欧州関連

ウクライナ南部を舞台にした反攻作戦、両軍が繰り広げる消耗戦の中身

英国王立防衛安全保障研究所のジャック・ワトリング氏は「徐々にウクライナ軍が南部戦線の優勢性を獲得しつつある」と指摘し、両軍が繰り広げている「消耗戦の中身」について興味深い説明を披露している。

参考:Stakes are high as Ukraine’s offensive starts to secure a military advantage

ウクライナ南部で勝利を手にするのは「相手に強いる消耗度合い」を維持できた方

ジャック・ワトリング氏は英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のシニア研究員で、ウクライナ軍が実施している反攻作戦の推移や課題、今後の見通しを予測しており、これが事実かどうかは分からないが「これまで目にした反攻作戦の分析の中で最も具体的で分かりやすいものだ」と感じており、ワトリング氏の説明を要約すると以下のようになる。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

ロシア軍がザポリージャからドネツクにかけて構築した3重の防衛ラインは「スロヴィキン・ライン」と呼ばれており、各塹壕は密集した地雷原、対戦車溝、対戦車障害物、鉄条網で守られ、その周囲を対戦車地雷と対人地雷で強化した陣地で固め、さらに「新たしい戦術」を用意して南下してくるウクライナ軍を待ち構えていたらしい。

ロシア軍が用意していた新しい戦術とはウクライナ軍の機械化部隊を地雷原に誘い込み、戦車や対戦車ミサイルによる側面攻撃で装甲車輌を動けなくし、迫撃砲や大砲で降車してきたウクライナ軍兵士に砲弾を浴びせ、地雷原を突破して陣地にウクライナ軍兵士が侵入すると「事前に用意していた爆弾」を起爆、陣地ごとウクライナ軍兵士をふっ飛ばして「攻撃の波を消滅させる」というもので、ワトリング氏は「この戦術でウクライナ軍は大損害を被った」と指摘している。

出典:Telegram経由

ウクライナ軍も直ぐに戦術を変更して適応し、突破を試みる前に少数の歩兵で敵陣地を混乱させ、正面からではなく側面からの攻撃に切り替えたお陰で「前進に要求される犠牲と損失」は大幅に減ったものの、この攻撃アプローチは複雑で時間を要するため「敵にも体制を立て直す時間」を与えることになったが、集中的に敵の対砲兵レーダーを破壊したことで「戦場の優位性」は徐々にウクライナ軍側に傾いてきた。

ロシア軍は多くの対砲兵レーダーを失ったため「発砲するウクライナ軍砲兵部隊の位置」を特定するのが困難になり、ワトリング氏は「この戦争で初めてウクライナ軍は敵陣地に対する持続的な砲撃が可能になった」と指摘、要するに敵の対砲兵レーダーが機能している戦場では射撃と射点変更を繰り返す必要があるが、これが減少もしくは消滅したため「射点に留まれる時間が増えた=1回あたりの投射火力量が増加した」という意味だ。

出典:Сухопутні війська ЗС України

砲兵戦で優位性を失ったロシア軍の砲兵部隊は効果的な火力支援が出来なくなり、地雷原や側面攻撃で車輌を破壊しても「降車したウクライナ軍兵士の生存性」が向上、その影響で陣地を巡る戦いでも優位性を失いかけているため戦車や歩兵戦闘車を前に出すしかなく、これをウクライナ軍に大砲やドローンで破壊され消耗を強いられているらしい。

ワトリング氏は「ウクライナ軍にとって敵の重装備を消耗させることは戦術的にも作戦的にも重要だ。ストーム・シャドウによる兵站攻撃の影響もあってロシア軍の支援火力は低下してきた」と指摘しているが、同時にロシア軍も必死の抵抗を見せているためウクライナ軍側の損失も大きく、特に前線の低空域をカバーする防空システムの圏外=前線から8km~10km離れた場所に陣取る攻撃ヘリに「ウクライナ軍は苦しめられている」とも述べ、この戦いで勝利を収めるのは「相手に強いる消耗度合いを維持できた方だ」と主張した。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

