Leonardoのチンゴラーニ最高経営責任者は「まだ英国からGCAPに関する具体的な能力を提示されていない。開発範囲を定義する能力評価や産業パートナーの役割が非常に曖昧だ。情報共有なしで計画を進めるなら20年近くに及ぶコンソーシアムの構築など不可能だ」と批判した。
参考:Leonardo CEO criticizes UK for lack of transparency on GCAP industrial plans
2025年までに要求要件を固めることが出来るのか心配になる内容だ
英伊日は2022年に次世代戦闘機を開発する枠組み=Global Combat Air Programを発表、3ヶ国はコア・プラットホームの開発作業を来年から始める予定だが、Leonardoのチンゴラーニ最高経営責任者は記者団に「まだ英国からGCAPに関する具体的な能力を提示されていない。開発範囲を定義する能力評価や産業パートナーの役割が非常に曖昧だ。パートナー間の関係性は協力的で透明なものでなければならず、情報共有なしで計画を進めるなら20年近くに及ぶコンソーシアムの構築など不可能だ」と批判。

出典:Leonardo SpA
チンゴラーニ氏は「英国側がSystem of Systemsの開発にどう関わってくるのか、最終的に有人戦闘機が無人機やAIとどうやって連携して相互接続するのかを知りたいのに、英国側の言及にはその様なものが一切見当たらない。ただ『他国と一緒にやっている』としか聞いておらず、これは能力評価と呼べるものではない」とも指摘し、Breaking Defenseは「Leonardo側の不満に英国防省は過去の発表(2025年に開発作業を開始できる準備が整っている)を繰り返しただけだった」と報じている。
因みにチンゴラーニ氏は「第6世代戦闘機をSystem of Systemsの話抜きで作るのはナンセンスだ」「単に次世代プラットフォームが欲しいだけならF-35を改造した方が簡単だ」とも付け加えており、2025年までに要求要件を固めることが出来るのか心配になる内容だ。
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※アイキャッチ画像の出典:Leonardo SpA
具体的な仕様が何も決まってないという事?
いやこれ2035年に間に合うの?
日本は既に三菱が基礎設計を始めてると聞くし調整で揉めて遅れるようなら離脱して独自に開発するんじゃない
日本政府に、独自開発するだけの予算は無いと思うぞ。
計画が遅延して開発費が高騰したら、
もっと予算的に厳しくなる可能性がある。
まあその辺は戦略的な判断が必要になると思われ。
どこ情報?
防衛省の予算概要にR4時点で「基本設計に着手」以降毎年「基本設計を継続」となってはいますね。
三菱重工が求人も出しているので、ここ数ヶ月で人員を拡大して本格的に着手するものと思われます。
①空力設計
試験や、形状設計、解析、飛行特性等。
②サブシステム設計
降着・環境制御・燃料・武器などのシステム設計。
③飛行制御システム設計
システムインテグレーション、制御用コンピュータ、各種制御ソフト等。
④構造設計
構造デザイン、解析等。
三菱重工は12式対艦系もASM-3系も高速滑空弾も極超音速誘導弾もUAVもやってますしここ最近増えた防衛費による事業も1番獲得して仕事もますます増えてますので、次期戦闘機のために慌てて求人出してる訳ではないかと。
要素技術はまず大丈夫だろうって信頼感はあるけど、それを統合して制御するソフトが不安しかない。
産業のソフトウェアは、日本もそこまで不得手というわけではないから
次期戦闘機のための求人ですよー。
【愛知/第二新卒可】次期戦闘機の全機設計取り纏め/防衛固定翼航空機の技術管理
次期戦闘機における設計取り纏め及び、技術管理業務等をご担当いただきます。次期戦闘機とは:F-2支援戦闘機の後継機として防衛省が開発を進めている航空機です。
他にも下請けの各企業が装備品設計などの求人を同時に掲載し始めています。
かなり規模を拡大して本格的に設計に取り組むのは間違いなさそうですね。
失礼しました。返信先を間違えました。
バーナーキングさん宛になります。
ウ露戦争の戦果がフィードバックされた機体とフィードバックされていない機体、どちらが欲しいですか?
