ブラウン参謀総長は空軍が保有する戦闘機の中で最も支配的な性能を備えているF-22Aは第6世代戦闘機と目されているNGADに置き換えられると語ったが、老朽化が激しくF-15EXへの置き換えが予定されているF-15Cが構想から外れるのはともかくF-15Eまで将来の戦力構想から外れているのは意外で空軍が調達を予定している最大144機のF-15EXはF-15Eの更新までカバーした計画ではない。
もしF-15CやF-15EをF-15EXに一本化するなら同機の調達数は144機を超える数になるのでボーイングの戦闘機部門にとって久々の大商いになる可能性を秘めているかもしれないが、ブラウン参謀総長はF-15EをF-15EXで更新するとは一言も語っていないので現時点でF-15Eの後継をF-15EXだと決めつけるのは軽率だろう。
そしてココからが今回の本題であり将来における空軍の戦力構成における核心部分だ。
ブラウン参謀総長は将来の戦力構成に残されるF-16C/DについてF-35Aで更新して3機種に絞れることになるのかF-16C/Dの後継機を別に用意して空軍の戦力構成に追加するのかは今のところ分からないが、この決定を下すのは恐らく6年~8年先の話になると述べており、これはF-16C/DをF-35Aで更新するという当初の決定が白紙化されたことを意味している。
恐らく空軍は当面F-35Aの導入を継続すると思うが、現在の調達ペース(年間60機)で当初予定の1,763機全て揃えるには24年もかかるため「本当にF-16C/DをF-35Aで更新するのか?」時間をかけて検討しても十分変更が可能だと見ているのだろう。
まぁ開発開始から調達まで40年以上かかる計画を当初予定のまま一度も見直すことなく進める方が異常なのかもしれないなので、果たして米空軍はF-35Aの将来やF-16C/Dの後継機についてどの様な判断を下すのか注目される。
関連記事:米空軍が保有する戦闘機の在庫は過去最低水準、老朽化は過去最高水準
関連記事:米空軍、次世代戦闘機のプロトタイプを製造して試験飛行中だと明かす
関連記事:米空軍の次期戦闘機コンセプトアートが公式の報告書に登場
関連記事:米空軍、新しく導入するF-15EXの正式名称を「イーグルII」と発表
関連記事:E-3やF-35問題で迷走する米空軍、参謀総長が問題沈静化のため火消しに奔走
関連記事:日本も導入を進めるF-35が抱えた5つの問題、性能は申し分ないが取り巻く環境がネック
告知:軍事関係や安全保障に関するニュースが急増して記事化できないものはTwitterの方で情報を発信します。興味のある方は@grandfleet_infoをフォローしてチェックしてみてください。
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Kristin S. High)
結論を先延ばしにしたか…さてさてどうなることやら
漫然と先延ばしした訳ではないと思いますよ。
“Fighter”ではなく”Air Dominance”と言っていることから英軍同様の有人機とUAVで構成する戦闘ユニットを構想しているのかもしれません。
欧米で開発中の随伴戦闘型UAVも現状は技術実証段階ですしね。
8年も先なら部品の管理に問題を抱え続け同じ名前で互換性皆無なABCのコスト高なF-35よりマシな機体と企業が現れそう。無人機も来るかもしれないし。あと安全保障を盾に日本から今度はタービンブレードやエンジンとかパクれたらLMも国防総省もボーイングもハッピーなストーリーを描けそうだし。
> タービンブレードやエンジンとかパクれたら
F-135に試作レベルですら追いつけてないのに何をパクるんです?
F-135の性能はチャンピオンデータでかなり盛っている、だから寿命に問題が発生している。
タービン入り口温度がXF9-1より300度も上の熱に耐えられる材料があるわけがない、それにF-135はマッハ2を出せない機体特性に合わせてターボファン寄りの設計だから直径が大きくなっていて推力が大きいだけ、XF9-1より技術的に大きく進んでいるわけではない。
F-15はAB出力で12トン×2でマッハ2を超すがXF9-1はABを使うことなく11トンを出せるから、ステルスと両立させることができる機体設計ができればスパクルでマッハ2を出せる可能性もある。
ジェット戦闘機といえども通常は音速以下で飛んでるわけで、スパクルでマッハ2を出せれなら、追うのも逃げるのも圧倒的に有利になる。
誉発動機「儂も試験段階では『奇跡の発動機』と呼ばれていたのに、実戦では散々じゃった…XF9-1は大丈夫かのう?」
>タービン入り口温度がXF9-1より300度も上の熱に耐えられる材料があるわけがない
「F135のタービン入り口温度2000℃」の話であれば
2000K(≒1727℃)の間違いの可能性が高いですね。
リンク
だとすればXF9-1の1800℃との約70℃の差は大きいので
部分的にパクりたい要素はいくらでもあるでしょうね。
最大推力で比べるとF135が約1.27倍だけど、インレット面積比では微差、
体積比では完全に逆転(故に推力重量比でもおそらくXF9-1が上回るであろうと思われる)。
おまけに英米の特許の多くは回避している≒別の技術が用いられてる。
これに対して米が全く興味持たないはずだと本気で思ってるなら、
相当な技術音痴だと思いますよ。
あと(仮定にしても言いたがないが)仮にXF9-1が実戦でポシャっても
そこからパクった技術を昇華させた米国がポシャらなければ良い話なので、
誉が実戦で云々もあんまり関係ないですね。
結局、F-35はロープライスなのか、ハイプライスなのか、はっきりしないな
(第5世代にしては)ロープライズ
トルコ企業がエンジンのサプラチェーンから外されたから、お高くなります。
上のヒトの
> タービンブレードやエンジンとかパクれたら
があったとてIHIの材料、技術ならよりお高くなると思われ…
更新対象のF-16、A-10があまりにもロープライス過ぎたのがF-35の悲劇かも知れません。
F16はコスパも拡張性もかなりよかったからね
A10は作られた当時はともかく、対空装備充実して以降は相手を30mmの射程圏内に収めること自体が大きなリスクになってるから正直懐疑的
ミサイルや爆弾メインならそれこそ30mmによるチープキルというA10のメリットが無くなるわけだし
アメリカ会計監査局の試算では
改修やバージョンアップにかかる費用を考えるとトータルユニットコストは2億ドル弱までになる恐れがあるとしている
安い安い言ってる連中多いが、まだ未完成品で追加料金取られるんだぞ?
