ウクライナ人が運営するDEEP STATEは21日「遅かれ早かれノヴォミハイリフカは敵に占領されるだろう」と言及していたが、22日に更新した戦況マップの中で「ウクライナ軍はノヴォミハイリフカを失った」と報告した。
参考:Зеленський: РФ хоче до 9 травня захопити Часів Яр, але розраховую, що ми витримаємо
参考:Мапу оновлено!
参考:Хроника специальной военной операции за 21 апреля 2024 года
コスティアンティニフカを巡る戦いが始まるのも時間の問題だ
ゼレンスキー大統領はNBC Newsに「ロシアは6月1日までに30万人の兵士を動員したいと望んでおり、5月9日までにロシアはチャシブ・ヤールを占領したと考えているが、我々は敵の攻撃を撃退できると期待している。そしてロシアが準備している6月の本格攻勢を阻止するつもりだ」と明かしたが、30万人の動員が「新たな強制動員」を意味しているのか、契約を通じた兵士(主に予備役)の雇用数を意味しているのか不明だ。
さらに「5月9日までにチャシブ・ヤールに占領する」という話も「ウクライナ諜報機関の情報」なので事実かどうか確証がなく、管理人的に「○○までに占領する計画」というのは「敵が計画を達成出来なかった」とアピールするための情報戦に過ぎないと思っている。
ゼレンスキー大統領が言及したチャシブ・ヤールについてロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは21日夜「ロシア軍が解放したボダニフカの先に広がる森林地帯に支配地域を広げた」「ロシア軍がイワニフスキーからT0504沿いに前進している」と報告。
目に見える形での前進は○で囲った部分のみだが、ウクライナ人が運営するDEEP STATEは何も言及しておらず、視覚的にもRYBARの主張は確認されていない。
比較的平坦なボダニフカですら占領までに約4ヶ月、イワニフスキーに関しては未だに占領が確認されておらず、この状態から2週間強でチャシブ・ヤールを占領するには前線が急速に崩壊するか、両翼からの包囲が実現しないと到底達成できないだろう。
アウディーイウカについてはDEEP STATEが22日に更新した戦況マップの中で「ロシア軍がオケレタイン集落内で支配地域を広げた」と報告している。
DEEP STATEの報告はオケレタイン集落内に取り付いたロシア軍を攻撃する視覚的証拠Ⓐで確認が取れており、ロシア軍は郊外の変電所を確保して集落内の建物に出入りしているため、これを早急に追い出せないとウクライナ軍はジワジワとオケレタインを失うことになるだろう。
さらに問題なのはドネツク西郊外の状況で、RYBARは「ロシア軍がクラスノホリフ市内の南部分で支配地域を広げた」と、DEEP STATEは「ロシア軍がノヴォミハイリフカを占領した」「ロシア軍はノヴォミハイリフカの南で前進した」と報告。
DEEP STATEは21日「ノヴォミハイリフカ集落の大部分は敵の支配下にある」「さらに集落の南側でも戦闘が発生している」「遅かれ早かれノヴォミハイリフカは敵に占領されるだろう」と述べていたが、もう「ウクライナ軍はノヴォミハイリフカを放棄して郊外に後退した」と評価しているのだろう。
RYBARも「ノヴォミハイリフカ集落の大部分を制圧したが敵は集落西郊外に陣地を維持している」と述べて完全占領を否定しているが、もはや集落の運命は決しており、DEEP STATEもロシア人しか認めてこなかった「ノヴォミハイリフカ南の前進」を認めたため、コスティアンティニフカを巡る戦いが始まるのも時間の問題だ。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
戦後を考えると東部の親露的人間が多く残ってると内政不安の原因となりうるので、
支持基盤である西部とキエフを中心とする都市部の人間は出来るだけ温存しつう、
東部の人間を出来る限り徴兵してある意味使い潰す必要がありますね。
また、確かウクライナは受刑者の従軍の法案も通してたと思いますので、こちらも使い潰して出来るだけ戦後に残さないように。
そうすれば戦後は西部と都市部という支持基盤が温存され、受刑者も激減し祖国防衛の栄誉も支持基盤で独占できます。
これは西側支援国にとっても親露派が消えてくれることは大きなメリットのはずです。
前線でロシアの所謂ストームZと戦うのは東部の親露的疑いのある人間と受刑者で編成された部隊が担当し、
その後方に支持基盤の西部と都市部の人間で編成され西側装備の充実した部隊が予備として控えるというのが理想的なのではないでしょうか。
問題は前線貼り付けの部隊を逃亡させずに如何にして必死に戦わせるかですが、
そこはいろいろ”知恵”を絞っていただければなと。
世界の敵、ロシアを削るためなら若干人道的に問題ありそうでも西側支援国は見て見ぬ振りをしてくれるし、
なんなら決死の覚悟でロシア兵と刺し違えるウクライナ兵という美談に仕立て上げてくれるはずです。
そういう用兵や布陣の工夫などは、戦国時代とか、関ヶ原の合戦のころからありますが、なかなか上手くはいかないもの、上手い知恵や陰謀、策謀というのはなかなかないものです。