さらに「南部戦線をカバーするロシア軍の第58軍は常に1/4が戦闘状態で、ローテーションのことを考えると予備戦力が殆ど残されておらず、一方のウクライナ軍は新たに第10軍団を南部戦線に投入したため南部戦線の戦力密度は偏りを見せ始めている。ウクライナでは11月初旬まで乾燥した時期が続くため、ある時点で歩兵の数が手薄になり、装甲車輌や砲兵の支援が不十分だと防衛ラインが崩れるかもしれない。ウクライナ軍はスロヴィキン・ラインを突破すれば広大な領土を解放でき、逆にロシア軍は戦線の穴を塞ぐため訓練が不十分な部隊を予備戦力として投入しなければならなくなる」と指摘。

逆に「もしウクライナ軍がスロヴィキン・ラインの突破に失敗すれば、ロシア軍は余裕をもって十分に準備が整った予備戦力を手に入れることができ、再び戦いの主導権を取り戻すことができるだろう」と予測し、秋頃までには南部戦線の大勢が判明すると断言している。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

繰り返しになるが、これまで目にした反攻作戦の分析の中で最も具体的で分かりやすい内容だが、これが事実かどうかは分からないので参考程度に受け取って置くのが良いだろう。

追記:ウクライナのマリャル国防次官は4日「一部の南部地域で敵の防衛ラインを突破することに成功した」と発表、ただし具体的にどこで防衛ラインを突破したのは分からない。

関連記事:反攻作戦の進展が遅い原因、ウクライナ軍の作戦スキルが不足しているため
関連記事:ドイツ軍、ウクライナ軍はもたらされるはずだった優位性を発揮してない
関連記事:ロシア人の残忍で粘り強い戦術は健在、ウクライナ人は戦いに疲れ果てている
関連記事:ウクライナ軍のトクマク攻略が本格化、温存していた予備戦力を投入

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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コメント

    • XYZ
    • 2023年 8月 05日

    偵察・攻撃型ドローンが飛びまくり、航空戦力による支援が受けられず、地雷と砲兵だらけの陣地に攻め込むという条件で今のウクライナ軍より速く戦果を挙げる事ができる軍隊を持つ国家はほとんど無いはずです。

    それなのに最近はNATO式の戦術ではないから遅いだの批判が出てきています。
    NATO式では対応できる状況ではありません。
    前提条件を満たせていないのですから当然です。
    今の戦いはこれまでに無く、今後主流になる戦いになっています。
    各国の軍備や戦略に大きな変更があるでしょう。

    今のウクライナ軍の状況を少しでも打開するにはロシア軍の攻撃ヘリを撃墜可能な射程10キロ程度ある機甲部隊に随伴可能な機動力を持つSHORADを提供する事ですが、西側で該当して提供できるだけの数がある装備が無い事が残念です。

    68
      • n
      • 2023年 8月 05日

      NATO式の戦術ってただの弱いものいじめですからね
      コソボ、アフガニスタン、イラクのような空軍力の低い地域を世界最強の空軍が一方的に蹂躙
      陸軍は航空支援を受けながら死傷者の少ない戦い方をできましたという真似できない戦い方
      ロシア相手では米軍でも無理ですよ

      西側先進国って消耗戦をしないっていうより世論が許さないから消耗戦できないんですよね
      米国世論が耐えられず撤退したイラク戦争 多国籍軍 4,807人、アフガニスタン紛争 国際治安支援部隊 3,600人の被害
      米国が敗北した例とされるベトナム戦争でも北ベトナムの976,700人に対し1/4以下の225,000人でありながら世論が耐えられず撤退
      だから空軍を筆頭に高額なハイテク兵器頼みの戦い方で死傷者を減らすわけですが、ウクライナにそんな戦力はない

