米国関連

米シンクタンク、国防総省はイノベーションを牽引する立場から転落した

ランド研究所は昨年「既存技術だけで米軍は中国軍に優位性を確保できる」と発表したが、Atlantic Councilも16日「国防総省のやり方は研究開発における世界最大の資金提供者だった時代のもので、イノベーションの牽引から追いかける立場に転落した現実に適応していない」と指摘した。

参考:Defense innovation hindered by Cold War-era practices, experts say
参考:Atlantic Council Commission on Defense Innovation Adoption: Final report

もはや防衛産業がイノベーションをリードするのではなく「民間のイノベーション」をどれだけ素早く取り入れられるかが重要

ランド研究所は「米諜報機関や米軍の上層部が習近平主席が2027年までに台湾統一の準備を整えるよう指示したと公に警告している」「習主席は2027年までに武力統一という選択肢を手に入れたいのだろう」「一方の国防総省は2027年もしくは以降に中国の軍事的アプローチを確実に否定できると示せていない」「2027年までに新しいアプローチや新しい調達に資金を投じるにはギリギリのラインで従来発想で問題に対処するのは時間切れだ」と指摘。

出典:kremlin.ru / CC BY 4.0

台湾海峡を舞台にしたウォーゲームでも「米軍の勝利が困難」もしくは「勝利のコストが高すぎる」と示唆されており、ランド研究所とSpecial Competitive Studies Projectは「どのようなアプローチなら問題を数年以内に改善できるか」を共同で模索し、この改善策がウォーゲームでどの程度有効だったかを昨年8月に発表して注目を集めたことがある。

これが過去のウォーゲームと異なるのは「参加したシリコンバレーの経営者や技術者が戦略家や専門家とは異なる視点とアプローチで問題改善に取り組み、提示した改善策は全て既存の技術で構成されている」という点にあり、この改善策をウォーゲームで評価した米豪台の文民・軍人は「有望である」と認めた所だろう。

出典:總統府 / CC BY 2.0

大半の改善策は「人民解放軍のキル・チェーンを如何に阻害して米軍(台湾軍)の生存率を向上させるか」に関連し、透明度の高い戦場で生き残るには「囮と欺瞞」「機動性」が重要で「戦場で静止するあらゆる資産の寿命は極めて短い」と指摘、戦場の兵士や指揮官は敵に発見され破壊されるのを防ぐため機動性を高め、これは前線部隊やロジスティクスだけでなく後方の司令部にも当てはまる。

要するに空中と海上に「価値の高い目標」を模倣させるドローンをばら撒いて人民解放軍の認識力を阻害、人民解放軍の監視下に入る味方部隊に警告を与えるアプリケーションを開発して物理的、電子的、サイバー的な偽装を行うタイミングを指示、安全性の高い通信環境で情報を共有し、分散しながら移動する部隊を統合指揮する能力が「反撃の鍵になる」という意味だ。

出典:U.S. Air Force photo by Brian G. Rhodes

17の改善策を取り入れたウォーゲームでは米軍が失う第5世代機の損失が50%削減され、逆に人民解放軍が失う戦闘機の数は70%、水陸両用部隊の損失も66%に増加したが、活用された既存技術は市場に出回っている技術なので人民解放軍も同様の改善策を取り入れることができ、ランド研究所は「米軍が取り組みを怠れば致命的なギャップを生むかもしれない」とも警告している。

Atlantic Councilが2022年に設立したディフェンス・イノベーション導入委員会も16日発表の報告書の中で「国防総省の時代遅れな調達プロセスが『革新的な技術の統合』や『機敏な新興企業との協力』を妨げている」「米企業は技術的優位性を発揮し続けているものの国防総省が『より速いスピード』で調達・配備しない限り、このイノベーションは戦争抑止に殆ど役立たない」「国防総省が民間ベースのイノベーション採用に苦労しているのは『柔軟性に欠ける調達計画』『それを実行するスケジュール』『新しい技術に関する知識不足』『防衛産業基盤の縮小』に関連している」と指摘。

