カムイシン戦略産業相は「ボーダナの生産量は月産6輌で今後も生産量を引き上げる予定だ」と明かして注目を集めており、これは「ウクライナが独自に155mm自走砲を年間72輌以上も供給できる」という意味で、この数字は生産数を3倍に引き上げたフランス製Caesar(月産2輌→6輌)に匹敵する。
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ウクライナ製155mm自走砲の生産量はCaesarに引けを取らないところまで来ている
ウクライナの防衛産業はウクロボロンプロム(国営企業123社+持ち株会社9社)に集約化されており、主力戦車のT-84シリーズ、装甲車両のBTR-3、BTR-4、コザック、ヴァルタ、装輪式自走砲のボーダナ、多連装ロケットシステムのヴィルカM、戦術弾道ミサイルのサプサン(Grom-2とも呼ばれている)、対艦ミサイルのネプチューン、フェーズド・アレイ・レーダーのペリカンなど数多くの兵器を開発してきたものの、資金問題で連続量産されることは少なく、個人的には「海外輸出に重点を置いている」という印象を持っていた。

出典:Telegram経由
それもロシア軍によるウクライナ侵攻で一変し、ウクロボロンプロムの優先は「軍への兵器・弾薬供給」で「攻撃を避けるため大部分の生産拠点を海外に移した」と言われており、12月上旬に「ウクロボロンプロムが122mm砲弾をトルコ(もしくはアゼルバイジャンにあるトルコ企業の工場)で生産していることを示す写真」が登場して話題になったものの、カムイシン戦略産業相も27日の記者会見で「謎に包まれたウクライナのの兵器生産」について興味深いデータを披露している。
カムイシン戦略産業相は「ボーダナの生産量は月産6輌で今後も生産量を引き上げる予定だ。国営工場も装甲兵員輸送車の生産数を5倍に、対戦車ミサイルの生産も2倍に増やし、国営企業と民間企業が2023年に生産した装甲車輌の数は2022年の3.4倍だ」と言及、2S22Bohdana(ボーダナ)はクラマトルスク重機建設工場(KZVV)が開発した装輪式の155mm自走砲で、実用化に向けてフィールドテストを繰り返していた最中にウクライナ侵攻が勃発し、このプロトタイプを手に入れたウクライナ軍が黒海に浮かぶ蛇島(スネーク島)の攻撃に使用して話題になった。

出典:VoidWanderer/CC BY-SA 4.0 2018年の独立記念日に公開されたプロトタイプで量産タイプとは仕様が異なる
2023年1月に「国防省とKZVVの間でボーダナの連続生産に関する契約が締結された」と報じられていたが、マクロン大統領の要求に応じて増産したCaesarの生産量が「月産6輌(年間72輌)」なので、ウクライナ製155mm自走砲の生産量はCaesarに引けを取らないところまで来ている格好だ。
カムイシン戦略産業相が言及した装甲兵員輸送車はBTR-3やBTR-4、対戦車ミサイルはステューフナ-Pのことを指している可能性が高く、国営企業と民間企業が生産した装甲車輌には商用車ベースのコザックやヴァルタなどが含まれている思われが、2022年の数字が不明なので2023年の生産量を推定するのは難しい。

出典:U.S. Army photo by Sgt. Alexander Rector 演習に参加中のBTR-4