      ウクライナの保有する兵器であればNATO式なんかより
      冬戦争、大祖国戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中越戦争、チェチェン紛争、アフガニスタン紛争(ソ連)、イラク戦争、アフガニスタン紛争(米国)
      このあたりのほうが戦訓として役立つと思いますね
      甚大な被害に屈しないことが勝利に繋がった事例も多いし、ウクライナの前身が関わってる戦争が多いからウクライナ軍としては参考にしやすいでしょう
      ロシアにも同じ戦訓があるってのが厳しいところではありますが絶対に真似できないNATO式よりはいいでしょう

      58
        •    
        • 2023年 8月 05日

        ロシア軍航空戦力の大部分が健在なのに、何故ロシア軍は大規模な航空攻撃&支援をしないのか。
        ウクライナ上空が無人機だらけなのに、戦闘機や爆撃機を使った大規模攻撃なんて全くしてないし。
        NATO軍のAWACSやウクライナの対空戦力がかなり効いているか、余裕がないんだと思う。

        【ロシア相手では米軍でも無理】ではなく【米軍やNATO含め西側諸国全部相手ではロシア軍でも無理】なんだと思う。米軍相手に余裕綽々なら、極東地域の航空戦力全部ウクライナ方面に回してるよ。余裕はないと思う。
        やっぱり戦争で攻めに行く方が余裕♪なんて言うのは米軍ぐらいだわw

        9
          • 名無し
          • 2023年 8月 05日

          今まで何を見てたんだよw

          12
          • 名無しさん
          • 2023年 8月 06日

          私はロシアが航空戦力を十分に活用できない理由を以下のように考えております。

          ①17か国と国境を接し、多数の国と緊張関係にあるロシアにとって、ウクライナ戦線に投入できる航空戦力は多くない。
          ②西側の半導体や工作機械を制限されているロシアでは、航空機をメンテナンスする十分な部品が入手できない。
          (2022年は28件の墜落事故を含む計130件以上のインシデントが発生した)
          ③ウクライナ側にも強固な対空システムがあり、ロシア空軍の運用が困難となっている。
          (NATO軍のAWACSやウクライナの対空戦力がかなり効いているというのも同意)
          ④戦車とは異なり、パイロットも貴重であるため、旧式・整備不足の戦闘機を前線に出すわけにはいかない。
          ⑤総司令官であるスロヴィキンは損耗を避ける艦隊保全主義者の傾向が強く、戦闘機も温存する方針を採っていた。

          プリゴジンのクーデター以降、スロヴィキンが司令部から外されたため、最近のロシア空軍は積極的な運用を強いられるようになったのではとみています。

          4
      • ETX
      • 2023年 8月 05日

      ドンバスやザポリージャのロシア・ウクライナ両軍にいえるのかもしれないが、ドローン・砲兵・地雷まみれの戦場で、それらからの損害を回避するため小部隊毎に分散せざるを得ない状況であるとするなら、大規模な部隊集中や展開は今後とも難しく、「大規模攻勢」というものはほとんど成り立たない情勢にあるのではないだろうか。

      21
      • 謎の密使
      • 2023年 8月 05日

      >今のウクライナ軍の状況を少しでも打開するにはロシア軍の攻撃ヘリを撃墜可能な射程10キロ程度ある機甲部隊に随伴可能な機動力を持つSHORADを提供する事ですが、西側で該当して提供できるだけの数がある装備が無い事が残念です。
      この問題、流石に無視出来なかった様で、最近になって英国がAIM-132・ASRAAM空対空ミサイルとEO/IRセンサーマストをスパキャット社の高機動トラックに乗せたSHORAD(短距離防空システム)をウクライナヘ供与した事が分かりました
      下のアドレスに画像が有るのですが、明らかな急造兵器です
      リンク

      17
        • XYZ
        • 2023年 8月 05日

        まさにトラックの荷台に載せただけといった感じですね。
        装輪式なので悪路での機動力に不安がありますが、無いよりは遥かに良いと思います。

        イギリスからの提供だと数が揃わなさそうなのが残念ですね。
        しかし、さすが「第三善を戦場に送れ。次善は遅れる、最善はついに完成しない」と、性能はともかくとりあえずモノになったレーダーを実戦配備した国ですね。

