ホルティツィア作戦軍のヴォロシン報道官は11日「ロシア軍がポクロウシク近郊のウクライナ軍陣地を破壊した」と明かし、シルスキー総司令官も「我々は戦闘能力の回復力を高め、より効果的に敵を破壊するため通常とは異なる決定を下さなければならない」と述べた。
参考:Головнокомандувач ЗС України
参考:Tough battles, lost positions in Pokrovsk demand ‘non-standard decisions,’ Syrskyi says
もしロシア軍がドニプロペトロウシク州に侵入して領土を奪えば「戦争が上手くいっていない」と強く印象づけられてしまう
ホルティツィア作戦軍のヴォロシン報道官は11日「ポクロウシク方面のロシア軍がヴィドロジェンニアの西とノボトロイツケの南にあるウクライナ軍陣地を積極的に攻撃し、2つの陣地が破壊され、そのうち1つが失われた。我々は陣地を修復するための措置を講じているところだ」と明かし、ポクロウシク近郊のシェフチェンコ付近で「ロシア軍に防衛ラインが突破された」と示唆して注目を注目を集めていたが、シルスキー総司令官も「通常とは異なる決定を下さなければならない」と述べた。
シルスキー総司令官はポクロウシク方面に配備された第38海兵旅団を訪問したと明かした中で「同方面では激しい戦闘が継続中で特に兵力面で不利な状況にある。ロシア軍は投入可能な全戦力を前線に投入しており、」我々は戦闘能力の回復力を高め、より効果的に敵を破壊するため通常とは異なる決定を下さなければならない」と述べ、通常とは異なる決定が何なのか説明しなかったため「何を決断するのか」は不明のままだ。
但し、シルスキー総司令官は現状での最優先事項について「継続的で安定的な部隊への弾薬供給だ」とも付け加えているため「大規模な撤退」を意味していない可能性が高く、最も現実的なのは「ヴィドロジェンニア~シェフチェンコ~ノボトロイツケのライン」で失われた陣地奪還で戦力を消耗するのではなく「このラインを放棄して後方に後退する」といったところだろう。

出典:СИРСЬКИЙ
シェフチェンコ一帯を失うとポクロウシク市とポクロウシク鉱山への道が開かれる格好で、ノボトロイツケからソロナ川に沿って西に10km進んでもドニプロペトロウシク州境に到達し、もしロシア軍がドニプロペトロウシク州に侵入して領土を奪えば「戦争が新たな州に拡大した=ドネツクの防衛ラインが突破された」と表現できるため「戦争が上手くいっていない」と強く印象づけられてしまい、政治面で大きな打撃を被るのは避けられない。
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※アイキャッチ画像の出典:СИРСЬКИЙ
ウクライナ軍のやっている通常の決定がそもそも問題なのでは・・・
政治的に交代が許可されないんだから、通常とは違う異なる決定って今までの最後は撤退する死守じゃなくて文字通りの死ぬまで死守になるだけじゃないかな。
このままロシア軍に進撃されて州境を越えられると戦争に負けてるかもと国民が気づいてしまい、支持率落ちるし。
東部を放置してクルスクで遊んでること自体
普通の戦略とはぜんぜん違う決定やろ
ポクロウシク鉱山を失えば、ウクライナ復興計画は絶望的になってしまいます。
鉄鋼資材を海外から購入することになるうえに、西部の鉄道ルート・オデッサなどの海洋ルートしかありません。
石炭を輸入するとしても、大型ばら積み船の陸揚げ施設は限られるでしょうし、コークス炉にそもそも余力がないでしょう(アウディーイウカのコークス施設も喪失しています)。
ウクライナの戦後復興を考えれば正念場なのですが、ポクロウシク炭鉱を占領できなければ砲爆撃で破壊される選択肢があるため、なかなか苦しいなと感じながら見守っています…。
今の國體がウクライナの復興を担わなければならないと考えたら絶望しかありませんが、日独を越えた世界第4位のGDPを持つ大国の下の次の國體の仕事だと思えば希望はあります。すでにマウリポリをはじめ、経済大国による元ウクライナの復興は順調で、ウクライナ民が十万単位で帰郷しています。復興を積極的に阻害する勢力が戦場や国外、あるいは刑場に消えてしまえば希望が出てくるでしょう。
マリウポリの復興、力の入り方は驚きました…。
海軍兵学校を建築したりしてますので、クリミアから海軍拠点を移す事も想定しているかもしれませんね。
