最も戦闘が激しく状況が緊迫しているのはハルキウ方面ではなくアウディーイウカ方面で、ロシア軍はオチェレティネ占領後も西に支配地域を広げ、ノヴォオレクサンドリヴカ、ソキル、ノヴォポクロフケ、ノボセリフカ・ペルシャ、ヤスノヴロディフカに迫っている。
参考:Мапу оновлено!
参考:Северское направление: эпопея с установкой флага на трубу в Белогоровке обстановка по состоянию на 20:00 27 мая 2024 года
参考:Оперативна інформація станом на 22.30 27.05.2024 щодо російського вторгнення
最も戦闘が激しく状況が緊迫しているのはアウディーイウカ方面
シルスキー総司令官は23日「最も激しい戦闘がポクロウシクとクラホヴェの両地域で起きている。敵は最も訓練された部隊をスタロミハイリフカからベルディチの間に突撃作戦に投入し、我が軍の防衛を突破しようとしている。この攻撃は装甲車輌、オートバイ、バギー、徒歩によって行われる」と言及、DEEP STATEも26日夜「ロシア軍がオチェレティネ周辺で大規模な活動を見せた」と報告。
DEEP STATEは27日に更新した戦況マップの中で「ロシア軍がオチェレティネの北で1km以上前進した」「ロシア軍がノヴォオレクサンドリヴカ郊外に到達した」「ロシア軍が線路沿いに前進した」「ロシア軍が線路沿いから南に前進した」「ロシア軍がソキル方向に前進した」「ロシア軍がソロヴィオーヴェの南で前進した」「ロシア軍がネタラブを占領した」「ロシア軍がネタラブの南に支配地域を広げた」と報告していたが、ロシア軍の前進は全く衰えない。
DEEP STATEは28日に更新した戦況マップの中で「ロシア軍がウマンスキーの北東で支配地域を拡大させた」「ロシア軍がネタラブの南を全て占領した」と報告、ウクライナ軍がソキル集落から500m離れた地点=Ⓐで前進してきたロシア軍部隊を攻撃する様子も登場。
ウクライナ軍参謀本部も27日夜「ソキル、ノボセリフカ・ペルシャ、ヤスノヴロディフカ、ネタラブ方向で戦闘が続き状況が緊迫している」「ノボセリフカ・ペルシャ方向でロシア軍の攻撃を5回撃退した」と述べ、毎日の報告からウマンスキーに対する言及が消えため、間接的にウマンスキーを失ったと示唆している可能性が高い。
因みにRYBARはシヴェルシク方面について「ビロホリウカ集落内にロシア軍が存在したことを示す映像が登場した」「鉄塔=Ⓐに設置された国旗はドローンによって設置されたもの」「これは集落の制圧を示すものではなく、ウクライナ軍の報復行動(攻撃による消耗)を誘うためのもの」「レンガ造りの家屋に設置された国旗はロシア軍兵士が集落内に存在したことを示すものだが足場を確保できた可能性は低い」「この方向の戦力は敵の防御を突破して集落に到達するには不十分だ」と指摘。
さらに「ウクライナ軍はビロホリウカ方向で最も標高が高い採掘場のテリコンを保持しており、この方向のロシア軍は大砲やFPVドローンの運用において優位性がない」「現実的には採掘場の南側敵陣地に圧力をかけ、ヴェルカン・オカカムヤンスケから敵を叩き出し、そうして初めてビロホリウカ集落内に足場を確保することが可能になる」「そうなるまで敵は防衛に十分有利な立場を保持し続けるだろう」と述べ、ロシア国防省が発表したビロホリウカ占領を否定した。
ビロホリウカの南東に位置するテリコンやその背後にある高地がもたらす優位性は圧倒的で、現状の戦力でビロホリウカを正面から攻略するのは難しく、クレミンナの南に広がる森林地帯の戦いも一進一退なので、ヴェルカン・オカカムヤンスケ方向からビロホリウカの背後を遮断するのが「最も現実的」という意味だろう。
シヴェルシク方面は2024年に入って状況が活発化しているものの、戦闘規模はクピャンスク方面、バフムート方面、アウディーイウカ方面、ドネツク西郊外に比べれば小さく、まだ主要な攻撃方向とまでは言えないが、シヴェルシク方向への押し上げが一定ラインを超えるか、クレミンナの南に広がる森林地帯でロシア軍がドネツ川沿いに到達するとビロホリウカ方向の圧力も引き上げられる可能性が高い。