と思えば急ぎ仕様固める必要は英国紳士には無いんじゃないですかね
日本と産業界は困りますが
今決定できる仕様で日本向けTR1作って、ウ露戦争のフィードバック版TR2作るとかが素人には無難に思えますな
元の記事を英語のまま読ませていただきました(英語が母語)。
Leonardoさんの不満は仕様が決まっていない点というよりは、イギリス側が秘密主義すぎという点であり、今は作業分担の交渉の真っ最中で、各業者のcompetance(能力)のassessment(評価)上、BAEとしては何の実績があってどういう能力があるのかを秘密抜きで教えてもらわないと困る、というのが不満のようです。どうやら、BAEは「何々の国と過去に開発したことがある」というあいまいなことしか教えてなく、そんなんじゃ評価できないからわ!といった不満ですね。
ただこの話の裏には、記事にも書いていますが、Leonardo社はSystem of Systemsの開発に自信があると言っており、作業分担の交渉上、交渉力の獲得が狙いでしょう。まあ、プロジェクトの段階的に、いまがチャンスだと思っていますね。
GCAPのSystem of Systems部分をどこ担当にするか、の綱引きなんですね。
BAEとLeonardoが競合してる分野なので、どっちも引けない、System of Systemsなしに次期戦闘機は飛ばせない以上、日本にも関係のある話なので早めに決着すれば良いのですが
>>(2025年に開発作業を開始できる準備が整っている)を繰り返しただけだった
ああ、これは何もやってないな
宿題やってない子供の「ちゃんとやってるもん」だ・・・
軍事産業が、予算も中身もフワッとした話に、付き合う時代は終わっているのかもしれませんね。
ウクライナ戦争を見ていても、欧米防衛企業の政府に対する信頼の低さ(増産への付き合い方)を、感じる事があります。
もう無理なんでしょうけどあくまで日本主体の開発でBAEが協力するって言ってた頃の計画に戻りたいですねぇ
GCAPは次世代戦闘機プラットフォームの開発プログラムであって、連携する無人機システム等は日英で構想が大きく異なるため其々別途に開発されます。
ちなみに、以前の当ブログ記事「英国のステルス技術と専門知識、イタリアや日本よりも遥かに優れている」中、「FCASはより包括的なプログラムなのでGCAPよりも洗練されたものになる」という英専門家の見解がありましたが、こういう開発形態なので私には成果品の洗練度云々は的外れな指摘と思えます。
というわけで、Leonardoの不満は「英国側がSystem of Systemsの開発にどう関わってくるのか、最終的に有人戦闘機が無人機やAIとどうやって連携して相互接続するのかを知りたい」ですので、英伊間だけの問題になるかと。
現在は日英の共通仕様部分を先行して詰めているのでしょう。その範囲ではLeonardoも情報共有しているはずです。
日本の随伴無人機構想は米国のCCAに近く、同国との共同開発の方向で合意しています。英構想の随伴無人機システムは確かLMの協力を受けて進行していたかと。これに関しては日英ともまだ詳細を提示できる段階ではないと思うのですが。
(補足)
Leonardoが問題にしているのは英国がGCAPに統合する予定のサブシステムです。
日本側は当該サブシステムを別途に米国と共同開発することになっています。
無人機を各国が個別に開発しても、日本がサブシステムを別途に米国と共同開発しても、GCAPに統合するならSystem of Systemsの問題と切り離せるわけがない。
System of Systemsが何なのか理解してない?
System of Systems;独立した複数のシステムが相互に連携して一つの大規模なシステムを構成すること
同様の機能を持つ別設計の独立システムでも代替互換できる柔軟性のあるシステムにすれば良いだけでしょ。
その要求要件や開発範囲が来年開発なのに決まってないってのが問題だって話なんだけど?
柔軟性のあるシステムて言うのは簡単だけど、その柔軟性が定義できないと開発者はどうにもならん。
「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に」とゆー奴ですな(あかん
ユーロファイターがトランシェ1をトランシェ3に更新するには新機製造するしか無かったり、
製造不良が発覚しても補修が不可能だったのに対し、
ラファールはF1からF3へソフトだけでアップグレードできたり、
陸上複座型(B)の胴体に艦上単座型(M)の機首を組合わせて陸上単座型(C)を作れるモジュラー構造なのも、
事前に「柔軟性が定義」出来ていたかどうかの差なんでしょうね。
あれ、GCAPとFCASの顔ぶれって‥‥
ミリオタは製造開発を舐めすぎだわ。
日本の要求した仕様(航続距離、ミサイル数、拡張性など)の双発ステルス機の
量産試作機が2030頃までに完成し、2035年に実戦配備が始れば英国が先行して
も大した問題ではないでしょう、日本はGCAPの主要技術を取得し機体生産でき
ればいいだけで欲張る必要はないでしょう。最初の試作機は英国が先行している
記事もあるし
GCAP遭難のお知らせ
これ日本国内の合意形成もそうだけどきちんと具体的に取扱いと所掌と責任を決める(契約化する)ための技術的な抑えが足りないってことか。
これなら英国に本当に全体調整する力があるのって話になる。
はよ実施体制固めてくれ。
日本単独とか言う人いるけどMHIにこれができる体制があったらMRJあんな風になっていなかったと思うわ
イギリスはこの計画について日本の金を当てにしながらも発言力を駆使してなし崩し的な主導権の奪取を目論んでいて、イタリアもそれに追随してるものだと常々思っていたけど、イタリアはイタリアで今のイギリス側の態度に疑義を抱いてたんだな
それが知られただけでもよかったかもしれない
「単に次世代プラットフォームが欲しいだけならF-35を改造した方が簡単だ」
許可出てるの現状だとイスラエルだけのような。てか調達数削減するとか言ってたのに、また増やすんか。
そもそも第6世代機みたいな機密の塊、高価、簡単に補充が効かない装備は必要なのか?
