ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEは14日夜「ロシア軍がクルスク州とドネツク州で前進した」と報告、さらに視覚的証拠が登場しても拠点喪失を認めないウクライナ軍に「如何に報道官が拠点保持を訴えてもロシア軍は前進するチャンスを掴んだ」と苦言を呈した。
参考:Мапу оновлено!
参考:Після окупації Іллінки ворог продовжив штурмові дії на Нову Іллінку та Берестки
参考:Хроника специальной военной операции за 12 ноября 2024 года
参考:Хроника специальной военной операции за 14 ноября 2024 года
DEEP STATEは報道官が拠点の保持を訴えてもイリンカは失われていると批判
DEEP STATEはクルスク州スジャ方面について「ウクライナ軍支配地域がプレホヴォ集落内と周辺で後退した」と、RYBARは「ロシア軍がプレホヴォ集落の80%を支配している」「ロシア軍がプレホヴォの北で支配地域を広げた」と報告、視覚的にもウクライナ軍がプレホヴォ集落内の西端=Ⓐでロシア軍を攻撃する様子が登場している。
RYBARはクルスク全体の状況について「ロシア軍が複数方向で攻撃を行っているものの客観的な情報が不足しているため、前線の正確な位置を確定するのは困難だ」と述べており、今のところスナヒスト川沿い、ノヴォイヴァノフカ方向、オルロフカ方向の状況は霧に包まれたままだ。
DEEP STATEはクピャンスク方面オスキル川沿いについて昨日「ロシア軍が線路沿いにクピャンスク方向へ前進した」「グレーゾーンがクピャンスク市内に伸びた」と報告、視覚的にもウクライナ軍がクピャンスク市内に侵入したロシア軍の装甲部隊を攻撃する様子も登場、ウクライナ軍参謀本部も「ロシア軍のクピャンスクに対する攻撃は全て撃退した」「ロシア軍はクピャンスクに入ることが出来ず都市はウクライナ軍の管理下にある」と発表。
RYBARはクピャンスク方面オスキル川沿いについて14日夜「ロシア軍がクピャンスク市内の製糖工場付近にある敵陣地を攻撃した」「ロシア軍がクピャンスク市郊外に足場を築くことに成功した」とテキストのみで言及し、ロシア軍が足場を築いたクピャンスク市郊外が何処を指しているのかなどは不明なままだ。
DEEP STATEはポクロウシク・ディミトロフ方面について「ロシア軍がペトリフカ集落内で支配地域を広げた」「ロシア軍がノヴォミトリヴカ方向に前進した」「ロシア軍がヴォズネセンカ集落の大半を支配している」「ロシア軍がノヴォセリディフカ集落内で前進した」と報告。
ソンツィフカ、ヴォズネセンカ、ノヴォセリディフカのラインが崩れると「クラホヴェの背後に北から回り込む動き」を阻止するのが困難になるため「非常に重要な防衛ライン」だが、カホフカ貯水湖の北側を東から西に突破する動きを阻止できなければ意味がなく、こちらの状況も芳しいとはいえない。
DEEP STATEはクラホヴェ・ヴフレダル(南ドネツク)方面について「ロシア軍がイリンカからノヴァ・インンカ方向に前進した」「ロシア軍がイリンカの北東に前進した」「グレーゾーンがベレストキーやノヴァ・インンカ方向に伸びた」「ロシア軍がアント二フカを占領した」「アント二フカ方向のグレーゾーンが広がった」と報告。
DEEP STATEは13日に登場した視覚的証拠(ロシア軍兵士がイリンカ集落内の建物=Ⓐに軍旗を掲げる様子)に基づいて「ロシア軍がイリンカを占領した」と14日に報告したが、ウクライナ軍参謀本部は「ロシア軍が南ドネツクのイリンカを占領したという情報は真実ではない」と主張、これに対してDEEP STATEは「如何に報道官が拠点の保持を訴えようとも、イリンカを失ったことで敵は前進するチャンスを掴んだ」「ロシア軍はベレストキーやノヴァ・インンカへの攻撃を続けている」と反論し、もしかするとアント二フカの西に位置するイリンカと勘違いしたのではないか(皮肉)と付け加えている。
因みにアント二フカではロシア軍兵士が集落内の敷地=Ⓑで国旗を掲げる様子が登場している。
DEEP STATEはヴェリカノボシルカ方面について「ロシア軍がリヴノピルを占領した」と報告した。
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※アイキャッチ画像の出典:114 Бригада
有識者にお聞きしたいのですが、ウクライナが今から核兵器開発して実践投入する可能性ってあります?
