ロシア軍は2日もウクライナの首都を集中的に攻撃、キーウ当局は「狂ったテロリストが絶え間なく首都を攻撃してくる。今回は巡航ミサイルと無人機の複合攻撃だ」と明かし、軍が30以上の目標を撃ち落としたと明かしている。
参考:КМВА (Київська міська військова адміністрація)
迎撃側は1発の目標に対して迎撃弾を2発発射するため、このペースの消耗に西側製のシステムが耐えられるのか非常に心配だ
ロシア軍は5月にShahed-136を408機、Kh-101/555、Kalibr、イスカンデルM、イスカンデルK、Kh-22、S300/S400、キンジャールを計185発もウクライナに撃ち込み、迎撃に失敗した70発が軍事施設や民間施設に着弾、ロケットの推進剤を生産していたドニプロペトロウシク州のパブログラード化学工場、フメリニツキー州にあった軍の弾薬庫、ストーム・シャドウを運用するSu-24が駐留(推定)するスタロコスティアンティニフ空軍基地が無視できない被害を受けている。
ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃(無人機を含む) | ||
2022.09 | Shahed-136×26機(24機) 各種ミサイル×5発(4発) | 09月の総発射数×31 09月の総撃墜数×28 |
2022.10 | Shahed-136×244機(236機) 各種ミサイル×230発(149発) | 10月の総発射数×474 10月の総撃墜数×385 |
2022.11 | Shahed-136×63機(62機) 各種ミサイル×184発(134発) | 11月の総発射数×247 11月の総撃墜数×196 |
2022.12 | Shahed-136×99機(94機) 各種ミサイル×261発(186発) | 12月の総発射数×360 12月の総撃墜数×280 |
2023.01 | Shahed-136×108機(108機) 各種ミサイル×96発(75発) | 01月の総発射数×204 01月の総撃墜数×183 |
2023.02 | Shahed-136×45機(40機) 各種ミサイル×142発(79発) | 02月の総発射数×187 02月の総撃墜数×119 |
2023.03 | Shahed-136×89機(71機) 各種ミサイル×79発(38発) | 03月の総発射数×168 03月の総撃墜数×109 |
2023.04 | Shahed-136×71機(60機) 各種ミサイル×23発(21発) | 04月の総発射数×94 04月の総撃墜数×81 |
2023.05 | Shahed-136×408機(369機) 各種ミサイル×185発(154発) | 05月の総発射数×593 05月の総撃墜数×523 |
2023.06 | ||
01 | イスカンデルM×7(7)、イスカンデルK×3(3) | 発射数×10 撃墜数×10 |
02 | Shahed-136×21(21)、Kh-101/Kh-555×15(15) | 発射数×36 撃墜数×36 |
ロシア軍の総発射数:2,404発、ウクライナ軍の総迎撃数:1,947発 |
ウクライナ国防省の情報総局は先月「国際的な制裁にも関わらずロシアは必要なコンポーネントを入手してミサイル生産量を増やしている(Kh-101を月35発、Kalibrを月25発、キンジャールを月2発、イスカンデルを月5発)」と明かし、巡航ミサイルのKh-101とKalibrを月60発(1月発表時は月45発~50発)も製造できるのは非常に驚異的で、トマホークの年間生産量が150発前後(2023年度の発注は137発)であることを踏まえれば「月60発」という数字の大きさがよく分かるだろう。
ただロシア軍は3ヶ月分の生産量に匹敵するミサイルを5月に消耗しているため、そろそろ攻撃頻度と密度が低下しても不思議ではないのだが、1日にも生産量の少ないイスカンデルを10発(弾道ミサイルタイプのイスカンデルMと巡航ミサイルタイプのイスカンデルK)も撃ち込んでおり、2日も空襲警報がウクライナ全土に発令されている。
キーウ当局は「狂ったテロリストが絶え間なく首都を攻撃してくる。しかも毎回武器の種類を変更し、今回は巡航ミサイルと無人機の複合攻撃だ。カスピ海上空のTu-95MSからKh-101/555が発射され、異なる方向から同時にShahed-136でも攻撃され、軍が30以上を撃ち落とした」と述べているが、空軍は詳細をまだ発表していないためミサイル攻撃の規模はまだ断定できない。
