インド太平洋関連

インド政府が第5世代機開発計画を承認、プロトタイプの初飛行は2028年頃

印メディアは8日「政府が第5世代戦闘機AMCAの開発計画を承認した」と一斉に報じており、計画を主導する国防研究開発機構も「5年以内にプロトタイプを5機製造する」と説明し、プロトタイプ初号機の初飛行は2028年頃になるらしい。

参考:Fifth-gen fighter AMCA project gets CCS nod
参考:India clears project to develop AMCA 5th generation stealth fighter aircraft

インドも第5世代機を本格開発、プロトタイプの初飛行は2028年頃

インドの国防研究開発機構(DRDO)とヒンドスタン航空機(HAL)は第5世代戦闘機「AMCA=Advanced Medium Combat Aircraft 」の開発を進めており、本機の開発は予備設計や詳細設計を終えた段階=基本設計の最終段階を意味するクリティカル・デザイン・レビュー(CDR)に到達、現地メディアは2023年4月「DRDOが政府にAMCA計画の承認を要求した」と報じていた。

出典:The White House

要するに「CDRが承認すれば設計が確定してプロトタイプ製造に進める」という意味で、DRDOは「承認されればF414搭載のプロトタイプが2026年までにロールアウトする」「MK.1は5.5世代のテクノロジーとF414-GE-IN56が、MK.2は6世代のテクノロジーと新型エンジンが採用され、指向性エネルギー兵器、無人戦闘機との協調能力、ドローンの群制御といった技術も盛り込まれる」「空軍は最低でも125機の調達を検討している」と説明していたが、現地メディアは8日「内閣安全保障委員会が1年近く保留してきたCDRを承認した」と報じている。

インド国防省は「第5世代機開発計画が国内に何千もの雇用を生み出し、空軍の発注がインド企業に大きな価値をもつビジネスをもたらすだろう」と述べ、DRDOは5年以内にプロトタイプを5機製造する予定で、初号機のロールアウトは2027年頃、初飛行は2028年頃、ガスタービン研究所(GTRE)がMK.2向けに開発する新型エンジンの推力は110kNになるらしい。

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※アイキャッチ画像の出典:FlyingDaggers45SQUADRON/CC BY-SA 4.0

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コメント

    • たむごん
    • 2024年 3月 09日

    インドは、ロシア製兵器を大量に購入しており、戦闘機も採用してきました。
    ウクライナ戦争・ガザ紛争でも、インドは独自外交を続けてきましたが、兵器の独自開発が進むことによる影響を注目したいと思います。

    欧米からは投資、ロシアからは安価な石油や天然ガスなどの資源導入、イスラエルからは技術導入など、全方位外交を続けています。
    インドは人口・経済成長・核保有を背景に、投資や企業を引き付けており、何事もなかったかのように独自外交による利益を経済成長に繋がていますね。

    20世紀の欧米は、高度な軍事技術・人口を背景に、世界を支配してきましたが、環境が変化している事を痛感します。

    4
      • Whiskey Dick
      • 2024年 3月 09日

      >20世紀の欧米は、高度な軍事技術・人口を背景に、世界を支配してきました

      西欧が他の地域より先に成し遂げたことは「一般民衆の識字化」と「国民意識の形成」です。民衆が文字を読めるようになったことで工業化や農業の省力化が可能になり、生産力が著しく増大した。領主や身分制度によって細切れに統治されていた民衆が絶対王政を経て統一国家を樹立すると、度量衡や官僚制度が一本化され、特に軍隊の大規模動員が可能になった。アジアや中東、アフリカでは失政や環境条件が原因でこのプロセスが上手く行かなかった。
      中国とロシアは元々中央集権的で共産主義による教育の普及と身分制度の開放が進んでいたので、政治体制は兎も角、近代資本主義への移行が容易だった。インドは地域によって言語が異なり、強固なカースト制度が存在したため、識字化と国民意識の形成が遅かった。21世紀になって識字化がある程度進み、中国の人件費が高騰したので軽工業の中心がインドに移りつつある。ヒンズー教を核とする「ヒンドゥーナショナリズム」で国民意識も形成されつつあるが、同時にカースト制度を肯定することにもなり、他宗教の排除にも繋がるため中国ロシアの様な権威主義に陥る危険性も孕んでいる。

      10
    • 名無し
    • 2024年 3月 09日

    これロシアとの共同開発でしたっけ?
    単独?

