中東アフリカ関連

フーシ派の攻撃能力は7割以上が健在、米軍は標的を見つけるのに苦労

米統合参謀総長はフーシ派への空爆について「攻撃能力にダメージを与える目的を達成した」と主張したが、ニューヨーク・タイムズ紙は「7割以上の攻撃能力が健在」「標的を見つけるのが予想以上に困難」と報じ、フーシ派も15日に米コンテナ船を攻撃して健在ぶりをアピールしている。

参考:Much of Houthis’ Offensive Ability Remains Intact After U.S.-Led Airstrikes
参考:Anti-Ship Ballistic Missile Hits U.S.-Owned Container Ship In Gulf Of Aden

どれだけ優れた精密誘導兵器を保有していても標的の位置が分からないなら意味がない

米統合参謀総長のシムズ中将は11日の空爆について「無人機やミサイルを使用したフーシ派の攻撃能力にダメージを与える目的を達成した」と主張したが、ニューヨーク・タイムズ紙は米当局者の話を引用して「米軍は150発以上の精密誘導弾で60以上の標的を攻撃したものの、敵の攻撃能力を20%~30%ほど損傷もしくは破壊したに過ぎない」「フーシ派の標的を見つけるのが予想以上に困難だ」「米国や西側諸国はフーシ派の防空拠点、司令部、弾薬庫、無人機やミサイルの製造拠点といった情報収集にリソースを費やして来なかった」と報じている。

出典:Fars News Agency イランが開発したカスタムUAV

米軍の分析官は現在「フーシ派の潜在的な標的の把握とリスト作成」を急いでいるが、ウクライナでも証明されたように「移動可能な兵器システム」を見つけて破壊するのは非常に難しく、どれだけ優れた精密誘導兵器を保有していても標的の位置が分からないなら意味がない。

海運業界の関係者も「今回の攻撃が短期的に役立つとは思っていない」「フーシ派のドローンやミサイルはどこからでも簡単に発射できる」「この攻撃で航行の安全が確保されたとは思っていないため紅海に誰も戻ってこないだろう」と述べていたが、米中央軍は15日「米国所有のコンテナ船(M/Vジブラルタル・イーグル号)が対艦弾道ミサイルによる攻撃を受けた」と発表、イーグル号はアデン湾沖160マイルを航行中にASBMが直撃したものの被害は限定的だったため航行に支障はないらしいが、船舶に対するフーシ派の攻撃能力が健在であると証明した格好だ。

因みにフーシ派は6種類のASBMを保有していると言われており、イーグル号の被害が限定的だったため「使用されたASBMは小型のもの=イラン製ロケット弾から派生したファレク(推定射程140km)、詳細が良く分かっていないマユン、アル・バハル・アル・アフマル、旧ソ連製のS-75(SA-2)を転用したムヒートではないか」と予想されている。

関連記事:米紙、フーシ派の問題解決には米国の力の限界を理解する謙虚さが必要
関連記事:空爆だけでフーシ派の脅威を根絶するのは困難、紅海に誰も戻ってこない
関連記事:シーア派反政府組織フーシ、弾道ミサイルと無人機でイスラエルを攻撃
関連記事:UAVの拡散阻止は不可能、日本企業が不正輸出した部品は中東で無人機に化ける
関連記事:新たな戦争が中東で勃発、米英がイエメンのフーシ派への空爆を開始

 

※アイキャッチ画像の出典:X経由 イラン製ロケット弾から派生したファレク

ポーランドの運送業者と政府が合意、ウクライナ国境の封鎖は17日に解除前のページ

米シンクタンク、国防総省はイノベーションを牽引する立場から転落した次のページ

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コメント

    • ふむ
    • 2024年 1月 17日

    敵が対空レーダーで守っててくれないと標的の位置がわからない、ってMillennium Challenge 2002あたりで既に机上演習レベルでは明らかになってませんでしたっけ…
    「予想以上に困難」とは一体どんなレベルの予想をしていたのか

    20
    • 匿名さん
    • 2024年 1月 17日

    サウジが攻めていたときは、武器支援を拒否したのに、
    サウジが諦めたら、自分たちで始めて攻めあぐねてるのか?

