南ドネツクで戦うウクライナ軍がウロジャイネに侵入して集落の一部に定着、ロシア人軍事特派員も「ウクライナ軍が集落の一部を占領することに成功した」と認めており、さらにスタロマイオルズキーもウクライナ軍が保持し続けている可能性が高い。
この反攻作戦が成功するかどうかは「最前線で地雷を除去し続ける工兵」の肩に掛かっているのだろう
ロシア人軍事特派員(Русской весны)もロシア側情報源(Рыбарь)も「ロシア軍がスタロマイオルズキーからウクライナ軍を追い出すことに成功した」と報告していたが、この話は「集落から追い出した」から「どちらとも支配を確立していないグレーゾーンだ」に変化し、ロシア軍が集落の郊外=Ⓓを砲撃しているのが確認されため、スタロマイオルズキーを支配しているのはウクライナ軍だと考えて良さそうだ。
これまでロシア側情報源はウロジャイネについて「ウクライナ軍の攻撃は失敗し続けている」と報告していたが、集落内のロシア軍陣地=Ⓐに対してウクライナ軍の戦車が発砲する様子、Ⓑ付近でウクライナ軍の戦車がロシア軍陣地に発砲する様子、Ⓒ付近のロシア軍陣地をウクライナ軍が砲撃で破壊した様子が視覚的に確認され、ロシア人軍事特派員(Русской весны)も「ウクライナ軍が集落の一部を占領することに成功した」と認めている。
因みにニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ロイター、Timesといった海外メディアは「反攻作戦が期待通りに進展しない原因」に挙げられる地雷問題についても興味深い記事を公開しており、どうやらウクライナは要請した地雷除去機材の15%以下しか受け取っておらず、進行ルートの確保に役立つと期待された西側製の地雷処理戦車は戦場で目立つ上、これをロシア軍は優先的に狙ってくるため第47機械化旅団の工兵部隊を率いる司令官は「もう戦場では使えない」と述べているのが興味深い。
そのためウクライナ軍の工兵部隊は「味方が前進するためルート」を確保するため「夜間に手作業で地雷の除去作業」を行っており、携帯式の金属探知機も「目立ちすぎる」「砲弾の破片が散乱する戦場では役に立たない」という理由で活用されておらず、ロシア軍は工兵部隊の地雷除去を妨害するため至るところにブービートラップを仕掛けているため「ルート確保には信じられないほどの時間がかかる」と主張。
極めつけは工兵部隊が安全を確保したルート上にロケット弾や無人機を使用して地雷を再散布するため「地雷を除去したルートは絶対に安全」とは言えず、工兵部隊はロシア軍陣地の目と鼻の先で作業することもあり、海外メディアは「野戦病院に運び込まれる兵士の多くは工兵で最も死傷率が高い兵種だ」「ウクライナ人の歩兵達は工兵を『使い捨てのアイテムだ』と冗談を言うが、これは戦場における生存率で工兵は歩兵に劣るという意味で、彼らは自分達のことを『特攻部隊だ』と表現する」と報じている。
現在のウクライナ軍は1m進むため信じられないような努力と犠牲を支払っており、この反攻作戦が成功するかどうかは「最前線で地雷を除去し続ける工兵」の肩に掛かっているのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
精鋭の海兵隊を集中投入している結果が早くも出てきた感じですね。
肌感覚では、あと20個旅団くらい海兵隊旅団があれば海まで突破出来そうですね。
それはヘルソンの話でサボリージャではないはず
人海戦術は圧倒的火力の前に無力だよ。
ウクライナ軍がなぜ旅団を細切れにして小隊レベルでの作戦行動に切り替えざるを得なくなったか考えたらわかる
その細切れ小隊の大量浸透こそが人海戦術の奥義っすよ
朝鮮戦争での中国軍山岳部隊の夜間浸透は西軍を震え上がらせたもんです