さらにカムイシン戦略産業相は「米国と共同でウクライナの防空能力を大幅に強化する5つの取り組みが進行中だ」「短距離、中距離、長距離など様々な取り組みが『FrankenSAM』という共通ブランドの下で行われている」「この取り組みは西側製防空システムの一部をウクライナ軍で使用されている旧ソ連製の防空システムに統合することだ」「米国製のミサイルが入ったコンテナを旧ソ連製のランチャーに統合するだけの取り組みもあれば、米国製ランチャー自体をS-300のような防空システムに統合する取り組みもある」と述べており、特に「西側製防空システムの一部をS-300に統合する」という話は恐らく初登場だ。
既に最初のFrankenSAM(BukシステムにAIM-7を統合したもの)はウクライナに到着して戦場で稼働しており、カムイシン戦略産業相は「新しいFrankenSAMが毎月到着してウクライナの防空を強化する予定だ」と述べているが、米国は12月上旬にFrankenSAM製造に不可欠な技術データをウクライナに提供しているため、恐らくウクライナはFrankenSAMを独自に製造できるようになる可能性が高い。

出典:VoidWanderer/CC BY-SA 4.0 Buk-M1
因みにカムイシン戦略産業相は自爆型無人機(FPVドローンではなく数百km以上の飛行が可能なウクライナ版Shahed-136のこと)の生産量について「数十機に過ぎない」と述べ、これが2023年の総生産数なのか月産数なのは不明だが、2024年は1,000機以上の自爆型無人機(1,000km以上の飛行が可能)を受け取れる可能性があるらしい。
追記:ウクライナ政府は2023年3月にウクロボロンプロムを改編してUkrainska oboronna promyslovist=ウクライナ防衛産業に変更したが、あまり「ウクライナ防衛産業」という名称は浸透していない。
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※アイキャッチ画像の出典:Mil.gov.ua/CC BY 4.0 2022年6月に蛇島を攻撃したBohdana(プロトタイプ)の様子
ウクライナで軍事関連の企業が相次いでいるってニュースがあったけど正確な数字忘れたな
ウクライナ侵攻以降、少なくとも100社以上とかだった気がする
他のニュースでも見る限りドローン関係は大分多そう
米国がウクライナ現政権に要求していた改革案において旧ウクロボロンプロム関連は主に中期目標以降でしたが、どこまで実現するのかが気になりますね。
これから次第に現物から技術と資金の援助に切り替えてゆくのかね。
兵器工場なんてキンジャールの良い的だと思うんですけど、地下工場でも有るんですかね?
記事読んで
生産拠点の大多数は国外移転済みみたい
つまり、移送に手間が掛かるとは言え兵器生産においてウクライナは聖域を手に入れたと言える
ナルホド、国産兵器でも国内生産とは限らないんですね。
日本も兵器のライセンス生産品のライセンス元国への輸出が出来るようになったので、参加出来ちゃいますよ‥これで日本製オプロートMがウクライナへと‥(建設用重機が造れる所ならいけそう)
そもそもロシアが宣戦布告すらしていないので今回は何にも当てはまらないのですが
仮に宣戦布告してちゃんとした戦争だったとして、敵国の国営企業が、第3国で兵器製造してた場合って、そこを特殊部隊が襲撃して破壊とかはアリなんですかね?
国際法上はどうなってるんでしょう
戦争って敵国の戦争継続能力を削ぐのが短期的な目標だと思うのですが、例えば100%兵器製造能力を第3国に移設してその破壊が認められないのであれば、人が居る限り永遠に戦えますよね
宣戦布告って必要です?