    ガザ紛争を解決しようとしながら、新たな紛争起こしてるのか?

    何がしたいんだ?

    59
      • nachteule
      • 2024年 1月 17日

       それフーシ派に言ってやれよハマス支持して商船とかに攻撃とかした結果が英米の攻撃であってフーシ派が何もしてないのに危険分子だから攻撃しましたじゃないんだぞ。

       紛争の火種を作るなって言うならフーシ派の攻撃全てをいなす方向になるがロシアと同じで防御だけで終わるなら攻撃はエスカレートして行くだけで負荷が増すばかり。
      仮にイスラエルの戦争状態を終わらせたら支援の攻撃の止めるのかも分からないしな。

      23
        • ひまわり
        • 2024年 1月 17日

        こんなのに34もいいねが付くのは世も末ですよほんと

        14
        • 匿名さん
        • 2024年 1月 17日

        フーシよりも、ネタニヤフに言ってやりたいね。
        そして、それを止めようとしないバイデンに言ってやりたい訳です。

        パレスチナの何万人の命を助けず、数隻の商船を守るなんて、中東の人間をナメてるよ。

        12
          • odjg3
          • 2024年 1月 17日

          フーシ派は20隻以上の商船を攻撃していますが…しかも攻撃された商船の殆どはイスラエルと無関係です。
          サプライチェーンの遅延と価格上昇は避けられませんし、スエズ運河の利用低下でエジプト経済にも大打撃を与えております。
          中東の人間をナメているのはフーシ派の方では。

          9
            • 匿名さん
            • 2024年 1月 18日

            フーシを危険視するなら、最初に書いた通り、サウジと共同でやってればよかったこと。
            今更言うのがそもそもおかしい。

            >サプライチェーンの遅延と価格上昇
            アメリカの政治的リソースは限られているわけだから、ガザ紛争を止めることを優先すべきだと思います。
            経済的損得とパレスチナの何万人の命を天秤にかけて、どっちが重いのかと、中東の人間は疑念を抱きかねないです。

            7
              • odjg3
              • 2024年 1月 18日

              フーシ派が危険視されたのは商船に無差別攻撃を開始してからなので、今言うことは別におかしくないと思います。
              イスラエルやイエメン内戦に無関係の国の商船を本当に攻撃したら、危険視されても仕方がないと思います。
              あと、イスラエル殲滅を掲げて商船を無差別攻撃するフーシ派は、ガザ紛争が無くてもどの道暴発していたかと。
              また、フーシ派はイラン以外の中東諸国と敵対関係にあるので、中東の人間は別に疑念を抱かないと思います。

              3
        • sada
        • 2024年 1月 17日

        まあフーシ派にはフーシ派の都合がありまして、
        フーシ派を起こしたフサイン・フーシは、2000年9月にパレスチナ人が殺される映像を見て叫んだそうです。
        「アメリカに死を!イスラエルに死を!ユダヤ人に呪いを!イスラムに勝利を!」と。
        で、その叫びは、現在に至るまでフーシ派のスローガンなのだとか。
        従って、この状況でパレスチナと共に戦わなかったら、あのスローガンはなんだったのか? となる。
        指導者層としては選択できないでしょうね。
        まあ莫大な見返りでもあれば兎も角、そんなモノありませんしね。
        日本人の私が肯定するわけではありませんが、あちらの事情はそんな感じです。

