ブラスザック国防相はポーランドの安全を保証するため「2035年までに5,240億PLN=約15兆円を装備調達に投資する」と明かし、これはロシアの野蛮な侵略に対する正しい反応だと主張した。
これはロシアの野蛮な侵略に対する正しい反応で、我々は軍の近代化を加速させなければならない
7月末に韓国側とK2、K9、FA-50導入に関する基本合意書に署名したポーランド国防省は24日「金曜日にK2とK9の契約書に署名する」と明かし、今回の契約は韓国生産分=K2×180輌とK9×212輌をカバーするもので契約額は57.7億ドル(K2契約が33.7億ドル+K9契約が24億ドル)になるらしい。
つまり現代ロテムとハンファは25日にポーランドから約8,000億円分の受注を確定させるという意味で、FA-50の契約についてもポーランド国防省は「年内に署名する」と明かしているが、ブラスザック国防相も現地メディアに対して「2035年までに5,240億PLN=約15兆円をポーランド軍の近代化に投資する」と述べて注目を集めている。
この5,240億PLN=約15兆円は2035年までの国防予算ではなく「2035年までに取得する装備の調達資金」で、毎年403億PLN=約1.1兆円を装備調達に投資するという意味だ。
ブラスザック国防相は「これはロシアの野蛮な侵略に対する正しい反応で、我々は軍の近代化を加速させなければならない。この巨額な投資は我々の安全を保証するためのものだ」と付け加えており、ポーランドメディアも「ポーランド軍の近代化に投資される金額として過去最高額だ」と報じている。
確かに5,240億PLN=約15兆円もの資金を装備に投資するなら、K2×980輌、K9×648輌、FA-50×48機を導入する費用を余裕でカバーすることができる。
因みにEUはポーランドに分配予定だった340億ユーロ(COVID‑19で打撃を受けた欧州経済を再生するための金融支援=原資はEUが共同債で調達する1兆8,000億ユーロ)の支給手続きを開始したと報じられており、韓国からの装備調達は「分配される340億ユーロを原資にしているのではないか?」と噂されている。
関連記事:韓国とポーランドがK2、K9、FA-50導入契約を今月中に締結、Redbackや天武の追加導入も?
関連記事:ポーランドがK2、K9、FA-50導入契約に署名、総額は約2.6兆円規模
関連記事:ポーランドのブラスザック国防相、韓国製装備の調達理由や内訳を公開
※アイキャッチ画像の出典:Hanwha Defense
ポーランド豪快に金使ってるけど産業とかどうなってんの。
金が余ってしょうがないみたいな国だったっけ。
ポーランドはEUからの投資が最も大きい国の一つ。
西側から家電・鉄鋼・自動車などの生産地として多額の投資を受けているし、農業・鉱業にも恵まれている。
人件費が安い割に優秀な人材と平坦で利用可能な土地が多いというメリットが大きい。
2022年のポーランドのGDPは世界23位で台湾とスウェーデンの間だそうです。
偶然とはいえ、緊張感高めの国々に囲まれています。
google検索でヒットしたMUFGのPDFでは、コロナ前の2019年時点で「EU域内屈指の好調」と書いていました。
金余りとは言いませんが、軍事支出の増大にはどうにか耐えられそうです。
ただ、MUFGは波国経済の懸念事項として人手不足を指摘していました。
コロナ前はウクライナから200万人も出稼ぎ労働者を雇用していたそうです。
この穴埋めどうするんでしょうかね。
人手不足からの人件費高騰で、月額の最低賃金はコロナ前にチェコを抜きました。
それでも日本の半分以下でしょうけども。
取り越し苦労かもしれませんが、軍の人員確保には影響がありそうです。
出稼ぎ労働者は、そのまま難民として定着するのでは?
今ウクライナが勝てばロシアは目に見えて弱る、資源大国といえども敗けて信用を失い組織的崩壊に至った軍を建て直すのは何年かかることか
ゆえに今のウクライナ支援に全力を注ぐことこそポーランドにはもっとも経済的で効率の高い国防政策と言えるでしょう
つまり、この過大な長期計画は今次第で変更も取り消しも可能になる
装備調達費1.1兆円がどれだけ凄いかって言うと予算5兆円弱時代(約10年前)の自衛隊とほぼ同じ
これをGDPランキング22位で台湾よりGDPが低いポーランドがやるって事
しかも自衛隊は海軍への投資がデカいのに対してポーランドは海軍は陸自以上の冷や飯食らいで陸空に投資
そりゃ機甲部隊やら砲兵、航空機部隊は大層立派になるよね
本気も本気だねぇ
韓国の対中貿易赤字が月10億ドル内外なので、ポーランド向け兵器輸出だけでほぼ埋め合せられるのかな。
スマッシュヒットを重ねてグランドスラムに結び付けられたんだね。