オーストラリアのアルバニージー政権は海軍再編に関する分析結果を発表、この中で「有人運用も可能な大型無人艦」と「汎用フリゲート」の取得に言及、後者の検討候補にMEKO A-200、Alfa3000、もがみ型、大邱級を挙げている。
参考:Australia To Bet Big On Heavily Armed, Optionally Crewed Warships
海軍再編には新しく有人運用も可能な大型無人艦と汎用フリゲートの取得が盛り込まれている
オーストラリアのアルバニージー政権は国防戦略を見直しを指示、2023年4月に公開された見直し結果は「長距離攻撃兵器の普及により軍事力の質的特性が変化、火力の投射距離が飛躍的に拡張されたことで『直接侵攻を必要としない軍事力による強制力』が安全保障上のリスクに浮上。オーストラリアが有していた地理的優位性は根本的に低下し、ミサイル時代と定義した新しい安全保障環境下で『距離のアドバンテージ』が失われた」と結論付け、豪州北部の基地・港湾施設といったインフラストラクチャー整備、長距離攻撃能力の強化、沿岸機動に対応した陸軍の再編を優先するよう勧告。
具体的には次期歩兵戦闘車の調達削減、第2砲兵連隊創設の中止、豪州北部のインフラストラクチャー整備、上陸用舟艇、HIMARS、海上目標を攻撃可能な長距離攻撃兵器の取得前倒しや調達量の拡大、F-35AやF/A-18FへのJSM統合、MQ-28Aの開発優先を勧告、これに政府も原則同意したため陸軍と空軍の再編方針は確定し、アルバニージー政権は待望の海軍再編に関する分析結果を20日に発表した。
この報告書は「中国の海軍拡張に対抗するため水上艦の戦力規模を2倍に増やすこと」を要求、新たな水上艦戦力は26隻で構成され、ハンター級フリゲートは9隻→6隻、アラフラ級哨戒艦は12隻から6隻に削減され、アンザック級フリゲートのアップグレードも中止、新しく有人運用も可能な大型無人艦×6隻、汎用フリゲート×11隻の取得を勧告しており、海外のディフェンスメディアから大きな注目を集めている。
有人運用も可能な大型無人艦(LOSV)は32セルのVLSを備え「有人艦の射手」や「追加の弾薬庫」として機能し、報告書は「米海軍のプログラムを通じて取得されるべきだ」と定義しているため、米海軍が戦力分散化の概念=ゴースト・フリート(幽霊艦隊)の下で進めているLUSV(1,000トン~2,000トン/VLS16セル~32セル)の取得を想定しているのだろう。
さらに汎用フリゲートは最終的にアンザック級フリゲートに取って代わることを想定しており、報告書は検討候補にドイツのMEKO A-200、スペインのAlfa3000、日本のもがみ型、韓国の大邱級BatchIIもしくはBatchIIIを挙げているが、ここにAUKUS級原潜の取得も加わるため報告書は「推奨する水上艦の増強は乗組員規模の合理化と省力化技術によって人員増加を最小限に留めなければならない」と述べており、この計画に必要な111億豪ドルを何処から捻出するかも未定だ。
まだフワフワした内容だが、汎用フリゲートの調達が本格化してMEKO A-200、Alfa3000、もがみ型、大邱級の争いになれば興味深いことになるだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊
どうせまたオーストラリアで建造することが条件とか言い出してグダグダになる予感
金かけてまで自国建造は当たり前だと思いますよ。前の潜水艦よりは工員教育とか遥かに楽になる。潜水艦は潜水機能とサイズのせいで作るのが難しく熟練工育成するのが大変なんですから。これは潜水艦ほど揉めないんじゃなかろうか。
日本の奴だと現状のもがみ型だとして船体規模のせいでVLSは16セルだろうし、固定のソナー無し。ユニコーンは流石に日本からの輸出で仕様変更は出来ないだろうし、韓国みたいに納期は貰うが仕様変更は歓迎するスタイルでも無いしそんな艦船欲しいだろうか?
ODAなどの海外援助資金、こういった案件の後押しに使えれば、安全保障にも大きく寄与する『未来への投資』と言える案件と思います。
日本の防衛産業の規模拡大、シーレーンの安定、資源国との外交関係強化など、素晴らしい相互効果が見込めます。
オーストラリア経済自体も、信用力が高いだけでなく、通貨が強く・経済成長が続いていますから着実な投資先です。
そうなると次世代戦闘機の件も含めて、本格的に公明党が邪魔になりますな。
仰る通りです、今年の衆議院選挙結により何か分かるのか注目したいと思います。
武器を輸出しない事により、日本が平和になるというロジックが、いまいちよく分からないんですよね。
ODAの対象国は開発途上国なのでオーストラリアには適用できません
ODAなどで有名な海外援助資金という書き方が、分かりやすかったですかね。
テキサス新幹線の資金支援(国交省)など、先進国向けのプロジェクトであっても、政府が資金支援するケースはありますよね。
オーストラリアのフリゲート艦更新でもがみ型も候補に上がっているのは良い事だけどそもそも日本側が輸出を認めるのかな?
