米空軍は2日「XQ-58AがAIによる初飛行に成功した。この成功によって空対空スキルと空対地スキルを実行できるAI開発が正式に可能になった」と発表、このAIは協調戦闘機(Collaborative Combat Aircraft=CCA)に「すぐさま移植可能だ」とも付け加えている。
参考:Artificial intelligence flies XQ-58A Valkyrie drone
XQ-58AはCCA開発の実験機なのか、それともCCAとは別に調達コストが安価なXQ-58Aを採用するのか
クラスト社の最高経営責任者を務めるエリック・デマルコ氏は第1四半期の決算報告の中で「XQ-58Aの開発・生産及び受注状況」に言及、オクラホマ・シティに完成したクラスト社の生産拠点でXQ-58Aの低率初期生産が始まっており、LOT1(XQ-58A Block1)12機の生産を終え、現在はLOT2(XQ-58A Block2)12機の生産に入った段階で、デマルコ氏は「Block1と比較してBlock2はより高い高度を長時間飛行できるようになった」と説明したが、LOT2で生産される半分以上は「Block2B」に変更され、顧客や要求した新たな追加機能が組み込まれるらしい。

出典:EGLIN AIR FORCE BASE
米空軍だけでなく米海兵隊もXQ-58Aを取得する予定で「滑走路運用に依存しないF-35BとXQ-58Aの組み合わせに関心があるのではないか」と噂されているが、そもそもXQ-58Aは米空軍研究所(AFRL)が主導するLCAAT (低コスト航空用航空機技術) 計画で開発された実験的要素が強い機体で、米空軍は新たに協調戦闘機(Collaborative Combat Aircraft=CCA/有人戦闘機に随伴する無人戦闘機)を開発する予定だ。
ケンドール空軍長官は議会の予算審議の中で「CCAの調達コストはF-35の25%~50%=2,000万ドル~4,000万ドル」だと言及、つまり無人戦闘機のコンセプトは「使い捨て前提の安価な無人機」から「消耗も可能な調達性を備えた無人機」に変更されており、AFRLが主導するLCAAT(XQ-58Aの調達コストは200万ドル~300万ドル)のコンセプトは否定しているが、依然として米空軍はテストを繰り返しているためCCAとXQ-58Aには何らかの関連性があるのだろう。

出典:EGLIN AIR FORCE BASE
米空軍のハミルトン大佐(AIのテスト・運用担当)も2日「XQ-58AがAIによる初飛行に成功した。この成功によって空対空スキルと空対地スキルを実行できるAI開発が正式に可能になった」と発表しており、このAIはCCAに「すぐさま移植可能だ」とも付け加えている。
XQ-58AはCCA開発の実験機なのか、それともCCAとは別に調達コストが安価なXQ-58Aを採用するのか、、、本当に立ち位置が良くわからない機体だ。