おっしゃるように、ウクライナ軍は、各海兵旅団を全部まとめて、かなり狭いところに突撃させている。
1個の海兵旅団の兵士の数が少なくなっているのではないか。
そして、このようにウクライナ軍は一貫して人海戦術をやっているが、いつか限界がくるはずなんだが。
それから、これはまた別の疑問だが、前哨陣地の取り合いを続けているだけなら、ロシア軍は第一線陣地に引いて守ればもっとやりやすいはず。
また、ウクライナ軍は、前哨陣地を取ること自体が目的になっているように見える。
何で現状4つしかない部隊なのにそんな変なこと言うの?精鋭がそんな簡単に作れたら軍隊は苦労しない。今年出来た第37と38海兵隊独立旅団だってゼロベースじゃなくて元から有った精鋭部隊が変わったとか一部吸収して作られた物。
現状戦争をしているのに後20個旅団作るとか、ゼロベースであれ既存部隊をいじるにしろ貴重な戦力である40000人の精鋭を訓練して編成するとか流石に年単位の話で時間が許さない。
西側諸国の用意した地雷処理戦車というものは、航空戦力によって敵の砲兵を蹴散らした後や、停戦した後に残された地雷原を処理するような、ほぼ安全な環境下で使用することが前提で設計されているのでしょう。
と言うか、敵の砲兵戦力の目前で地雷除去を行えるような地雷処理車なんて、世界中探してもほとんどないのでは、と思います。
地雷処理機は日本も送っていますが、もっと送る事は難しいでしょうか。そもそも目立ってしまうという問題も重大ですね。カンボジア人などの手作業での地雷処理のノウハウが重要視されそうです。自衛隊も地雷処理の道具は持ってますが、大きいので狙われそうですね。70式地雷原爆破装置はどうでしょうか?他のと比べてコンパクト、それでいて一気に100m程の人員用通路を開設できます。しかし、ちょっと古すぎますね。
似たような爆索投射機ならロシア製のUR77をとっくに使ってるよ。
道を作っても一列に密集して進まないといけないから、攻撃されても散開出来ないからいい的にしかならないし、パニックになって道を外れたらそのまま地雷踏んで悪化するからね。
ぶっちゃけ自衛隊の爆導索は地雷啓開に使わずに敵に対する攻撃に使う可能性有るから反対だよ。明らかに転用出来ない民間重機とか地雷探知機なら開放された地域とか後方でも不発弾とかあるし全然支援増やして良いと思う。
70式は古いしシステム一式が重いから歩兵携行とか考えたら米国製の方が良いと思う。
最前線で砲撃に晒されながら手作業で地雷除去するしかないって…
ジリジリと前進は出来ていますが第一防衛線に到達する迄にどれだけの工兵が損耗するか空恐ろしくなります
何とか代替手段は無いのかと思いますが無いからの現況なのでしょうね
結局のところ、西側の関係者にいかに批判されようとも、航空戦力の劣勢な環境下で地雷原を突破するには、まず、ロシアの砲兵を削るところから始めるしかないんですよね。
後、仮にロシアの陣地を制圧したとしても、ロシア軍は自軍の兵士が撤退するよりも先に地雷散布してしまうために「1か所突破すれば地雷原のない環境で戦える」とはならないようです。
幸いなことに砲兵戦では着実に戦果が出ているようなので、外野からどれだけ「時間がかかりすぎる」と言われようが、航空戦力がある程度確保できるまでは、今のようにゆっくりと進軍するしかないんじゃないですかね。
他に可能性があるとしたら、地雷と塹壕の少ないドニプロ川の渡河作戦くらいしかなさそうですが、そこもロシア軍が川底に障害物を仕掛けたと言われており、簡単な目標ではないと思います。
常に砲撃や地雷の危険に晒され時間に渡り高精度で地道な作業を要求されストレスは半端なさそう。ある意味神風特攻隊よりストレス値高そう、これは進捗の遅さが士気に響きそう。直ちに増員それかローテ。