仮に濃縮率の高い兵器級プルトニウムが用意できても核弾頭を製造できる技術があるのか、これを目標まで運搬する手段が用意できるのか怪しく、ウクライナに核実験なしで核兵器が開発できる高度な能力やノウハウがあるとは思えません。
技術、予算、時間、資源全ての面で無理です
原発へ破壊工作、直接攻撃等を行い原子力災害を起こす事なら可能ではあります
(可能なだけで実行するのは正気ではありません)
サーシカさん単独だったら管理人さんが反応する
日本本土決戦で核兵器開発して烈風震電が制空権を守る
清谷文谷先生が10式を認める
週刊オブイェクトと旧日本軍弱小列伝が更新される
と同じくらいです(大喜利スタート)
開発自体は原発もあり、材料のウランやプルトニウムがあれば可能です。ただし、核実験でもやろうものなら、ロシアも心置きなく使用できます。
そして、西側も切れる良いきっかけになりますね。
原発のみでは核兵器は作れません。
頑張れる方の原料のウランならウクライナでも算出しますが、ウクライナ国内でできるのは精錬までで
濃縮された原発用のウラン燃料はソ連時代はロシア国内やカザフスタンで製造された核燃料を使用し
ソ連崩壊後はロシアから核燃料の供給を受けており
2014年以降はアメリカのウェスチングハウス社製に切り替えているので
ウランの濃縮技術がウクライナ国内にはない状態であり
やるとするならイランのように研究を重ねながらじわじわ濃縮をしていくしかない状況です
プルトニウムに関しても産業レベルで使用済み核燃料からプルトニウムを抽出する
技術・手段はウクライナ国内にはなく抽出することができないので 爆縮型も無理です。
そしてイランのように研究をするなら、イランのように西側から制裁されますよね。
支援してくれる相手を自ら手放す自殺行為でしかない気がします。
すぐ実戦投入できる可能性はないですね。下記のプロセスが必要になります。
遠心分離機を大量に用意
→ウラン濃縮度を上げる・プルトニウム濃縮度を上げる
→核実験
→実戦投入
ウラン濃縮と爆縮技術が必要な核爆弾の早期の実戦投入は絶望的でしょうが、“核兵器”の定義を広く解釈して、核汚染物質をバラまく兵器なら、あり得るかな?と思っています。
原子力発電所があるのですから。兵器として意味があるかどうかは別として…
ダーティボムでしたら、仰る通り可能でしょうね。
報復に、核ミサイルが飛んでくる可能性を考えれば、兵器として意味があるのかは仰る通り微妙になりそうですね…。
ダーティーボムは核弾道ミサイル保有国からすれば「国土を汚染した大罪」として報復できる理由になりますから、核報復も辞さないでしょうね。
つまり、ダーティーボムを安全に運ぶ手段があっても、核弾道ミサイル保有国にしたら大義名分得られるでしょうね。
管理人さんも書かれていますが、
ざっくりいうと、核兵器の材料である高濃度(90%超)のプルトニウム239生成または高濃縮(90%超)ウラン235生成、目標への投射手段の問題となります。
・プルトニウム239生成
現在稼働中のウクライナの原子力発電所はVVER(ロシア型加圧水型原子炉, PWR)のため、日本のPWRなどと同じ低濃縮ウラン燃料を使っています。
商用発電に最適化された原子炉から高濃度のプルトニウム239を生成するのは難しいので、 チョルノービリ(チェルノブイリ)原発のRMBK炉を使うか、別のプルトニウム239生成炉を稼働させる必要があります。
いずれにしてもリソースの少ないウクライナで実現させることは困難でしょう。
・高濃縮ウラン235生成
こちらも同じく高濃縮ウラン235を生成するための遠心分離機などの設備が必要となります。
高濃縮ウラン用遠心分離機やプルトニウム239生成炉はIAEAの査察対象となりますし、核兵器開発を目指していたイランはStuxnetなどのマルウェアで遠心分離機を破壊されているのでこちらも簡単ではありません。
高濃縮ウランや高濃度プルトニウムをアメリカが提供する手もありますが、どこの政権・政党であっても「やりたくない」でしょう。
・投射方法
核抑止を成立させるためには核爆弾では意味がなく弾道ミサイル技術が必要となります。