出典:USAF Air Force Research Laboratory AFRLが作成したスカイボーグ・プログラムのイメージ

01.時代遅れの研究開発モデル
国防総省の要求要件と調達プロセスは『研究開発における世界最大の資金提供者』であった時代に合わせて設計されたものだ。現在の研究開発に占める連邦政府の割合は20%を下回り、国防総省のやり方はイノベーションを牽引する立場から追いかける立場に転落した現実に適応していない。もう重要な技術開発の大半は民間が牽引しており、非商業的な研究機関によるイノベーションは商業化や普及に結びつくことがなくなった。

02.長期間のスケジュールと柔軟性のさな
もはや研究開発を牽引する資金提供者の立場は国防総省から民間企業に移り、潜在的な脅威、技術的な飛躍、戦闘概念の進歩、マクロ経済やサプライチェーンの混乱といった変化はどんどん加速しているにも関わらず、国防総省は10年以上前の要求要件で作られたシステムを調達している。ハードウェア中心の調達モデルは変化の速いソフトウェアの進歩を効果的に統合できない。

出典:Air Force Photo by Master Sgt. Jeremy Lock

03.防衛技術を提供する企業の減少
防衛産業の基盤は統合と撤退によって40%も縮小した。これは調達プログラムの複雑化と少数化、プログラム自体の長期化、難解な規則、取引に求められるコンプライアンスコストの高騰など複数の原因が挙げられる。その結果として防衛産業への新規参入者はいなくなり、競争原理が失われたことによりコストが増加し、イノベーションの採用も減少した。

04.デスバレー
国防総省は研究開発に年間数十億ドルを費やしているものの『収益が発生する生産契約への移行』は僅かだ。つまりイノベーションの大半は民間からもたらされているのに『なぜ国防総省はこれほどの大金を国防研究機関に提供し続けるのか』と疑問を抱かずにいられない。契約や資金調達のための長いタイムライン、プログラムの制約、断絶したエコシステムなどはデスバレを克服する企業にとって課題になっている。

出典:ロッキード・マーティン StarDriveを使用して開発されたSpeed Racer

05.足かせとなる人材の少なさ
国防総省の調達担当者は過剰とも言えるコンプライアンスと監視という官僚主義的な文化に晒されており、イノベーションは非常に厳しい環境に置かれている。この様な中では創造的な問題解決や慎重なリスクテイクが報われることはない。そのため国防総省の調達担当者として働く人材は余りにも少ない。

06.プログラム中心の調達
国防総省の調達プログラムは個々に独立しているため元請け企業は閉鎖的な独自技術を提供してくる。そのためプログラム間の相互運用性が損なわれ作戦、脅威、技術の変化に対応できない。明確に定義されたインターフェイスに関する文書を持つオープン・アーキテクチャが採用されるのは稀で、これがイノベーションを追加する上で大きな制約になっている。

出典:U.S. Air Force Photo by Tech. Sgt. John Wilkes

07.国防総省から議会への煩雑な報告
国防総省が議会に提出する予算獲得文書は数万ページに及び、文書の様式、詳細の記述、これを裏付ける資料などに一貫性がないため、議会がプログラムの旨趣や意味を理解する妨げになっている。そのため議会は軍の要求が迅速なイノベーション導入に繋がると信用していない。

08.新しい技術に対する理解不足
国防総省はバイオテクノロジーや量子技術といった新技術を活用するのに苦慮しているが、これは要求要件や提案依頼書を作成する担当者が新技術を良く理解していないためだ。これらの技術が成熟するについて国防総省の中では有意義な話し合いを行なうことが課題になっている。

出典:SpinLaunch 小型衛星を無動力で宇宙に打ち上げる加速器のデモンストレーション

エスパー元国防長官とジェームス元空軍長官が主導する委員会は上記課題に対して「国防総省はプログラム中心の調達からポートフォリオ・マネジメントによる能力取得に変更すべき」「国防総省はディフェンス・イノベーションを達成するため民間資本を活用しろ」「革新的な技術をもつ中小企業の研究開発に補助金を与えろ」といった10の提言を行っている。