あなたの職場のストレス値もかなり高そうです。
仲間の犠牲によって苦労して地雷を啓開しても、ロケット弾で翌朝には地雷がばら撒かれていたら士気も落ちますよね…
こういう戦線になったらNATOならどうするんでしょうか、SAM狩りをしてある程度のエリアの空域確保をして後方に空挺降下ですかね
来年ぐらいには地雷除去ドローンが大活躍するようになってそう
それにしても、そろそろ一気にロシアの戦線を抜かないとまずいんですよ。
最近戦場動画で丸太が散見されるようになりましたが。
あれは「秋冬に向けての陣地改造」が始まっている証左ですね。
もう秋の泥濘期の準備をしないといかんのです。
そしてその後には冬の厳しい寒さが控えており。
この夏の間にどれだけ陣地に手入れをしておくかが、秋冬での兵力消耗を防ぎ戦闘力を維持するためのポイントになります。
東部戦線なんて、塹壕内で兵士が凍死するような気候ですからね。
夏の遅くに進撃しても、進出先で急造の陣地しか作れていないと秋冬で気候にやられて自滅する。ナポレオンの時代からこれは変わりませんね。
本当に素人考えなんですけど92式みたいなミサイルの代わりに、自爆ドローンを相応の数突っ込ませて一気に地雷原処理できないものなんでしょうか。流石にドローンの爆発規模が小さいでしょうか?
搭載出来る爆薬量が少なすぎて無理です。
爆発範囲が小さい上に取りこぼす地雷も多いでしょうから現実的ではないですね。
いくら無尽蔵に動員できるといっても
攻めきる前に兵隊いなくなるだろこれ
軍事委員会の軍事委員が、不正で全員解任という状況では、そもそも無尽蔵に動員などできるわけないですし、おそらく委員を交代させても無理でしょう。後任の委員が見つかるかどうかも危ういでしょう。
公表されているウクライナ軍の兵力、兵士の人数も疑うべきです。おそらく実際の人数、部隊の数はもっとずっと少ないのではないでしょうか。死傷者の人数もおそらくちゃんと数えていません。
縦深陣地を突破できないのは、地雷があるからとかではなく、それ以前のもっと根本的な問題、組織の欠陥と言えるでしょう。
〈 おそらく実際の人数、部隊の数はもっとずっと少ないのではないでしょうか。死傷者の人数もおそらくちゃんと数えていません。
この点に関してはロシアも同じでしょう。
ウクライナ、ロシア双方に大本営発表と戦線の混乱があり正確な人数を把握するのは当人達でも困難な状況ですから。
ウクライナ軍は無理攻めしていないので人的被害は大きくないと思いますよ(工兵の被害が大きいのは問題ですが)。
南部は大損害出して無理攻めやめたから人的被害は緩和されただろうけどバフムト方面はかつてのワグネル囚人兵のような特攻かましてるから膨大な犠牲者でしょう…
ここはロシア側も防御に圧倒的有利という条件が整ってるわけではないので削られてるでしょうが…
バフムトはウクライナ・ロシア双方から地上戦の報告は激減してますよ。
ウクライナは有利な高地を陣取ったので、そこからバフムト市内へ砲撃する方に舵を切ったのではないですかね。
別に素人の人間を生身で歩かせて処理機材代わりにしているわけでないから、それはないでしょうね。
本質的に地雷に期待されている役割は、敵を斃すことではなく、敵の行動を鈍らせることですからねえ。
いくら地雷が再散布されようが結果が見えないと評価されないからな
頑張れよとしかいえない
遠い大陸の地上戦と言えばそれまでですが、台湾や日本とて濃密に機雷を撒かれて海運が機能停止する可能性や、自爆ドローンが頭上を24時間飛び回る程濃密に使用される可能性は排除できません。安価な兵器でも想定外の量が使用されれば対応が難しい事を考えさせられます。
ヤギや羊を追い込むやり方で地雷処理とか。
爆発に気付かれると再散布されるから駄目だけど。
地雷除去に使える燃料気化爆弾使ったら?