今の所ウクライナにある弾道ミサイルは短距離で戦術用のため、戦略的にはモスクワを直接叩けるだけのIRBMが必要となります。
ガンバレル型なら臨界量の核物質があれば爆発はしますが、弾道ミサイルで目標まで安全に投射することは難しいですし、現在の主流であるインプロージョン型は核開発国が技術供与しない限りこちらも困難です。
インプロージョン型に必要な技術や情報は流れていても核実験しない限りデータを蓄積できないところがポイントです。
で、核実験したらロシアもすぐ感知するでしょうし、たとえ戦略的有用性の低い核爆弾でも核保有国となったウクライナに通常兵器による破壊で足りなければ容赦なく核を叩き込む可能性が上がります。
ロシアが核を使えばアメリカも核兵器を使うことに抑制する必要はなくなりますので、全面核戦争というオチになる可能性が高くなります。
結果としてウクライナの核保有は今となっては遅いし、以前から開発していたとしたらNPT違反、IAEAや各国の経済制裁対象になって北朝鮮化する覚悟がないとダメだった、という無理ゲーだったと思います。
まあ、同じ名前ですし、間違えちゃいますよね(笑)
同じ名前繋がりで、看過できない間違えに”Shevchenko”があります
英語版wikiなどでクラホヴェ(Kurakhove)や現在進行中のクラホヴェの戦い(Battle of Kurakhove)についての記事には、『ロシア軍の狙いはクラホヴェにあるリチウム鉱床だ!!』と書かれています
しかし、これは間違いです
確かに世界有数、ヨーロッパ最大のリチウム鉱床と期待されているShevchenko鉱床はありますが、そのShevchenkoはクラホヴェの北西(アンドリイフカの東)にあるシェフチェンコではなく、今回占領が報告されたリヴノピルから北に10kmほどのところにある(管理人様の今日の地図の中にも記載されている)シェフチェンコです
どちらのシェフチェンコも危機ではありますが・・・
あまり似たような名前があちこちにあるのも困りものですね。
富士見台とか・・・
旧約聖書の預言者エリヤ由来で苗字としてはイリンになってたり、とにかく一般的な名前なのでイリンカはそこら中にあるんですけれどもね…しかしこの絶妙な距離感で名前を被せたのは配達屋泣かせというか
>言葉だけで拠点は保持できない
タイトルでオチてる……
ザポリージャ方面でも大釜が出来そうですね……
クピャンスクは多分もう防衛線が機能してないのでは……
撃退した、という大本営発表ニュースは信じられないですね
大本営発表が元凶というのはウクライナ側で(政府ではなく、民間で)共通認識になった感はあります。
大本営発表を盾に動員逃れをしたり、支援を弱めることが正当化されてしまう。であれば、真実を言う方がいい段階かもしれません。ウクライナ人が宣伝通り勇敢な英雄揃いであれば、スパルタ軍やベトコン、タリバンのように徹底抗戦するでしょう。
残念ながら、どっちかというとスパルタ寄りなのは、ロシアですね。
そうなったのは、NATOが誉めそやし、祭り上げた結果の弱体化ですもんね。確か、家康が過ぎるより不足の方が良いと言いましたが、現状のウクライナとロシアを見てると、さすが天下人としか言えないです。
ロシア軍は北西こポクロウシクを狙うと見せかけて、今前進している場所から西側にある幹線道路のT515を使えなくして、クラホベは勿論、更に西側にもポクロウシク側からの補給や増援を送りにくくしようとしてるように思えるウグレダル北西の南側からも北側にロシア軍が前進しててクラホベ方面の補給や増援に必須な西側に繋がってる幹線道路に向かって前進してて“補給の殆どを絶って戦意を削がれた敵を撤退に追い込む”のをウクライナ側も打開策を見出せないのをいいことに、ひたすら繰り返してる。
防衛面ではポクロウシクやチャシブヤールやトレツクに戦力を注ぎ込んで、そこは持ち堪えてるんだろうけど、他が手薄になってやられてるんじゃ話にならないのに。
マジでただでさえ電力が足りないっていうのに、火力発電所のクラホベも落とされたらどうするつもりなんだろ?