提言の内容に興味のある方は報告書を読むことをお勧めするが、もはや防衛産業がイノベーションをリードするのではなく「民間のイノベーションをどれだけ素早く取り入れられるかが重要だ」「いち早く理解して統合せよ」と訴えており、この取り組みを軽視すれば中国に対する優位性は益々損なわれるのかもしれない。

出典:U.S. Air Force photo by Courtesy by Kyle Larson

因みに国防総省の官僚として10年以上も調達や技術開発に携わってきたケンドール空軍長官も昨年「買収上の悪習慣を排除する」と言及していた。

この悪習慣は「ある請負企業がF-35のような開発プログラムを受注するとプログラム全体の所有できる」という問題を指しており、F-35プログラムを獲得したロッキード・マーティンは機体の重要なデータを所有する権利が認められているため「製造」「運用」「維持」「アップグレード」に関する作業を独占している。

出典:Lockheed Martin NGAD

要するにF-35に関して他社が画期的な能力向上のアイデアを持ち込んできても、ベンチャー企業やスタートアップ企業が問題解決に役立ちそうな技術を提案してきても、競合企業の製造部門に余力あっても「ロッキード・マーティンが技術的データの開示に同意しない」と言えばそれまでで、元国防次官のシェイ・アサド氏も「何十億ドルも支払ったF-35は国防総省のものではないのか?」というメディアの質問に「兵器システム自体は国防総省に属しているものの設計データは我々のものではない」と回答している。

ケンドール長官は「技術的データの大部分を政府所有にしてオープン設計を採用し、今後のプラットホーム開発は誰をインテグレーターに選んでも新規サプライヤーの参加を可能にする」と主張している。

関連記事:ランド研究所、米軍は既存技術だけで中国軍に対し優位性を確保できる
関連記事:米空軍長官、次期戦闘機の開発ではF-35で直面した悪習慣を排除する
関連記事:モノポリー状態の米防衛産業界、言い値での調達を強要される国防総省

 

※アイキャッチ画像の出典:PHOTO BY Senior Airman Jack Rodgers

フーシ派の攻撃能力は7割以上が健在、米軍は標的を見つけるのに苦労前のページ

フランスもウクライナに安全保障協定を提供、マクロン大統領が2月にキーウ訪問次のページ

関連記事

  1. 米国関連

    米軍機関紙、辺野古移設を阻止するため沖縄知事が国際的な支援を要請

    玉城デニー知事は国連人権理事会で「国際社会は米軍基地が集中する沖縄の現…

  2. 米国関連

    米国防総省とLMが3年375機のF-35購入で合意、発注減で調達コストは増加

    国防総省とロッキード・マーティンは2023年~2025年の間に計375…

  3. 米国関連

    米企業、小型衛星を無動力で宇宙に打ち上げる加速器のデモンストレーションに成功

    小型衛星を無動力で宇宙に打ち上げることに挑戦している米国のSpinLa…

  4. 米国関連

    ロッキード・マーティンに対する最後通告? 米空軍は今後5年間でF-35Aの調達数を10%削減予定

    前回の記事でも少し触れたが、米空軍はF-35Aの調達数を今後5年間で1…

  5. 米国関連

    ウクライナ人パイロットの訓練問題、米国は必要な承認をまだ与えていない

    NATO首脳会談でウクライナ人パイロットに関する訓練連合が結成され「8…

  6. 米国関連

    さよならアリス! 戦闘機「F-35」稼働率低下の原因「ALIS」システム廃止へ

    ロッキード・マーティンは14日、問題の多いF-35物流情報システム「A…

コメント

    • Whiskey Dick
    • 2024年 1月 17日

    今こそイーロンマスクの出番なのでは。
    ボーイング・ロッキードに先駆け再利用ロケット実用化(スペースX)、燃費の悪いピックアップトラックばかり作る既存のアメ車メーカーに背を向け電気自動車テスラを立上げた彼なら画期的な軍事企業を作れるでしょう。
    アメリカには兵器開発に携わったことのある人材も多いので、社員も直ぐに集まるはず。

