ウクライナ戦況

間違った情報|ウクライナ空軍司令官がマリウポリ方向で撃墜したSu-34の映像を公開

ウクライナ軍参謀本部は1日「ロシア軍のSu-34を東方向で撃墜した」と発表、オレシュチュク空軍司令官も2日「3月1日朝にマリウポリ方向で撃墜したSu-34の映像」を公開して「今回は目視で撃墜を確認した」と述べた。

参考:Микола ОЛЕЩУК
参考:Россияне потеряли еще один самолет и почти тысячу вояков

3月1日朝にマリウポリ方向でSu-34が撃墜された可能性が高くなってきた

ウクライナ軍参謀本部は1日「誘導爆弾で我々の陣地を攻撃しようとしていたロシア軍のSu-34を東方向で撃墜した」と発表、オレシュチュク空軍司令官も2日「3月1日朝にマリウポリ方向で撃墜したSu-34の映像」を公開して「空軍は遠距離で交戦しているため撃墜の証拠を常に提示出来るわけではない」「しかし今回は目視で撃墜を確認した」と述べた。

ウクライナ軍は2月17日以降にロシア軍機を14機撃墜したと主張しており、17日に報告されたSu-34×2機とSu-35×1機、19日に報告されたSu-34×1機とSu-35×1機の撃墜場所は遭難信号の発信(Cospas-Sarsat Programme)によって「ドネツク州アムウローシイウカ周辺」と「ドネツク州マリウポリ周辺」と特定され、ロシア人も「17日にSu-35が撃墜された」と認めており、19日撃墜されたSu-35についても「海に浮かんでいる視覚的証拠」が登場。

23日に報告された「クラスノダール地方上空でA-50撃墜」も視覚的証拠で撃墜が確認されており、24日にヘルソン州ヘニチェスクで墜落したSu-34についても住民が墜落現場の映像を公開しているため、今回の映像も含めると8機の撃墜について「何らかの証拠」が提示されている格好だ。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

ウクライナ軍の発表が事実かどうかは分からないが、3月1日朝にマリウポリ方向でSu-34が撃墜された可能性は高くなってきた。

追記:プロパガンダ色の強い「Повёрнутые на Z войне」の反論なので、これが事実だと鵜呑みにも出来ない。もう信じたい方を信じればいいと思う。

追記:2月28日にYouTubeで公開されていたマリウポリ方向の動画だと確認、誤った情報を紹介して申しわけありませんでした。

関連記事:ウクライナ空軍は29日にSu-34を3機撃墜したと発表、ロシア人は否定
関連記事:ウクライナはSu-34撃墜、ロシア人はアーチャーやNASAMSの破壊を主張
関連記事:ヘルソン州ヘニチェスクでSu-34が墜落、ウクライナ軍による撃墜の可能性も
関連記事:ウクライナ空軍がクラスノダール上空でA-50を撃墜、S-200を使用か
関連記事:ロシア軍はA-50を下げざるを得ない、その分だけ前線上空の認識力が低下
関連記事:A-50撃墜はドニプロ市攻撃の報復、ウクライナ空軍司令官が関与を仄めかす
関連記事:ウクライナメディア、アゾフ海上空でロシア軍のA-50を撃墜したと主張
関連記事:ウクライナ軍参謀本部、オデッサ方向でSu-30SMを撃墜したと発表
関連記事:ウクライナ空軍、マリウポリ方面でロシア軍のSu-34を1機撃墜したと発表
関連記事:ウクライナ空軍、南部方面でロシア軍のSu-34を3機撃墜したと発表
関連記事:偽物かどうか見破るのが困難な装備のダミー、ロシア軍は数百の弾薬を浪費
関連記事:ゼレンスキー大統領が自軍の戦死者数に言及、3.1万人の兵士が死亡

 

※アイキャッチ画像の出典:Микола ОЛЕЩУК

仏外相、フランス人がロシアを止めるためウクライナで死ぬことはない前のページ

驚くほど脆弱なウクライナ軍の防衛陣地、要塞要素が欠けた初歩的な塹壕のみ次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ウクライナ国防省、ロシア国家親衛隊による軍関係者の逮捕が始まった

    ウクライナ国防省情報総局は8日、国家親衛隊の精鋭と知られるジェルジンス…

  2. ウクライナ戦況

    ロシア軍に破壊されたAn-225の復元を誓うウクライナ、勿論費用はロシアに請求

    世界最大の飛行機「An-225ムリーヤ」をロシア軍に破壊されたアントノ…

  3. ウクライナ戦況

    ザルジニー総司令官が反攻作戦の評価に言及、私が間違っていた

    ウクライナ軍が開始した「待望の反攻作戦」は5ヶ月間で17km前進という…

  4. ウクライナ戦況

    元豪陸軍少将、ロシア軍の防衛ラインは過去80年間の中で最も複雑で致命的

    Economist紙は30日「ウクライナの南進は始まったばかりで、まだ…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナが開発中の自爆型の無人航空機、早ければ年明けにも実戦投入

