ウクライナ人が運営するDEEP STATEは26日「どれだけタブリア作戦軍が事実を捻じ曲げてもラストシュネは失われている」と指摘していたが、ウクライナ軍は「ラストシュネからの撤退」を認めて「ベルディチ~トネネキーに沿って防衛ラインを構築した」と明かした。
参考:Українські військові відійшли від села Ласточкине, – ЗСУ
参考:ВСУ вышли из Ласточкино, держат оборону на новом рубеже − ОСУВ “Таврия”
ロシア軍の前進をベルディチ~オルリフカ~トネネキーで食い止められれば一息つけるが、、、
DEEP STATEやRYBARは24日までに「ロシア軍がアウディーイウカ西郊外に位置するラストシュネを占領した」と報告、まとまった数のウクライナ軍兵士が徒歩でラストシュネからオルリフカに向かっているロシア側の映像、ラストシュネ集落内でロシア国旗が掲げられた映像、ラストシュネ集落内で大統領旗をもつロシア軍兵士の映像も登場したが、タブリア作戦軍のリホワ報道官は25日「ロシア軍がラストシュネを占領したという話は事実ではない」「ラストシュネの西郊外に撤退して事前に準備された陣地に入った」「集落を巡る戦闘は現在も続いている」と主張。

出典:Операция Z: Военкоры Русской Весны ラストシュネ集落内で大統領旗をもつロシア軍兵士
これを受けてDEEP STATEは26日「どれだけタブリア作戦軍が事実を捻じ曲げてもラストシュネは失われている」「我が軍の兵士がオルリフカ方向に撤退する様子も確認されている」「この事は現地で戦う兵士も認めている」「またしても事前に準備された陣地に撤退という言葉を聞いた」「兵士の命を守ると口にするだけではなく実行に移せ」と批判していたが、ウクライナ軍はラストシュネを失ったと正式に認めた。
タブリア作戦軍のリホワ報道官は26日「ウクライナ軍がラストシュネから撤退した」「(ラストシュネでの抵抗は)ベルディチ~オルリフカ~トネネキーに沿って防衛ラインを構築し、西方向へのさらなる前進を阻止するため必要な作戦だった」と明かしたが、新たに設定した防衛ラインの外に位置するステポヴェやシェベルネには何も触れていない。
ウクライナ軍のエイブラムがベルディチ集落内からステポヴェ集落内のロシア軍陣地を攻撃しているため同集落を失っている可能性が高く、DEEP STATEは26日「ロシア軍がラストシュネからトネネキー方向に前進した」と、RYBARも「トネネキー北東郊外で戦闘が発生しているという報告が多数ある」と報告しているためシェベルネ喪失も時間の問題だろう。
ロシア軍の前進をベルディチ~オルリフカ~トネネキーで食い止められれば一息つけるが、ここを破られるとウクライナ軍は一気に崩れるかもしれない。
追記:ロシア人らはアウディーイウカ方面(ベルディチ周辺)でエイブラムスを破壊したと主張。FPVドローンでエイブラムスを攻撃し、最終的に第15独立親衛自動車化狙撃旅団の兵士がRPGで仕留めたと説明している。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
ウクライナ軍は、兵士・弾薬が不足していますから、ロシア軍を止める事は非常に難しい戦いですね。
ロシア軍の兵站線、アウディーイウカ周辺は開戦後からほとんど前線が進んでいないうえに、大都市ドネツク市にも近いため兵站線は余裕があるでしょう。
管理人様が、防御陣地の不備についてまとめられていましたが、仮に急造の防衛線であるとすれば、FPVドローン+砲撃からの防衛は厳しいように感じます。
(2024.02.15 ロシア軍がバフムートで成功した理由、FPVドローンの大量使用と防衛陣地の欠如 航空万能論)
まさに仰る通りで、どれだけ強固で練られた陣地や防衛線を敷こうと守る兵士と撃つ弾が無ければ意味がありませんからね。
ウクライナも欧州も砲弾集めに奔走していますが、それが届く頃に前線がどこまで変化しているか、また砲弾が届いたとしても必要とされる人員が確保出来ていなければどうにもなりませんしね。
非常にシンプルで、仰る通りです。
武器弾薬が足りない現状は、ウクライナ兵がドンドン削られていく事になります…。
前線に、より早く・より多くの兵器弾薬(各種ドローン)を運ぶ勝負になりますが、ロジスティクスを考えた時に現状は厳しいとしか評価しようがないなと。
両軍の弾薬・各種ドローン、製造~弾薬完成~前線出荷まで、リードタイムも気になっています。
確か当のウクライナ軍人が「開戦当初のウクライナ軍人で戦える者は殆ど残っていない」みたいな事を言ってましたっけ。
兵や弾薬の不足もですが、せっかくの戦訓や経験を教えられず、ベテランを大量に失って新兵だらけってのも、ロシア軍を止められない理由な気がしますね。
そういえばウクライナ汚職のせいで防御陣地満足に出来てないみたいな話ありますが、どうなんでしょうね?