燃料気化爆弾は気圧による内蔵損傷、燃焼による窒息を狙う兵器なので、爆発力は見た目の派手さほどの無いのです。
チラ裏ですが。MOABのような爆圧高い爆弾をATACMSのサイズまで小型化したらだめですかね。その代わり射程は10km程度で妥協、細かい誘導もいらないし2発射ったら即退避必須ですが。
小型化で肝心な爆圧と制圧面積がが確保できないかな。
航空戦力がありませんから地道に除去するのが王道なのでしょうけど、人的損害が無視できないですね。
せめて砲兵と弾薬が有り余る程あれば、過去の戦いでも実施されたように砲弾を撃ち込みまくって経路を開く方法が取れますが、それも無理です。
地雷という昔ながらかつ安価な兵器がこれほど現代戦でも役に立つ事が証明されました。
地雷除去車両というよりは、例えば巨大なローラーで地雷を踏み潰すような専用車両の開発が必要かもしれません。
管理人様のMAPでも、戦線に凹凸がありますし、前線は複雑になっています。
ロシア軍は、塹壕掘削機を使って、塹壕陣地線を整えていました。
ウクライナ軍が、戦力補充のために時間を与えたデメリットは、戦後詳しく分析されるのでしょう。(衛星画像など、軍機が解除されるでしょうし)
冬季に向けて、消耗した戦力と物資で、防御陣地を固める必要があります。
最前線の奪還地域は、攻勢で戦力が減ったとしても完全に充足されず、戦いは続きます。
ウクライナ軍人で英雄的に戦って報道されてない人、海外に逃げた事が報道されて同情を集める人(賄賂を使った人も紛れてるでしょう)
戦争は、ほんと辛いものですね。
WW1の時に回答は出ていると思うのですが。
ブルフミュラーによる”敵砲兵に対する弾幕射撃+
前進する味方の直前に行う移動弾幕射撃”射法でしょう。
弾数が足りないのかな。
どこかで読みなしたが、爆索は丸めた状態で炸薬が1t以上あるので、
今回の前線では危なくて使えないとか。
前にも書いたのだけれど、大量のMRLで代用する他ないのでは。
ブルフミュラーの疾風射撃、弾幕砲撃を空振りさせるための戦術が、まさにペタン将軍の考えた
「縦深陣地」
あるいは、
「斜交陣地」
であり、前哨陣地の兵力を少なくして、第二、第三線に後方に待機させた予備兵力で、浸透戦術を阻止する戦法です。
さらに前哨陣地は、偽陣地や、偽装を駆使して、どれが本当の陣地かをわからなくさせるわけです。
移動弾幕射撃を成功させるには、事前の正確な陣地偵察、情報が不可欠であり、これがないと、敵の主力がいない偽陣地、前哨陣地を砲撃するだけで終わります。
ウクライナ兵がロシア兵のいない塹壕を制圧したら、後方から敵の集中砲火を浴びる、というのは、まさにそのパターンです。まさにそれで1918年のドイツ軍の浸透戦術は、フランス軍の縦深陣地の突破に失敗しました。
圧倒的な艦砲射撃の支援を受けたアメリカ軍が、硫黄島や沖縄の内陸部で苦戦したのも同じ図式です。
事前と戦闘中の確認作業は重要ですね。
空城の計にかからない為にも。
弾幕射撃に消費した以上の砲弾も
砲側に確保しておかないと、ですね。
今は(少なくもウクライナ軍は)観測データを
すぐに共有するようですから、昔と比べて、
撃たれた場合対応は早いだろうと思います。
南無八幡大菩薩
結局反攻作戦から3か月経過したが反攻というよりただの膠着消耗戦である。
すでにウクライナは2割の損耗を出しており失敗は明白。