ウクライナのような不安定な国を見ると、庶民の生活を考えれば、何が幸せなのか考えてしまいます。
キエフ・リヴィウなど、西部・都市部の人間が痛みを分かち合うのか、東部に負担を押し付けるのか注目しています。
多民族国家で、特定民族・特定地域の死傷者が高くなっているという話しもありますから、実体はどうなのかなという思いでみています。
上級国民は、政治ゲーム・権力闘争をやったり汚職をしているわけですが、無名の一般庶民にとっては、日々の生活が安定する方が大事だろうなと。
露のメディアは供給力と輸送の問題原料炭を西側から買うのは無理だといってますね。供給力があるのは露しかないとかいう落ちがついてますが・・・。
ウクライナ国内に残る製鉄所、内陸側に残っているものは、大型ばら積み船を横付けするのが難しいでしょうね。
オデッサ港で荷揚げして運ぶにしても、陸路で製鉄所まで送るのは、非常に手間で現実的ではないだろうなと…
西部国境から貨物列車で運ぶにしても、ポーランド=ウクライナ間の線路幅(広軌・標準軌)も違うでしょうから、とんでもない滞貨が発生するため現実的ではないだろうなと。
現実的に考えれば、ロシア占領地まで含めて、仰る通りのオチになってしまいそうですね…。
シェフチェンコが突破・制圧された時点で鉄道輸送によるシェフチェンコまでの兵器・兵員の高速運輸・配置ができてしまうはずなので、ポクロウシクはもうダメぽ度合いが一気に上るんですよね
ここから西に展開して補給線を断つのか、それとお火力投射でポクロウシクを締め上げるのか
いずれにせよウクライナ軍としては今のままで守りきれる状況ではないので、撤退するか大規模増援を入れるかのどっちかでしょう
ポクロウシク南郊外の防衛線は捨てポクロウシクでの市街戦を想定し兵員物資集めるという所ですか、クラホヴェも風前の灯火なので早急に撤退すべきが大分撤退戦で消耗してしまった様子。
本来ポクロウシクからアンドリイフカの縦のラインで守る形を想定してたと思うが、縦ラインの補給線は早々に切られすでにアンドリイフカは西側からの補給線しかなくそんなに時間稼げるとも思えず何時も通りの展開になりそうですね。
通常の常識的な戦争指導をしていればクリンキー水遊びもクルスク大冒険もせずに、アウディーイウカの防御を強化したり反転攻勢を延期したり、そもそもキエフからロシアが撤退した時に戦争終わらせてましたよね。
もう四の五のいいから今すぐ逃げるか、今すぐ降伏するかの二択しか無い段階だと思うの(極論)
数十万人がウクライナ軍から脱走していることを考えるともはや極論ではないような気も…
マウリポリをはじめ、今も露側に逃げるウク民が何万人も出続けているわけで。
崩壊したアサドのシリア並みに根腐れ空洞化していても驚かないレベル。
日本の報道ばかり聞いていると根腐れ空洞化しているのはロシアの筈なのに、ウクライナの方がこんな泣き言吐いてるのはおかしいですね(棒)
東部捨ててクルスクにオールインした段階で今更だと思いますがね。奇手と言うのは勝てなければ悪手でしかありません。
クルスク州への逆侵攻作戦は、東部戦線のロシア軍予備戦力を当該地域に誘引し侵攻圧力を弱めることを意図したと思われます。その意味では奇手と言えるか微妙ですが、東部戦線を捨てたわけではありません。
ところがロシア軍の対応は非常に冷静で、クルスク州における防衛戦は戦術的後退戦を含む持久戦で対応し、東部戦線での侵攻圧力を維持し続けました。ウクライナがクルスク戦線に投入可能な戦力規模を見切っていたのかと。
結果的に、ウクライナ軍は東部・クルスク戦線両方で戦力不足を招いてしまったと言えますが、停戦交渉の取引材料とすべくクルスク州の占領地域保持に方針を定めた時点で戦略的に失敗していたということかと思います。
なんだか、この劣勢を挽回すべく発動した作戦を完璧に迎撃されて結果として破滅を招くという展開は81年前のクルスク戦車戦を思い起こさせますね。突破した場所に攻撃力を拘束されて他の場所を突かれるのもそっくりです。歴史が韻を踏んだのでしょうか。
大祖国戦争が繰り返されるのなら、2年もすればロシア軍は世界最強の軍隊になるはずですが今回はどうなるのやら。最後まで見届けたいと思います。
WWII時のクルスク戦はそこまで追い詰められていなかったので、乾坤一擲的感からいうとバルジの戦いの方が近いかと
戦線整理出来るかな?
