欧州関連

レオナルド、イタリア軍向けにレオパルト2の大幅なイタリア化が行われた

イタリアは地上戦力のギャップを埋めるためレオパルト2A8(約130輌)を調達予定で、レオナルドのロレンツォ・マリアーニ氏は「レオパルト2の大幅なイタリア化が行われる」「ラ・スペツィアで最終組立を行う」と明かした。

参考:Leonardo eyes an Italian gun for Rome’s new Leopard 2 tanks

イタリアはレオパルト2A8を国内生産する予定、APSの搭載も確実

ロシアのウクライナ侵攻を受けて「伝統的な地上戦力」に対する再評価に注目が集まり、イタリアでも現実的な脅威の登場を受けて「陸上戦力の更新」が本格化、ラウティ国防次官は「アリエテは200輌中50輌しか運用状態にない」「NATOの義務を果たすには250輌以上の戦車が必要」「2024年から戦車取得のための予算計上が始まる」と、計画に詳しい関係者も「レオパルト2A8が133輌必要」と明かしていたが、メローニ政権もレオパルト2A8の取得費用を盛り込んだ予算を提出。

出典:Corporal-chef Sedeyn Ritchie, Belgian combat camera team

レオナルドとKNDSも戦略的提携に署名したと昨年12月に発表、この協定は「イタリアが希望している欧州戦車計画(Main Ground Combat Systemのこと)への参加」「発注が確実視されているレオパルト2A8のワークシェア」に関するものだと報じられていたが、レオナルドのロレンツォ・マリアーニ氏は「調達するレオパルト2は大幅なイタリア化が行われる」「ラ・スペツィアで最終組立を行うことを目指している」と述べた。

マリアーニ氏は「KNDSと交わした協定に基づいてレオパルト2の大幅なイタリア化(レオナルドが供給する電子光学センサー、通信装置、指揮統制システム、砲身など)が行われてイタリア側の要求を満たした」と明かしたが、議会に提出された報告書によってAPSの搭載も確認されている。

出典:public domain

因みにイタリアはレオナルドとKNDSの枠組みを活用してダルドの後継開発(A2CS)を行う予定で、イタリア軍がA2CSの要求要件をまとめている最中らしい。

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※アイキャッチ画像の出典:KNDS

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コメント

    • 名無し
    • 2024年 2月 21日

    ウクライナの戦訓をうけてもやっぱりAPSは採用するのか。やっぱり我が国でもほしいよなあAPSくらいは。

    12
      • ページ
      • 2024年 2月 21日

      ガザ地区に突入したイスラエル軍は標準的にトロフィーAPSを装備したメルカバやナメルを投入したが四分の一を損傷ないし、喪失したとのこと
      最も、期待された市街戦での小型火器相手にあまり有効でないのが確認された形になった
      APSの範囲の随伴歩兵が展開できず、安価な対戦車火器に打撃されてる動画が多い
      反面装甲そのものは乗員の人命を救う役には立っている

      21
    • ユーリ・レズスキー
    • 2024年 2月 21日

    レオパルド2のイタリア化、パスタ茹で器とピッツァ窯がつくのかな

    15
      • kitty
      • 2024年 2月 21日

      エイブラムズでBBQができるのはアメリカ化なんだろうか。

      16
      • 理想はこの翼では届かない
      • 2024年 2月 21日

      食後のジェラートも作れないとね

      8
      • ホテルラウンジ
      • 2024年 2月 21日

      その装備調整したら香川県用のレオパルド2として使えそうですね。

      6
      • 半分の軍事費の国から
      • 2024年 2月 22日

      ランチタイムを邪魔されない様に、AIによるAUTO戦闘モード付にしつつ、パスタ茹で器とピッツァ窯を耐振、制振の構造にしてちゃんと調理出来る様にしつつ、トイレも装備させてしまうと超重量級戦車になってしまうという‥妄想で。

      2
    • 名無し
    • 2024年 2月 21日

    バックにいれると最速になるんですよね、知ってます。

    16
    • あああ
    • 2024年 2月 21日

    イベコの買収がまだのレオナルドだからそりゃ砲塔機器とベトロだけでしょ。しかしイベコの買収をしたとしてもイタリア勢の装軌車体に関わる能力って英国勢と同じように最新のを自己完結は無理で外部技術が頼みだろう。じゃあ次期IFVが国産技術の車体になるわけもなく多国間開発で車体は外部導入とし砲塔とベトロはレオナルドでって事だろうな。
    レオナルド傘下のイベコで内製化可能なのはそれら次世代装軌の維持部品のライセンス製造と保守整備だろう。国開発の特殊装甲は90年代技術で停滞してる一方で装輪装甲は国策で推進され輸出に強い。今更に装軌AFVの自己完結復活に多くを投資する必要もあるまい。

    1
    • 名無し
    • 2024年 2月 21日

    ブリテンが紅茶淹れられるんだからピザ焼けるようになるんだろ?知ってるぜ

    8
    • T.T
    • 2024年 2月 21日

    イタリアにはアリエテが有るでしょうが。レオパルトを買うなんて、ドゥーチェがそんなこと許しませんよ!