        16
      • nachteule
      • 2023年 8月 05日

      >今のウクライナ軍より速く戦果を挙げる事ができる軍隊を持つ国家はほとんど無いはず
       かなりの広域にわたる反攻作戦を始めたのはあくまでウクライナの都合でしかないですし、それをしてウクライナより戦果を上げられる国が云々とかには違和感感じますね。
       そう言う縛りプレイの状況下で始めてそれに伴った結果が出ただけ。他の戦力に乏しい国が同じ事を始めて実行するのか?潔く諦める道だって有るでしょう。まるで攻撃だけが答えだけって言うのは乱暴だと思いますけどね。

      >NATO式では対応できる状況ではありません。
       それならソ連式なら1番効率よく対応出来るんでしょうか?前にも書きましたがウクライナがやっているのは頭を空っぽにして場当たり的に戦うのが多い消耗戦なんでしょう。旧ソ連が思い描いた量より質で押し切る考えで、そこにそんな想定してない兵器使うなら西側兵器なんて要求せずに東側兵器を何とかしてくれと言うべきです。
       何も全てNATO方式にする必要はない。制空権ない事で支援射撃も要請出来なくて、前線の部隊が全ての脅威を排除する事になるって話になりますかね、結果的にロシア伝統のキルポケットに誘い込まれて損害受けてるんだから、そもそも反攻作戦する準備が出来てなかった話でしかない。

      3
        • XYZ
        • 2023年 8月 05日

        侵略された側が攻撃を諦めるとは、どういう意味でしょうか?

        東側兵器の提供を要求ですか?
        それを提供可能な国があるのでしょうか?
        インドや中国は充分な数を数の上では提供可能だと思いますが、この2カ国がウクライナに兵器を提供すると思いますか?
        無ければ西側装備で戦うしかありません。

        少なくとも航空支援が受けられない状況下では旧ソ連式の方が戦果が期待できたと思います。
        元々、NATOに航空優勢を取られた状況を想定した装備になっていましたので。
        距離別の多層対空ミサイルシステムが随伴しているだけでも今の厳しい状況は打開できる可能性が高くなります。
        これは第4次中東戦争でのエジプト軍の快進撃と対空ミサイルシステムの射程から出てしまった後の大敗が証明しています。

        28
        • 名無しさん
        • 2023年 8月 06日

        >潔く諦める道

        おそらくは「反転攻勢を諦めろ」と言う意味なのでしょうかね。
        ただ、反転攻勢に関しては西側諸国の「レオパルド2まで提供したのだから、早く反撃してこの戦争を終結させろ」と言う圧力もかなり強かったはずです。それに対してウクライナは消極的で、開始時期を引き延ばしにかかっていたことは、ここでも記事になっていました。おそらく反攻作戦には戦力が不十分であることを予測していたのでしょう。しかし、スポンサーの意向に背き続けることはできません。
        そしていざ反抗作戦が始まれば「想定外の被害が出たので反抗作戦は中止します」と言うわけにもいかない事も理解すべきではないでしょうか。

        >頭を空っぽにして場当たり的に戦うのが多い消耗戦な
        NATO式でない=ソ連式 と言う考えで凝り固まっているように見えます。
        ウクライナが今、実施しているのはNATO式でもソ連式でもない方法でしょう。
        ウクライナは緒戦の失敗を振り返り、時間はかかるが確実に進める方法を選択したという事です。

        7
      • たむごん
      • 2023年 8月 05日

      プロパガンダにより、期待値を上げすぎた事が大きな理由でしょう。

      『クリミア奪還だ』『電撃戦で南部を取り返せる』『レオパルとがゲームチェンジェーだ(旧型なのに)』『NATO装備・訓練の精鋭がゲームチェンジャーだ』などなど。

      テレビに頻繁に出続けてる人は、マスコミの意向に沿う人しか無理です。
      その結果が、勇ましい言葉のオンパレードでした。

      実情に沿う方法で報道した方が、長い目で支持は得られると思います。
      匿名の優秀な有志の方々に、どうせネットでバレるのですから。

      聞いていた話(日本の報道)と違う!ざっくり言うと、こういう事でしょう。

      15
        • 名無しさん
        • 2023年 8月 06日

        反攻作戦の前からずっとゼレンスキー大統領をはじめウクライナの指導部は
        「支援が足りない」「劇的な戦果は期待できない」と過剰な期待を抑えるように言ってましたからね。
        無論、「西側の支援があればロシアを追い出して見せる」と言う勇ましい発言もしていたと思いますが、西側の報道は圧倒的に後者寄りでした。