ロシアのように占領地を放棄するのと、領土放棄するのでは大違いだからな
決断が遅れて取り返しの付かない犠牲を出した上に、アテの無いギャンブルへ更に大金を突っ込んで破滅する……
ハード面で劣っているのにソフト面からして勝ち目が無い……
トランプ大統領の就任が2025年1月6日ですか。
即時停戦とならずともそこで何らかの変化がある気がします。
バフムート(人口8万人)陥落1年
アウディーイウカ(人口3.5万人)陥落4ヶ月
ポウロシク(人口7万人)
ディミトロフ(人口5万人)
数字違っていたらすみません。
ポクロウシク、ディミトロフはさすがに要塞化が進んでいる気がするので、攻略にはロシアも相当戦力を集中しなければならないと思います。
攻略期間も半年、1年掛かりそう。
それらの事や現在のロシアの進軍ペースを考えると前線が接するぐらいで、大規模な市街戦になる前に停戦になるのでは。トランプ大統領就任までにロシアが占領出来ても炭鉱だけになりそうな。(トランプ大統領就任で変化がある前提ですが。)
黒海の支配権は現状ウクライナでしょうか?ポウロシク周辺にロシアが集結した段階で、ウクライナは温存していた兵士で海からクリミア半島へ強襲上陸。(無理!とかそんな兵士居ない!とか聞こえて来ます。)スロヴィキンラインを守るロシアがクリミアに戦力分散した所で第二次反攻作戦みたいな。
素人の想像垂れ流しです。
ただこの1年やられっぱなしな西側+ウクライナが無策では無い気もするのです。
この一年やられっぱなしだったカウンターが先日のシリアじゃない?イドリブの反政府勢力を温存させたまま停戦したのがまず第一の敗因だった訳で、ウクライナも中途半端に停戦したらまた数年後(トランプやプーチンの任期後含む)にリベンジされるだけという教訓になったんだから、軍事的にも講和条件でもウクライナは物理的に再起不能になるまで潰さないといけなくなってしまった。
なるほど、大局観で仰る通りです。停戦のハードルは上がってしまったのかも知れませんね。
こと、ウクライナ局地に於いてもカウンターがあるか無いか注視して行きたいと思います。(傍観者なので注視するだけですが)
返信ありがとうございました。
カウンター第一段が南部攻勢、第二段がクルスク侵攻で両作戦共に戦略的にも軍事的にも失敗。第二段のクルスクに至ってはゼレンスキー案件にて本来撤退すべきが増援送る始末で、ロシアとの交渉の材料とか戯言言う始末。
第三段の大規模反攻作戦が出来るのか不明ですが、仮に第三反攻作戦があり戦略的に一定の成功を得たとしてもすでに時遅しかなと言う感じ見えます。
そうだった、クルスク侵攻を何故か書き忘れました。
クルスク(スジャ)辺りはそこにウクライナ軍(精鋭)を駐留させておくだけでロシアの利になっている状況にも見えます。
停戦・終戦間際まで放って置かれるか、間もなく市街戦になるか、戦わず撤退するか、気になる所です。
既に時遅しですか。ウクライナに盛り返す余力は無いと言う見立てですね。そんな気もします。
返信ありがとうございました。
>>第三段の大規模反攻作戦
そんなものあるわけないんですよねぇ…(絶望)なんでこんなことに
強いて言うなら、ウクライナがクルスクに突っ込むことなく、冷静にポクロウシク-クラホヴェ-ヴフレダルの要塞線に予備部隊を送って保持し続けて、かつ改正動員法で調達した人員をしっかり基礎訓練し、現場のローテーションを成立させることに成功していたら、25年のどこかのタイミングで再び反攻作戦出来るくらいの余裕が生まれてたかもしれません。
が、「たられば」は不可能だから「たられば」なのです。とにかく今は要塞を再構築して前線を整理し、払底した兵士をどうにか補充して、踏みとどまれるラインで耐え抜いて欲しい。クルスクなんか捨てて戦力温存してくれ。西側の砲弾供給量が追いつかないこと(工場新造含めて何年かかるのやら)には反攻など夢のまた夢です。
>軍事的にも講和条件でもウクライナは物理的に再起不能になるまで潰さないといけなくなってしまった
ムリでしょ
今のロシアにそんな余力があるとは思えませんな
余力がなくても打ちのめすことはやらなければならないと認識してるかと思います。
元からミンスク3はないと言われておりましたが、シリアの件は分かりやすく停戦合意の一方的破棄の反体制派を、実質的に支持した例になりました。
結局西側もまた敵対陣営への攻撃であれば国際法違反を容認してそれへの国際的支持を広げようとするということで、この前では国際法的合意も意味などないでしょう。