> トータルユニットコストは2億ドル弱
インフレ率考えたらF-22の半額以下やんけ!!
やっぱり安いな
>現在の調達ペース(年間60機)で当初予定の1,763機全て揃えるには24年もかかるため
前提の是非は横に置いて、
気の長い話しではあるね。
そういえばF-35のフルレート生産は結局やめるのか
更新スケジュール間に合わないなら既存機1000機もあるF16を魔改造するべきなの眼中にないの謎過ぎる
直すにも古すぎならF16V買えばいいし
F-16Vを含めたF-16のシステムはオープンアーキテクチャに対応していないので今後登場する新しいテクノロジーや兵器の統合に手間とコストがかかりすぎるとブラウン参謀総長が指摘してる。
F-16C/Dを更新するためにF16Vを購入するならF16Vのシステムを一から作り直す必要があるから別の機体を用意するかオープンアーキテクチャに対応したF-35Aで更新するか迷ってるんだよ。
60年代まで運用予定していたF-22はその前にリタイアですか。
言っちゃなんだがF-35よりよっぽど失敗作ですよね
現状で言うなら失敗昨かもね
ただF-22の場合は運が悪かったのが大きい
調達が始まったのがちょうど冷戦が終わって米軍が大国との戦争よりも、テロを相手にした小規模な戦争にシフトした時期
もう少し早く中国が台頭してきていたら状況はかなり違ったと思う
F-22が抱えている問題は生産数が少なかったことに起因しているものが多いから、F-35のそれとは違うんだよな
F-3が10年後に出来上がりその性能に驚愕したアメリカが、ジャイアンになって自国向けにカスタマイズして共同生産に乗り出す未来が見える。
その後はF/A18をリプレイスする艦上戦闘機の共同開発かな、その時には日本もカタパルト装備の空母を作っている。
カタログスペックだけでは判断できませんな
実戦で実力を証明して頂けませんとね
F-35ですらこの扱いか・・・
次世代機の仕上がりに相当自信があるんじゃろか?
F-35も最初は相当自信があったと思うけど・・・
先頭走ってるのは辛いね。後ろは先頭のいいとこだけマネすればいいしなぁ
スーパークルーズが使えなくなったF-35と亜音速ステルスUAVの違いなんてほとんどないだろうに。もう片方が5億で済むならそっちが主体でいいのでは。
元々の運用計画にスーパクルーズなんて無かったし、制限がなかったとしても燃費がクソ悪くなるから常用する訳でもないし、ポイントはそこじゃないかと
あとは、これはあくまでも推察だけど
バルキリーなりロイヤルウィングマンなりを運用できる機体はどっちみちライフサイクルコストはクソ高くなる予感しかない
随伴無人機が安く上げられるのは電子装備がその分安いからで、センサー役の無人機が生産されるとしたら結局はクソ高くなるよ
F-35、スーパークルーズできますよ
F35のイニシャルコストランニングコスト高騰は既定路線ですね…
契約時はおいしいことを言っても支払いは高くなる某SBみたいなもんだな。
戦闘機も民生品使ってもっと安くならないのかな?大量生産したいならスマホぐらいの演算能力でも結構いけるんじゃない?(素人観)
マジレスしてやるとスマホの方が少なくともCPUやメモリーに関していうと高性能
航空機向けに信用と信頼と許可が下りてなおかつ長大なプログラムを何もせずに載せ替えられるのには、基本スマホに使っているCPUは極めて向いてないけどね。
F-35のコンピューター換装とかも搭載許可が下りて上でプログラムを書き換えないですむ上位互換のCPUに交換計画だし。
話それるけど空自はこれ以上戦闘機増やさないで欲しい見たい。
部品が無いくて、F15運用するのがやっと。
あと1兆位予算つけば…
日本語になっていない。
そーか?
カタコトの日本語
言いたいことはなんとなくわかるけど、言葉遣いがおかしいですよ。
これで日本人だったら、相当頭悪い人だよ…
F-15Eは、EX改修するのでしょう。
それより、F-35AがF-15Eより多いのが、感慨深い。
そう。管理人氏はF-15Eが将来計画にないと言っているが改修後のEは
EX扱いなだけでEX約400機で計画に入ってるんじゃないかと思う
今更の常識ではあるがF35Aは絶対にコケられない重要機種ということで確定。
F22が消えてることからもわかるがランニングコストが重要で、F36が登場するかどうかはF35の運用コストダウンが成功するかどうかにかかってる。
日本としてはF3、F35A、F15MJ改の近未来を想定してたがF15の改修がコケたらF36的な(かつ足が長い)機種を考えなくてはならないかも。
フレームがほぼ同一だからF-15E→F-15EXに近代化改修して予算を浮かすに1ジンバブエドル
シンプルにF16の飛行隊が縮減されんじゃね?
その上でF16Vも導入と
MR-Xは非ステルスなのかステルスなのかが問題