ウクライナ戦況

ウクライナ侵攻708日目、ロシア軍がリマン方面やドネツク西郊外方面で前進

ウクライナ人が運営するDEEP STATEは1日「リマン・クレミンナ方面やドネツク西郊外方面でロシア軍が前進した」と報告、さらに「ロシア軍が後退した」と主張していたアウディーイウカ南郊外のツァルスカ・オホタについても「ロシア軍が支配している」と認めた。

参考:Хроника специальной военной операции за 28 января 2024 года
参考:Мапу оновлено!

リマン・クレミンナ方面

リマン・クレミンナ方面では先月10日頃「ウクライナ軍がシロカ・バルカ渓谷方向でロシア軍を押し戻した」と報告されていたが、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは28日「敵の強い抵抗に関わらずテルニー方向へ前進した」と、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも1日「ロシア軍がシロカ・バルカ渓谷方向で前進した」と報告し、以前に押し戻したと報告された範囲にロシア軍が再び戻ってきた。

出典:リマン・クレミンナ方面の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

さらにシルスキー大将は26日「東部戦線の状況は依然として厳しい。シヴェルシク方面では敵が戦術的ポジションを改善してシヴェルシクに向かうための条件を作り出そうとしている。敵は迫撃砲や大砲の支援を受けてクレミンナ方向やフリホリフカ方向への攻撃を試みたが失敗に終わった」と述べていたが、RYBARは「フリホリフカ方向に対するロシア軍の前進(どれだけ前進したかは不明)」も報告している。

因みにRYBARが主張していた「マキイウカ方向」「ディブロバ方向」「クレミンナ国立自然公園方向」の前進範囲は確認が取れなかったため戦況マップから削除した。

関連記事:ドネツク西郊外の戦い、ウクライナ軍が1km以上もロシア軍を押し戻す
関連記事:シルスキー大将、東部戦線のシヴェルシク方面とバフムート方面が厳しい
関連記事:アウディーイウカの戦い、反撃によってツァルスカ・オホタからロシア軍が後退か

ドネツク西郊外方面

ドネツク西郊外方面でも先月8日頃「ノボミハイリフカ郊外に迫っていたロシア軍を1km以上も押し返した」と報告されていたが、DEEP STATEは「ノボミハイリフカの北東でロシア軍が前進した」と報告し、RYBARが占領を主張してきた「要塞地帯の喪失」を認めた格好だ。

出典:ドネツク西郊外周辺の戦況(クリックで拡大可能)

ウクライナ軍が押し戻したノボミハイリフカ南郊外の状況は変化がないものの、ロシア軍はソロドキー北西に支配地域を拡大しており、ノボミハイリフカは3方からじわじわと囲まれつつある。

因みにDEEP STATEはマリンカからヘオリフカ方向へのロシア軍前進も報告、こちらも派手な突破はないもののウクライナ軍はロシア軍の前進を阻止出来ておらず、依然として苦しい状況が続いているのだろう。

関連記事:ドネツク西郊外の戦い、ウクライナ軍が1km以上もロシア軍を押し戻す

アウディーイウカ方面

DEEP STATEは先月25日頃「クライナ軍は主導権を奪い返すためツァルスカ・オホタ、ソボルナ通り、スポルティヴナ通り、チェルヌィシェフスコゴ通りで反撃を実施したが、3つの通りでは双方にとって困難な状況が続いている。ツァルスカ・オホタの状況を正確に把握していないが敵は同拠点から後退した」と報告、これに対してRYBARは「ロシア軍がツァルスカ・オホタを支配している」と主張していたものの、ウクライナ軍がツァルスカ・オホタ=を襲撃する映像が登場。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

これを受けてDEEP STATEはツァルスカ・オホタやその周辺を「グレーゾーン」から「ロシア軍支配地域」に変更、結果的に「ツァルスカ・オホタはロシア軍の手に落ちた」と認めた格好だ。

さらにロシア軍がのウクライナ軍陣地を制圧する様子も登場、この動きについてロシア人らは「浄水施設の背後を突く動きかもしれない」と予想している。

関連記事:アウディーイウカの戦い、反撃によってツァルスカ・オホタからロシア軍が後退か

 

※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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コメント

