台湾国防部は1月末に発表した文書の中で「潜水艦救助艦×1隻、玉山級揚陸艦×1隻、高速戦闘支援艦×1隻、軽フリゲート艦×10隻、救難艦×2隻の調達に計3,156億台湾ドル=約1.5兆円を投じる」と明かし、防空戦専用と対潜戦専用の軽フリゲート艦を各5隻ずつ調達するのに約1.2兆円を投資する。
参考:民國114年度下半年列管軍品清單
参考:強化國艦國造 海軍將籌獲潛艦救難艦等6型艦艇
参考:Taiwan to Construct 10 Light Frigates for Air Defense, Anti-submarine Missions
黒海の状況を考えると、中国との武力紛争時に台湾海峡でミサイル艇が効果的なのかどうかはよくわからない
台湾国防部は海軍向けの装備開発・調達における重点分野や発注に関する文書(民國114年度下半年列管軍品清單)を1月末に発表、国営メディアの中央通信社も2日「この文書の中で特に注目すべきは潜水艦救助艦×1隻、玉山級揚陸艦×1隻、高速戦闘支援艦×1隻、軽フリゲート艦×10隻、救難艦×2隻の調達に計3,156億台湾ドル=約1.5兆円を投じる点だ」と、USNI Newsも6日「台湾は2028年から2040年の12年間で防空戦専用と対潜戦専用の軽フリゲート艦を各5隻ずつ建造する」「主要な造船計画に予定されている99億ドルの投資のうち78億ドルが軽フリゲート艦調達に投じられる」と報じた。

出典:軍事新聞通訊社
“防空戦専用と対潜戦専用の軽フリゲート艦はGibbs&Coxの設計をベースにしているが、台湾の要望に合わせて設計が変更されている。台湾国防部によると防空型は全長96メートル、全幅21メートル、喫水3.3メートル、対潜型は全長116メートル、全幅21メートル、喫水3.3メートルで艦艇のサイズが異なる。台湾海軍は老朽化したノックス級フリゲートの退役を進めており、防空戦専用の軽フリゲート艦を取得してノックス級を完全に退役させたいと考えている”
“中国海軍の拡張と近代化によって台湾海軍の老朽化した水上艦艇戦力(キッド級駆逐艦、ペリー級フリゲート、ラファイエット級フリゲート)の能力や影響力が相対的に小さくなったが、中国艦艇の頻繁な出没に対応するため水上艦艇のニーズは非常に高く、台湾海軍は軽フリゲート艦を導入することで水上艦艇の戦闘能力を向上させたいと考えている”

出典:玄史生/CC BY-SA 3.0
“Taiwan Security Monitorで研究員を務めるジェイム・オコン氏は「強力かつ包括的な防空能力の構築を継続し、旧式艦の段階的な退役を進めるべきだが、中国との武力紛争における生存性と実用性も十分に考慮しなければならない」「小型の沱江級コルベットは対艦ミサイルで武装しているため空母キラーと称され、台湾はヒット&アウェイ戦術を志向している」「今回の新型フリゲートが大型で低速になるのであれば中国艦艇と正面から交戦することの現実性について議論が必要だろう」「台湾は全てを手に入れることはできない」「グレーゾーン事態と全面侵攻の備えの間でバランスを見つけなければならない」と指摘した”
台湾が全面侵攻のみに備えるなら大型艦よりも沱江級コルベットのようなミサイル艇の方が効果的だが、平時のグレーゾーン事態に対応するには能力不足で「現実的な脅威と限られたリソースの中で『どの分野に重点を置くのか』を判断しなければならない」という意味だが、台湾は2030年までにGDP比5.0%(現在3.0%以上)の国防支出を約束しているため、現在の経済規模ベースで計算しても国防費は約1兆4,300億台湾ドル=約7兆円台に到達する。

出典:Youth Daily News
この資金力は日本の2023年度の防衛予算を上回る規模で、こうなってくると軽フリゲート艦の調達に資金を割くのも一定の合理性があるのかもしれないが、どちらにしてもグレーゾーン事態と全面侵攻の備えの間で「どこにバランスを見つけるか」は台湾人が決めることだ。
因みに「小型のミサイル艇の方が大型艦よりも生存性と実用性が高い」という考え方も微妙になっており、無人機や無人水上艇が跋扈する黒海では視覚的な戦場認識力が大幅に拡張され、もはや艦艇のサイズに関係なく黒海を航行するのは困難な状況なので、中国との武力紛争時に台湾海峡でミサイル艇が効果的なのかどうかはよくわからない。
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※アイキャッチ画像の出典:總統府





















