ウクライナ戦況

クピャンスクを巡る戦い、ロシア軍を止められず市内中心部がグレーゾーンに

DEEP STATEはハルキウ州クピャンスク方面について26日「クピャンスク北西市内がほぼグレーゾーンに移行した」「ロシア軍のドローンや迫撃砲がクピャンスク郊外で稼働している」「ロシア軍はパイプランが使用出来なくなる前に相当量の戦力を西岸地域に送り込んでいた」と報告した。

参考:Ситуація в Куп’янську 

もしユヴィレイヌィ地区に取りつかれるとクピャンスク西市内に通じるP-79の遮断に王手をかける格好

DEEP STATEはハルキウ州クピャンスク方面について13日「ロシア軍は完全な物流ルートに作り変えたパイプラインを使用し、ライマン・パーシイからキンドラシフカまで損失なく移動することができる」「恐らくウクライナ軍の報道官はパイプライン作戦の存在を否定し『クピャンスク市内に浸透している敵は無秩序で少数だ』と発表するだろうが、既にクピャンスク市内には敵ドローンオペレーターのための陣地が存在する」「さらに問題なのはクピャンスク市内に住む住民の強制避難が行われていない点だ」「敵が浸透した市内に残っている住民は敵に食料まで分け与えている」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

DEEP STATEは17日までに「ロシア軍がクピャンスク市内とオスキル川西岸地域で支配地域を広げた」「市内のグレーゾーンが市議会付近まで伸びた」と報告し、RBC-Ukraineはクピャンスク方面の状況について以下のように報じた。

“ロシア軍は2024年にライマン・パーシイ付近からオスキル川西岸への渡河に成功した。西岸に上陸したロシア軍兵士はロープを木々に結びつけて川の中に沈め、2人から4人の少人数部隊はいかだ、ボート、タイヤで作った浮き輪で西岸に渡ってノヴォムリンスクを占領した。この時はウクライナ軍の反撃で直ぐにオスキル川へ叩き落されたが、ロシア軍はこの戦術的有効性を認識し、西岸地域への渡河作戦続行と戦術の改良が繰り返された。ウクライナ軍はオスキル川の渡河を試みるロシア軍兵士を積極的に排除したため、西岸に辿り着ける確率はせいぜい1/3の程度だった”

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

“それでも生き残ったロシア軍兵士は西岸の集落にたどり着いて家屋や地下に隠れ、ロシア軍はホルビフカに到達したことでオスキル川を横断するパイプラインの1つを手に入れた。このタイミングでオスキル川を渡河するロシア軍兵士は減少したものの西岸の戦闘は激しさが増すばかりで、ウクライナ軍はパイプライン経由でロシア軍が西岸に兵士を送り込んでいることに気がついた。ウクライナ軍はオスキル川沿いのパイプラインを攻撃し4本中3本が損傷、残りの1本(ラドキフカ付近に出口があるパイプライン)も爆破することに最近成功したため、ロシア軍は再びオスキル川の渡河を再開した”

さらにDEEP STATEは26日「敵は引き続きクピャンスク西市内に浸透して存在感を強化している」「敵は特に北西市内で足場を固めてユヴィレイヌィ地区にも接近している」「我々の情報によればウクライナ軍はパイプランを封鎖することに成功した」「そのため敵はオスキル川の渡河を再開したもののパイプランを使用していた時ほど多くの戦力を送り込めていない」「但し、敵はクピャンスク西市内への攻撃、浸透、破壊、偵察を行うのに十分な数の兵士を西岸地域に蓄積済みだ」「敵のドローンや迫撃砲もクピャンスク郊外で稼働している」「民間人を装った敵兵士が北西市内を歩き回っている」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

DEEP STATEとRBC-Ukraineは「ウクライナ軍がパイプラインの破壊に成功した」「ロシア軍はオスキル川の渡河を再開した」という点で一致したものの、既に西岸地域には相当数のロシア軍兵士が蓄積され、民間人を装って北西市内を歩き回ってウクライナ軍の防衛状況を偵察しており、DEEP STATEは「これが街の防衛を困難にさせている」と指摘した。

西岸地域に蓄積された戦力だけでクピャンスク西市内を制圧できるのかは不明だが、既にクピャンスクの中心部=市議会周辺やP-79沿いのアパート地区までグレーゾーンが伸びており、もしユヴィレイヌィ地区に取りつかれるとクピャンスク西市内に通じるP-79の遮断に王手をかける格好で、損害さえ許容できれば「歩兵とドローンを主体にした攻撃のみで都市を制圧できる」と証明されてしまう。

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※アイキャッチ画像の出典:93-тя ОМБр Холодний Яр

