ノルウェー国防省は次期戦車の選定結果発表を2023年3月まで遅らせると報じられており、恐らくウクライナでの戦いに影響を受けて「戦車」と「長距離攻撃能力」の調達優先度に変更が生じている可能性が高い。
参考:Trenger mer tid, men ifølge forsvarsministeren går stridsvogn-kjøpet fortsatt etter planen
果たしてノルウェー国防省は次期戦車を調達するのか、それともバッサリと計画を切って方向転換を果たすのか注目される
レオパルト2A7NOとK2NOの実地テストを実施したノルウェー国防省は「10月末までに調達機種を決定する」と明かしていたものの12月に入っても動きがなく、韓国側は「国産兵器の試射見学や輸出協議を行うためノルウェー側の関係者が訪韓する12月中旬にK2NO導入が発表されるかもしれない」と期待するも不発に終わり、ノルウェーメディアは「選定結果の発表を2023年3月まで遅らせる」と報じている。
端的に言うと以前紹介した「陸軍参謀総長が戦車調達に反対している=戦車より長距離攻撃能力の調達優先度が高くなったという意味」という報道が真実であった可能性が高く、ノルウェー国防省はKMWと現代ロテムに最終オファーの内容を2023年2月もしくは3月まで維持するよう要請、この間に次期主力戦車の調達計画を見直すというものだ。
ノルウェー陸軍が示した次期戦車の最小数量は72輌(84輌という説もある)で、当初計画のままレオパルト2A7NOとK2NOのどちらかを調達するのか、調達規模を削減して浮いた資金を長距離攻撃能力の調達に流用するのか、次期戦車の調達自体を中止して長距離攻撃能力の調達に全ての資金を突っ込むのかは不明だが、ここで登場した長距離攻撃能力の調達は急に湧いてきた話ではない。
元々、ノルウェー陸軍は2025年~2026年頃から歩兵戦闘車(新設される部隊向けの調達)や長距離精密射撃システム(退役したM270の代わりとなるシステム)の取得に動くつもりで、K2NO提案で協力関係にあるコングスベルグと韓国のハンファディフェンスは今年6月に「歩兵戦闘車と長距離精密射撃システムの共同開発で合意した(開発契約を締結した訳では無い)」と発表しており、両社はRedbackとChunmooをベースにノルウェー陸軍モデルを共同開発するつもりだろう。
つまり次期戦車の調達計画がご破産になれば「ハンファディフェンスにお鉢が回ってくる」という意味で、ドイツには多連装ロケットシステムを供給できる企業がないため指を加えて見ているしかない。
果たしてノルウェー国防省は次期戦車を調達するのか、それともバッサリと計画を切って方向転換を果たすのか注目される。
関連記事:ノルウェーが次期戦車の選定結果をまもなく発表、早ければ15日発表の可能性も
関連記事:韓国とノルウェー、歩兵戦闘車と長距離精密射撃システムの共同開発で合意
※アイキャッチ画像の出典:Norsk hær
ここでまた面白い展開ですね。
多連装ロケットシステムが記事で上がってましたが、もしかして他に長距離対艦や対地ミサイルも含めてなのか気になります。
国土は海岸線が長いので地対艦ミサイル中心にするのか?とか今後が楽しみです。
韓国の「天武(K239)」を導入予定のポーランドは車体をポーランド製の軍用トラックシャーシにしてポーランド製の砲兵指揮ステムを統合予定。ノルウェーの場合は地形的に装軌式車両の方が都合が良いと思われ、K9自走砲(ノルウェー軍で採用済み)のシャーシにK239の発射システムを搭載した事実上M270の後継となる多連装ミサイルシステムをコングスベルグと共同で開発するのかも知れません。
兵器の一部のみの提供はポーランドのクラブ自走砲(AS90の砲塔+K9のシャーシ)で実証済みで韓国の兵器売買における柔軟性が発揮される分野でもあり、今後の動向が気になるところです。
実は、ラインメタルがKF-51パンター猛烈に売り込んでたりして、一度違う物を調達する話にしたのかも。130mm滑空砲の魅力に負けたかな?(妄想)
リンク
コングスベルグというミサイルメーカーがある以上は長距離攻撃力強化に傾斜し投資を強化するのはノルウェーにとってはごく自然な選択だ。戦車削減論が出てくるのも無理はない。
韓国勝利条件多くて羨ましいねぇ
兵器の国産化推進が花開いた瞬間か
今ある兵器なら良いけど、超音速関係で対応したのまだないからこれからは日本の超音速ミサイルも良くなりそうとは見てます。
台湾も超音速ミサイル実用化してますが、極超音速含めたのは日本はかなり優位性があります。
超音速ミサイル関連でも韓国は有利だと思いますよ
日本は現状単独で開発する事になりますが、韓国なら各種武器販売で関係を持った国と共同で開発できる可能性がありますし、単独での開発でも既に韓国製兵器を導入している国が超音速ミサイルを導入する時に購入候補にあがりやすいと思います。
スクラムジェットの飛行試験に成功してる国が中露米印日ぐらいだし
韓国の販売相手でHGVやHCMの技術持ってる国ってどこですかね
超音速系はロングレンジ亜音速に負けたし極音速兵器開発に関しては日韓然程差がないよ
日本の兵器は現地生産の実績もなければ方針もないから、導入するにはスペック以外のところで問題を多く抱えてるのが現状ですね
さらに、武器輸出三原則を見直した防衛装備移転三原則ですら紛争当事国への輸出を禁止してます
有事の際に自国生産も外部調達もできない兵器ほど意味のないものはないでしょう
「死の商人」になるのがそんなに羨ましいことなの?