ウクライナで見られた様に有事の際の必要な武器というのは比較的安価でそこそこ性能が高い、損失してもすぐに補充が効き大量生産が可能な武器なんじゃ無いだろうか?
日本の仮想敵は中国なんやけど
2〜30年前の中国なら核兵器を抜きにしても装備の質でどうにかなったかもしれないけど今の中国は量と質の両方を兼ね備えた世界最強レベルの軍隊に変貌している。
ハッキリ言って第6世代機を100機近く配備した所で中国は同等かそれに近い性能の戦闘機又は無人機を何倍の数で送り込んで来る訳よ。
だから中国に少しでも対抗するには日本列島自体を強固な軍事要塞化するか、戦争回避するには結局の所核武装しか無いって事だね。
文谷数重「国防費2倍なら中国に屈したほうがいい」
>損失してもすぐに補充が効き大量生産が可能な武器
空自の戦闘機パイロットの人数は限られているし、すぐには補充できないのだから損失には耐えられない。いくら大量生産ができても、搭乗する優秀なパイロットがいなければ無意味だし。
だから、空自は昔からパイロットの損失を抑えるために高性能な機体を求める。
補充の難しい高価高性能な兵器にも、引き続き使い所はあると思いますよ
仰るウクライナの戦争でも、例えば両軍の地対空ミサイル網が強固な為に戦闘機の活動が低調な訳ですが
もし両国にF-35(や将来のB-21)のような高価高性能なステルス爆撃機があったら、地対空ミサイル網を突破して空爆を成功させ得る機体として戦局を動かしていたかもしれません
(ロシア側には一応Su-57がありますが、ステルス性能と対地攻撃能力がF-35並かは微妙ですし、まだ配備数も僅かですからね)
質と量が必要です。
で、戦闘機に質を求めなくてどうする
将来的には高度な有人機+随伴無人機でなくて、有人戦闘機そのものが無くなるかもね。
これは質を求め続けて到達する将来像なので、型落ち戦闘機を大量に導入して大量のパイロットが頑張る方向性からは到達しえません。
ちなみに質と量の話は戦闘機だけの話でもなく、友好国、同盟国の質と量こそが戦争紛争においては一番大事かもしれませんね。
日本は対中国という意味では良くやってると思いますよ。
スパイ防止関連だけが致命的な弱点かもしれませんが。。。
確かにその通りなんだがイタリアが言うと「まずお前らは導入の意思を示せ。時期と数は後からでもいいから」と言いたくなるな。
しかも企業とは言っても半分国営みたいなレオナルドだし。
はいはい、話半分。
ヨーロッパの経営レベルの屑どものこの種の談話は、仮に事実の部分が有っても、大抵利益誘導の為の誇張含まれる。
いちいち真に受ける必要は無い。欧州系企業に10年以上勤めたけつろん。
イタリアは当初から三国同格の主導権を強調してましたので、それが蔑ろにされてると苛立ってるだけだと思います。
『他国と一緒にやっている』(普通に考えて日本、若しくは米国)は良いとしても、その経過/内容の情報共有(透明化)を許されていない不満では。
これはまあ。。
お互い刺激するっていうか苦情入れて修正させることで、単独でやるより健全なんじゃないのか。FCASのほうか作業分担もいう根本的な課題がある。
元の記事を英語のまま読ませていただきました(英語が母語)。
Leonardoさんの不満は仕様が決まっていない点というよりは、イギリス側が秘密主義すぎという点であり、今は作業分担の交渉の真っ最中で、各業者のcompetance(能力)のassessment(評価)上、BAEとしては何の実績があってどういう能力があるのかを秘密抜きで教えてもらわないと困る、というのが不満のようです。どうやら、BAEは「何々の国と過去に開発したことがある」というあいまいなことしか教えてなく、そんなんじゃ評価できないからわ!といった不満ですね。
ただこの話の裏には、記事にも書いていますが、Leonardo社はSystem of Systemsの開発に自信があると言っており、作業分担の交渉上、交渉力の獲得が狙いでしょう。まあ、プロジェクトの段階的に、いまがチャンスだと思っていますね。
せや!兵器を多国間で共同開発したら安くてエエモン作れるやんけ!
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不毛な主導権争いと性能要求過多で計画遅延&開発費暴騰
何度も見た光景
人は何故同じ過ちを繰り返してしまうのか
とにかく、4年以内に初飛行するといわれるイギリスのプロトタイプ「テンペスト」が完成しない限り、こうした宙に浮いたような話題が続くよ。本当に始まるのはそこから。