ボーダナの試作車は装填装置まわりが未実装でお世辞にも使いやすそうではありませんでしたが、当初の目標通りに完成しているなら速射機能まで実装される可能性もありカエサルや19式より高機能かもしれないですね(コンセプト段階ではアーチャーに近い自動化率を目標にしていた)。どのみち初期に欧米から供与された榴弾砲はもう寿命を過ぎてるはずで(内筒を交換できるなら別)、徐々に新品に置き換えていく必要はあったはずですからこれはいい話ですね。
砲じゃ無くてもっと弾作れよ!って思わなくも無いが長期戦見越してって事ですかね
フランクサムによって防空が強化されて前線にまた接近拒否が成立すれば膠着にもちこめるかもしれません
ウクライナの兵器生産が、海外拠点を拡充しているのであれば、継戦能力の強化に繋がります。
西側規格に揃えるならば、155mm砲の生産は不可欠ですね。
ウクライナのスビリデンコ第1副首相兼経済相が、フィナンシャルタイムズに失言を寄稿して炎上していることが気になっています。
EU・アメリカの支援が遅れているため、計約1200万人分の『公務員給与や年金の支払い』に遅延が生じると、わざわざ言及したためです…(当然、議会に影響するでしょう)。
年金は特に機微に触れるため、日本でも触れずにウクライナ支援を決めていたのに、自ら寄稿して何をやっているのでしょうかね。
やはり、文化の違いを感じます。
我々の失策ではなく外的要因で遅れていると言いたいんでしょう
責任を外に投げて後どうすんだよって話ですが
これで欧米批判が国内で盛り上がってもそれで慌てて支援するなんて事は無かろうし
仰る通りなんでしょね。
FTに、わざわざ寄稿して何やってるのかなあと…。
アメリカの年金は、401kなどにより、自己責任化が進んでいますからね(日本もですが)。
ウクライナの言っている事・やってる事が、ちょっと意味が分からなくて困惑しています…
日本政府は日本人に、『老後働け』と言っている所ですし。
問題を隠蔽する方が余程おかしいと気がつかないんですかねー
実際に遅延が生じるんだから隠しようがない話なんだが…
遅れる要因を説明するのは当たり前ですね
どうしろと
せめて代案くらい示したらどうですか?
それでは難癖つけてるだけですよ
ウクライナ人の年金・公務員給与を削るか、喜捨を大人しく待つしかないという考えですね。
日本人のお金が、世界銀行の融資を通じて(日本が連帯保証)、ウクライナ人の年金・公務員給与に充てられているのも好ましく思っていません。
日本国民への説明が、足りていないと感じているからです。
匿名さんは、ウクライナの年金や公務員給与を(予算カットせずに)、日本などが肩代わりしていく事に賛成なのですか?
論点ずれてますよ
しょーもないですね
非生産的ですよ。
多額の支援をしてる米国とか、例えば退役軍人向けの老人ホームとかはすぐにではないけど、将来的にはほぼ破綻が決まってるそうです
自国の退役軍人でさえ、将来的には寒空に放り出されるというのに・・・
情報ありがとうございます。
アメリカは、自己責任が徹底していますが、シビアな国ですね…。
ウクライナ人は、老人も働いて戦後復興する必要があるのに、少し意識のズレがあるのか気になっています。
欧米日がサンタさんになって、ウクライナに何でも無料プレゼントすると考えていない事を願っています。
ただ、生産を海外に移したということは,支払いを内国発行の軍票で払えないので資金枯渇が即操業停止につながります。
国外生産は必ずしも良いことばかりではないんですね。勝っている時は支払いを待ってもらう交渉も出来ますが,負けてくると金を借りるのも一苦労ですからね。
仰る通りです。
ドルが必要になりますからね。
他国に、ウクライナに輸出停止するというカード・ロシアにも輸出するカードを与える事にもなりますから、外交下手のウクライナが大丈夫なのかなあと。
明るいニュースなんですかね?
まあウクライナ国内優先なんだろうけど付加価値があるなら、外国と生産した兵器と別の兵器と交換してもらったりできるのでは?