        我々西側諸国は戦争に対して甘い幻想を抱くことなく、平和なうちから負担に耐えて十二分に備えておく必要があるという事でしょう。それでもいざ始まってしまえば、開戦前に想定した以上の犠牲と負担が生じることは確実かと思います。

        6
        • マタキン
        • 2023年 8月 06日

        >テレビに頻繁に出続けてる人は、マスコミの意向に沿う人しか無理です。
        匿名の優秀な有志の方々に、どうせネットでバレるのですから。

        誰の事を言ってるのか知らないが、少なくともこの手のテレビ解説で有名な小泉さんや防衛研究所の高橋さんはゲームチェンジャーだの電撃戦だの勇ましい事は言ってるの見たこと無い。
        むしろ進行役が「ゲームチェンジャーなんでしょうか?」に「それはどうでしょう」と常に言わせたい事から離れてた。これは責任ある人間としては当たり前で、不特定多数に発信する以上は適当な事は言えないから。
        逆にあんたは誰のどの発言言ってんの?テレビ見ないで適当な事言ってない?
        で、ネットの匿名軍師様を有り難がっているようだけど、実際はいくつかの局面では当たる「事もある」程度で、逆にそいつに都合の良い情報を織り交ぜて発信されてもアンバランスさに気づけない危険な考え方だよ。

        4
    • ななし
    • 2023年 8月 05日

    ロシア側の塹壕に対人地雷を仕掛けられててウクライナ兵が塹壕に入ってきたら爆発する動画がありました
    自衛隊はこういうのに関して対策を考えてるんでしょうか?
    日露戦争で旅順要塞に突撃した際に濠に落ちて進むことも引くこともできなくなったところを
    機関銃で一掃されたのと似たようなやられ方なんですが

    9
      • ido
      • 2023年 8月 05日

      自衛隊は考えてるのでしょうか?と言うか世界のどの軍も考えれてないのではないでしょうか。そもそも日本で塹壕戦が起こる事自体起こりづらいのであまり重要視はされていないと思います。素人考えの簡単な対応策は塹壕に先に手榴弾を投げて誘爆させる事くらいでしょうかね。

      20
        • Easy
        • 2023年 8月 05日

        この戦法は旧来のブービートラップタイプと違って、リモート起爆になっています。その点ではイラクで多用されたIEDとほぼ同じで、「遠くから現場を監視しておき,任意の起爆タイミングで起爆させられる」「そのため,ブービートラップのように反応しやすいトリガーを用意しなくても良い」
        という特性があり。手榴弾程度の衝撃で無効化出来るようには見えないですね、やるなら火炎放射器で念入りに焼くぐらいは必要かもしれません。

        5
      • TKT
      • 2023年 8月 05日

      そもそも本来の浸透戦術というのは、前哨陣地の塹壕を
      「素通り」
      する作戦であり、前哨陣地の塹壕の占領を目的としない戦術なのです。その点で、今のウクライナ軍の攻撃のやり方は浸透戦術とは言えません。

      第一次世界大戦の東部戦線におけるブルシロフ攻勢、イタリア戦線のカポレットなどは、敵の前哨陣地の塹壕を素通り、迂回、突破して、後方の司令部や補給路を占領し、前哨の敵兵を孤立させる戦法でした。