    ウクライナのウクロボロンプロムは4日「最大1,000kmの作動範囲と7…

  6. ウクライナ戦況

    バフムートの戦い、ロシア軍が失地を奪還してクロモヴェを占領か

    バフムート方面についてロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは「ロシ…

コメント

    • ロスポテン
    • 2024年 3月 02日

    野原の火災動画ですが、最初に投稿されたものは2月28日だったようです。また撮影された位置もマリウポリとは全く別のタガンログ付近ということでした。あと記事で紹介されている動画はほんの数秒ですが、最初に投稿されたものは12秒となっており、落下する機体のような影はフロントガラスの汚れであったことは明白です。とはいえ野原で火災があったのは間違いないようです、しかしそれを戦闘機などの撃墜の証拠とするのは無理があると思われます。

    25
      • kame
      • 2024年 3月 02日

       動画についての情報ありがとうございます。
       投降時間等の経緯は別にしても、確かに動画単体だと戦闘機かどうかは判断できない気もしますね。

      19
      • ヒュー
      • 2024年 3月 03日

      ただの野焼きではないかと指摘されてますね。

      8
    •  
    • 2024年 3月 02日

    偽物だったみたいで親ウ垢達も削除してる
    ウクライナもすぐバレるようなウソをなんでつくのか分からん。
    今までの発表の信頼性も無くなってしまうのに
    私ははじめから信じてはないですけどね

    37
    • 名無し
    • 2024年 3月 02日

    ロシア側の記録だと実際には3機であり、やや多め程度と言われてますね

    3
    • たむごん
    • 2024年 3月 03日

    ほんと難しいですね…。

    15
      • たむごん
      • 2024年 3月 03日

      ウクライナ軍の報道官について、記者が、彼らの発言をチェックする事ができないと答えています。

      戦時中と言えども、メディア取材の許可を減らしすぎており、プロパガンダによる悪影響(現場との乖離)を懸念しています。

      大本営発表のように、なっているのかもしれませんね…。

      (2024年3月2日 NHK、戦火の放送局II〜ウクライナ うつりゆく“正義”)

      9
    • T.T
    • 2024年 3月 03日

    ドンマイです。虚実入り交じる戦争情報を取り扱うのは難しいですよね。
    私は以前、ソ連は火星有人飛行を成功させていたという動画を30分間拡散して慌てて削除したことがありますw

    31
      • どんまいける
      • 2024年 3月 03日

      >ソ連は火星有人飛行を成功させていた
      とんでも情報で草ww

      22
    • fusa
    • 2024年 3月 03日

    私の毛根は無事です

    22
      • たむごん
      • 2024年 3月 03日

      毛髪の墜落が止まりません。

      22
      • 理想はこの翼では届かない
      • 2024年 3月 03日

      ウクライナ・ロシアのプロパガンダよりも酷いプロパガンダを見た
      あまりにも不毛過ぎます

      59
      • 匿名
      • 2024年 3月 03日

      あなたの頭皮は堕落しました…😔

      6
      • Whiskey Dick
      • 2024年 3月 03日

      中国政府の植林事業みたいに生え際を黒マジックで塗ってみてはいかがでしょうか。

      8
        • shkk
        • 2024年 3月 03日

        学生の頃自分で髪切って10円ハゲ作った時もマジックで塗るだけでほとんど分からなくなったので地面が多少見えてる程度ならかなり効果的。これもいわゆる迷彩効果ですね

        もちろん全体が砂漠化してるところだと迷彩効果無いですけどね
        ちなみに私は薄毛ではありません(大本営発表

        (マジレスすると眉毛を書き足すようなものなので当然ではありますが、ちょっとの薄毛ならかなり自然な仕上がり)
        (実際に薄毛専用のパウダーは化粧品として存在してますしね)