フランス製のカエサルですら、車体部分の作りが甘くて故障多発しているそうです。要は、自動車ですから。フランス車の耐久性を想像すれば、まあさもありなんという感じですね。
車体は自動車産業の体力と技術がそのまま製品の品質と性能に直結します。
ハッキリ言えば,日本かドイツで作らないと、信頼性の高いものにはなかなかならないのが実情ですね。
まさに仰る通りです。
タダノのクレーンにしても、車体はトヨタだったりしますからね。
軍需産業・武器の信頼性は、民生品の製造技術・製造能力に大きく依存します。
うーんじゃああんまり期待できないってことかなあ
ロシアとかもどうしてるんだろうか
そういう話を聞くと、我が国の陸上自衛隊の19式装輪自走155mmりゅう弾砲は果たして大丈夫なのか?と不安にもなりますね。
フランスの自動車産業といいますが、今のルノーは日本の日産自動車と同じ会社であり、日産の社長は長らくフランス人のカルロス・ゴーンだったわけです。
他のシトロエンとプジョーは、アメリカのクライスラー、イタリアのフィアットと同じグループ企業であるステランスの子会社です。もはやフランスなのか、アメリカなのか、イタリアなのかもよくわかりません。
ところでロシアのサンクトペテルブルクには、日産とトヨタの工場があり今はそのままロシアの国営自動車工場になっています。日本の生産設備や、日産やトヨタから教育を受けた社員がそのままロシア軍の兵器生産に活用されるかもしれません。
仰る通りで、欧米が武器をウクライナに送っており、実戦テストになっていますね。
自衛隊の榴弾砲については、どのような条件で訓練を重ねているのか気になる所です。
(弾薬・砲身・足回り消耗品の在庫、橋梁・河川の走破、対ドローン・電子戦対策、制空権など)
軍需生産に応用できますから、仰る通り、工員が兵器工場で働く事も有り得ると思います。
>ところでロシアのサンクトペテルブルクには、日産とトヨタの工場があり今はそのままロシアの国営自動車工場になっています。日本の生産設備や、日産やトヨタから教育を受けた社員がそのままロシア軍の兵器生産に活用されるかもしれません。
ロシアは伝統の「低品質・低性能・少機能かつシンプルで頑健」ですね。西側機械と比べて性能も低く使い勝手も悪いが、とりあえずハンマーでぶっ叩けばなんとかなる、的な乱暴な設計と運用が持ち味です。
もちろん次々に壊れるんですが,構造が単純なので修理しやすいのと、何十年も基本設計を変えないので部品がやたらたくさん手に入る、というのがウクライナに比べると大きなアドバンテージでしょうか。
西側は質の代わりにデリケートで数が中々揃えにくい感じですよね。
整備やらなんやらも西側基準での運用想定なんで、ウクライナは使う場合大変そうですね。
エイブラムスとか乗りたくないって話兵士から出てますし。
西側兵器は圧倒的性能で短期に敵を無力化するのが原則ですね。こういう長期消耗戦に元々向かないんですね。
エイブラハムは性能維持のために12時間ごとにエンジンフィルタの掃除をやらないといけないそうで。米軍のように大量の支援部隊と支援物資を展開できるなら高性能を活かせるんでしょうが、輸送用のトラックすら不足してるウクライナ軍には持て余す兵器のように見えますね。
西側はまともな軍隊同士の戦闘とか第二次世界大戦以降まともにしてなくて、今までは非正規戦とかぐらいだったからですかね?
西側弾薬や砲弾の生産能力も大分落ちてますし。まあ、平時なら需要もないし必要ないから、その分投資や予算他に回したいってなるんでしょうけど。
アメリカに限らず西側って自分達基準のを他所に押し付けというか送るとこありますよね。そんなんちゃんと運用できる国限られてるでしょうに!
そう考えると他の西側が供与しようとしてる兵器もちゃんと運用出来るんですかね?
ウクライナが自走砲などのデカブツの生産を3倍に引き上げた
↓
ロシアが自爆ドローンの生産を5倍に引き上げた
どっちが有利?
ロシアの財務相が、予算たくさん出して、国産率41%を目指すとか言っちゃったのは衝撃でしたw。
つまり今の59%以上が、イラン・中国製なワケね。
ムスタと2S35 コアリツィヤの供給はどうなってますかね?