技術移転などを要求されたらネットで猛反発が起きそうな気もするし。
もがみ型は輸出も考慮していたかと。
政府が三菱重工が生産する最新鋭の護衛艦輸出を検討していることに抗議の意思を示そうと、
市民団体「武器取引反対ネットワーク(NAJAT)」が21年12月3日、千代田区の三菱重工前で抗議デモを行い、
防衛装備庁と三菱重工業は2023年11月7日から9日まで、オーストラリアのICYシドニーで開催された
海洋防衛の総合イベント「INDO PACIFIC 2023」で、新型水上戦闘艦「FFM-AAW」の模型展示を行いました。
輸出考慮しているなら選ばれた場合は輸出出来そうですね
後は既に輸出に成功している他の候補と比べて、もがみ型がどれだけ価格や性能が優れているかアピール出来るかですね、
省力化技術という点ではもがみ型にアドバンテージはありそうです。
アンザック級フリゲートの置き換えだとすればサイズ的にはもがみ型でいいような気もしますが、ハンター級フリゲートはかなり大きい艦だったと思うので、それの後継と考えると、もがみ型より大きな艦が必要になりそうですね。
仮にコンペに参加する場合は所謂、”超もがみ型”ベースになる可能性もあるかもしれません。
どこまで仕様変更するんだろ?
湯船と炊飯器の撤去くらいにしとかないと確認作業が大変そう。
どうせ当て馬で接待だけさせられて馬鹿みたいに振り回されて終わりだし根本的にオーストラリア政財界が信用できない
そんなこんなも含めて良い経験かなと。
時代の流れだから仕方がないんだろうけど、近ごろの艦艇はステルスのためにスッキリスマートでなんか面白みにかけますね。
私はスラヴァ級やバージニア級みたいに色々ゴテゴテしたやつのが好きなんですよね、寂しくなるなあ。
大型艦艇のぬるいステルスにどれだけの効果があるのかちょっと疑問なんですよね。マストらしいマストが復活しないかな。
サン・アントニオ級は12番艦からステルスマストじゃなくなりましたが。
あ、本当だ。知りませんでした。
ヌルく見えても裸で浮いてる航空機と違ってシークラッターの波間に揺蕩ってるので「ちょっと見難い」程度でもそれなりに効果があるんじゃないですかね。
また”ASC”が出てくるのかしら。
AUKUSの建造所は何処になるのかな。
勝手ながら、海軍工廠の形にした方が良いのでは、と思ったり。
>オーストラリアが有していた地理的優位性は根本的に低下
オーストラリアでこれじゃ日本なんかもうボディバッグに入ってるも同然ですね。
どうせ日本にはまた上から目線で無理難題言いそうですよねオーストラリア・・・
実際にもがみ型になった場合はやっぱり改もがみの方になるんだろうか?
でもあれはもうDDと対して変わらないからな…
大胆な海軍増強を成し遂げつつ貧弱な国内の軍艦建造能力を高めるという外にも内にも配慮した完璧な計画。
実際は資金の出処、造船所と海軍の人員不足など不確定要素塗れで二転三転するのはほぼ確実のような。
大型フリゲート6隻、汎用フリゲート10隻前後とその他を早期に建造できる能力がないのは明白にも関わらず国内建造に拘る限り再編計画は遅れるし肝心の軍艦も陳腐化するリスクありとプライドが高い国は大変ですね。
>大型フリゲート6隻
大型「無人艦(1,000トン~2,000トン)」6隻、では。
どの道MEKO A-200か大邱級辺りで落ち着きそうと予想…😌
わーくには大して売り込みしないだろうし、そもそもアフターケア出来る体制もないし
人員増加を最小限に留めなければならないなら、スペック表比べる限り90人で運用できるもがみ型一択なんだがな。実際の調達と運用をどうする気なのか分からん。
元記事とは別の記事ですが「豪州での現地建造および雇用創出へのコミット」の旨が書かれていたところもあったので、いずれを選んでも現地製造は条件になるんじゃないかと私は見てます。
4候補の比較検討は既に色々されていますが、この中で一番高い水準で省力化を達成している点はFFMでしょう。豪州海軍基準のAWSなら短魚雷なども対潜ヘリなどに兼任させられそうですし、FFMの主力機能である掃海・機雷戦能力も省くならもっと省力ないし冗長性の高い運用が出来るかもしれません。ただしFFMの省人化はダメコンをある程度諦めたり掃海・警戒監視を主とする船として想定脅威設定を引き下げることで実現しているものなので、対水上戦を想定したTier1戦闘艦のベースとしては防護力不足とみなされるかもしれないですね。あとFFMは他の候補と比べて2000トン近く重いので、建造費の点でもおそらく不利に働くのでは。
