米下院は対外援助パッケージに関する規則投票を316対94で可決、パッケージを構成する各法案(ウクライナ支援法案、イスラエル支援法案、台湾支援法案、第4の法案)への個別投票を20日に行う予定で、New York Timesは「法案の可決に疑問の余地はない」と報じている。
参考:Ukraine Aid Bill Clears Critical Hurdle in the House as Democrats Supply the Votes
参考:US House advances $95 billion Ukraine-Israel package toward Saturday vote
ウクライナ支援法案を阻止する試みはノーチャンス
米下院は停滞していた対外援助パッケージに関する規則投票を316対94で可決、20日に下院はパッケージを構成する各法案(ウクライナ支援法案、イスラエル支援法案、台湾支援法案、十数の包括的法案=第4の法案)への個別投票を行う予定で、New York Timesは「規則投票の結果は土曜日に対外支援法案が可決されるかどうかを占う重要な指標だった。超党派の支持を獲得した同法案の可決に疑問の余地はない」と報じ、国防総省も「法案が可決されればウクライナ支援パッケージを迅速に送る」と明かした。

出典:Office of Speaker Mike Johnson Public Domain
ジョンソン議長が対外援助パッケージの投票を分割したのは「共和党内でもウクライナ支援とイスラエル支援に対する支持勢力が異なる」という事情への配慮、ここに共和党強硬派が求めていた第4の法案を加えたのも「対外援助に対する反対をかわす目的だ」と言われており、New York Timesも「共和党の批判をなだめるジョンソンの戦略にとって規則投票は非常に重要だった」と報じているが、第4の法案には共和党議員が支持しているREPO法(差し押さえたロシア資産をウクライナに移転する法案)も含まれている。
因みに共和党は可決された規則変更の下で「ウクライナに対する非軍事援助の除外」「パッケージ内の金額を0に書き換える」という修正案を提案(採決前に審議予定)しているが、New York Timesは「(超党派の支持を加味するとウクライナ支援法案を阻止する試みは)ノーチャンスだ」と予想しており、土曜日の採決を突破すれば総額953億ドルの対外援助パッケージはほぼ成立したと言っても過言ではない。
If the House sends a national security package, we’ll move quickly to send it to @POTUS.
I hope the House gets it done—delay has cost the US and our allies dearly.
I met with the Ukrainian PM this week. If the US doesn’t stand with Ukraine—they’ll lose the war to Putin.
— Chuck Schumer (@SenSchumer) April 19, 2024
追記:上院のチャック・シューマー院内総務は「下院が法案を送付すれば直ちに可決して大統領に法案を送付する」と述べているが、上院は20日から29日まで休会しており、ウクライナ支援とイスラエル支援を迅速に可決するため上院議員を緊急招集するかどうかは不明だ。
関連記事:ウクライナ支援の財源、EU加盟国外相の大半がロシア凍結資産の利益転用を支持
関連記事:難航していたウクライナへの軍事支援、EU加盟国が50億ユーロ提供で合意
※アイキャッチ画像の出典:pixabay
台湾支援だけは可決して下さい!
台湾が買った武器も早急にお願いします!