繰り返しになるが「情報総局が発表したロシアのミサイル生産量」が事実なら、そろそろ攻撃が止まっても不思議ではないのだが、一体どこまでロシアは攻撃を続けることが出来るのだろうか? 迎撃側は1発の目標に対して迎撃弾を2発発射するため、このペースの消耗に西側製のシステムが耐えられるのか非常に心配だ。
追記:ウクライナ空軍は「15発のKh-101/Kh-555と21機のShahed-136が発射され、全て撃ち落とした」と発表した。
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※アイキャッチ画像の出典:Alex Beltyukov/CC BY-SA 3.0
ロシア側テレグラムではソビエト製旧式ミサイルをデコイとして使用していると明らかにしており、デコイドローンも飛ばしているとしている。レーダー上でデコイか弾頭のある本物かは判別不能と推測されるため、撃墜されたミサイルのかなりの部分がデコイの可能性はある。
F-16よか必要なのはF-35何だろうなっていう。
そろそろ防勢限界迎えそう。
なんである程度の反撃は入りますよね
ロシアの生産能力、調達能力、備蓄、ひいては継戦能力を西側は過小評価しすぎてたってことっすかねぇ…
安価な民生品で代用とかを見るにコストダウン能力もピカイチかもしれない
中国はロシアに対し、武器を輸出しない代わりに「民生品」であることを理由にミサイルの誘導装置に必要な電子部品を売って対価として石油や天然ガスを格安でロシアから購入する。この構造を変えない限りはロシア軍のミサイル攻撃が止むことはないと思います。
ロシア経済の抗堪性を過小評価していましたね 軍事力は単に陸軍、空軍の頭数や予算だけではありませんからね それはウクライナも然りです 逆にすぐにウクライナは降伏するとか言ってた専門家や研究者は何を見ていたんですかね…
兵員と装備とかウクライナとロシアの純粋な戦力差、2014年に奪われた国土を全く奪還出来ていないウクライナの状況見とハイブリッド戦でそれなりの結果出していたロシア相手にウクライナは善戦するって思う方がね。
結果は西側装備と訓練やウクライナが行う遅滞行動がかなり効果があったのと、ロシアの舐めプによる分散攻撃とお粗末な戦術とか上手くかみ合った結果だからね。こればかりはウクライナやロシアの当事者レベルじゃないとそこまで読める人どこまでいたか。
ミサイル攻撃って、100発近くのミサイルをほぼ同時に着弾させる飽和攻撃みたいに昔は思っていたけど、そんなわけじゃないんだな。
このミサイル攻撃やウクライナ戦争の直前の動きで思ったんだけど、
・台湾有事の際に沖縄の基地がミサイル攻撃で壊滅するって言われている。
・けど、実現するには、日米に察知されず、かつ沖縄の複数箇所にある米軍、自衛隊の基地にほぼ同時に大量のミサイルを打ち込む必要がある。
・ただし、大量のミサイルを打ち込む用意をしていたら当然ばれて、(今回もロシア侵攻はアメリカに察知されていた)対空ミサイルをを展開されてしまう
・少量のミサイルでは効果が少なく、かつすぐに対空ミサイルを展開されてしまう
となって、そもそも無理なんじゃないと思ってしまった。
潜水艦から、ばれないように大量に打ち込む?
少量でも極超音速のように迎撃されない物を打ち込む?
ばれていても、物量で押す?
ロシアがなぜ連日のミサイル攻撃をまとめて行わないのか?という点については以下のような理由が考えられています。
・そもそも民間施設を破壊しても軍事的な影響は微小なので命中自体を期待していない
・対空兵器の後方へのくぎ付けや消耗を誘うためなので対空兵器のキャパ以上に打ち込むメリットが少ない
・ランチャー側の制約(キンジャール発射母機が非常に限られている、など)
結局ウクライナ東側の広大な平地を押さえるためには地上戦が必要で数に限りがあるミサイルで出来るのは嫌がらせ的な攻撃になってしまうのでしょう。
それでも対空兵器の消耗が進めば爆撃機での空爆の出番になるので注意が必要ですが・・・。
なるほど。
回答していただき、ありがとうございます。
やはりレーザー、レーザー兵器の実用化を…
あれだけ反転攻勢が喧伝されてるのですから、備蓄を気にせず攻撃するのはおかしくないのでは?