      • ユーリ
      • 2024年 3月 09日

      単独で、初期型のエンジンF414はアメリカ供給ですね
      ロシアの共同開発のSu-57発展型は中止になってます

        • 名無し
        • 2024年 3月 10日

        ありがとうございます

    •  さ
    • 2024年 3月 09日

    この計画、中国やパキスタンこそが気にしてるんだろうなぁ

    3
    • tjdg46
    • 2024年 3月 09日

    5.5世代や6世代のテクノロジーを目標にして開発したら、またテジャスみたいに開発が大幅遅延しそう。

    10
      • kitty
      • 2024年 3月 09日

      第6世代戦闘機の定義も決まっていないのに5.5世代機はさすがに草。

      4
        • バーナーキング
        • 2024年 3月 09日

        戦闘機の世代の.5は「1の半分」ではなくて「+α」くらいの意味でしかないので、「6世代が決まってないから5.5は草」って事は無いと思います。
        まあF-35に型落ち感与える様なシロモノをインドが5年で飛ばせるとは思えませんし、F414双発な時点で電力的に5世代も怪しいもんだろ、と思いますけど。

        9
    • Ajeet
    • 2024年 3月 09日

    アメリカがデジャス製造分以外でのF414の使用を認めたのはグローバルサウスの盟主的立場であるインドへの配慮なのでしょうね
    以前のF-21のラ国を含めた軍事面を通した政策の延長なのでしょうが。

    6
    • 戦略眼
    • 2024年 3月 09日

    そんな簡単にステルス機が作れるのか?

    3
    • hage
    • 2024年 3月 09日

    >指向性エネルギー兵器、無人戦闘機との協調能力、ドローンの群制御
    試作機とはいえ、こんなよくばりセットが2028年までに完成するは思えないが。。
    まあインド時空の話だし我々の時間軸とは違うかもしれないが

    8
      • バーナーキング
      • 2024年 3月 09日

      2028年はMk1の話でしょうからどこまでやるか別として「指向性エネルギー兵器、との協調能力、ドローンの群制御」ってレベルを問わなきゃそれほどハードル高くもない気がします。
      例えば以前MHIが公開してた10kWのレーザー兵器を機銃の代わりに固定式で搭載するならサイズ的にも電力的にも十分可能でしょう。
      「無人戦闘機との協調」も「ついて回って後詰めさせるだけ」とかならどちらかと言えば無人機側の能力でできますし、ドローンの群制御も同じく。
      もちろんいずれもあくまで「レベルを問わなきゃ」ね。

      1
      • Whiskey Dick
      • 2024年 3月 09日

      第六世代戦闘機とは索敵と照準のみに特化したセンサー機、ミサイルを運搬してセンサー機の指令で発射するミサイルキャリアー、若しくは航空機はセンサーと自衛用AAMのみを搭載して対地攻撃手段は車両若しくは艦船に任せるといったクラウド的な代物になるかもしれません。ウクライナ戦争では高度に発達した防空兵器により航空機の運用が制限されており、有人航空機は危険な近接攻撃を行わず専らスタンドオフ兵器の発射母機として使用され、近接航空支援や着弾観測の大部分は小型ドローンで代替されるでしょう。

      2
    • 干物
    • 2024年 3月 09日

    初期型のMk1はKF-21と同じように4.5世代相当でロールアウトするようなので
    米国やフランスの開発支援を受けられる現状だとそこまで難易度は高くないでしょうね。

    • 58式素人
    • 2024年 3月 09日

    F414-GE-IN56は推力偏向とかできましたっけ。
    第五世代の要件には推力偏向が入っていたような気が?。
    米欧は第五世代機の供給を絞るのでしょうね。
    レーダーの進歩によって優位性は覆されるものと思いますが。
    何せ、相手のレーダーに掛からないことが条件ですから、
    ステルス機を入手した途端に開戦みたいなことも予想できますし。

    3
      • Whiskey Dick
      • 2024年 3月 09日

      推力偏向ノズルは後付け可能ですが整備が難しくなる欠点もあり、運用をスタンドオフ兵器の発射母機とするならあまり必要な機能ではない。実際F35のA型とC型は推力偏向ノズルを搭載していない(B型は垂直離着陸のために存在)。F22と採用を争ったYF23のように排気口を隠蔽して赤外線放射を低減する方法も流行るかもしれない、レーダーによる探知が出来なければ赤外線で探知する手段を使用するからだ。

      2
        • 58式素人
        • 2024年 3月 09日

        なるほどです。
        ご教授ありがとうございます。

        1
    • 暇な人
    • 2024年 3月 09日

    結局ステルスといっても物体が高速で動いた痕跡は隠せないから地上配備の大型のレーダーは誤魔化せないし、
    敵の対空レーダー範囲には入れないのだから、遠距離からミサイルや滑空爆弾投げ合うようになるんじゃないかなあ。
    戦闘機も爆撃機もマルチロール機も全部ミサイルキャリアーになりそう

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