      別に敵が掘った塹壕をいちいちわざわざ占領して使う必要はないし、自分たちで別の場所、要所、敵の後方に塹壕を掘ればいいという話なのです。

      1940年のドイツ軍の電撃戦もそうであり、ロンメルはマジノ線を占領しようとしたわけではありません。1944年のソ連軍や、米軍のパットンもそうです。

      しかし前哨陣地の塹壕を素通り、迂回するには、装甲車や自走砲などを使った機動力、航空支援、制空権の確保など、色々な前提条件が必要となります。そういう前提条件がないと、塹壕を素通りしている間に砲撃や、爆撃でやられるわけです。今のウクライナ軍の敗因はむしろそこです。

      19
        • ななし
        • 2023年 8月 05日

        全般前哨や戦闘前哨を素通りできても主陣地を突破しないと後方司令部や補給路へはたどり着けません。
        そして主陣地はそう簡単に素通り出来ないよう間隙を閉塞してるのが通常です。

        25
      • Natto
      • 2023年 8月 05日

      ロシアは非情だけど効果的な戦術の名人だから。
      囚人兵の防御での活用方法が出てきそう。
      陣地に鎖で繋いで抵抗させて、様子を見て囚人兵もろとも爆破位はやるでしょ。

      3
      • 名無しさん
      • 2023年 8月 06日

      自衛隊は防衛側になるので、有事の際はロシア側の戦術を取り得る側になります。
      そもそも島国である日本では、侵略側が塹壕戦を行おうとしても、制海権を押さえていれば補給が続かず干上がることになります。

      陸続きのウクライナ戦争と日本の有事の状況を重ねるのは難しいですが、無理やり当てはめるとすると
      ①敵対国家が奇襲的に日本の島嶼部に上陸・占領
      ②上陸した軍は塹壕を中心に防御陣地を構築する
      と言う流れになると思いますが、この際、自衛隊(及び米軍)がすべきことは制海権を握り続けて島への補給を止めてしまう事でしょう。無論、自衛隊による奪還作戦も想定しておられるようですが、奇襲部隊が持ち込める物資には限りがありますから、上陸前に徹底的に消耗させるのが先でしょう。

      1
    • 古銭
    • 2023年 8月 05日

    消耗戦となることは広く知られていましたが、9月末どころか11月まで今の規模の攻勢を続けられるというのは凄いですね。

    5
      • ポンポコ
      • 2023年 8月 05日

      この記事で最も興味深いのは、ウクライナ軍が対砲兵レーダーの破壊に専念したため、ロシア軍の砲撃優位が崩れたという主張である。これは重要なポイントをついている。

      なぜなら、現実は、ロシア軍は航空優勢と火力優勢の両方で、ウクライナ軍の人海戦術をしのいできた。

      そのロシア軍の火力優勢が崩されたのであれば、ロシア軍は困難に直面する。

      その結果、もし、損害比率に大差がない消耗戦になれば、現状では兵士の数と供給力の両方で優勢なウクライナ軍の勝利は確実になる。

      ロシア軍の防衛線は崩れ、兵力温存のためにロシア軍は退却せざるをえなくなるだろう。

      問題は、それが本当かどうか、継続できるかどうかである。

      つまり、実際にロシア軍の砲撃の優位が崩れたのか、それとも差が少し小さくなっただけなのか。

      本当なら、対砲兵レーダーの損失対策をロシア軍は早急にやるはずだが、それが機能するかどうか。

      29
        • NHG
        • 2023年 8月 05日

        最近増えてる露ドローンによるウ榴弾砲の破壊報告は、今の状況に適応したものだと思う
        露は対砲レーダー減少により即時反撃しにくくなったからドローンによる索敵・攻撃を強化
        ウ軍側も同じ場所にとどまって火力投射するから見つかりやすくなってるみたいな状況かなって気がする

        23
        • 平八郎
        • 2023年 8月 05日

        思えばこの前辞めさせられたロシアのポポフ少将も「我が軍には対砲兵レーダーが不足してる」と訴えてましたよね。
        戦車が足りない砲弾が足りないミサイルが足りないとは言わないのにそういう不満が表面化したということは対砲兵レーダーはよほど補充が難しいんでしょうね。
        おそらくレーダーの生産には特殊な半導体が必要でそれが規制で手に入らなくなってるんじゃないですかね。