    10
      • 匿名
      • 2024年 1月 17日

      個人的には、ハワード・ヒューズの再来と思っています。
      彼は航空事業に関心があり軍用輸送機製造にも携わっていました。
      一方イーロンは宇宙事業で、スターリンクについてはここの皆様からすれば、言うまでも無いでしょう。
      改めて見ると中々趣深いです。

      4
      •    
      • 2024年 1月 17日

      アメリカの軍事産業は国に買い叩かれる上に研究開発費も莫大で旨みがあまりないんですよ
      儲からないので経営統廃合が進み、名門軍事企業はどんどん消えていった
      イーロンマスクはそんな業界に参入しないと思われ

      30
        •      
        • 2024年 1月 17日

        アメリカの軍事産業で残ったのは結局のところ、民間部門が強いボーイングとか宇宙部門が強いマーチン、アビオニクスなど電子産業に切り替えたノースロップとか
        兵器製造開発は儲からんのです

        28
      • kitty
      • 2024年 1月 17日

      テスラ(車種)みたいな兵器ができあがるのはある意味恐ろしいですね

      5
      • ku
      • 2024年 1月 17日

      イーロンマスクの政治信条は軸のあるものではなく、経済的には中国に軸足を置いている。
      ウクライナでも当初スターリンクの提供などウクライナを支援してたように見えましたが・・・
      基本何考えてるんだかわからない人ということでしょう。

      11
      • 西風
      • 2024年 1月 17日

      御冗談を
      金儲けのためには国なんて言う枠組みは邪魔とすら思ってる連中だろ
      日本だったら孫正義や堀江貴文に国防産業任せてみようって言ってるようなもんだぞ
      どうなるか考える事すら恐ろしいわ

      26
    •    
    • 2024年 1月 17日

    中国が帝国海軍みたいなやぶれかぶれの決戦主義に出るならアメリカも損害大きいだろうが
    だいたいはそんな真似しないな
    現存艦隊主義で戦力温存して交渉などでの優位性の保持や面子の維持を計る

    実際のところは米原潜が怖くて外洋に出ずに引きこもると思われ
    ドイツ海軍やフォークランドでのアルゼンチン海軍、日清日露の例のように

    4
      • 名無し
      • 2024年 1月 17日

      記事の内容ガン無視でまた精神勝利か好きだねえ
      こうだったらいいながその通りになるはずだって考えはそろそろ卒業しましょうや

      45
        •    
        • 2024年 1月 17日

        精神勝利連呼くんか
        しょーもないケチばかりつけてないで、たまには内容のある事言ってみた方が建設的っすよ

        ロシア勝てないとか中国負けないとか気に入らないようね

        5
          • 名無し
          • 2024年 1月 17日

          ああやっぱり毎度コメントで精神勝利してた人で合ってたんだ
          君の中身のない妄想と、現役軍人退役軍人防衛当局者の発言をソースにしているディフェンスメディアどっちが信頼に足るかと当たり前の事を言ったつもりなんですが、妄想の世界に生きる人には関係なかったかこりゃ失礼

          31
            •   
            • 2024年 1月 17日

            あらま
            ウクライナが三日で落ちるとかな間に受けてしまったタイプの人だね君

            シュミレーションてのは様々なケースを想定して行われ、キーウが三日で落ちるとかアメリカ海軍が大きな損害を受けるとか色々想定をしたケースの一つにしかすぎないんだよ
            OK?
            実際に詳しく書いてある記事にはそう書いてある
            「最悪の場合」とかね
            読み落とし多そうだね