武士同士を戦わせて、自分たちは直接手を汚さずに政治的実権を奪おう、というような、京都の公家のような発想です。深作欣二監督の映画、
「柳生一族の陰謀」
もそういう陰謀の話でした。成田三樹夫が烏丸中将という強すぎる公家を演じていました。
私も昔、プレステの
「信長の野望」
というゲームをしたことがありますが、だいたいそういう場合は前線貼り付けの部隊、忠誠度の低い武将はそのまま敵の武将に寝返ってしまうことが多いのです。人間の心理として当然の話であり、プレステですがよくできたゲームです。
陰謀や策略の結果、前線貼り付け部隊の寝返りが続くと、結局、後に残るのは卑怯で臆病な、京都の公家のような都会人で編成された部隊だけになってしまうのです。
隠れていても獣はドローンでわかりまするぞ
糞笑ったわ。烏丸中将現代版やめい
まさかこの掲示板、この話題で「柳生一族の陰謀」がでてくるとは。
私は梯子を外されて討ち死にした夏八木勲演じる別木庄左衛門が好きでした。
しかし、おっしゃるように人は思うように動いてくれないものですよね。ただの会社の少人数の組織でさえ難しいのに、命のかかった場所で将棋の駒のように人を動かせたら、それこそまさに軍師ですね。
何で西部とキエフとか都市部がロシア軍に占領されないと思えるのかが不思議です。
もう1つの問題点は政府が西部と都市部の支持基盤を維持するには東部からの金の代わりが必要な事くらいですかね
思想抜きにすると裕福な少数民族と貧しい多数派民族の対立のアフリカ的側面があったので
ODAをあげるかIMFの借金漬けにして構造改革を迫るかの2択ですね
ウクライナ軍は、いついつまでに〜というニュアンスでロシア軍の動きを予測しますが、何かしらの効果があるんでしょうかね?
個人的に淡々とロシア軍が制圧地域を拡大されてるという印象しか持てませんし、ウクライナ軍が領土を奪還したという結果以外に第三者にアピールする事は出来ないと感じてしまいますね。
ロシア軍「が」 → ロシア軍「に」
すぐ鵜呑みにする思慮の足りない人を騙せる
YouTubeの動画のようにプーチンがまた期限を設定して軍に無理攻めさせて大損害出してるぜプークスクス…みたいな?
なんだかんだロシア軍がうまく行っていない、自軍がコントロールしていると大衆層に主張するのには役立ってるかと。
その分アウディーウカを主張した時点までに失ったのは象徴的なコントロールの崩壊でしたね。それがないように今から2週間でチャシブヤールをという無理筋なのでしょう。
大損害被りながら無理攻めしてる軟弱ロシア軍と西側装備の精強な大正義ウクライナ軍という印象植え付けたいんじゃろ
実際反攻作戦()前まではここもそんな世論(?)だったし
日本は今でもそんな感じの意見多いですね。
ロシアを見下してるサイトなんかはノヴォミハイリフカ陥落は、アメリカの武器支援が決まって、無理に守る必要がなくなったから撤退したとかそんな感じです。
自分もそう思います、期限を付ければ無理攻めで
兵の損失理由になりますから
事実はどうかわかりませんが、端から見れば
兵不足に陥ってるウクライナのが人的被害が
大きいと視えるんですが
空取られてしこたま滑空爆弾撃ち込まれて砲撃を自軍の数倍以上受け続けて損害が相手より小さいはあり得ない定期
特に意味はないと自分も考えます。
国力差、砲爆撃能力の格差、対空ミサイルの不足は変わらないからです。
占領されれば、その先の街も砲爆撃圏内に入り、街は瓦礫の山になるか仰る通り制圧地域を拡大されます…。
チャシブヤールはロシア国民はおろか多くのウクライナ国民にさえ知られてなかった街なんだよな。
軍事的には重要拠点だけど、プーチンが国民に向けてアピールできるような政治的に価値のある街じゃない。
バフムートはプリゴジンが積極的な情報発信で政治的に価値を吊り上げただけで、元々バフムートも誰も知らない政治的には価値も無かったところ。
東部でマリウポリと同じくらい政治的価値がある有名な街で未制圧なのはクラマトルスク・スリャビャンシクだろう。
ドネツクの州都、親露派の武装蜂起発端の街だ。
管理人様の仰る見解に同意します。
チャシブ・ヤール防衛期限を宣伝した所で陥落すれば、ウクライナのドネツク州政庁などがある都市圏、クラマトルシク・ドルジキフカ・コンスタンチニフカが高所からの砲撃範囲にあります。
ウクライナ軍の電波拠点が、動画内で重点的に破壊されている解説・映像があります。
管理人様の記事コメント内で、電波拠点は高所が有利との指摘されている方がいらっしゃいました(ラジオなんかもそうですね)。
ロシアが占領すれば、逆に電波の拠点にされるわけですから、無人機攻撃が活発化・電波妨害が広域に広がる事に繋がりそうです。
(2024/04/20 44:35~ 【深層NEWS】防空兵器枯渇にウクライナ危機感。東部要衝チャシブヤールで攻防激化。現地で支援活動を行う日本人写真家が見た激戦地の今。ウクライナ軍特殊部隊 … Youtube)
欧米メディアはもちろん、日本の大手メディアや何より当のウクライナ自身が普通にウクライナの苦戦・劣勢を連日報じているのに、なぜ日本は未だにウクライナ側の連戦連勝からの戦勝ムード一色なのだろうか。
反攻作戦の頃からともかく、今そんなメディアあります?