まあ、ウクライナ攻める事ばかり考えてて、人や兵器なんかを損耗してきた実績がありますけど。
自分も、動画か記事で、拝見した記憶があります。
今更仕方ないのですが、停戦期間中にローテーションしながら全体を底上げ、防御陣地を強化する時間が稼げればよかったとは思います。
最前線に2年間、ローテーションなしであれば、健康でいられる方が幸運に近いですよね。
医療チーム所属のインタビューアーは、仲間を失い・車椅子で歩けなくなっており、支援チームでさえ被害が出ていますからね…。
(2024/02/25 開戦直後に自信にあふれていたウクライナ人医師……2年後には BBCが追跡取材 BBC Japan)
訂正です。
インタビューアー→インタビューイー
平面の地図で見た限り
早々に南北から両翼包囲されそうな防衛戦ですが
このポジショニングに、素人には分からない
高度な理由があるのか興味深い
恐らく航空支援はほぼ無いと推測出来るが順調に侵攻。ウクライナは遅滞戦術でどこまで下がって行くのか?クリンキーやロボティネで遊んでいる余裕があるのか疑問。
ラストシュネにはアウディーイウカから撤退してきた傷病兵や、疲弊しきった兵士達がいたでしょうから、それらの兵士達を後方に送る時間稼ぎが必要だったのでしょう。
ラストシュネではあまり死者や捕虜の話を聞かないので殿部隊がうまく撤退したのでしょうし。
>アウディーイウカから撤退してきた傷病兵
あるいは、傷病兵はアウディーイウカに置き去りにされて捕虜になったため、ラストシュネキには然程いなかったか。
だから、時間稼ぎも数日で済んだ。上手く撤退とは言い得て妙。
結局、兵力を集中した割には包囲も追撃もかけられませんでしたなあ。
>結局、兵力を集中した割には包囲も追撃もかけられませんでしたなあ。
包囲網に一つだけ逃げ道を残し退路を誘導、敵の死兵化よりも逃走を促し背後から撃つのもまた定石の一つです。最終的に定石のどれが選ばれるかはケースバイケースでしょうが。
「兵力を集中したなら包囲せねばならない」、「敵は必ず捕虜にせねばならない、一兵も逃してはならない」という戦争法はありません。また、一つの定石への固執も避けるべきところ。
貴方のコメントは、誰かを嘲る意図しか見えず、相手との論議から己の知見を高めようという意欲が感じられない。顔は見えませんが、端的に下品に感じます。
加えて言えば、ヘルソン奪還時にロシア軍の包囲も追撃も徹底はできなかったウクライナ軍を嘲るものともなってしまい、誰をも(貴方の品性も)貶めるものにしかならない、穢れた言葉だと。
>誰をも(貴方の品性も)貶めるものにしかならない、穢れた言葉だと。
失礼なことを言い過ぎじゃないですか?
ウクライナの攻勢の時は投入した兵力の攻勢限界点を超えたために追撃戦が不発に終った印象ですが、今回のロシア軍の攻勢は集結した兵力の情報が正しければ未だ数万人の予備兵力はありそうなので、このコメントになったと思いますが、他者を罵ることは正義なんでしょうか?
>失礼なことを言い過ぎじゃないですか?
非礼は承知の上です。
覚悟があれば何をしても良いなどという話には当然なりませんが、ホモ・サピエンスの社会は礼儀を守る者達だけで回っていないのが悲しい現実。時に、痛みを伴うものでなくては苦い経験として記憶に残りすらしないため教訓にもならない。
>他者を罵ることは正義なんでしょうか?
簡単に言えば、私は罵ったのではありません。言葉で殴りました。
電子の紙の上というべき掲示板ではなく、企業のオフィスの隣にいるのであれば、口ではなく手を出しています。
そして私は、自分が正義の側であると盲信出来ねば何も出来ない人間は嫌いです。
いつも興味深くコメント拝見しています。
また、「そして私は、自分が正義の側であると盲信出来ねば何も出来ない人間は嫌いです。」
このような価値観には深く同意するところです。
とはいえ、今回言葉で殴ったとのこと、それに値するコメントであったかどうかを評するものではありませんが、企業のオフィスで例えるならば、ここは他社様のオフィスなので軽々に実力行使に出るのは控えられた方が良いかと感じました。
日々情報を更新してくださる管理人氏への敬意と、余分な気遣いを生じさせたくないとの気持ちから、横からコメントさせてもらいました。
せっかくコテハンが付いておるのです
匿名11号サンって毎度アレなコメントしてる印象なのでさもありなんというか
蓋然性の乏しい主張ですな。
解放部が大きく、撤退距離も短く、撤退掩護の部隊もいたのだから損害は抑えられていると見るのが自然でしょう。ロシア側が意図的にその戦法をとったつもりでいるかどうかは問題ではないです。
そもそも他人を貶めることでしかその正当性を示し得ない主張は、間接的にその主張が正当でないことを示していると思いますがねえ。
ウクライナ軍高官が大量の捕虜を出したって言ってるよ
違う世界からのコメントが書かれてる!