            7
              •   
              • 2024年 1月 17日

              分かっていないようだから言っておくけど

              アメリカ海軍や自衛隊が大きな損害を受けるケースでは中国軍も壊滅状態という結果ね
              実際に中国軍が壊滅するまで狂った攻勢を仕掛けてくるかとなると現実的ではなかろうな
              核抑止で中国本土に上陸される事はないし、体制が軍事力で倒される事もない
              実際にやぶれかぶれで軍を消滅させるような攻勢を仕掛けてくるのかと
              中国を見くびりすぎだわな

              22
    • kame
    • 2024年 1月 17日

     アメリカが対中国戦において、馬鹿にできないだけの被害を出すという計算をしているように中国も同等の計算をしているため、米中の外交がどうなるかが最重要なのは間違いない。
     本日も中国経済関連の指標が幾つか発表されたが、コロナの影響と少子化による人口減少もあり、不動産販売も含めて低迷気味ではあったが、GDPや工業生産指数に関してはやや改善傾向が出始めている。まだまだ予断は許さない状況ではあるが、一部の投資家の中には中国経済の『底打ち』を考え始めている人達も出始めている。ただ、若者の失業率が一部の統計データ上だと12%に近い数字が出ているため、国内での不満はかなり溜まっている状態。
     逆にアメリカだが、製造業に関しては昨年から継続して低迷状態ではあるが、非製造業(サービス業やITなど)の好調さが顕著であり、未だに景気後退の大きなシグナルは出ていない。勿論、製造業だけ見れば雇用も悪化し、受注も減少しているため、景気は悪いため、関連業の人達の不満は大きいと思われる。
     米中お互いに国内事情に違いはあれど、一部の層に不満が出始めている事は確かであり、習近平政権が不満のはけ口として台湾侵攻、という未来も可能性の一つではあるが、先日の台湾選挙結果だけを見れば、政府は与党、議会は野党といったある意味ではバランスのとれた形で収まってしまった事もあり、無理して中国が侵攻する必要性は選挙前よりは無くなったと思われる。
     どの道、今後の米中対立の行く末はアメリカ大統領線次第なので、中国が性急に動くことはないでしょう。大統領選の結果を待ってから方針を決めれば良いだけですし、それまでに景気後退が落ち着ける事が出来れば、貿易含めた外交交渉も余裕をもって進められるのは確かですからね。

    14
      •   
      • 2024年 1月 17日

      日本のバブル崩壊は100兆円規模でしたが中国は少なくとも三千兆円と言われてるのでそんな急に回復無理でしょう
      日本はGDPの二割、中国はGDPの倍以上です
      中国はデータも公開しない倒産精算もしないで外資が参入するには危なすぎて及び腰になると思いますよ
      前代未聞の規模すぎてどうなるか想像もつかない

      19
        • 歴史と貧困
        • 2024年 1月 17日

        >外資が参入するには危なすぎて及び腰になると思いますよ
        軍事的にアメリカに依存している日本は、絶対に外資=ドルへの依存を抜けきることは不可能だが、中国やインドは事情が異なる。
        それぞれ、東アジアや南アジアの地域経済圏における主導的な地位を(軍事による貿易安全保障含め)担うことが可能であり、世界貿易でドルの地位に取って代わることは不可能でも、ドルやユーロの外資に左右されにくい経済圏を構築できる。その鍵を握るのは東南アジアや中東、ロシア、トルコ、東アフリカなどとの国際関係。(ヨーロッパ、北米、南米、オセアニアとの遠洋貿易は安全保障と絡む貿易という面での優先度が低い)

        中国やインドが技術的、経済的に欧米よりも立ち遅れていた50年前や30年前まではいざしらず、2020年代はG7とBRICsの間に優位性がなくなって久しい。

        日本には、軍事的な同盟を二国間貿易を含む形で展開できないがゆえに、ドル建ての“外資の誘致”を絶対的に必要としなければならない事情があるが、BRICsの国々には別の手段があるため、日本の経済常識で図ることは危険と考えます。