(T-80車体が正解だと思わなかった。)
西側がウクライナに供与したレオパルト2もチャレンジャーもカエサルも南部戦線で鉄の棺桶になった。ウクライナの作っている自走砲も同様に鉄の棺桶になるだけ。
攻勢の武器である戦車の損失はしょうがないとして、カエサルのウクライナに供与された49台のうち損失6(23/12/27まで)って、問題視されるレベルかなあ。
ドローンが飛び交い、発砲後の数分で反撃弾が飛んでくる時代。
カエサル方式の装輪自走砲のコンセプトはかなり評価されてますよ。ただ、カエサル自体は故障の多さで現場の評価は低いようです。ロシア製の粗悪車両に慣れてるはずのウクライナ軍が辟易してるそうなので,よっぽどなんでしょうかね。または、単にあまりに車両の種類が増え過ぎてメンテナンス要員が足りないウクライナ軍の個別問題でしょうか。
なんにせよ、生残性が高い分,長期の戦争では「長く使い続ける能力」も問われてきますから,その点でまだ改善の余地の多い兵器,ということになるかと。
アフリカの紛争では、トヨタのランドクルーザー、ピックアップの荷台に武装を取り付けた
「テクニカル」
が最も信頼性の高い武装車両とされているのも実戦、過酷な戦場で
「長く使い続ける能力」
に秀でているということでしょう。
ロシアでは今も日本から自動車を輸入し、サンクトペテルブルクにはトヨタと日産の自動車工場があり、プーチンは自分でトヨタのランドクルーザーを運転していました。
そればかりかロシア軍では陸上自衛隊の普通科連隊で使っていた中古の高機動車も使っているわけです。高機動車はロシア軍の基準でも実戦的で使いやすいということかもしれません。
仰る通りです。
NATO規格の砲弾に、報道などでは重点が置かれていると思うのですが。
メンテナンス部品・方法は、自走砲・戦車・装甲車など、各国から兵器をかき集めていますから複雑化してるんですよね。
砲身はよく指摘されますが、それ以外の消耗品も製造企業ごとに違いますし、新し目の部品でも少量生産で製造していない事がよくあります…(自衛隊も同様の問題を抱えているように見えます)。
ウクライナ戦争の動画を見ると、急発進・急加速・急ブレーキを繰り返していますから、パワステ・エンジン・ブレーキ、サスペンション・ベアリングなどの交換しにくい部品が、想定よりも消耗しやすいように感じます。
カエサルは他国の同じ155ミリ装輪自走砲と比べて、極端に自重が軽いんですよ。アーチャーが33トンなのにカエサルはたった17トンですからね。ほぼ半分です。
それだけ低コストで安く作れるんですが、当然車体の剛性は犠牲にならざるを得ず。長期に渡る射撃の衝撃に耐えられないんじゃないでしょうか。
喩えれば、他国の車両がいすずの4トントラックに載せてるところ、カエサルは軽トラにシステム乗っけてるようなものですよ。
そりゃ2年も酷使すれば足回りが壊れますよね,と。
管理人様が、過去記事でまとめられているのを見つけました。
仰る通り、カエサル自走砲の特徴・車体が軽い自走砲というコンセプトが、ウクライナ戦争の特徴に適していないようですね。
2年の酷使は、長いですよね…。
>フランスのルコルニュ国防相は「Caesarのダメージは深刻だ」と認めており、18輌の内1輌は完全に破壊(約1ヶ月前にロシア軍の無人機で破壊されもの)され、残りの17輌も地獄のような連射で発砲の衝撃を吸収するトラック自体に問題が発生したもの、摩耗した砲身の交換が必要なもの、タレット自体の交換が必要なものなど何らかの問題を抱えており…
(2023年1月2日 ウクライナ軍の自走砲や榴弾砲は地獄のような連射で消耗、保守体制が課題 航空万能論)
おお、既に1年も前にこの問題を取り上げていたとは・・・
航空万能論すげーな、とつくづく思いますね。軍事サイトといえば兵器スペック偏重で兵站に無関心なのが常ですが。
まともに兵站を論じられる場所がある,というのは日本の言論空間にとっても貴重ですね。