        33
      • Easy
      • 2023年 8月 05日

      「ウクライナ軍が今の規模の消耗戦を継続可能で、同時にロシア側にはこれ以上の戦力投入がなければ」スロヴィキンラインを突破出来るという見通しですから。当然ながら兵力は無限ではないし、ロシア側は対抗策を講じてきます。端的には別方面で攻勢用に用意した兵力が余ってますから,当然南部がマズイとなれば転進してくるでしょう。
      希望に満ちているが、地獄に続いている道のように見えますね。まあ、この戦争でイギリスが発表する内容はほぼ全てがこんな感じですが。

      28
        • リック
        • 2023年 8月 05日

        イギリス情報畑がロシア側の供給能力を過小評価した分析を行っていると言うのはこの戦争において一貫していますね。
        それが、政治的な理由で敢えてそうしているのか、単に能力不足故に把握できないからそうなっているのかはわからないですけども。

        18
    • 折口
    • 2023年 8月 05日

    対砲兵レーダーは砲兵戦の目ですし、ロシアはこの種のハイテク機器の補充を即座には行えないですから、これを減らせているなら後々にまで影響が残る素晴らしい成果でしょう。加えて米国が供与した155ミリのクラスター砲弾の効果もかなり高いという話もあるようで、砲兵戦においてウクライナが局所的な優位を得つつあるというのはどうも信じて良さそうな気がします。防御線の突破は1日何キロというふうには進まないですが、要衝を突破してしまえば一気に戦局が動くものですし、このままジワジワ押し切っていってほしいですね。

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    • bbcorn
    • 2023年 8月 05日

    まあ しばらくは我慢比べだね。
    最終的には兵站で決まるから ロシア経済がいつまで持ちこたえるか。
    全てはそこで決まると思うな。

    12
    • 動員兵
    • 2023年 8月 05日

    今こそ追加動員が必要ですな。

    1
    • 理想はこの翼では届かない
    • 2023年 8月 05日

    素朴な疑問として対砲兵レーダーをそんな簡単に破壊できるのであれば、なぜもっと前から集中的に実施しなかったのでしょう?
    それとも何らかの要因があって対砲兵レーダーを潰せるようになったのでしょうか?

    5
      • 匿名11号
      • 2023年 8月 05日

      硫黄島やサイパンで本邦守備隊の火砲が艦砲射撃でつぶされたのは、発砲することで位置を露見したからだから、似たような話では。総反攻前ではロシア軍も対砲兵レーダーの使用を控えるでしょうからねえ。

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      • おわふ
      • 2023年 8月 05日

      効果が出るまで数を減らすには長い時間がかかったのでは。

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      • ななし
      • 2023年 8月 05日

      ここ半年ほどでウクライナ軍が自走砲や対砲レーダーを撃破するのにGMLRS弾を使用する動画が多数投稿されるようになっています。
      それまではHIMARSをもっぱら後方の兵站を潰すのに専念させていたことを考えると、砲兵、レーダー狩りに回せるほどGMLRS弾の供給量が増えたのではないかと見ています。
      昨秋ロッキード・マーティンが生産ラインの強化をしているので、その効果が出始めているのでは。
      通常の大砲でカウンター砲撃をすると自分も察知されて敵の反撃に晒されますが、GMLRS弾でアウトレンジするならその恐れも無いですし。

      16
      • 2023年 8月 05日

      結構前からハイマースその他で防空レーダーや防空兵器、砲の破壊報告が毎日のように出ていたと思う。
      それが反攻準備開始していたくらいから続いていたと思う。

      それから反抗開始後は後方要地だけでなく、砲部隊に対してもハイマースが使われ出して、小泉悠氏や他の方も、なんでハイマースをそんなに高価値でもない目標にも使っているのだろうと不思議がっていたと思う。