出典:EGLIN AIR FORCE BASE
追記:XQ-58Aがパラシュートで回収される様子
関連記事:無人戦闘機の可能性、米空軍が編隊飛行を行うF-22AとMQ-28Aを公開
関連記事:ランド研究所が沖縄配備を主張していたXQ-58、米空軍が打ち上げシーンを公開
関連記事:低率初期生産が始まったXQ-58A、米海兵隊はF-35Bとの組み合わせに関心
関連記事:米空軍、無人戦闘機の価格は2,000万ドル~4,000万ドルで2020年後半に登場
※アイキャッチ画像の出典:EGLIN AIR FORCE BASE
無人戦闘機の実用化が見えて来たのは、確かな様ですね。
>ケンドール空軍長官は議会の予算審議の中で「CCAの調達コストはF-35の25%~50%=2,000万ドル~4,000万ドル」だと言及、つまり無人戦闘機のコンセプトは「使い捨て前提の安価な無人機」から「消耗も可能な調達性を備えた無人機」に変更されており
有人戦闘機との連携を考えて機体の性能を上げるとやっぱり高コストになるね
陸との連携重視のTB2枠と随伴戦闘機枠の2ラインが効率いいと思うから、最終的にCCAとLCCCAとで別物が作られそう
滑走路運用に依存しない、と記述がありますが。
離陸はカタパルトで良いとして、着陸はどうするんでしょう?
こいつは、垂直着陸はできないですよね。
英語版のwikipediaを見ても、「普通の離着陸可能。または発射機から離陸可能。」としか書いてないように見えます。
パラシュートで着陸するっぽい
リンク
パラシュートで減速し最後はエアバッグを展開するらしいのですが、画像が見つからないので具体的なところはわかりませんね。
リンク
クラトス社のHPに画像つきで「パラシュートにより滑走路を有人機に利用可能に保つ」とあるので実戦でもこのように運用するかもしれません。
また、無人機の滑走路での離着陸自体はすでに20年以上の歴史があるので車輪を用いた着陸もそう難なく実現できると思います。
XQ-58Aに関しては厳密には英語版wikiの記述は間違いです。通常の離着陸型へも発展可能と捕らえておいて良いかと。
現行型の回収はパラシュート降下により、着地衝撃からは展開するエアバッグで保護します。着水になる場合はエアバッグが浮体になると思われます。
着水後、戦闘艦からクレーンを伸ばして回収するんですかね。昔あったような・・
UAVもそうだけどFー35Bだって滑走路に依存しないかと言うとね。今の時点でVTOL推力だって余裕がある訳でもないし、離着陸時にはFOD吸い込まないような地形の選択かFODを人力等で排除する必要があるし。実際制限だらけでバラ色じゃない。
離陸というか離床シルエットがほんとTB-2よね
無人機の運用(用兵思想)が気になる。
今後パイロットは急に増やせないから、無人機が急増すると予想するが、高価だと増やしにくいし撃墜されると痛い。
安価なら性能・機能が限られる。しかもパイロットがコントロールできる随伴機の数もしれている。
どんな戦術になるのだろうか?
一機の有人戦闘機に高級無人機が数機追随して、その高級無人機が安価な無人機を数機コントロールしてスウォーム&ミサイル攻撃とか。。AIの補助があってもパイロット一人じゃ無理かな。
経緯的に、AFRLが主導したLCAATプログラムを空軍が主導的に関与するプロジェク・トスカイボーグに発展させたのでは。
8/3付け米空軍広報
リンク
どうやら、プロジェクト・スカイボーグは米空軍が主導する「AI、自律運用、ヒューマンマシンチーミング」の技術確立を目的とした研究開発プログラムであると思われます。
米空軍の構想するロイヤル・ウイングマンUCAVはあくまでCCAが本命で、本記事の『このAIはCCAに「すぐさま移植可能だ」』という記述が、空軍におけるプロジェクト・スカイボーグとCCAの関係を端的に示しているとのかと。
米海兵隊がXQ-58Aに興味を示しているのは、海兵隊での運用にLCAAT構想とXQ-58A運用システムがマッチしそうなのでテスト/評価してみようということでは。
う~ん、この扉絵のサンダーバード感・・・。
無人機というと無機質な殺人機械的に言われてたりもしましたが、
何かこれは可愛く感じる。
機能美の範囲内で、悪く思われないようにカラーリングとか、
デザインとかにも気を遣ってたりするんだろか?
♪デデッデッデデン…
デデッデッデデン…
勝手な思いですが。
この機体は米国のものだけれど。日本にも同等なものはあるのかしら、
近い将来、尖閣/沖縄と台湾を巡って衝突が起こる場合。
全く予兆が無いとはしないので、順当に行けば、最初に空自のレーダーと
海上保安庁の警察行動、その次に陸/海/空自衛隊の作戦行動となると思います。
最初に接敵するであろう空自のスクランブル機が、そのまま作戦行動に移る場合、
単機の場合は逃げるしかないと思います。
そうした場面で、目の下の海自艦船から空自の無人戦闘機が2ロッテ(4機)くらい
上がってくれば、それなりの阻止行動が出来そうな気がします。
海自艦船のうち、中型ヘリ以上の離発着できる船には、カタパルトが欲しいような。
別に電磁式でなくても良いので、昔の、伊-400に乗っていた四式1号10型の同等品で良いので。
四式1号10型は全長26mで気圧式(圧縮空気式)、5tの飛行機を発艦させることができたそうです。
発艦間隔は4分であったそうですが、エアタンクを工夫して間隔を縮められると良いのですが。
回収は、空母で使っているキャッチネットで良いのでは。
先日、海上保安庁と海自との間で、共同訓練が行われていたようですが、
普段から十分な意思疎通を図ることは重要と思います。
実際はどうなるのか知らないのですが、最悪、海自艦船に海上保安官が同乗しても
良いように思うのですが。状況により海自艦長の上席になる形で。
カタパルトを空母じゃない船に載せるなんて意味ないでしょう。それならVLSを載せた方がマシかと。専用の空母に一括で管理した方がいい。
そうですね。
空母は常に最前線にいるわけでもないと思います。
それでも戦闘機の増援の欲しい場面はあるでしょう。
警察行動から軍事行動に移る場面では有効に思えます。
また、いずれ無人機が大量配備される時には、
数を捌く必要がありますから、正規(?)空母だけではなく、
昔の護衛空母のようなものも必要にも思えます。
艦載ヘリは、戦闘機に対抗するのに向いていないでしょうし。
VLSは有効と思いますが、小型艦単独ではレーダーの視界外の
目標には対応できないとも思います。
専用カタパルトは分からんけど、
VLS射出ドローンは出現しそうな予感