まあ正確に言えばこの陣営論は今更な話なのですが、ロシアもイスラエルも西側含めた国際社会は、結局警察力がない以上国際法など理由をつけて口だけのカルテル合意にすぎないでしょう。
ともかく、ロシアとしてはウクライナとの停戦合意だけでは合意できず、困難でもある種の警察力の及ぶように、そして敵対国の影響が抑えられるようにしなければなりません。
もちろんロシアが耐えきれずにそれをどこかのタイミングで断念するかもしれませんが、少なくともあと一年以上かかるでしょうね。
ウクライナ軍は残り30万ほどです、
あらたに動員されるかもしれませんが動員されてもこれ以上の動員は支持基盤や軍需産業を戦場に送り込む必要があるので生産と政権が維持できるか微妙です。
動員なければ半年、動員されてもあともう一年半延びるだけなのでそのころにはウクライナの兵力が尽きますのであとはやりたい放題になります。
ロシアは削り切ってから動くでしょう
クリミアに強襲上陸するとしても兵士以前に船がなく、上陸させられるのは数十人、どんなに頑張ってもせいぜい数百人が限度でしょうね。
ウクライナが何かを企んでいる可能性は全く否定しませんが、流石に成功の見込みが皆無なクリミア奪還作戦を実行するほど愚かではない
…と思います。
船、無いのですか…
海軍に関してはロシア黒海艦隊を拠点変更させる等、ロシア艦隊の被害は聞こえてくるものの、ウクライナ海軍の話題はほとんど聞こえて来ないので、黒海の西側ではウクライナに地の利があるのではと誤認しました。(地でなく海ですが。)
そもそもウクライナ艦艇の数が少なく、開戦初期に大きな被害を受け、今はロシアからのミサイルや無人艇の標的になるほど有力なものは残っていないから被害も聞こえて来ない感じですね。
小型艇ではクリミア上陸出来ても殲滅されるのがオチ…。見込み皆無、なるほどその様ですね。
返信ありがとうございました。
補給路を断たれたウグレダールは1週間で陥落しました。ポクロフスク、ディミトロフも同様の結果になるでしょう。トランプ政権が誕生したところでもはや停戦になることもありません。トランプ自身は本気で停戦を望んでるかもしれませんが、結局ミンスク合意3にしかなりません。ロシアにとって何のメリットもありません。まあロシアが停戦を受け入れるとすると①「ウクライナ全軍はロシア軍による武装解除を受ける」②「ロシア軍は平和維持軍としてウクライナ全土に駐留する」③「ゼレンスキー一味はロシア軍に出頭しロシアで裁判を受ける」少なくともこれぐらいの条件でなければロシアが停戦を受け入れることはないでしょう。
ウグレダール(ヴフレダル)は要衝でしたが、都市の規模は小さく3方囲まれれば早期陥落は想定出来ました。
ポクロウシク、ディミトロフは都市の規模が大きく、E-50、T-0515を遮断するにはまだまだロシア軍の支配地域が足りないと思いますので、いずれは陥落すると思いますが、これから半年、1年は掛かるのではないかなと思っています。(思っているだけです。)
迫り来るロシアに対し、ウクライナがどこを要塞化すべきかで、多くの小規模な都市(ヒルニク、セリダブ等)は大した防御陣も造っておらず早々に制圧されていますが、ポクロウシクはさすがに要塞化してるよね?と思っています。(同)
ロシアがどこに注力するかにも寄りますが、チャシブヤール等は長らくウクライナが防衛に成功しているなという印象です。
停戦案がどの様な内容になるのか、また合意に至るのか、1月に動きはあると思いますので注目しています。
返信ありがとうございました。
ゼレンスキー!! シルスキー!! 要塞は何処だ!
ドイツは第二次大戦でバルバロッサ作戦を発動して約400万人の枢軸国軍を動員してソ連に攻め込んでソ連軍に大打撃を与えたが、攻めきれなかった。食い止められ押し合いへし合いの消耗戦に巻き込まれて最終的に首都ベルリンでの市街戦にまで追い込まれ敗北し無条件降伏した。ウクライナごときが露に攻め込んだはいいけれど何をする気なのが全く理解できない。素人が考えても全く正気の沙汰ではない。ザルジニーは自分が指揮した西側指導の反転攻勢は惨めな失敗に終わったが、都合よく解任されて面目だけは保った。結局ウクライナ軍はシルスキー型の撤退禁止、穴熊、肉弾戦で辛うじて露軍に抵抗してきたが流石に限界を迎えている。ウクライナは露との戦争にしてしまった時に運命は決まった。自分で決められるのは露の条件を飲むタイミングだけだ。