        6
      •     
      • 2024年 1月 17日

      ここに至るまでの流れが全てアメリカが立てた計画だったと?さすがに陰謀論でしょう。

      4
    • 58式素人
    • 2024年 1月 17日

    疑問をひとつ。
    NYTは戦果の評定が出来るのかな。
    誰かに教えてもらっているのかな。
    元々、ロシア寄りとは思っていますが。

    7
      • 通りすがり
      • 2024年 1月 17日

      米当局者の話を引用と書いてる。

      そもそも「◯◯寄り」とか言い出すのは具体的な指摘や反論が出来ない場合が多いよね。

      45
        • 58式素人
        • 2024年 1月 17日

        見落としました。
        ご指摘ありがとうございます。

        2
    • 名無し
    • 2024年 1月 17日

    海兵隊で攻め入らないとどうしようもなさそう

    2
      • 帝国
      • 2024年 1月 17日

      ブラックホークダウンをもう一度やる羽目になるで。イスラエル絡みの中東ではベイルートでも手ひどくやられたやろ?
      いずれも「今日はこのぐらいで勘弁したるわ」と捨て台詞、泣きながら逃げ帰ったんや。
      この辺の連中は帝国の墓堀人、パシュトゥン人と同じくフェダイーンなんや。死ぬことを恐れていない、むしろ喜びで名誉な上に、日本人が特攻を教えてあげたんで無茶苦茶に勁いで。死にたくない、命が惜しい、損得だの合理主義で戦争する奴は近付いてはいかんとこや。

      24
    • ひろゆき
    • 2024年 1月 17日

    サウジがフーシ派に爆撃している時に敵の敵は味方論でガンガン武器を流しておくべきだった

    そうすればケツ持ちのイランとのサウジの間が敵対状態で固定され

    フーシ派の矛先もサウジに向かっていき、今回みたいな事が起きてもサウジにも矛先が行ってターゲットが分散して楽になってた

    人権外交から脱却して地政学に基づいた国益に基づいた外交に転換しないからこうなるんだよ

    いつの間にか米国が直接攻撃を加える事になっていって疲弊して負ける王道パターンにハマり始めてるやん

    いいチャンスだからこのままフーシ派には頑張って貰って米国民主党の人権に基づく外交は世界を不安定にさせるだけだと気づいてもらいたい

    36
      • 歴史と貧困
      • 2024年 1月 17日

      >米国民主党の人権に基づく外交は世界を不安定にさせるだけだと気づいてもらいたい
      絶対に当人たちは自分達の失敗を認めないでしょう。中東や他の国々にとってはとうの昔に気付いていることですが。

      フーシ派の非人道的な悪辣さが悪い、後ろ盾のイランが悪い、トランプが悪い、と喚き立てることしか能がないので、二大政党制が崩壊するまで同様の失敗を繰り返し続けるかと。

      28
      • odjg3
      • 2024年 1月 17日

      人権に基づかない外交を行っても世界は不安定になりますけどね。中露が得する外交を広めるのは如何なものかと。
      イエメン内戦におけるサウジの戦いぶりを考えると、ガンガン武器を流しても現状から大して変化しないと思います。
      そもそもフーシ派がサウジに矛先を向けていた時に、サウジとイランは中国主導で国交正常化を行いました。
      中東外交は中国の方が一枚上手でしたね。

      17
      • a
      • 2024年 1月 17日

      ひろゆきさんなんかあなた上手いこと言おうとして失敗してません?
      別にイエメン政府は単純に武器が足りなくて負けてるわけじゃないですよ
      アフガニスタンの親米傀儡政権が一瞬で崩壊したときも、別に武器が足りなかったわけじゃない
      サウジも継続的に莫大な量のアメリカの兵器を買ってるのでそちらも武器が足りなかったわけでもないし、なんなら中国もサウジについて兵器送ってたので、フーシ派援助してるまともなとこはイランしかなかった
      にもかかわらずフーシ派が優勢なのは、結局アフガニスタンと一緒で、国民の支持も意欲も正統性もない政権というのはすぐ吹き飛ぶということです
      イエメン政府がまだ一応砂漠地帯に残っているのは外国勢力が傀儡政権の確立を諦めていないからであって、もし本当にイエメン人の手に内戦を委ねたらフーシ派がすぐ勝つ

      20
        • タチコマァ
        • 2024年 1月 17日

        というかフーシ派って正統政府かというとそれはそれで微妙なんですよね
        イランの傀儡で協力者だったサレハ大統領も始末してませんでしたっけ……

        2
          • sada
          • 2024年 1月 17日

          フーシ派がイランの指示で動いてると主張する研究者はあんまりいません。
          あとフーシ派の最初の指導者のフサイン・フーシはサレハ大統領に処刑されているので、
          まあ仲良くやれる方がおかしかったよなあ、と

