インド太平洋関連

インドネシア軍がトルコ製UCAVを調達、アジア諸国のAnka導入は3ヶ国目

カザフスタン軍やマレーシア軍に続きインドネシア軍もトルコ製UCAV「Anka」を選択、新たな成功と成長を求めてアジア市場に狙いを定めたトルコ航空宇宙産業が着実に受注を伸ばしている。

参考:Indonesia buys 12 Anka drones from Turkey’s TAI business

取得するAnkaの半分は技術移転が行われインドネシアで生産されるらしい

インドネシアはMQ-1やCH-4に相当するMALE(中高度を長時間飛行できる無人機を指すカテゴリー)タイプのUCAV「Black Eagle」開発を2015年に開始、風洞モデルのテストを経て2019年末にプロトタイプを公開したものの、飛行テストを行わないまま開発が中止(理由は不明)され、インドネシア国防省は2日「トルコ航空宇宙産業(TAI)から12機のAnkaを購入した」と発表した。

Ankaは当初「非武装のISR向けUAV」として2010年に実用化されたが、武装可能なUCAVバージョンのAnka-A、合成開口レーダーを追加したAnka-B、衛星通信に対応したAnka-Sへと発展、さらにAnkaを双発化して大型化したAnka-I、Anka-Sを双発化したAnka-IIがあり、もはやAnkaシリーズの原型を留めないジェットエンジンを搭載したステルスUCAV「Anka-III」が今年3月に公開され、まもなく初飛行に挑戦する予定だ。

BAYKARの成功が規格外過ぎて「Ankaシリーズ」の存在は忘れられがちだが、海外市場では着実に受注を伸ばしており、トルコ軍、チェニジア軍、チャド軍、カザフスタン軍(共同生産)、マレーシア軍、パキスタン軍が採用、今年の6月には「094」と書かれたAnka-Sが確認されているため「シリーズ全体」の総生産は3桁に到達している可能性があり、6月に総生産数が500機を越えたTB2、約1年で運用国を7ヶ国に増やしたAkinciの成功を除外すれば「非常に人気の高いUAV」と言えるだろう。

インドネシア国防省が購入したAnkaのバージョン(Anka-BかAnka-Sのどちらか)は明かされていないが、トルコメディアも海外メディアも「契約の価値は3億ドル相当だ」と報じているので、関連費用を含む1機あたりの取得コストは2,500万ドル(調達単価ではない)となり、しかも取得するAnkaの半分は技術移転が行われインドネシアで生産されるらしい。

欧州・中東・アフリカの無人機市場でTAIやBAYKARはトップの地位を確立したため、新たな成功と成長を求めてアジア市場に狙いを定めており、恐らくAnka-SはTAIがアジアを攻略するための尖兵なのだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:Turkish Aerospace Industries

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コメント

    • 2023年 8月 09日

    日本もバイラクタル買って早くドローン先進国のトルコとコネ作った方が良い
    あんまり遅れると相手にしてもらえなくなるよ

      • アイスノン
      • 2023年 8月 09日

      普通に考えて国内で開発して国内生産の方が良いよ。
      設計できる研究者/設計技術者も風洞実験施設も製造技術もある。
      国内にもドローン開発ベンチャーはいろいろある。いままでは中国製ドローンにコスパで圧倒されていたけど軍用なら中国製は無視できる。
      対中露では大量に必要になることが防衛省にもわかったはず。

      12
        • 2023年 8月 09日

        ドローン開発の肝は飛行制御プログラムなどのソフトウェア
        日本が最も苦手とする分野です

        12
      • vahagun
      • 2023年 8月 10日

      大丈夫。遅ればせながら、日本はトルコとイスラエルから2機種を試験導入することがすでに決定済みです。公文書からはっきりしてる。
      バイラクタルTB2とヘロンMk2でコンペをするようで、遠からず自衛隊には無人戦力が整備されることになります。

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