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コメント

  • コメント (40)

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    • コンニャク補充兵
    • 2025年 9月 27日

    北のドヴォリチナを落とされたころから全然ロシア軍を押し返せていないのだけど、パイプライン以外の補給線も重装備もない相手にどうしてウクライナは劣勢なのでしょう?
    渡河できたロシア軍兵士が1/3といのも眉唾なのでは?と疑ってしまいます。

    20
      • 七志
      • 2025年 9月 27日

      渡河している地点のさらに上流に架橋されているのでは?とまで思ってしまいますね。
      渡河やパイプラインで人や物を運んでいた、運んでいるとしても重火器や補給の弾薬などは送れていないでしょうし。

      13
      • 名無しさん
      • 2025年 9月 27日

      作戦中にも関わらずパイプラインの画像をわざわざロシア側が公開してるということは、そこはロシアにとっての重要な生命線でもなく隠す必要がなかったということ。
      他に安全に移動できる手段を得ているからこそ公開しているのだろう。

      24
      • 暇空が嫌いなナニカ
      • 2025年 9月 27日

      1/3の値はオスキル川西側を確保していない時点での割合だから、今の状態だともっと生存率は高いと思う。
      それとは別にパイプラインで西側に兵士を送り込んでいる。

      クピャンスク市内にはとして数千人が取り残されているという記事があったけど、仮に『市民』の半数がロシア兵だと仮定しても数百から1000人前後がクピャンスク進攻前にすでに侵入していたと思われる。
      それに市内は戦車や大砲は不利だから、純粋に歩兵の数とドローンの戦いになる。

      4
    • 同盟国
    • 2025年 9月 27日

    触手のように伸びているロシア軍の突出部ですが、キンドラシフカ付近からオスキル川方面に攻勢をかけて突出部を遮断できないんですかね。そこの補給線を切ればクピャンスク市内にロシア軍を閉じ込められる気がする。あと、歩兵とドローンが戦車などの装甲車両に勝てるというのは面白いですね。

    7
      • 匿名
      • 2025年 9月 27日

      それが出来なかったから今の戦況なのよ

      45
    • たむごん
    • 2025年 9月 27日

    迫撃砲をどういった運用して、どの程度の射程で使用してるのでしょうかね。

    迫撃砲の強み、秘匿性の高さ・最前線への火力支援が、ドローンや無人機が飛び交う戦場で生きているのであれば興味深いなと。

    (クピャンスク市西部・オスキル川西岸にグレーゾーンが伸びていますが)ウクライナ軍オスキル川東部の部隊、補給路・退路は大丈夫なんでしょうかね?

    12
      • まる
      • 2025年 9月 27日

      ロシア軍の120㎜重迫撃砲ならレーザー誘導型のエッジが使用できますので、それであれば最大射程は9000mってとこでしょうか。クピャンスク北側の森から撃っても市街地全て射程内ですね。セミアクティブレーザー誘導型なのでレーザー照射器自体をドローンに搭載すれば照準に支障はないでしょう。

      32
        • たむごん
        • 2025年 9月 27日

        情報ありがとうございます。
        偵察ドローン・浸透部隊・ロシア軍協力者などにより、攻撃目標は見つけてそうですからね。

        FPVドローン・無人機・空爆だけでなく、迫撃砲が市街戦にどういった違いを果たすのか見守りたいと思います。

        ウクライナ軍が逆襲しようとすれば、この迫撃砲が防衛用としても、非常に厄介な火力になるかもしれませんね。

        5
    • 理想はこの翼では届かない
    • 2025年 9月 27日

    市街地中心部まで浸透されたのを排除出来てない時点で、パイプラインに限らず後続の流入を止められてないとしか思えんけど
    ぬこかわいい

    17
    • 山田
    • 2025年 9月 27日

    ”民間人残せば攻めにくいだろう”と、あえて移動させなかったら、今度は敵側に民間人を利用されて攻められ始めたと。

    アゾフ製鉄所のときはウクライナ軍が民間人を避難と称して一緒に立てこもったよね。

    21
    • 納豆兵
    • 2025年 9月 27日

    両陣営ともに美しい報告をするもんだからどっちが優勢で不利なのかさっぱり分からん…。
    YouTubeでは相変わらずウクライナマンセーの架空戦記が跋扈してる有り様…

    15
    • hoge
    • 2025年 9月 27日

    ロシアメディアは既にクピャンスク市街地の65%を占拠したと報道してるね
    占拠率の実数はともかく、前線の動向を見るにイニシアチブは今もロシアが保持してるように見える
    パイプラインを破壊したってのがそもそも間違いか、オスキル川の渡河がウクライナが主張するよりもずっと容易に実行できるようになってるんじゃないの?
    この局面で渡河の阻止にドローンを大量に費やすると市街戦で不利になるし、後者の可能性が高いか