          5
    • kitty
    • 2024年 1月 17日

    ASBMって突入速度から赤外線シーカーは使い物にならないのではと思っていましたが、6種類もあるとは。
    シーカーは全部イラン製らしい。

    8
      • 下僕
      • 2024年 1月 19日

      そう言いますよね。意外に簡単だった?ASBMが実戦使用され命中した初めてのケースかも?DF-21Dまじ脅威。

    • 歴史と貧困
    • 2024年 1月 17日

    ロイターの記事で、ガザ北部でも空爆が再燃し、ハマスがロケット発射能力を失っていないと報道されていました。

    イスラエルが地上軍を派遣しても攻撃能力を奪い切ることが難しいとなれば、英米が空爆だけでフーシ派の攻撃能力を断つのは夢のまた夢。

    イスラエル、ガザ北部への攻撃再び強化 レバノン南部を空爆
    2024年1月17日午前 1:58
    ガザ地区北部では、イスラエルが作戦縮小を発表した年明け以降で最も激しい戦闘が再燃。大規模な爆発の様子がガザ地区の境界のイスラエル側からも目撃された。
    ガザ地区からはイスラエルに向けロケット弾が発射され、イスラエルは防空システム「アイアンドーム」で迎撃。イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突が始まってから100日以上が経過したが、ガザ地区の戦闘員がロケット弾を発射する能力を失っていないことが示された。

    19
    • ななし
    • 2024年 1月 17日

    イラクでもアフガンでも、アメリカ軍の圧倒的戦力を持ってすら空爆だけで敵を叩こうというのはそもそも無理筋だという戦訓が積みあがってますよね。
    なのでこの結果にはまあそうなるなという感想しかないし、本職の軍人もそれを理解してないはずはないんですが、多分結果はともかく政治的パフォーマンスとして相手を叩いたという形式が必要だったんでしょうね。

    27
    • 黒丸
    • 2024年 1月 17日

    日本の地対艦ミサイルも隠れるのは上手いのかな?
    でも中国なら偵察よりもスパイで情報収集しそうですが。

    8
    • Hydra
    • 2024年 1月 17日

    運用上の観点からすれば補給拠点のような集積場所はなるべく集中した方が効率的ですが、攻撃を受けることを前提とするなら物資はなるべく分散した方がいい。
    要はフーシ派は攻撃を受けることを前提にして拠点を構築していたんでしょうね。

    8
      •     
      • 2024年 1月 17日

      民間船を狙うと決めた時点で報復攻撃も想定していたでしょうし、サウジに空爆されてきた経験も活きているのでしょうね。

      3
    • ホテルラウンジ
    • 2024年 1月 17日

    管理人さま あけましておめでとうございます。
    今年もとても分かり易い記事ありがとうございます。
    こういうパターンに入った場合は絶対にフーシ側の拠点を全部潰す事なんか出来ないんですから蛇口の元栓を攻撃する事を考えた方が良いんじゃないですかね。
    蛇口の元栓とは具体的にはイランになるんですが、米国がイランに戦争を仕掛けるという事ではなく、イランが困る所を探してそこをあからさまに攻撃して、フーシ派を大人しくさせる代わりに自分も攻撃を辞めるという取引をするというストーリーです。
    具体的に何やねんと言われると困りますが、イスラム教は派閥同士の喧嘩が多いので、シーア派の中でも各派閥があると思いますんで、派閥対立を激化させるような裏工作をしてみたり、イランにも裏社会はあるでしょうから、そういう地元マフィアに麻薬やポルノを大量に市中に流して社会規律を乱したり。政府のシステムにハッキング攻撃してイラン政府の機密情報を国民にばら撒いたり。経済制裁が効かない相手でもやられると困る弱点はあると思いますが