>カスピ海上空のTu-95MSからKh-101/555が発射され
このベアが発進しているのってエンゲリスからなのかな。
爆撃機を直接攻撃するのは無理にしても、せめて基地を叩けたらけん制になるのだけど。エンゲリスへは去年攻撃を仕掛けてたし、同じようにできないものか。
それにしてもサムネ画像を見て、ベアは改めて格好いいと思う。こんなことになって残念だなぁ。
特にパトリオットに使われるミサイルの射耗が深刻
コスト、生産数、配備数を考えると超音速ミサイルを撃墜出来てもエリントミサイル消耗の影響は深刻
ランニングコストがより安価な迎撃手段が必要ですね。
イスラエルのアイアンビームのような。
シャヘドのような簡易なドローンにSAM使ってたら埒が明かない。
ロシアほどの軍事大国でもミサイルだけで勝敗を決するのはやはり無理そうだ
安価な無誘導爆弾もしくは比較的安価なJDAM系を使わねばとても数が足りない
しかしコソボ紛争でも空爆だけでは地上軍撃破できなかった事を思えばそれでも厳しいかも
仮に台湾有事が起これば巡行、弾道問わず数千発のミサイル打ちまくるだろうがそれでも全く足りんだろう
まあアメリカがラオスで200万トン空爆してもアメリカが応援してた方が負けたそうですしね
自国民に秘密でCIAが勝手にやってたというのがまた凄い
迎撃弾は必ず2発撃つわけではなくて、対処時間に余裕がある低速の物体(シャヘドや巡航ミサイル)に対しては1撃目での迎撃が失敗したのを確認してから2撃目、さらに時間があれば3撃目と発射するので必ずしも攻撃弾の数の2倍のペースで迎撃弾が消費されるわけではありません。
高速の弾道ミサイルなどは、時間に余裕がないので迎撃弾が2発同時に発射して、2発ともほぼ同時に迎撃成功している映像なんかも出ていますね。
あと、(飽和)攻撃をする方も十分な戦果をあげるためには準備が必要で、目標の選定、巡航ミサイルであれば敵の迎撃をかわすための航路の選定、発射機の準備、発射した後は戦果の評価と次の攻撃の計画の策定という一連の作業があるので、そこそこたいへんで一連の攻撃はけっこう準備に時間がかかったんじゃないかと思います。
今回はどうも病院を集中的に狙っているんじゃないかという話もあるようですね。
迎撃弾の在庫もまあ心配ですが、BukからAIM-7を発射できるようになったようで、米国がAIM-7を供与するなんて話も出ていたり、ゲパルトの砲塔にシャヘドのキルマークが4機分描いてある画像があったり、ゲパルトの追加供与の話も出ていたりで、お互いまだまだやる気満々という感じですね。
それでもこの程度では 戦局に何の影響も与えないだろ。
腹いせでやってるだけで戦略がないんだから。
ヒトラーのV2ロケットと変わらんわ。
毎月のミサイル攻撃数増減から見るに、開戦前のストックは既にほぼ使い果たして作った端から撃ち込んでいるのでしょう。
ここ数か月はミサイル攻撃が減っていたのでその間に作り貯めた分を今使っているとすると、ロシアのミサイル生産力は一月当たり100~150発程度ではないかと予想され、近いうちにまた息切れすると思われます。
カリブル1発の推定コストが約100万ドル、短距離弾道ミサイルのイスカンデルが1発あたり300万~500万ドル、キンジャールは500万ドル~。そこに運用コストも乗るのでドローン抜きの純粋なミサイル攻撃だけでも毎月数億ドル分以上の予算を使っている計算になるのですが、攻撃ターゲットが民間施設ばかりで正直リソースの無駄遣いにしか見えません。
軍自体が主導しているならもっと軍事標的を狙って来るでしょうし、プーチンとその取り巻きが主導しているんでしょうかね。
>攻撃ターゲットが民間施設ばかり
この点は非常に疑わしいです。何故ならそう主張しているのはウクライナであって、軍事施設・生産施設の被害については隠蔽しているためです
ロシア側が民間施設を狙ってないとは言いませんが、民間施設ばかり狙っているというのも根拠が無いと言えます
いや ほんとそれ 札束つんで打ち上げ花火してる感じだ。
いつまでたっても 力押しなんだよね。
前線の戦局に効果のある攻撃がほとんどない。
反転攻勢が近いって言われ続けて、いよいよな今、少しでもウクライナ政府,軍を困らせるためにヤケクソ的に撃ってるのかな。
攻勢が成功したら、ロシアは今以上に窮地に立たされるので、(まだ)余力があるうちに使えるモノはあるだけ使っとけみたいな。
あと、ミサイルもモンキーモデルというか、どうせ大半が急造品の粗悪品なんじゃないの?