    19
      • hoge
      • 2025年 9月 27日

      今ロシア側の主張する戦況図を見直したけどDSと違って
      数ヶ月前にはバラバラだったオスキル川対岸の橋頭堡が
      国境付近のトポリからクピャンスクまで全て連結されてるのね

      ロシアは既に渡河を必要としていない
      これが実態に近そうだわ

      15
    • ろみ
    • 2025年 9月 27日

    軽歩兵だけで市内の小川を越えて市内へ浸透していっているのは驚きです。
    それにブラックチューリップ記念碑までグレーゾーンも拡大しおそらくオスキル河の両岸を連絡する橋の残骸も使用が難しくなり市街東岸地域のウクライナ軍の補給は遙か南の幹線道路から回り込む形になり相当複雑化したと思われます。
    たとえこの段階でこれ以上の浸透を食い止めて膠着に持ち込んだとしても反撃を成功させ市街地からロシア軍を排除しない限りは、東岸地域が補給に問題を抱えたままロシア軍と対峙させられる為、行き詰ったロシア軍標的を東岸地域へ変更→ロシア軍安全に渡河可能な縦深を確保し改めて西岸市街地攻略という流れが予想され相当厳しいですね。

    そしてパイプラインが損傷したという事実だけの表現なのは、DEEPSTATEでも原因が掴めてないのでしょうかね?
    事故かウクライナ軍による攻撃努力が成功したかの二択だとは思いますが。

    3
    • 2025年 9月 27日

    >> 「敵が浸透した市内に残っている住民は敵に食料まで分け与えている」と報告

    平たく言えば住民もロシア側に付いているということですね
    ロシア兵が民間人に偽装して歩いているのではなく民間人がロシア軍に協力して情報食料弾薬を提供していると考えた方が良い

    P-07は完全にグレーゾーンで通行料とれるところまできているため兵糧攻めが可能なことが今後親ロシア派住民を増やしウクライナ軍による略奪回数を増やすことになるでしょう
    そしてアルジャジーラら非欧米系メディアを通じて拡散される

    ウクライナ軍の規律と欧米の宣伝力が試されます

    32
      • 匿名
      • 2025年 9月 27日

      クピャンスク市は3年前の反攻作戦で宇側に奪還された時に親露派住民はロシア支配域かロシア領内へ逃げて、残った・逃げ遅れた住民はウクライナ軍(つか、アゾフ部隊)にロシアのスパイ・協力者として処刑された人が多かったらしいけど。

      16
      • 無名
      • 2025年 9月 27日

      民間人をウクライナ軍がやってしまった時に、民間人を装ったロシア兵だとか、ロシア兵が民間人を装ってるせいだ。って口実作りのためにアピールしてる面もありそう。

      29
        • baka
        • 2025年 9月 27日

        ロシア側のプロパガンダ映像にロシア兵と話をしてた女性を三機のドローンで
        攻撃してる映像が有りますね、家族を人質に取られ立て籠もってる
        ウクライナ兵をどうにかして欲しいと頼んでたとか

        8
      • 匿名11号
      • 2025年 9月 28日

      「住民は敵に食料まで分け与えている」のは、それが自発的か強制的かに関わらずロシア軍による「現地徴発」であることに変わりはないですけどね。

      そして現地徴発に頼らざるを得ない状況は、前線の補給に問題を抱えているということになる。順調なら食糧を与える側になりこそすれ貰う側にはならないですからねえ。

      そんな状態で携行レベルの食糧しか持ち合わせていない兵力の蓄積が長期化すれば、下手すれば住民巻き込んでの飢島状態になりかねませんな。

      1
      • >現地徴発に頼らざるを得ない状況
        飛躍しすぎかと。

        7
          • 匿名11号
          • 2025年 9月 29日

          その必要がなければ食糧まで現地徴発はしませんよ。

          • 匿名11号
          • 2025年 9月 29日

          その必要がなければ食糧まで現地徴発までしませんよ

          • 匿名11号
          • 2025年 9月 29日

          それに元コメ自体が「住民は敵に食料まで分け与えている」⇒「住民もロシア側に付いている」なんだから、今さら飛躍呼ばわりもないですな。

    •  
    • 2025年 9月 27日

    本当にそれが「住民」なのか?
    戦前からウクライナにいるロシアの工作機関をウクライナが検知できないから
    住民と読んでるだけでは?