もうディアゴスティーニ並みに、半完成品部品だけ輸出して、組み立てだけ現地でさせてやれば良いのでは。
基幹技術産業を放棄したのに自国生産には拘るアホな国にはそれでいいでしょう。
キャンベラ級にF-35Bを搭載するのと、ホバート級を増やす、アンザック級を改修するのが先だと思うが。
潜水艦の当座の代替えの方が先だと思う
一緒に原潜を建造する仲とは言え、アメリカでもまだ構想中で、量産するかも分からない大型無人艦を「導入しよう!」ってなる勢いは凄いなぁ
…またペーパープランに飛びついて大やけどしなきゃいいけど
オーストラリアの黄禍論が鳴りを潜めたのは良いことですけど、オーストラリアが地政学的リスクがある場所だとは思えない
黄禍論(日本)が黄禍論(中国)になっただけ
日本の様におとなしくないし、より強大になったが…
昨今の海軍大増強は遠距離ミサイル時代に地政学的利点がなくなったと
判断してる模様
少し前まで中国軍艦が外洋に出てくることは滅多に無かったのに
沖縄諸島を通過しオーストラリア近辺に普通に遊弋するのも時間の問題
たとえ砂漠で農業は可能でも、工業力がたいしてない国で軍艦作れるとは思えません
自分たちもやればできるんだ!ってのは工業国を舐めてるかと・・・
オーストラリアは軍艦普通に作ってますよ。独自建造艦があるかは知りませんがライセンス艦やホバート級などの派生艦を国内建造してます。これksらは原潜も調達する予定なので造船は問題ないと思います。
これからは、ですね。
誤字です。
なんか悪口みたいになってすいません
ミサイルがあるから危険とか言い出したら世界で安全な国なんかないよね
米豪同盟でオーストラリアが攻撃されたらアメリカ参戦するんでしょ?
細かい事言わずに、海外市場に揉まれて成長する事に先ずは重きをおてもらいたい(それでも韓国は輸出で成功してる)。
赤字にならなければある程度の要求は飲んでも良いのでは?
海外で売れば、欠点や良い点も見つかるだろうし。
aukus入れって言われてたのこれ絡みなんでしょうかね
もがみ型ならもう打ち切りだし、出しても惜しくはないのでは?
少なくともインドや東南アジアの国とやるよりは痛い目をみないかと・・・
潜水艦がそうでしたが、豪州海軍艦艇の兵装システムは基本的に米国製前提でしょう。
FFMは現行三原則運用指針の5類型外ですが、潜水艦のときの対応からすれば、同型をベースに日米豪で豪海軍仕様を共同開発するという提案は有りだろうと思います。というか、日本側の現在の都合からすればそうなるのが望ましい。
そもそもFFMは将来の輸出を視野に入れていると言われていますし比較的にハードルは低いかと。
最終的に決定するのは豪政府なんで、結局は求められる総合評価でライバルを上回れるか否かですが。日豪関係深化を念頭に置けば積極的にチャレンジすべきでしょうね。
公明党がギャーギャー喚いて、政治的ハードルの方が軒並み高くなった気がします。自民党は連立解消できないと完全に舐められていますね。
三原則及び同運用指針は公明党も一員である閣僚会議決定事項ですから、その内容に合致する限り反対は出来ない理屈です。
よって、国際共同開発の枠組みを採る対豪州案件なら「もがみ型」ベース艦の提案は基本的に問題無いはずです。
大邱級って乾舷が低い気がするけどその辺り、外洋行動前提の今回の件では不利なんじゃなかろうか?
建造期間がホバート級も平均5年、2024から開始するはずのハンター級はさらに大型化して平均9年見込み
ハンター級に至ってはアホな設計して発電能力がまったく足りないまま
オーストリアの軍艦建造は1箇所のみなので、ハンター級を6隻でも揃うのは2030年代後半
検討対象になったのを3隻ずつ輸入以外は無理
自国建造なんて魔法で造船所が2箇所増えて、他国並みのベテラン技術者が即日湧いてこないと無理
大邸級のベアリングと軸が接触破損してオイル漏れる不具合って解消したって聞かないんだけど。
タイに輸出した時の様に、大邱級ベースだけど中身(兵装やシステム、推進機関など)は米製とかにするのかも