        16
        • kame
        • 2024年 1月 17日

         仰っている事は分かりますし、中国経済に関しては意見が割れる題材なのも確かですね。まあ、個人的に中国経済の実態を完全に把握できている人間は殆どいないと思ってます(中国共産党含めて)。
         ただ、今回の記事でもあるように、先進的なテクノロジーに対する貪欲さについては、中国は確かに他国よりも上でしょうし、投資額も多額です。アメリカの技術発展への取り組み方がどういった形になるかは未知数ですが、アメリカ頼りの日本としては頑張ってもらうしかありません。

        12
        • Authentic
        • 2024年 1月 17日

        >日本のバブル崩壊は100兆円規模でしたが中国は少なくとも三千兆円と言われてるのでそんな急に回復無理でしょう
        >日本はGDPの二割、中国はGDPの倍以上です
        中国崩壊論者の根拠のない数字をいつまで信じてるの?w
        よく本屋の店頭に積んである出典どころか参考文献すら書いてないなんちゃって経済本読んで信じちゃってるんだろうけど

        12
          • kitty
          • 2024年 1月 18日

          韓国経済崩壊って20年くらい言ってる気がするけど、いつするんでしょうねえ。

          6
      •  さ
      • 2024年 1月 17日

      それ、重要な要素がいくつも抜けてる
      特にシャドーバンク問題
      非常にややこしく込み入った話だけど、その問題抜きに中国経済は語れない
      そしてシャドーバング問題は今非常にまずい事になってる
      今の政権がこれにどう対処するかを考えると…

      2
    • マダコ
    • 2024年 1月 17日

    追うものより追われるもののほうがしんどいという感じでしょうかね?また、儲からない事に莫大なリスクを負う事はやりたくない、空洞化してしまった工業力。新自由主義の弱点が見えてきていますね。
    こうなってくると、役に立たなくなりつつある既存の兵器を国としては売りまくりたいでしょうね。。さて、誰が買わされるのか?怖い怖い。

    12
    • たむごん
    • 2024年 1月 17日

    アメリカの防衛研究開発は、コンピューター・インターネット・携帯電話など、現代の基礎技術に華々しい成果をあげてきました。

    元高官が、そこから脱却するという提言は出したのは、時代が変わった事を感じますね。

    17
    •  
    • 2024年 1月 17日

    国防予算が民間企業の食い物にされるだけだろう
    金もらって記事書いてるんじゃないかこの記者

    8
    • odjg3
    • 2024年 1月 17日

    軍民融合政策を推進している中国の方が現実に適応しているということですかね。
    あと、アメリカはまだ中国が2027年までに台湾へ侵攻すると考えているのかしら。
    昨年11月の米中首脳会談で習近平は否定しているけど。
    中国の目標は2049年までに中国軍を世界一流クラスにすることだから、アメリカも2030-2040年代を見据えて計画を立てた方が良いかと。

    5
      • 名無し
      • 2024年 1月 17日

      習近平が言ってた
      で侵攻の可能性なしもしくは低い
      ていうのはあまりにピュアすぎでは?

      5
        • odjg3
        • 2024年 1月 18日

        「中国の目標は2049年までに中国軍を世界一流クラスにすること」も考慮して、「2027年までに侵攻の可能性は原則無い(もしくは低い)」と思いますよ。
        今の習近平政権は不動産問題に注力していますし、2027年の中国軍はまだまだ発展途上の段階。
        台湾が独立を公式宣言すれば戦争になりますが、現状はそのような動きもない。
        逆に「中国は2027年までに台湾へ侵攻する」の方が根拠薄弱だと思います。

        1
      • Authentic
      • 2024年 1月 17日

      >軍民融合政策を推進している中国の方が現実に適応しているということですかね。
      というより、アメリカの行政能力が低くて何も進んでないというほうが正しいんじゃないかな
      そもそもデュアルユース技術を積極的に取り入れようなんて話はアメリカ自身もう20年くらい前から言ってますからね
      僕も経済史の一部として技術史やってたから各国の技術政策を調べたことがあっただけでその時はそこまで深く考えてなかったですけど
      報告書とか出してたのにまだやってなかったのはちょっと驚き
      >中国の目標は2049年までに中国軍を世界一流クラスにすることだから、アメリカも2030-2040年代を見据えて計画を立てた方が良いかと。
      あんまり待つと追いつかれるからアメリカはやるなら早い方が良いと思ってるんじゃないかな