    4
      • 帝国
      • 2024年 1月 17日

       僕らが思いつくようなことは硬軟合わせてみんなやってる。そもそも、イランで何度もクーデターを引き起こしてるし、最近でも大きな反政府デモも引き起こした。
       しかし、挙って「殉教」するイライラ戦争などでの話から分かるように宗教的ナショナリズムの強い国で、米国などへの恨みが深い国だからぐじょぐじょにしたり大きく割ったりすることは困難なので今日まで保ってきてる。また、イランなりペルシャ系の人間はイラン以外にもたくさんいるしイランへの恩義を感じてる「殉教」したい人もたくさんいる。あまり舐めたまねをすると、米国とその仲間にホテルラウンジさんが考えた以上のことをやり返すだろう。米帝が何十年もイランを殴りたいとかでいろいろ仕掛けているが大きくやれないのは「イランからの抑止力」が馬鹿に出来ないからだろう。

      21
    • 名無し
    • 2024年 1月 17日

    素人目線だけどロシア中国が中東地域にガチで近代防空システムをバラ撒いたらこれパワーバランスが一気に傾くのでは…
    まあそうならないようにイスラエルはロシアや中国と良好な関係を保ってるんだろうけど

    14
      • 名無し
      • 2024年 1月 17日

      東側の防空兵器でガチガチに固められたらおいそれと航空機が飛び込めなくなる…

      9
      • k.ziro
      • 2024年 1月 17日

      今はロシア国内で手一杯、ウクライナが落ち着いたら余剰在庫を回すってことですかな。
      というわけでウクライナ戦線は当分続行です。

      4
    • 765
    • 2024年 1月 17日

    言うて空爆だけで3割戦力削れたなら上等じゃないっすかね

    17
      • タチコマァ
      • 2024年 1月 17日

      迎撃能力の有無を差し引いても、少なくともロシアがウクライナで撃ったミサイルの数と比べれば効率性は何倍も上ではあるんですよね……

      5
      • T.T
      • 2024年 1月 17日

      文中でも3割は最大値だし、基本空爆の戦果は眉唾で考えないといけないですから。
      空爆直後にまた船舶攻撃してますし、かなり割引いた方がいいと思います。

      8
    • 帝国
    • 2024年 1月 17日

     真面目な話、米側は筋悪と見込みの暗さから有志艦隊に多くの国を引っ張り込めなかった。名前の出ている国でも要員の派遣程度の名義貸しでフネを出していないところが多い。少数の艦が持つ対空ミサイルは100発程度なのでフーシ派にまとまった攻撃を受けると直ぐに射耗してしまい、補給のために基地に戻らなければならない。これらの艦は空母の護衛も兼ねているだろうから空母もまた下がらなければならない。また、防空ミサイルは1発何億円もするので数百発も撃つのは愉快なことではないし、金があっても生産と補給が追い付かない。
     フーシ派の防空能力もゼロではなく無視できないレベルのようでF/A-18が1,2機落ちたと見え、2人の行方不明とSARが報道されている。ウクライナ軍から転売されたMANPADによるのかもしれない。
     フーシ派は実戦経験豊富で隠蔽と分散が得意で士気が高く(死を恐れずに任務を果たすということ)、精密でも絨毯爆撃でも地上戦でも屈せず勝ち抜いてきている。アルカイダがそうであったように、世界のムスリム&その金持ちは味方になったっぽい。分母が10億人なんでリクルートと金には困らんだろう。
     筋悪過ぎなので米帝側はそのうちフェイドアウトを狙うのだろう。なお、イスラエルがもっと米国を戦線に引っ張り込みたいと図ってる(あちこちを攻撃してピンチを作る)という話もあり、足抜けどころか両足突っ込んだり、中で胡坐かいちゃったりする可能性もそこそこある。国連総会での即時停戦決議だかで反対はイスラエルと米国だけになり、地球の94%を敵に回すところまで来た由。

    12
      • Whiskey Dick
      • 2024年 1月 17日

      フーシ派がイエメンで勢力を拡大できた理由は、彼らの支配地域の生活水準と治安が政府や他の武装勢力よりマシだったというのがある。イエメンの支配だけで満足してれば良いものを海賊行為に手を染めた理由がイマイチ分からない。