ようやくですね。
これまでロシアを利してきた共和党は海より深く反省してほしい(しないだろうけど)。
ところで金額としてはかなりの額だとして、渡せるブツはあるのかという問題は引き続きありますよね。
とくに砲弾。どうすんだろ?三店方式でまた韓国辺りから持ってくるのかしら(日本からもか?)。
実質的な共和党の親分のトランプも気が付いたら「ウクライナ支援やめる」とか「私なら24時間以内に終戦できる」とか言わなくなりましたね。
今は「欧州はアメリカ並みにカネを出せ」「無償供与じゃなくて融資にする」みたいにかなり言ってることがトーンダウンしてます。
まあ単にアメリカが手を引いても戦争は終わるわけじゃなくて今まで以上にウクライナが一方的にボコられる展開になるだけですからね。
大統領就任が現実的になってきた今、ガザみたいな絵面を見せられて「お前のせいだ」みたいに責められるのはまずいんじゃねとか思い始めたんでしょうか。
ガザの惨状見て心動かされるほど心豊かではない気がする(ごめんね
自分としては「カネになる」のような実利に浮気してるだけだと思う
(自由だとか人権だとかの価値観に微塵も意味を見出してない人のはずだけど「米の宿敵ソ連の再興阻止」っていう低次の理屈でウクライナ支援をためらう理由はない)
これだと思う。
ウクライナが負けるとアメリカの世界中のビジネス(含むウクライナの復興)に支障をきたすから支援する。
共和党がロシアに利していたというよりは民主党とバイデン大統領の方が滅茶苦茶だった定期
国境政策のバーター云々で議会側は民主・共和で譲歩の可能性もあったのに、トランプが譲歩なんてもってのほかと共和党を引っ掻き回して今まで動かなくなってたんだからそんな責任転嫁したところで共和党の責任は免れないんだよなぁ…
ウクライナ法案通過が確実ならば。
緊急性の高い順に、物資を予め欧州に配置しておいて欲しいものです。
例えば、在欧米軍の”事前集積” の名目で。
イスラエルの緊急援助時(例:第四次中東戦争)の例に倣って。
チャシブヤールの戦闘に間に合うか否かは、結構大事、と思えますし。
第四次中東戦闘時に行われたイスラエルへの緊急軍事物資供給並の速さで支援を行わないと拙い位にウクライナの状況が悪化しましたが、支援法案が可決したとしてどう動くのかに注視ですね。
対空ミサイルや榴弾砲用砲弾辺りは米軍用在庫との兼ね合いをどうするのかにも注目です。
アメリカに取って非常事態が連発しているだけに、ウクライナについては先の欧州側の支援をもっと早く行えよいうのが本音だったりして。
*あれもアメリカの支援が止まったための危機感からなのでしょうが・・・
>第4の法案には共和党議員が支持しているREPO法(差し押さえたロシア資産をウクライナに移転する法案)も含まれている。
うわっ…
しれっと盛り込まれてますが、これはこれで大問題になると思います
ロシアに限らず中東諸国が対抗措置をやりかねないので
スイスはREPO法には乗らないらしい
欧州も多分乗らずG7でも意見は統一しないだろう
天然ガス止められたら死んじゃうし
日本はアメリカに追随しそうで嫌だな
ロシアに残ってる権益消えちゃう
そう言えばこの支援パッケージの中身は公開されてましたっけ?
HIMARSの追加やM777の追加が来るんですかね?GPS妨害を突破出来ない問題を放置したままGPS誘導弾系の火力投射システムを供与しても効果が薄いような。
F16関連装備とパトリオットの追加が来るとすると、それだけでかなりの予算を使い果たしてしまいそうです。前線を維持するのに対戦車ミサイルとMANPADSが必須ですが、果たして予算が通っても数が揃うのかどうか。
今回の予算案はパッケージの中身を決める物ではなく、パッケージ本体の予算を承認する物だと認識しています。つまり、PDA資金を増やす為の物で、現状1億ドル?くらいの残高を900億ドルくらいまで増やすものです。そこから国防総省やホワイトハウスが支援内容を決定し、900億ドルからその支援に合わせた金額をどんどん引いていく、こう言う物だと思います。
アメリカのウクライナ追加支援は決まりそうですね。
日本も追加支援を求められそうです。
”ウクライナへのさらなる資金支援の為にウクライナ支援負担金を健康保険料に上乗せを開始します”
とかありそうですね。
ウクライナ支援のためなら自分たちが損しても構わないというアンケートで過半数が賛成だったと記憶してます。
仰る通りですね。
ウクライナ有利の世論誘導を、マスメディア・御用学者が散々流して、バフをかけてきたので引き気味で見ています。
能登半島地震の後、ウクライナ支援6000億円ニュースが炎上していたため、実体はどうなんでしょうね?