1930とかプライムニュースとかでも、ウクライナの苦境や滑空爆弾の脅威について、盛んに報じられていると思いますが。
廣瀬陽子さんなどは、アメリカの支援が滞った事がこの惨状を招いたと、かなり憤っていましたし(笑)
主観的な話しですが、むしろForbesとかの方が、楽観的なニュースを上げ続けているイメージがあります。
山田さんも航空太郎さんも、落ち着いて文章を読み直した方が宜しいかと。
昨今そんな威勢の良いメディアも無くなったのに、(多分ネット上が?)戦勝ムードが続いているのがおかしいよねと言う話かと思います。
読み直してみて、誤読していることを理解しました。ご指摘ありがとうございます。
ただ、「ウクライナ側の連戦連勝からの戦傷ムード」という、そんな雰囲気に染まった日本というのがどこなのかイメージできませんでした。そういう一部界隈があるといったことなのでしょうか?
gepardさんが指摘されている方々ってことなのかな? それだと「日本」はちと大き過ぎる枠かな、と。
威勢のいい記事ばかり掲載しているのは、Fobes JapanのDavid Axe氏くらいなものでは?
確かにピンポイントでは、高額なAWACSや、S-400防空システム、レーダー網連携の要である空域監視車両ファンダメントM撃破、黒海艦隊への攻撃による戦果などは報じられてるものの、陸戦ではロシアの猛攻に対して撤退を余儀なくされて苦戦、このままでは崩壊しかねない、アメリカの支援がなければ負ける、と盛んに報じられてましたよね。
リアルでの新聞紙面などは流石に現実を反映してかなり落ち着いた様子ですが、未だに一部の言論空間でのミリオタ崩れのインフルエンサー気取りのアカウントが、適当なデマやロシア最弱論をぶちまけてはいいね・インプレ稼ぎしている醜態を言っているんでしょうね。
ああいう手合いは相手にせず現実の戦争を追いかけているほうが私は興味深いですが。
(21世紀最初の大規模国家間正規戦をリアルタイムで追いかけられるのは、ミリオタならこの上ない幸運でしょう)
リンク
Military landによると、オケレタインでの露軍の前進は一部の部隊が命令なしに陣地を離れたためだという。必要な交代のために作戦区域を離れようとしていた第47機械化旅団は戦線の穴を塞ぐため引き返し、この地域に再び派遣されたとのこと。
チャシブヤールでの右派セクターによるスキャンダルに続く醜態であり、ウ軍の士気練度の水準はかなり低くなっている模様だ。
230億ドルの追加の米支援が効果を発揮するのはある程度の時間が必要であり、ウは戦線の崩壊を防ぎ、時間を稼ぐため精鋭部隊を酷使せざるを得ない戦況。
情報ありがとうございます。
指揮命令系統だけでなく、組織としての統率が気になる事が増えているように感じています。
精鋭部隊・職業軍人は。予備隊として温存・教官・指揮官として活用。
徴兵した兵士は、最前線は損害が避けられないため、配置するのが定石ですよね。
米軍支援は仰る通りで、ネットバンクの現金送金のように、ワンタップで瞬時に移動するものではないですからね。
武器は、危険物かつ重たいものもありますから、倉庫~積み込み~海上輸送~運搬まで考えると、アメリカ本土から前線にすぐ運ぶのは不可能ですね。
NASAのFIRMSで確認。
オレケタイン南部で反応あり。座標48.24047,37.60384
また、2枚目の地図の左上の角の辺りの湖周辺でも火災反応。集積地でもやられたのかな……?