        4
    • 朴秀
    • 2024年 3月 03日

    空軍司令官が堂々とデマを流す国なんですね
    そんな国の何を信じればいいのか

    28
      • paxai
      • 2024年 3月 03日

      ウ参謀本部が報告した昨日の空爆回数は100回(個人的印象としては100は相当多い)だからここ数日の発表はモリモリとみて間違いないと思う。

      雑感だが今日はMLRSも161回と圧倒的な手数で攻撃してるのに成果はイマイチなロシア軍・・・防御有利が相当なのか将軍がパッパラパーなのか分かんねえや。

      8
    • gepard
    • 2024年 3月 03日

    空軍の公式がこの程度のデマしか流せないレベルで元からない信頼を失った印象。
    初見でも火事の燃え方が航空燃料火災のドス黒い煙には見えない時点で怪しむべきかもしれない。

    ロシア人はマスキロフカとして、ウの過大な戦果を認める様なフリをして、現状認識を混乱させ作戦に役立てる欺瞞戦術を使用する。昨年夏の反攻作戦では親ウ情報源が主張するロシアの予備隊不足や火力不足を認める様な発言がロシア側から相次いだが、これは前線の現実とは異なっていた。

    これまでのマトモな視覚的証拠無しの撃墜戦果はほとんど信じるに値しないと個人的に思う。

    28
    • nanashi
    • 2024年 3月 03日

    現状滑空爆弾が投下されれば最後、探知も迎撃も不可能ですからね。
    無音で飛翔しいかなる防御陣地も粉砕する滑空爆弾と言う正に死の恐怖そのものが、ウクライナ兵に幻を見させているのでしょう。

    22
    • 241
    • 2024年 3月 03日

    ロシア空軍が活発に活動し毎日爆弾やロケット弾を投下してくる情況で、味方の地上軍に対して戦果を目に見える形で上げないと、というプレッシャーもありそうですね。

    16
    • Easy
    • 2024年 3月 03日

    現場将兵を中心に滑空爆弾への恐怖が非常に強く。
    何らかの対策を要求されているがぶっちゃけどうしようもないですから、Su撃墜が順調と叫んで誤魔化すしかない、と。
    台湾沖航空戦を彷彿とさせますね。

    17
    • とある経営者
    • 2024年 3月 03日

    こうなってくると日本もパトリオットをウクライナへ提供しろという声が出てくるのが心配だ。そのためのウクライナ側のプロバガンダである可能性も考えないと

    7
    •  
    • 2024年 3月 03日

    信じたい方を信じればいいとはまさにその通りで
    戦争の只中、プロパガンダ合戦に巻き込まれた市民に正しく情報を理解することはとても難しい。それは国境を跨いでも変わらない。だからこそロシア国内の個人個人がたとえどれだけウクライナ人をころしたいと心から願っていたとしてもそれをを個人のせいにはできない。ぜひ戦中不戦派日記を読んでほしい。日本人だからこそ今回の戦争で思うところが出ると思う。なんにせよ、ウクライナの勝利で戦争を想起終結させて両国国民な等しく戦火から解放されるといいのだが。

    5
      •  
      • 2024年 3月 03日

      >ロシア国内の個人個人がたとえどれだけウクライナ人をころしたいと心から願っていたとしても

      プロパガンダにやられてるのは貴方のようですね

      16
    • ポンポコ
    • 2024年 3月 03日

    最近、突然に撃墜数が増えているので、ウクライナが英米から、新たな対空ミサイルを供与されたのか?

    ウクライナ側の過大戦果宣伝か?

    どちらかは、分かりませんが、今のところロシア軍の爆撃回数は減ってないような感じですね。

    7
    • 999
    • 2024年 3月 03日

    本当にウクライナの発表のペースで撃墜されまくってるなら、早晩ロシア軍機の攻撃は無くなる訳で、そうなるかならないかで判断すればいいと思う。

    10
    • 冬戦争
    • 2024年 3月 03日

    「人は自分の見たい物を見る」シーザーの言葉です。これを心理学では確証バイアスと言います。人間の認識や思考には様々なバイアスが無意識の内に掛かり、それが正確な認識や合理的な思考を狂わすのです。それが判断ミスを生む大きな要因となります。時に大きな悲劇を生むことにもなります。だからこそ物事を見るときには出来るだけバイアスが掛からないように客観的に公平に見るようにしなければなりません。まあ難しいですけどね。でもできる限り客観的に公平に見てみようと思います。

    8
    • AN/ALQ-119
    • 2024年 3月 03日

    個々では景気の良い話が出ていますが全体では…
    これだけ撃墜されてる話を聞くと、ソビエト/ロシア製SAMとの戦闘経験豊富なアメリカ製の機体と違いにSAMとの戦いを碌に経験していないロシア側との経験の差が出来ているのかなと愚考
    ウクライナ側の機上ECMシステムはロシア以下でしょうが・・・

    3
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  2. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  3. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  4. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  5. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
PAGE TOP