      それとロシアのバフムト攻勢が一旦終わったくらいに、なぜか防空レーダー車両が単独で前線の前に出てきてウクライナの歩兵や戦車に狩られるという動画が出回ってました。
      ロシアが何かの理由で、安全な後方に置いていたものを見つけやすい前線に押し出してきたから狩られるようになったのかもしれません。

      今気になることは、ロシアの砲撃攻勢がなくなり、ロシア空軍の空爆が激しくなっていることでロシア空軍機がウクライナ軍の対空兵器で大量に狩られて大きく損害を受けているという話が出てきていることです。
      まあ、それを恐れて今までロシア空軍は不活発だったのだろうし、今はそんなこと言っていられないロシア軍の状況だから覚悟の上なんでしょうが。

      ロシア空軍がボロボロになることは欧米諸国にとって大変喜ばしいことでしょう。
      陰謀論を言うのはあまり気が進まないですが、何か仕組まれてウクライナが利用されているのではないかと勘ぐりたくもなります。

      8
    • キングタイガー
    • 2023年 8月 05日

    まあこの分析が本当かどうかは反攻が成功してからだな、現状は”様子見”でしかない。

    対砲兵レーダー破壊もソースがウクライナの発表だけで根拠に乏しいけど、まともな映像あるの7~8個だし、秋口までに成果が無ければそれで終わりなんだからペースを上げた方がいいと思う

    16
      • a
      • 2023年 8月 05日

      >秋口までに成果が無ければそれで終わり
      アレ、「ウクライナでは11月初旬まで乾燥した時期が続く」とか書いてなかった ?
      同じウクライナでもザポリージャやヘルソンはハルキウとは気候が違うのかもしれません。

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    • bbcorn
    • 2023年 8月 05日

    クリミア大橋が また攻撃受けてるみたい。
    また通行止めかな?
    南部の補給苦しいね ロシアは。

    2
      • 名無しさん
      • 2023年 8月 06日

      ダムを破壊したこともあって、ロシア軍は大量の水を運ぶ必要性も生じていると言われています。
      気温38℃を超える中、水不足は前線の兵士には死活問題かと思います。
      ロシア兵はよくそんな環境で戦い続けられるものだと思いますが、我々が想像する以上に彼らの戦意(あるいは被害妄想)は強いのかもしれません。

      2
    • けい2020
    • 2023年 8月 05日

    そもそもが、NATO式諸兵科連合戦術ものが実戦で使われたのは、近いのがアメリカ軍によるイラク戦争がだけなのでは?

    しかも戦場がドローンで監視されてない前提で、アメリカ軍並の航空作戦を出来る前提
    実は古い常識な上に、机上の空論なのでは?

    11
      • NHG
      • 2023年 8月 05日

      西側将校が言ってるのは「歩兵部隊内で、歩兵部隊同士で、そして砲兵とも連絡を密に取り合って協調しろ」って意味合いなだけな気がしてきた(言いたいこと以上に悪く伝わった)

      ウクライナの部隊が一網打尽にならないよう細分化し敵勢力圏に侵入、それに反応した敵のレーダーや重兵器を精密砲撃/ドローン攻撃で破壊という方法は、戦後アレンジされたものがNATOの教範に組み込まれてもおかしくないと思うけどnatoクラスともなると学ぶ必要はないんだろうか? なんだかんだ言ってウクライナの戦果を支えてるのは西側兵器だからnatoならもっとエレガントに対処できても不思議ではないけど

      1
    • ウルフリック
    • 2023年 8月 06日

    なんだかウクライナに旧ソ連系の武器をやれば良いんだと書いている人がいるけど、それはとっくの昔から大量にやっている話なんだけどな。
    戦車にしたって最初のまとまった援助はポーランドからのT72とT72のポーランド改良型だったし、砲弾の供給も初期はもっぱら東欧や南欧の備蓄なり新造の旧ソ連規格の砲弾だった。けどそれだけじゃ数も質も足りないから西側の武器もくれというのが今までの流れじゃん。そういう経緯を全く無視している人がここのような結構ディープな場所にいることが驚きだよ

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