こう言うのは永遠に分からない方が良いのかもしれない…
台湾海峡くらいなら、地対艦ミサイルでなんとかならないかな。
記事にもありますけどグレーゾーンがあるので、相手が何かをやらかした瞬間にSSMぶっ放すわけにはいかないんですよね
あと日本の戦車不要論でもよく言われますが、防衛というのは多層化・冗長化が重要で、SSM偏重してしまうと相手はSSM対策をすればいいだけになります
なお、記事では黒海の例が挙げられていますが、黒海と違い台湾には日米の聖域である太平洋があるのであちらとはまた事情が変わってきます
もちろんUSVやUAVによって脅威は上がっていますが
台湾有事は台湾海峡ばかりフォーカスされているが、中華民国の実効支配領域は大陸側に近い島(特に金門島)をいくつも実効支配していて、南沙諸島(太平島)まで伸びていてミサイル艇程度じゃ平時のパトロールもままならないので、最低でもコルベット級は欲しいだろう
台湾『実質GDP8%以上!』とんでもなく経済成長してますから、日本経済とは違う様相です。
どの分野に国防投資していくのか分かりませんが、とにかく経済的な余力は極めて大きいのが実体ですね。
>台湾の行政院(内閣)主計総処が30日発表した2025年の実質GDP(域内総生産、速報値)は前年比で8.63%増えた。
>内訳は輸出が32.18%増で全体の伸びをけん引した。
(2026年1月30日 台湾GDP、25年8.63%増 AIブームで15年ぶり高水準 日経新聞)
追記です。
日本経済が停滞している間に、台湾(名目GDP)は経済成長して成功していますね。
1980年 422億ドル
2000年 3307億ドル
2024年 7970億ドル
(最終更新日 2025年10月30日 台湾のGDPの推移 世界経済のネタ帳)
台湾海峡だけならミサイルとドローンでハリネズミ化した方がいい気がするがどうなんだろ
卑怯な考えかもしれんが、国土を要塞化して徹底的に戦うよりも、軍艦に投資して空と海がやられたらオシマイみたいな方がマシかも
アルキメデスの大戦の田中泯はよかった
大陸よりの島々を守れるわけ無いんですから、各種ミサイルとドローンでA2AD構築した方が、効率が良いですよね。
シーレーンを積極的に確保しに行かなければ、ロジ的に国家が成立しないというのは正論ですが、それを台湾独力で出来るかと言うと…。
軽フリゲート?の計画は以前からあったのでしょうか。
一枚目の写真に、2023.11.17の日付と前総統の署名があるし。
”「グレーゾーン事態と全面侵攻の備えの間でバランスを見つけなければならない」”
ひょっとすると、これは、日本の哨戒艦に近いものが出来て来るのかな?。
WIKIの沱江級コルベットのページを見てみたら、添付写真で、それほど悪くはない?
海面状況で艦首が完全に水上に上がって見えていました。
高速艇型ではない?のだろうから、あれでは航洋性能が足りないようにも思えます。
どんな軽フリゲート艦が出来て来るか、何となく楽しみ?になります。
予想図を見る限り、もがみ型対空寄りという感じかな。
成功を祈る。
台湾海峡と黒海では前提条件が違いすぎるので無人水上艇が黒海ほど従来の水上戦力への決定打になるかは懐疑的
少なくともウクライナの無人水上艇はロシアの停泊地まで波の穏やかな沿岸部伝いに到達可能で外洋に出る必要が無い上にアメリカの衛星監視網による情報提供も受けているというこれ以上望めない程の好条件が整っています
ここまで条件が整ってなおも(ここ数年ロシア艦艇が停泊地に籠っているとはいえ)外洋部を航行中の艦艇への無人水上艇による攻撃は一回しか実施されておらず成功もしていない為、一度軽フリゲートが外洋部に展開すれば無人兵器のコンプレックスでの無力化は難しいのではと思います
そういう意味では長期展開能力に欠ける為、停泊地に留まる期間が長引くミサイル艇よりも無人兵器には強いと思います
問題は軽フリゲート程度は今の中国なら有人兵器の質量だけで圧殺は容易だろう部分でそういう意味じゃ戦力になるかは怪しい
ただ平時のパトロールには最適だと思います
そもそも1番の主敵である中国が外洋での運用を考慮してない無人艇を作る訳がないでしょうに。
仮に無人水上艇が役に立たずとも各種無人機なんて腐るほど持っているのだからマトモな攻撃能力が無くともセンサーとしての役割が果たせるなら空発型地発型や艦載の対艦ミサイルで台湾の水上艦は潰せるでしょう。マトモな防空能力持った艦なんて無いように思える布陣だし。
たまたまもがみ型の設計関係者が台湾を訪れていそう
主砲脇銃座やべぇ
無人化されていました防風も当たり前でしょう
失礼しました
T-75 20ミリ機関砲連装NCSIST XTR-102A2 RWS
日本の類似装備
「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」
小並感どころでは無いw。
RWSだとしてもあそこにつけるのはどうよ?ってなるけどなぁ・・・。
主砲の発射炎は対策済みとしても荒天時に波を被るのはマズくない?
ついでに、20mm連装機関砲は前部煙突の横にあるやつで艦首側のは違うと思うよ。
>台湾海峡でミサイル艇が効果的か
沱江級コルベットがトン数の割にかなり性能が高い武装ばかりなので対中だけを考えると装備の変更とか必要なレベルではないだろうか。高速だが重く数が載せられない雄風III型よりNSMを搭載、2番館以降搭載しているミドルレンジの海剣よりヘルファイアやAPKWSⅡのようなより個艦防御に適し安価で数を載せられる装備の追加とか。いくら搭載兵器の性能が高かろうがロングレンジ攻撃されたり迎撃され命中する可能性が高いかも微妙で数が撃てない対艦ミサイルでは問題ではないだろうか。
他国産兵器については中国の圧力で入って来ない恐れもありますので
台湾の脅威は東からも来るので台湾海峡だけ見てても読み誤りますよ。
日本の原子力潜水艦の話も同じ太平洋の防衛の話だし。
それなりの水上戦力がないと何も出来ないで押しきられた歴史があるからデカイ軍艦は必要。
キューバ危機のソ連とかフォークランド紛争のアルゼンチンとか。アルゼンチン艦隊も原潜を突破出来てれば流れが変わってたと思う。
軽フリゲート艦には無理だろうけれども。
Mk71 8インチ砲を載せるのはどうかな?、と思います。
Mk71のマガジン(弾薬庫)には75発の8インチ砲弾が即応状態で格納されます。
発射速度は12発/分です。
数で押してくる敵を有視界内で対処するには最適と思うのですが。
射程が欲しければ、M982 エクスカリバーのような砲弾を8インチで造ったら、と思います。
ミサイルも良いのですが、ミサイルは嵩が大きいので数が積めないでしょうし。