    • たむごん
    • 2024年 2月 01日

    ロシア軍の火力投射量、砲爆撃の格差を考えると、掩体のある防衛陣地の重要性を感じます。
    極寒の中、丸腰の塹壕での防衛は、あまりにも過酷ですね。

    プーチン大統領が、1月31日にアウディーイウカの一部を制圧した事に言及しており、政治的にも注目されています。
    ドネツクへの攻撃拠点となってきた事を、コメント欄の皆様も指摘されていましたが、その点が重要視されているようですね。

    19
      • MarkⅡ
      • 2024年 2月 01日

      ウクライナの塹壕って数十メートルの塹壕に補強した居住スペース設けてるだけの物が
      多くて砲撃されても逃げ場が無いのが多い。
      何もない平原でそれだと本当に逃げ場が無いので、包囲されても都市に籠りたくなるのは
      分からんでもない、その手の動画をちょくちょく見るけど、居住スペースが吹き飛ばされても
      塹壕の中に伏せてるしかなく迎えも中々来ない、恐怖でしかないね

      8
        • たむごん
        • 2024年 2月 02日

        仰る通りです。

        ウクライナ軍の前線部隊が、勇敢と感じているのは、そういった環境で戦い続けてる事ですね。
        アウディーイウカでは、ローテーションなく、最前線で2年間も戦い続けていて消耗しています…。

        第2次大戦の時のように、友好国が派兵して援軍に駆け付ける事は、2国間協定の中身を見れば派兵のない事が確定しています。
        上流階級は暖かい後方で、権力闘争や汚職をやっていますが、前線兵士が極寒の中で血を流しているうちに、着地点を見出して欲しいですね。

        11
    • 名無し
    • 2024年 2月 01日

    どっちが前進したかについては今のところロシア側の発表した情報の方が正しい場合が多いように感じる
    ウクライナによる大本営発表なのかそれとも情報の伝達も上手くいかないくらいに消耗してしまっているのか…

    20
      • 歴史と貧困
      • 2024年 2月 01日

      ①ロシアに取られる⇒②奪還⇒③再奪取される の流れだったとして、情報が錯綜していれば二重に入ってくることもあるでしょう。
      そして、情報を取捨選択する立場の処理能力が足りていなければ、①⇒③⇒②という「自分達に都合の良い流れ」で発表してしまう。大本営発表の組織体質に加え、そうした諸々が積み重なって今があるのではないかと。

      10
    • つぐみ
    • 2024年 2月 01日

    考えてみればリソース的に余裕のあるロシアがわざわざ誇大広告的に戦果を喧伝する必要もないという意味では、余裕のないウクライナよりも実態に近い報告をする可能性が高いように思える

    とはいうものの、2024年も既に1ヶ月が経過した中でこれといった大きな変化はなく、ウクライナがジリ貧でロシアに押し込まれるという構図は変わりないね

    20
      • 歴史と貧困
      • 2024年 2月 01日

      >ウクライナがジリ貧でロシアに押し込まれるという構図
      これは厳しいですよね。逆に言えばロシアが突出することもないので、引き込んで罠にかけることもできない。
      ひたすら地味な展開だけが続き、徐々に国力差が反映されていくだけという、ウクライナにとってはゴールのないマラソンを強いられ、ロシアにとってはローテーションさえ維持すればやがて勝てる流れ作業。

      24
    • MarkⅡ
    • 2024年 2月 01日

    もはやクリミア奪還なぞ夢物語か

    停戦するにもジリ貧では譲歩を迫られるが、支援がこのまま現状維持、
    又は減少するとなるとロシア軍を止める事って大分困難じゃない?

    ゼレンスキーラインと言っても、ロシアのコピーなら潤沢な砲と
    突破された際の穴埋め機甲部隊、航空部隊があってこそ機能する訳で、
    塹壕に兵隊押し込めるだけじゃ棺桶と変わらんように思える。

    話によるとゼレンスキーラインって相当前線に近いみたいだけど、
    欲張ると兵站に負担が掛かって犠牲が増えるだけってのを理解
    してないのだろうかね

    24
      • kitty
      • 2024年 2月 02日

      下手するとゼレンスキーラインの保持自体が目的化して戦力をすり潰しかねませんね。

      8
    • 歴史と貧困
    • 2024年 2月 01日

    ロシアに押し込まれ、ウクライナが奪還を主張しては、結局数週間後にはロシアに占領されている。
    12月以来、このパターンが定常的になってきてしまっています。
    兵站の負担、砲弾と兵士の枯渇、冬の寒さとここまで悪条件が揃えば無理もないでしょうが。

    17
    • 名無し
    • 2024年 2月 02日

    もう背水の陣になってる

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