まだビロホリウカ方向は安定的だと思われるが、ウクライナ軍参謀本部は「ビロホリウカ近郊の状況は緊迫している」と述べている。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
実際ヴェルカン・オカカムヤンスケ方面のGoogleマップでも確認できる要塞を最近になってロシア軍が占領したっぽいですね。
まあそうなるわな。
ちょっと「えいっ」とやっただけでこうなる実力がロシアにはある。
書くまでも無いですけど、元々圧されてたのがハリコフ方面に兵員回されて更に圧されてると。
あちらを押されて対応に兵力を回せば、今度は此方が押し込まれるみたいな状態なんでしょうね
止まりはしてないがスピードが遅くなりましたね。
オチェレティネを突破された直後に予備投入されてたらかなりまずかったと思いますが今は立て直したように見えます。でも…ハルキウ方面に予備抜かれて今後も消耗戦耐えられるかは…
ここまでは予想はできたことですが、ロシア側は、ウクライナ側の火力が上がれば被害は増えるでしょうね。
今年は、ウクライナの反抗は作戦は無理のような感じで言われていましたが、ハリコフ方面は、反抗作戦を行わざるをえない状況でしょう。これにより増援をすりつぶすのがロシアのねらいの一つのように思えます。昨年の反抗作戦以降のウクライナがどうなったか?を考えれば、その再現を狙うのは自然ではないかと。ただ、それが必ずしも成功するのかは分からないのが戦争ですが、それでも、ロシア側に分があるのは否めないでしょう。
>ビロホリウカの南東に位置するテリコンやその背後にある高地がもたらす優位性は圧倒的で、現状の戦力でビロホリウカを正面から攻略するのは難しく、
リシチャンシクが陥落した時に、敗走するウクライナ軍を追撃し陣地化される前に占領しておくべきだったとは今だから言えることか。
当時プーチンは追撃を中止し兵士に休暇を与えるよう命令した。
この頃のプーチンはマイクロマネジメントしてたね。
当時のロシア軍は相対的に最も劣勢だった頃でリシチャンスク陥落後に追撃をかける余裕はなかったでしょう
むしろあのタイミングで戦略的守勢への移行を判断したのは英断だったと思いますよ
2022年のページを見るととってもおもしろい
前線を押して国境まで追い返したとかでもないのに皆ウクライナの勝利を確信してる
あの頃の記事を今見ると、イケイケドンドンでしたね。
第二次世界大戦序盤の日本もあんな感じだったのかも。
侵攻当初18万の兵力で攻め込んだロシア軍はウクライナ軍を相当舐めていた。しかしハリコフ、ヘルソンの戦略的撤退をしたロシア軍をロシア軍以上に舐めていたのはウクライナ軍。
そしてウクライナ軍の覆せない程の損害を日本で知っているのはごく一部の人間。
何だろな~。
むしろハルキウはロシア軍の潰走に近かったような…
ハルキウの撤退で戦闘が発生してるのがイジューム周辺しかないあたりそれはない
ロシアは兵力の温存に成功したとみるべき
あれ、僅かな地点でしか交戦すらしてない
見事な撤退戦やけど
あれを勝利と考えたのはウクライナ最大級の敗北要因じゃね?
潰走だろうがなんだろうが要は逃げ切ればいい
ダンケルクと同じだぞ
捕虜が1万人出たとかならいいが、実際は逃げ切られたので再び戻ってくる
2023年の反抗作戦挫折までは、このサイトもウクライナ推し中心でしたし。私も西側の戦車、戦術に期待していましたが。
ロシア定番の戦術の大量の地雷に、ほぼ無策とは、、、第一ラインは突破できると思ったんだけどな。 ロシアは初戦から快勝というよりも、初戦ボコボコで盛り返すのが、パターンだから、また、このパターンかと思ってしまった。
ウクライナ派とロシア派が戦況判断で喧嘩してたり第二世代戦車が役に立たないと言われてたり、ドローンについてまだ懐疑的な人も一部いたりしましたな
たった二年で全然違う
どうせこの高台も数時間後〜数日後には制圧されてるんでしょうね
ハリコフから追い出せたときには東部を全部失ってそう
兵隊というリソースが厳しいからどこに割り振るかなんだけど、まあそれならキエフに近く大都市に近いハリコフに投入するのは間違ってはいないけどさ・・・
100万都市圏ドネツクが、補給の起点になりますが、前線との距離がまだまだ近いですからね。
泥濘期に、弾薬集積を進めてきたでしょうから、補給切れにより攻勢終了も見込めない状況だろうなと。
無理な攻勢なのか判断出来ないけど、よく補給が続くな。
ウクライナからすると補給の遮断、妨害が上手く行かないんだろうけど。