      11
    • 匿名
    • 2024年 1月 17日

    以前Google社員が会社の軍事への関与(軍用AI開発)に抗議したニュースがありましたしイノベーションは民間が主導してるって言ってもそれが軍事とすんなり結びつくかは疑問
    あっちは意識高い人も低い人も一色に染まりがちだし

    6
      • 匿名
      • 2024年 1月 17日

      自レス
      とか考えてだけど先週こんなニュースがあったのね
      リンク

      1
    • ブルーピーコック
    • 2024年 1月 17日

    書類関連は30年くらい前から言われてるのに変わっていない根深い問題なんだが、解決できるんだろうか。
    あと試験は載せる前にちゃんとやろう。

    7
    • 黒梅酒
    • 2024年 1月 17日

    DARPAで時代遅れなら日本はもうどうしようもなさそう…
    いまの日本ってようやくDARPA的なもののミニ版に手を出そうとしているくらいでしょ?

    12
    • ホテルラウンジ
    • 2024年 1月 17日

    今回の能登地震でも自衛隊の初動について疑問が出ています。
    政府の方は今日か昨日の回答で初動について問題は無かったと回答していたと思いますが、
    真冬の能登半島で震災後の震災関連死を防ぐ為に早急に孤立地帯の発見含めて生存者の所在と状況を全容把握する事が出来ておらず、自衛隊は現状、ヘリやドローンや無人機とITを融合させた情報収集と支援物資輸送のRMAが為されていなかった事は否めないと思います。
    で、それを自衛隊独自で達成可能なのかという所の論点がこの記事の内容かと思います。
    東北大震災でも物流のマネジメントが機能せず、支援物資が被災地域に上手く届かず、民間の運輸業者がノウハウを提供して解決したという事例がありました。
    防衛省自衛隊にこの記事にあります米国のように民間を入れて柔軟な発想を入れて用兵のイノベーションをする仕組みを作れるのかは分かりませんが、出来ないのであれば米軍と同じような高度な兵装をしていても、用兵のシステムで戦場の情報収集力及びその情報を基にした兵力や兵器の使いどころの的確性で中国に負け、米軍の足手まといになる事になると思います。
    ウクライナ戦争でも両軍とも戦場の戦い方は機関銃が出てきた第一次世界大戦や戦車と空を情報で連携させた電撃戦が出てきた第二次世界大戦と並ぶくらい革命的に変わりましたが、技術的にすんげーチートなイノベーションの兵器が出てきたわけではありません(キンジャールぐらい?)。戦場のイノベーションのコアは技術ではなく「道具の有効な使い方(特に情報の集め方)」であって、受験エリートの制服やスーツ着た人間が会議室でポテチ食いながらブレストして出てくるアイデア程度では負けると思います。
    そこの自覚があれば、今回の能登の地震の初動のレベルが今の時代の軍隊に求められるスピードや情報把握力のレベルに達していないという危機感を持った自覚に繋がっていくと期待したいんですけど。
    防衛省自衛隊の幹部は今回の初動についてどう反省しているのか気になりますね。