日本以外のすべての国が「死の商人」だが。
現状では「死の商人」になっていないことを恥ずかしくしなければならないのだろうか?
死の商人とは中露以外にあり得ません。敵味方問わず武器を売り戦争を仕掛ける中露が全部悪いのであって、民主国家同士の武器売買は中露などファシズム勢力の伸長を抑止し世界の平和を守るためです。
国が元々国防のためにおこったこと考えれば、日本以外の国のように武器商人は嫌がられる存在でもない。
日本国憲法の一部だけみてエセ平和主義者がいっている話。日本国憲法の国民大事にする条文よりも他国の侵略うけいれろと馬鹿な解釈している人たちのな。
なろうとしてなれない人もいるんですよ😭
そもそもコスパのいい地上配備型の中距離支援火力がないのが問題だよな。105~155mm榴弾砲と多段数ロケット弾の両方を代替できるのが欲しい。本邦のレールガンはそれを目指してるみたいだけど。火力を射程距離内まで運ぶタイプ、つまりドローン、はそれなりのデメリットがあるだろうし。
中距離広範囲火力が見直されるなら、陸自もさしあたりの繋ぎでもM270 MLRSは純減で代替火力は用意しないって方針を変えて、M30A1弾頭を調達するとかで、しばらく戦力保持に舵を切れないのだろうか。もちろん、必要とする新兵器の開発のメドも立っているとか、本邦の防衛にはそれらを加味してもM270など必要ないとプロが判断するなら、素人には何も言えないが…
BAEがCV90の魔改造で勝負を続ける以上は車体共通化のK239があってもなくても選択肢にはならないんだろうな。次点でリンクスだろうし。
初めからからIFVとMLRで車体共通化の初事例になると思うけど、これに自走対戦車砲型を含めると既に商材が出回りつつある4GMBTへの繋ぎでしかない新MBTはやはり要らないとか言い始めそう。120mm戦車砲で直射曲射の両用が可能な砲塔システムをIFV向けでもしコングスベルクが出すなら多分それになるのでは。
ウクライナで判明した徹甲弾防護の意味だけど、IFV砲塔でも外装+反応装甲で一発だけ耐える正面防護なら保険に十分だからね。その分で浮く積載重量は全周囲に分散させるべきなの間違いないし。だったらMBTの意味とは?にもなる。
ウクライナの戦いでは、ドローンで偵察してから戦車砲での間接照準射撃でATGMをアウトレンジするやり方が多用されているようですし、多少装甲をもったところでトップアタックATGMやタンデム弾頭のRPGで撃たれたら耐えられないので、4GMBTは既存のMBTとは全く異なる要件に基づいて作られる可能性は大いにありそうですね。
生存性はシグネチャの削減、機動性、APS、無人砲塔でカバーしてそもそも見つからない、撃たれない、当たらない、当たっても被害が少ないを追求する的な。
まあ結局はFCSのMGVが大正解だったねになるんだよね。
K2にしろ低姿勢砲塔なだけでフロントヘビーに変わりはなく、これを極端に全周囲に再配分すると運動特性が変わって車体全体で手直し必要だし、一回りデカい上にサスがフルパッシブのレオ2は大惨事かも。
K2はその辺でウクライナ後の対応化ができる。ただK2NOではそうはなってない。この辺で仕様変更を求められるとレオ2は根本の古さが仇となり太刀打ちできないのでは?
最新M1のフロント軽量化は改造事業だから良いけど、K2で同じ方向を目指された上にこれと競合となると絶対に不利だろう。
FCSのようにC-130で運べることを要件にするのはさすがに厳しすぎたけれども、その条件さえ緩和すれば現代ならばそれっぽいものは作れそうですね。
K2車体は軽いけれども、全長が短い短縮車体で接地圧やキャパシティとのトレードオフなので、どちらがよいのかはなんとも…
米海兵隊やオランダ陸軍みたいにバッサリ戦車切れるものなのか。米海兵隊に関しては陸軍と住み分けとかが出来ていて問題ないだろうがノルウェー陸軍が今あるレオ1と2を代替する戦車を放棄して長距離攻撃能力確保したとしてそれで全ての任務を賄える訳でもない。
ミサイル発射プラットフォームを盾に進軍する事も出来なければそれなりに威力のあるコストの安い弾薬を沢山撃てる訳でもない。戦車を削るならそれを代替する手段の確保の動きがあるかと言えば無さそうだし、やるとしても削減だろうな。削減の場合だとノルウェー導入数が減ったとしても数を作れる韓国側が一両当たりの価格でさらに優位に立てそうではある。
まあ長距離砲で時間を稼いでいるうちにアメリカからM-1を購入って言う手もあるから最低限の戦車隊さえ維持していれば良いと割り切るのはありだと思う。
ノルウェーの地形を見れば、ウクライナのような戦場にはなりにくい、軍の規模や予算的にも配分は限られている
といってロシア相手にバッサリと戦車を切り捨てて良いものか、ここは思案どころか
取り敢えず、手持ちのLeopard2A4をA7にアップデートすべきだな。
手持ちの兵器をしっかり維持改修して、足元を固めないと。
思うのだけれども。
単純に、L/MがM31同等品のライセンス生産を認めれば、
全部解決と思うのは素人だけかな。
ATACMSのライセンス生産は、さすがに無理かもですが。
韓国の製品が選ばれようとしているのも、
M31同等品が欲しいのだと思うけれども。