例えば日経の調査は、日経電子版を有料で読んでいる人が中心の為、かなり偏った弱いサンプルであり末端とはかけ離れている可能性がありそうです。
>調査は日経リサーチと共同で2月7〜10日、日経電子版などの利用に必要な「日経ID」の所有者を対象にオンラインで実施した。1425人から回答を得た。
(2023年2月19日 ウクライナ支援「生活に悪影響生じても」7割 読者調査 日経新聞)
ウクライナに、武器が届くまでに、どの位のリードタイムがあるのか気になりますね。
砲弾・携行式対空ミサイルなど現場で使える物は、余剰在庫があまりないように感じているからです。
差し押さえ資産の転用が、さりげなく可決されているのも気になりますね。
アメリカ世界覇権の中核、基軸通貨(ドル覇権)を手放すような動きですから、少し気になっています。
アメリカの軍事力低下が目に見えた戦争なのに、基軸通貨が揺らぐ動きまで見るとは、本当に想定外の戦争ですね。
叩かれるだろうけど無駄だと思う
今更ウクライナに支援しても一番欲しい兵士の枯渇の補充は西側は出せない、砲弾なども生産余力があまりない、ミサイルも金積めば沸いてくるものではない。有事への対応をおろそかにして備蓄をさらに減らして送るか来年の話になる。
何より支援が通ってもロシアの防衛ラインの突破は不可能に近く、ロシアの侵攻を遅らせる程度でしかなく、講和しないのならロシアの被害が少々増えるだけで負けるのが今年か来年かの違いにしかならない。
キルレートは控えめにみても五倍、実際は八倍から10倍に達していると思われるので続いても若者が全滅して三国戦争のパラグアイのようになりウクライナの国家再建が不可能になるだけ。
イスラエルに金やってもガザの虐殺やイランへの挑発に使われるだけだろうからやらないほうが地域の安定につながる。
双方人質や行政拘禁とかいって何千人も拉致しているパレスチナ人を開放すれば紛争は終わる。
テロされる事はあっても攻め込む国はないだろう。テロされるのも自業自得でしかない。
そこまでの損害比とは思わないもののウクライナの損害が多くしかも人口で圧倒的な差があるのにウクライナが耐えれてるという事実が驚異だと思ってる。そしてウクライナはまだまだ将来を投げ捨てれるしロシアも苦戦する事になるだろうなと。まだまだ若者が国内にいるだろうし。
8倍10倍のキルレをお互い主張していますが歴史的にはこれが出来たのはヨーロッパによるアジアアフリカの植民地戦争やゲリラ討伐くらいの装備、軍制に圧倒的な差があった一方的な戦いで通常3倍を超えませんからね(そんなに楽勝なら地上軍の投入はもっと政治的に楽に出来る)
BBCのロシア側戦死者5万が正しいならウクライナ側の戦死者は多くて15万程度、死傷者は60〜90万程度ですか(アメリカはロシア側死傷者31万と12月に予想しておりその2〜3倍程度)
90万を採用し大戦時の日本の人口比に無理やり合わせると軍人約225万死傷した計算になるので末期日本軍と同程度のダメージですか
日本は白旗を上げる勇気を選びましたがウクライナは継戦を選びましたのでロシアをそれなりに苦しませるとは思います
たとえここから逆転の目が思いつかなくても
ロシア側の火力が時期や場所によって異なるものの5~15倍なのは双方一致している。
空爆の回数も天候や気候で変動があるものの50~200回となっているのも双方認めている。
ウクライナ側は初期は数十あったものの今はほぼゼロ
これだけ双方の火力に差があればキルレートも五倍十倍になる
ソ連のアフガン侵攻やアメリカのイラク侵攻のキルレートは100倍くらいはいっており、
むしろ近代のほうが火力が増しているので開いていく、最も抵抗側も火力は増しているからそれなりに被害をだすのでそのさいの人名という損失を許容できない事はあるがね。
ロシアとの戦争でキルレなんて無意味な評価軸です
彼らは物理的に達成可能か否かのみを重視しており
ロシアとの戦争を屈服以外の方法で終戦に導くためには「物理的に不可能」であるという現実をロシアに突きつけるしか無いです
(「物理的に」とはすなわち「リソース的に」です)
この戦争でキルレが云々と言っている人を見ると違和感しかありませんな
ウクライナにロシアを釘付け、達成できない目標のために戦わせられ続けるのが一番効率が良いですね
それと物理とリソースは全く意味が異なるので、ロシアの屈服部分は表現変えた方が良いかと。