    6
      • たむごん
      • 2024年 1月 18日

      自衛隊は、『安全保障任務』が1番目ですが、それすら人員不足・機材不足になっています…。

      一方で初動は、自衛隊しか、人員・大規模機材のロジスティクスを運用できません。
      余力をどのように持っておくのかが、どの組織も難しい所かと。

      オペレーションの改善だけでなく、自衛隊に、上手に予算をつける事を願っています。

      1
    • ホテルラウンジ
    • 2024年 1月 17日

    興奮してまだ言い足りないので続けますが
    今回の自衛隊の初動が問題無いと回答するのは、ナゴルノ紛争前の時代であればまあそうかもと思います。
    しかし、ナゴルノ紛争も経てウクライナ戦争ももうすぐ3年目を迎える現在において今回の能登の初動スピードは時代が求めるスピードに達していないと明らかに言えると思います。
    そんだけここ数年で激変してるのに、激変前の基準で問題ないと回答している所が不安を覚えます。
    中国ロシア北朝鮮は能登の初動の動きを見て有事に自衛隊がどのレベルで動くのかをずっと観察しています。
    今回の自衛隊のスピード感での動きでは中国側から見て自衛隊の有事の準備練度が高すぎてとても対応できないと思わないと思います。
    これは今回の動いた自衛隊員が怠けてるとか個々の自衛隊員の練度が低いという話ではなく、自衛隊という組織のシステムとしての情報収集スピード及び対応の的確性のチョイス練度の話です。
    そこが的確性があって初めて個々の能力の高いヘリ部隊、陸自隊員の能力が発揮されます。

    7
      •     
      • 2024年 1月 18日

      個人的には、お金をかけて続々と増やしている偵察衛星が今回の被災状況の把握にどの程度活かせたのかは気になっていますね。
      (運用の実情は全く知らないですが)いくら高精細で広範囲の画像を撮影できてもその分析に手間取っていては何の役にも立たないわけで、インフラや建築物の変化を半自動的に素早く検出するシステムとか、分析チームにとって扱いやすいインターフェイスといったソフトウェア面が重要だと思います。日本ってそういう扱いやすさの部分を疎かにして職人芸でカバーするイメージがあるので…

      3
        • ブルーピーコック
        • 2024年 1月 18日

        1月2日には国土地理院がだいち2号(ALOS-2)の観測データを使用した解析したマップを公開してます。現在も道路が寸断され、被害が大きいとされる地域の地表面の変動が激しいとする情報も同時に出されてます。

        4
      • Ard
      • 2024年 1月 18日

      全く無意味な事ばかりにしか読み取れない
      自衛隊の絶対的な能力が不足しているのは当然としても、突如として降って湧いて来る天災と、見て分かる戦争準備からの開戦を同列には語れない
      また敵側もインフラが脆弱な地点をわざわざ攻撃、侵攻ポイントに選択しないので能登半島での自衛隊での活動をもって防衛戦能力を測るのは愚か

      11
      • ブルーピーコック
      • 2024年 1月 18日

      今回は情報収集の問題よりも、能登半島の地形的な問題から来る交通インフラの脆弱性により、送り込める人数や復旧作業できる部分が限られているのが問題かと思いますが。
      初日にはP-1やP-3を含む20機を飛ばして情報収集にあたり、2日には衛星画像を発表、7日にはツイッター・・・じゃなくてXにてグローバルホークによる情報収集も行っているとの自衛隊の投稿がありました。
      あなたが懸念している部分において日本より先行しているであろう中国ですら、寒さや泥に復旧を阻まれているとの報道があります。
      初動がどうだったとか、対策はとか、そういう反省をするのは終わってからではないでしょうか。

      4
        • ブルーピーコック
        • 2024年 1月 18日

        訂正:
        後半の中国の件は、先月18日に発生した甘粛省の地震の事です。これじゃ俺も人のこと言えんな・・・

        1
      • kitty
      • 2024年 1月 18日

      では「ぼくのかんがえたさいぜんのさいがいしゅつどう」というのはどういうものなんでしょう。

      最初に1000人は少ないとか、すぐに続けて動かせるようにした8500人を無視した偏向報道だと思いますし、逐次投入云々は、軍事作戦ならともかく、「啓開」というものを理解しない浅い知識の批判だと思います。
      あと、元日に在京していた馳知事が、東京で指示を出していたのを批判する馬鹿もえひめ丸事件でゴルフ場から指示を出した森元首相を批判していた時代からまったく進化していないですね。
      それこそ、IT(イット)技術が進化した現代では何の問題も無い動きだと思うのですが

      7
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  2. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  3. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  4. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  5. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
PAGE TOP