    2
      • (ΦωΦ)
      • 2025年 9月 27日

      それほもう陰謀論と同レベルよ
      そんなことよりネコチャン愛でよう

      43
      • 匿名
      • 2025年 9月 27日

      クピャンスク市だと3年前の宇側の反攻作戦で奪還された時に残っていた住民は一度ウクライナ軍及びSBUに『掃除』された後なので。

      19
    • もへもへ
    • 2025年 9月 27日

    さすがに安全に戦力を移動出来たパイプラインが潰されて、危険な渡河だけになった状況で、いくら戦力を蓄積していたと言っても都市攻略は不可能でしょう。

    時間さえ稼げばウクライナ軍はポクロウシク方面のロシア軍突出部を潰した予備軍が駆けつけてくるはずですから、それまでの辛抱だと思います。

    問題はそれがいつかってだけ。

    1
    • Mr.R
    • 2025年 9月 27日

    神は言いました。汝、猫と和解せよ。

    見てくださいよこのフワフワの毛並みを
    戦地にありながらも気高さを失わない眼差しを
    素晴らしきかな

    13
      • kitty
      • 2025年 9月 29日

      でも、飼い主が急死した部屋飼いペットの研究では猫はわりと飢えると平気で人間の死体食ったりするんですよ。
      犬は猫ほどではないそうで。
      荒廃した戦場で何食ってそんな元気なんだって考えると夜も眠れなくなっちゃう。

      2
    • Artillery
    • 2025年 9月 27日

    率直に言って驚きだ
    かなり無茶な攻め方のように思えるが、なぜか通用してしまっている
    それだけウクライナ軍がポクロウシク方面にかかりきりで、クピャンスク周辺の戦力密度が薄いということだろうか

    9
      • アンゴラ
      • 2025年 9月 27日

      個人的には、「無茶が成功した」というより「ようやく攻勢の効果が出始めた」という印象です
      彼我の戦力差を考えると、ポクロウシク市やコンスタンチノフカ市が1年以上持ち堪えているのが異常だったように思います

      あと欧州からの支援の話って最近、ミサイルの話をちょこちょこ聞くぐらいなので、開戦初期と比べて増えてるのか減ってるのかわからないですね

      10
        • baka
        • 2025年 9月 27日

        予備兵を全てポクロウシクに回したのが悪かったのですかね?
        ヘルソンから送られた装甲車両を輸送中に破壊してる映像もあり
        ポクロウシクの反撃もウクライナが言ってる程上手くいってないとか

        2
    • 無名
    • 2025年 9月 27日

    ウクライナが、「ハンガリー製と思われる無人機が領空侵犯した。」と言ってますね。

    3
    •  
    • 2025年 9月 27日

    クリンキ作戦もロシア側に有利な条件でも、何度もウクライナ側は渡河できた(そこからは知らん)し、歩兵による小規模渡河は案外ドローンの監視網に引っかからないのかも知れん。ましてやパイプライン作戦で対岸に橋頭堡作られて、電子戦用のポールを両岸に立てられたら、渡河監視も厳しくなるんじゃないかな。

    3
    • 名無し
    • 2025年 9月 27日

    「敵が浸透した市内に残っている住民は敵に食料まで分け与えている」と報告。
    もう欧米もウクライナ新政府もプロパガンダ止めて、ウクライナ国民は親露派だと認めろよ。ウクライナ国民は最初から反露もドンバス攻撃も望んでないからアメリカの介入以外は親露政策の大統領選んでるし、親露政策+停戦のゼレンスキーを選んだ訳だろ。

    21
    • nk
    • 2025年 9月 27日

    単純にウクライナ側は兵員不足なんでしょうこのままなら陥落でしょうから戦力投入し押し返すまたは撤退の局面ですが、戦力投入は予備が現状いなそうだし撤退も要衝陥落は不味いので現地部隊が最後まで粘るになりそうなのがなんとも。要衝のクピャンスクでこの感じだとポクロウシク北側に相当戦力集中させていると見て良さそうで、ドニプロ方面なんかはさらに兵員不足してそうですね。

    15
    • AAA
    • 2025年 9月 27日

    攻撃部隊が軽歩兵なら
    弾薬食料等の補給は川の向こうからドローンでやれなくもなさそう

    5
    • 朴秀
    • 2025年 9月 27日

    猫ー!!

    毛並みが綺麗だな

    6
    • 中村
    • 2025年 9月 28日

     住民が住んでいる以上は米屋(配給所でも良し)に米が有るのは当たり前で、現金か軍票かクレジットカードか銃剣か知りませんが対価を払って手に入れる事は出来るわけですよ。

     拒めないし、今後の配給がロシア側からだと考えると拒むべきでも無いでしょう。中世以来の当たり前の噺です。

    4

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