そのウクライナ軍からの答えは「ロシア軍に多大な損害を出させた上で我が軍は戦力を温存したまま作戦を終了し戦力的撤退をした」なんだろうと、どう言い訳をするのか予想ができてしまうのがヤバい(陥落するたびに同じことを何度も壊れたレコードのように繰り返し言ってるから)
ま、まぁ実際にポクロフスク攻略戦が始まる際には「以前は結節点として重要な役割を果たしていた都市」になっているでしょうから…
>「ロシア軍に多大な損害を出させた上で我が軍は戦力を温存したまま作戦を終了し戦力的撤退をした」
ロシア軍を米軍に置き換えれば、日帝の大本営発表そのものになるのが何とも。
ガダルカナルでもレイテでも、沖縄でも硫黄島でも、同じように壊れたレコードのように繰り返していたのでしょうね。
親ウクライナOSINTでもクピャンスク内にロシア軍が足場を築いていると報告しているものも出てきているため、下手をすれば数千人のウクライナ兵が取り残される可能性もあるなど想像以上に深刻なのかもしれませんな
加えてこの調子だと今年中にドニプロペトロウシク州の州境に到達しそうですが、ドニエプル川東岸のドニプロペトロウシク州の領域は石油や天然ガスを産出しているため、喪失すればウクライナにとって更なる大打撃になるのでそのまま侵攻する可能性もあるでしょうね
ドニプロ州東岸まで行ったら、今度は南方面からハリコフが危ない。
ロシア軍は俺の目から見ると異常にクレバーです。
特に東部戦線などでは押せば勝てるだろうからポクロフスクも攻めるかと思っていました。
でも、砲撃範囲にとらえた後は「とりあえずもっと簡単な所から」で周辺から焦らず切り取りに行っています。
今そうなってるって事はプーチンも「それでヨシ!」してる訳なので、もっと政治的に大きな効果を狙って無理押ししてもそれほど酷い事にならないだろうって状況なのに、安全策をとっている。
そして見ていると俺も「確かにこの方がいいね」って思う。
実際の作戦計画を立てているのはロシアの参謀や将軍達なのだろうし、それにOKを出してるのがプーチンと最上位の意志決定機関だと考えると、本当に信じられないくらいにこの状況で冷静です。
一方ウクライナは勝手に踊っている感じが凄い。NATOもややそんな感じです。なんならトランプ達の方がずっと落ち着いています。特にウクライナの件については。
これでウクライナが戦い続けても状況が好転するとは思えません。
ですがこの状態では停戦など論外な筈なんですよね、ウクライナ側や西側、NATOとしては。
仰る通りだと思います。無理な力攻めをしないことが、ロシアが1年以上も攻勢(今となっては定常的な前進)を続けられる理由なのだと。逆にウクライナの場合、反転攻勢は4か月で、クルスク攻勢は1か月ほどで完全に“失速”し、停滞した後は奪還されていきました。実力に合わない無理な目標を設定するから、息切れした際に予備兵力が続かず、劣勢になって損失ばかりが積み重なっていく。ある意味で、ロシアはウクライナを反面教師にしているのでしょうか。
現在は西欧諸国=国際社会と言うほどではありません。
ですが、依然として勢力としては資金力的にも政治力的にも軍事力的にも西欧諸国が最大です。
中国などもよくロシアに対しては人民元決済をやめたり、送金を禁止させたりしている。しかし、それにも特にロシアは怒るわけでも無く、「嬉しくは無いがそんなものだろう」という態度で殆どの場合は流しています。
確かに色々経由させる事で抜け道を作る事は出来るのでしょうが、面倒ですし、コストも掛かります。
非常に不利な事は間違いない。
でも、慌てているわけでも無く、総じて落ち着いて対応しているように見える。というか、落ち着きが上層部に無いと出来ないような作戦をずっと続けてます。
これは逆の立場なら、西側諸国もそれ以外も、ほぼどれも耐えられないと思うんですよ。
内心では、あるいは水面下ではこっそりとロシアの応援をしている国は少なくないと思います。
しかしにも関わらず厳しい事は間違いないのに何故こうも全体としては落ち着いていられるのか。
それが不思議で、また少しうらやましいです。
プーチン氏がなんだかんだあっても優れた指導者である事は間違いないとも思われます。押し潰されないのがおかしい状況ですから。
その中国との取引制裁などを耐えられているのは、最大の制裁の穴はCIS諸国で此方は未だに西側が大した手を入れてないこと、またこれまでの期間でロシア国内での設備・労働力移転などで対応力を得たことなどがあります。国内取引への制裁はできませんので。
もちろん決済関連などすぐには対応しきれない部分もございますが、やはり逐次的な制裁は議論している間に準備できてしまうのですね。
クルスクも、実体がかなり気になりますね。
スジャの補給線を、ウクライナは絶対に守る必要がありますから、増援・部隊の貼り付けが必要になるかもしれません。
追記です。
クラホヴェ北側のポケット、埋まりそうですから、そこからの動きを見守りたいと思います。