      3
        • ぬるぽ
        • 2024年 1月 17日

        イエメンは元々反米意識が強いし反米反イスラエルがフーシ派のスローガン
        英米を挑発し空爆させれば英米の敵意で国内の支持をまとめられる
        それでいて空爆止まりなので殲滅される心配もない
        英米はフーシ派や元締めのイランの思惑にまんまと嵌められてしまったんだ

        9
        • ふむ
        • 2024年 1月 17日

        分断は各個撃破の前段階だから、じゃないですかね
        ガザがやられるの放置した先は己の破滅だろう、との予測と危機感からの行動かと

        7
      • ひまわり
      • 2024年 1月 17日

      FA18は初耳ですが、フーシがF22の撃墜を主張した、とナショナル・インタレストが報道してますね。
      すごいですよね。たぶん火星人が転売したレーザー砲でも使ってるんでしょう

      5
        • kitty
        • 2024年 1月 17日

        そもそも中東に展開していないF-22を落とすには反射衛星砲でもないと無理だろ

        8
      • たむごん
      • 2024年 1月 17日

      仰る通り、国力には限界がありますからね。

      日本であれば極東ですが、やる事を絞らないと、どうしようもないなと。

      2
    • ひまわり
    • 2024年 1月 17日

    むしろこの短期間かつ百数十発程度の精密誘導兵器のみで3割も減らしたのは凄いことだと思うんですけど

    11
      • YJ93
      • 2024年 1月 18日

      最大3割減らしという発表に対し、7割も残っているじゃないかという日本のメディアでもよくある論法ですね。
      フーシの船舶に対する攻撃を止まない場合は、2回目以降の攻撃もありうる様です。

        • YJ93
        • 2024年 1月 18日

        2回目どころか、4回目の攻撃が行われたようですね。。。

    • たむごん
    • 2024年 1月 17日

    フーシ派の能力を、早期に壊滅させる事ができないのでは、紅海ルートの海運は厳しいですね。

    戦争船舶保険の保険料が、10倍に大幅上乗せされ出しています。

    (2023年12月20日 世界の海運大手、フーシ派の攻撃で続々と紅海ルート回避 国際経済に悪影響も 産経新聞)

    6
    • lang
    • 2024年 1月 17日

    結局欧米に海運コスト増が報いのように回ってくるわけですか

    フーシ派が空爆されてますけど、何の制裁も喰らわないイスラエルといい対比ですね

    北、イラン、ロシア他が悪事を働くと制裁か空爆くらうわけですが、イランとかコロナでも医薬品すら輸入が難しかったレベルですからね

    13
    • ポンポコ
    • 2024年 1月 17日

    ・今のところ、アメリカもイランも本式に戦争する気はないと思う。

    ・フーシ派とスンニ派は、例えば浄土宗と浄土真宗みたいなもので、一方が正義で他方が悪魔というようなものではない。ただ、パレスチナと同じで追い込まれたり情勢次第で爆発する。

    ・とにかく、バイデン民主党になってから、世界は混乱に向かっている。アメリカの影響は大きい。

    3
    • 一般通過OSINT
    • 2024年 1月 17日

    たった一回の空爆で三割の攻撃能力ダウンを実現できれば、あと三回空爆すれば完全にフーシ派を無力化にすることができるのでは?(すっとぼけ

    4
      •     
      • 2024年 1月 17日

      この手の冗談を言い出すと真似する人や、本気にしてストローマン論法を始める人まで出てくるのであまり好きじゃないです…

      なのでボケにマジレスしますが、生き残った攻撃能力は当然空爆でダメージを与え辛い地下施設や分散されたものが多く、次の攻撃で同程度のダメージは与えられません。また100歩譲って毎回「3割」を削れたとしても0にならないのは小学生でもわかるはずです(24%残ります)。

      2
    • fly
    • 2024年 1月 18日

    >対艦弾道ミサイル 直撃
    ホントにあたるるんだな・・

    2
      • kitty
      • 2024年 1月 18日

      ホントにシーカーがどうなっているんでしょうね。
      技術的に興味があります。
      外側は超音速の断熱圧縮で高温に曝されているわけで、猛烈に冷やすか、画像認識でどうにかしているんでしょうか。

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