私が思うに、今ウクライナ軍が行っているのが撤退戦で、ロシアが行っているのが追撃戦じゃないかと。
一方でトネネキーからも既にウクライナ軍が撤退に追い込まれたという情報も出てきており、これが仮に事実であれば早速防衛ラインの一角が崩されたことになりますけど、小さい集落を繋ぎ合わせて場当たり的に構築したものではやはり厳しいのかなと
やっぱり前に指摘されていたポクロウシク~ウクライーンカにかけての辺りに防衛線を敷いた方が安牌でウクライナ側としてもそのように考えているのでしょうかね
欧米からの兵器・砲弾・弾薬の供与が足りず、自軍兵士に頼らざるを得ない状況だと、死守命令もおいそれと出しにくくなったのでしょう。
1年前ならば、欧米供与の長距離射程の兵器を動員兵にも向けて死守を強いることも出来ましたが、今は兵器が不足しており、兵士も不足しているので『お前達の代わりなどいくらでもいる』とも言えない。
いずれにせよ、物量と兵士数の両方で勝るロシア軍に対し、地形有利のない低地の集落で止める事自体が無理筋かと。
アウディーウカ要塞から見下ろしの撃ち下ろしで、隠れる遮蔽物もほとんど何もないですからね・・
せめて迫撃砲の射程外に防御線を引かないと、文字通り砲弾を雨あられと撃ち込まれるキルゾーンになりかねず。
せめて10キロは離れたオケレタイン-ノボボなんとかの線まで下がらないと防御にならないかと。
と,そんなことは現場の兵士は百も承知でしょうから、やはり引けない理由がありそうです。
すなわち,オケレタイン線の塹壕構築が不十分なため、時間稼ぎが必要なのだろうと。そういう理由がありそうです。
参考になります。
やはり、防衛の焦点はオケレタインですか。
戦争というのは、時に理論上の有利不利だけでは成り立たず、不利が分かっていてもやらざるを得ない状況に追い込まれることが本当に辛い。
アウディーイウカが健在のうちに、後方の第二防衛線を構築すべきと幾人ものウクライナの有識者はおっしゃっていたのに・・・、また、キエフ政権は忠言を無駄にしましたね。
距離も仰る通りであり、ある程度の規模の街・都市でなければ、(集落程度では)防衛も難しいのでしょうね。
アウディーイウカが抜かれた事により、規模の大きな町は、西側のポクロウシク近郊まで、あまりないように感じます。
GoogleMapベースですが、アウディーイウカ防衛が、どれだけ重要だったのか感じてしまいました。
破壊が進んだといえどマリンカほどの完全瓦礫化でもないので物資の集積や進軍拠点として充分機能する。
道路も縦横無尽にありドネツクからもストレートにアクセスできる。
コークス工場なんかウクライナ軍が破壊措置を取らなかったので発電施設もそのまま使えるのではないか。
後方の都市から離れ1本道で繋がっただけの飛び飛びの小集落しかないウクライナ軍は圧倒的不利な戦いになる。
まぁいつものパターンですな
ロシア側が陥落や制圧を発表してウクライナは否定
でもやっぱりちょっと後に認める
流石にこのパターンが多過ぎる
事実上、拠点から叩き出されても
遠くから銃砲撃してれば、
まだ抗戦している、よって陥落してないという
ロジックなのだと思います
スポンサーからのカネで戦争してるので
政治的に後退が許されない軍隊の性か
エイブラムスの撃破は時間の問題だと思ってたけれど、この戦争は戦車なんか消耗品に過ぎないのだがエイブラムスには政治的象徴的な意味が強い。
エイブラムスの供与に難色を示すバイデンにゼレンスキーが訪米し直談判した経緯があるので。
ウクライナ支援を阻止したい共和党強硬派の良いネタになってしまわないだろうか?
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あぁ落ちたねぇ、落ちましたね…(エイブラムス初撃破)
>ロシア人らはアウディーイウカ方面(ベルディチ周辺)でエイブラムスを破壊したと主張。FPVドローンでエイブラムスを攻撃し、最終的に第15独立親衛自動車化狙撃旅団の兵士がRPGで仕留めたと説明している。
これが事実なら、歴史上初の歩兵によるエイブラムス撃破では?
ウクライナ側は安心して下さい乗員全員無事ですよと言ってたけどRPGの射程で殺られてるなら脱出した乗員も小火器で仕留められてるんじゃないか
いくらエイブラズムでも、FPVドローンで外付けのセンサー類を潰されて、RPGで履帯でも切られれば擱坐するしかない。
乗員が死なないだけ流石と言うべきか。T-72につるべ打ちされても乗員は生き残った実績もありますし。
ドローン被弾→乗員が逃亡→ロシア側がRPGでとどめ
かもしれない。
M1はイスラム国にすら破壊されたり
鹵獲されてたので、史上初でもないような
ウクライナって冷戦中の想定に近い戦場なので
レオ2やM1が、もうちょっと働くかと
淡い予想をしてましたが
ここまでポンコツな結果に終わるとは思わなんだ
ウクライナの技量もショボいのでしょうけど
ロシアの対応力や無人機の技術は
正直甘く見てたので、勉強になった