都市を破壊するために撃ってるんじゃなくて、あえて打ち落とさせて高価な迎撃ミサイルを無駄に消耗させためのピンポンダッシュみたいなものでしょ。
西側の迎撃ミサイルも、制作してから長期間の保管を考慮しないという条件で
ウクライナ向けに安価な汎用品ベースで作成できないのかな。
日本も台湾有事を考えると各種兵器の戦時急造モデルについて、平時の内に設計しておく状況になるかも
やはり発射母機が発進する基地や発射拠点攻撃をしないと追い付かなくなりそうです。
それができないのであれば、ロシアが都市に対してのミサイル攻撃を停止しない限り報復攻撃をする事にして、ロシアが撃ち込まれると困る地域に対してウクライナも攻撃できるだけの長距離ミサイルの供与をしてロシアが攻撃するのを躊躇させるしかありません。
発射母機もミサイルも、その特性から当然のように移動可能でしかも分散可能です。そしてそこには当然あっち側の対空兵器が用意されています。
敵基地を叩けば戦争が解決するというのは日本の軍備拡張用の宣伝文句ですが、現実的にはそんな甘い夢物語はありません。
夢と現実は区別しないと。
はて、そんな宣伝文句ありましたっけ。
要は相手が発射ボタンを押しにくくなるというだけでしょう。
相手としては日本が馬鹿正直に発射母機だけ狙ってくるとは確信できませんからねえ。
やっぱり迎撃してるだけじゃすぐ息切れになるな
ロシア本土の基地を直接叩ける兵器が無ければ支援する西側のほうがきつくなるだろうし、腹くくって長射程兵器なり提供する頃合いだと思うけどねー
ウクライナが、昨年12月初めに自爆ドローンでエンゲルス空軍基地を空襲してから、
所在のTU95/160は、より東側と北のムルマンスク近郊に移っていましたね。
カスピ海上空から撃ったとなると、またエンゲルス基地に戻ったのでしょうか。
基地の対空火器が揃ったのかな。
今度もドローン攻撃でしょうか。
同じ方法だと墜とされますから、より低く飛んだりジャマーを搭載したりするのでは。
発射母機を狙える対空ミサイルがないので、当面、基地を狙うしかないでしょうし。
西側対空兵器のおかげもあってか各種ミサイルの迎撃率は上がってるようだけど2月頃からシャヘドの迎撃率が下がってるのが気になる
これ本当にソ連系の対空ミサイルなんかが減って一部で弾切れなってるん違うかしら
やはり戦況は目まぐるしくかわり、双方新しい状況に対応して戦術や兵器の運用方法を柔軟に変えてきますね
ロシアの弾薬枯渇説も、信じたいものを信じる人間の心理がもたらした説なのかなと思います
規制を回避する様は生物やAIの進化を思い起こさせます
先の話になると思うけれども。
ウクライナは、米国からCIM-10 ボマークの技術を移転してもらったら良いのでは。
元々Tu95を墜とすためのもので、自重が約7t、射程が約700km、速度がM2.8でした。
ロシアと隣接することに変わりはないのですから。
キンジャールなり、Kh-101/Kh-555を発射前に母機ごと墜とすことができますね。
あとAEWレーダーを常時対空させることと、PAC3の増備でしょうか。
前にも書きましたが、AEWレーダーを吊るした無人の飛行船がある様です。
他の記事によると、ポーランドが購入予定であるとか。
西側は迎撃一辺倒ではジリ貧だと理解してるからロシア領攻撃を黙認し始めたのでは
今までだってスタンスは同じはずだったのに最近になって急にロシア領攻撃が目立ち始めた
水面下で何か変化があったのでは
やっぱ同じ事をやり返されるのが怖いからやらないというのが真の抑止力なんだなっていう
岸田さんが敵基地攻撃能力の保有を閣議決定しましたが本当に日本が実戦に突入する前に
ここまで漕ぎつけて何よりと思いますし、「敵基地攻撃能力を保有しない」ということは
今のウクライナ戦争でのロシア側から一方的に殴られて民間人の老人や子供が殺されている状態を意味することはアホでも分かる事態であるにもかかわらず、これまで頑なに保有を認めてこなかった歴代国会議員は本当に反省すべきと思います。
勿論、日本の根強い日本の軍備に関する根強い反対運動やアレルギー反応は、戦前、戦中の軍部の暴走(その結果、膨大な国益と歴史文化遺産及び、国民の命を喪失するという日本史的に最悪の汚点の結果に繋がった)という経緯はあるのは理解しなければなりません。
ただその点を踏まえましても、それについては国家として旧軍及び当時の政権関係者へあの国家を滅亡させる悲惨な結果に対する責任追及の裁きの手続きを取るべきであって、
今の国家として今後の継続性を担保するための現実的な観点を無視して継続性を喪失させるような「嫌がらせ行為」で表してきたことに関して反省すべきと思います。