    5
      • 戦略眼
      • 2024年 2月 21日

      自国製戦車を運用状態に持って行くのが先だろう。

      3
      • 航空太郎
      • 2024年 2月 21日

      まぁ、アリエテも近代化改修でかなり強化(エンジン出力Up、トランスミッション換装、履帯変更で軟弱地盤対応強化、対IEDシステム搭載、装甲増加、FCS強化、新型APFSDS採用)を125両に行って、運用は継続するとのことなので、まだ良かったかな、と思いますよ。

      外征する部隊はレオパルト2A8、国内は近代化改修したアリエテ、の二本立て運用のようですから。

      8
        • NHG
        • 2024年 2月 22日

        たしかにNATOとして部隊出すときは(ほぼ)共通仕様のレオがいいね
        それと比べると東アジア圏はみんなバラバラなのがネック。それぞれトップクラスの性能はあるんだけど(10式、k2、M1)。

        5
    • hoge
    • 2024年 2月 21日

    アメリカがM1A2 SEPv4を中止して、将来の戦争に備えた大幅に軽量化、スリム化、生存性を向上させた次世代の戦車を考えている中で、重量的に既に限界が近そうなLeopard2 A8を今から購入するのですね、今すぐ欲しいから他に選択肢がないのでしょうが…
    リンク

    3
    • ななし
    • 2024年 2月 21日

    イタリア化…?
    戦車にフェラーリやランボルギーニのエンブレムを付けるのかな?
    あるいはグッチやプラダのブランドロゴを付けるのかな?

    6
    • 名無し
    • 2024年 2月 21日

    コメ欄がネタに走ってて笑えるw

    で、砂漠でパスタ茹でても大丈夫なように水タンクつけるんだよね?

    4
    • AAA
    • 2024年 2月 21日

    APSやERAなんてまともな受動装甲を作る技術がない国の弥縫策にすぎないとかオタクがどや顔してた時代も遠くになったな

    20
      •  
      • 2024年 2月 21日

      結局どれか一つで何とかなるなんてことはもうどの分野でもないんだろうね

      15
      •  
      • 2024年 2月 21日

      装甲板が壊れたら後送して巨大なクレーンやらを使って交換しなければならないですが、ERAなら前線単位で付け替えてすぐ再出撃出来ますからね
      東側兵器というものは本当に戦争について真面目に向き合って設計されているなと感心します
      西側が高価な玩具では駄目だと学べたことは救いですね

      13
        • NHG
        • 2024年 2月 22日

        10式のモジュール装甲もっと褒めてあげて

        6
          •  
          • 2024年 2月 22日

          実際我が国の戦車の設計は諸外国と比べてはるかにマシですが、それでも前線部隊単位であれを付け替えるのは不可能ですね
          砲塔全取っ換えは必要ありませんが、ちゃんと設備のある拠点で作業が必要でし

          3
      •  さ
      • 2024年 2月 21日

      APSも常に有効というわけでもなく、状況によっては歩兵が周りに居られないから丸腰になりかねないとか
      色々と一長一短の部分があることもわかってきたからなぁ

      7
      • 半分の軍事費の国から
      • 2024年 2月 22日

      昔のオタクがドヤ顔していた頃の‥湾岸戦争(1992)の時のイラクのT-72が使っていた砲弾が3BM15(スチール)貫徹350mm@2km(1972)だったのが3BM42(タングステン)貫徹510mm@2km(1986)になって広まった話とかでしょうか、そこからの推測で結構話が進んでいたような気がするのですが・・でもアメリカのM1戦車、その後の改良で装甲性能2倍に増やしてますよね?と当時は論争を呼んだのでは??と思うのですが。

      良ければ読んであげて下さい。
      リンク

    •  
    • 2024年 2月 21日

    実際に戦争が始まって仕舞えば国内生産だけで兵器を賄うのは難しい。とはいえ他国から兵器を供給したところで規格の問題もある。それはたとえnato加盟国であっても。弾薬でさえ自衛隊の小銃弾は弱装弾を使っているものもあるので実はそのまま共通規格というわけでもない。そんな中ではライセンス生産を複数の国で行っておくのは生産力の分散配置という点でのメリットが今後大きくなるのかもしれない。

    8
    • A29
    • 2024年 2月 21日

    ヒトマルを採用するならGCAPにレオナルド参入に賛成してもいいよって言える環境があったらよかったのにね
    電子走査と電子戦機器を譲るうまみが無さすぎる・・・。バータすら不正扱いされそうだけど

    • haa
    • 2024年 2月 22日

    各国軍で別々の兵器採用するのはコスパ悪くない?対ロシア戦に備えて共通化すればいいのに

      •  
      • 2024年 2月 22日

      開発遅延で1両20億くらいの戦車が出来上がりそう

      1
      • たけやぶやけた
      • 2024年 2月 22日

      冷戦期に一度とん挫してますからねぇ
      今もドイツとフランスでMGCS(次期主力戦闘システム)の共同研究を進めており、
      そこにイタリアのレオパルド社が参加を表明しています。
      リンク

      1
    • 58式素人
    • 2024年 2月 22日

    妄想をするのですが。
    数日前のロシア戦車のEW装置で。「Volnorez」がありましたね。
    評判散々(笑)でしたが、アレとAPSを組合せはないものでしょうか。
    APSのミリ波レーダーは常時作動の状態で、擲弾とEW電波を使い分ける形で。
    「Volnorez」も四六時中電波を放射するのではなく、レーダー反応で起動する形で。
    最終防衛手段(?)の砲塔上機銃には、何らかの照準器を追加装備出来たら良いですね。
    IRか画像照準で、データを搭乗員のヘルメットバイザーに投影できたら更に良いかな、と。

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