オーストラリアのマールズ国防相とフランスのルコルニュ国防相は30日「ウクライナに供給する155mm砲弾を共同で生産する」と発表、最初の引き渡しは2023年の第1四半期に予定(数千発)されている。
参考:France and Australia to jointly build shells for Ukraine
参考:Australia partners with France to supply Ukraine with artillery shells
参考:russia Spends 20,000 Artillery Shells Per Day, Production Cannot Keep Up With Such Rates – Ukraine’s Intelligence Chief
この支援は単発のものではなく豪仏企業による155mm砲弾の共同生産は長期的なものになる
ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ准将は最近「侵攻初期のロシア軍は1日6万発もの砲弾(152mm砲弾を指しているらしい)を発射していたが、現在は1.9万発~2万発まで発射ペースが低下している。この数字さえ供給能力を上回るため持続可能なものではなく3月頃までに1万発~1.5万発に発射ペースが低下するだろう」と明かしたものの、ウクライナ軍も152mm砲弾の補充に問題を抱えているため西側製の榴弾砲・自走砲が地上戦の命綱になっている。
ウクライナ軍は1日3,000発の155mm砲弾を発射していると推定されており、この月9万発という発射ペースも西側諸国の生産能力(米国が月1.5万発/ドイツが月0.6万発)を超えているため持続可能なものではなく、増産予定の155mm砲弾が月9万発を支えられるようになるまで最大2年はかかる見込みで、NATOのストルテンベルグ事務総長は155mm砲弾を大量に保有している韓国に「弾薬提供で協力してほしい」と強く要請したばかりだが、オーストラリアとフランスが155mm砲弾を共同生産してウクライナに供給すると発表した。
オーストラリアのマールズ国防相とフランスのルコルニュ国防相は30日「豪企業が製造する火薬をフランスのネクスター社に供給して数千発の155mm砲弾を製造、2023年の第1四半期に最初の引き渡しを予定している」と明かし、この支援は単発のものではなく「時間をかけて継続していく取り組みだ」とも述べているので豪仏企業による155mm砲弾の共同生産は長期的なものになるのだろう。
因みに駐豪フランス大使のジャンピエール・テボー氏は「我々がやっていることは両国の産業能力を活かして何千発もの砲弾を製造することであり、これはウクライナ人が切実に必要としているものだ」と豪ABCメディアに語っており、オーストラリアの支援(M777、ブッシュマスター、M113AS4、レーダー、ドローン、各種弾薬や砲弾など)は常にウクライナの要望に沿ったものでNATO加盟国に引けを取らない内容と言える。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
155mm砲弾の納品場所についてですが、別途、excelのリストでお知らせしますので、敵陣地に直納で。。。
受領証にサインできる人がいないような・・・。
置き配?
(マカ)P
>(ゼレ)P
>毎々お世話になっております。FRのマカロンです。
>首記の件、155mm砲弾直納品の納品証憑写真を電送しますので、ご確認頂きたく。
>−以上−
拝承
西側各国で一斉に軍事産業が増産に動き始めましたね。
ようやく・・・という印象ではありますが、産業界は動き始めるのは様子を見つつなので遅いが、投資が始まればどんどん加速するので、遠からずロシアの生産力を圧倒すると思います。
そしてこの生産力の増強は、次の対中国を見越した上での判断でもあるでしょう。
フランスはワグネルに取られたアフリカ諸国を取り返しに行くかも知れませんね。
資源高のさなか、失業率が上がっているわけでもないのに弾薬の増産?インフレ加速するのでは?
予定調達額超過は必至と思いますが覚悟はあるのかな?
155mm榴弾 M795の弾殻が40kg弱なんで、月産1万発あたり月400t、年間4800t。
一方の粗鋼生産量は日本9,600万t、米8,500万t、仏1,300万t、豪600万t。
桁が違いすぎて影響なんて出ませんね。
G7で宇に武器供与してないのは日本だけ
こういうのを『国際的孤立』って言うのである
言いません
NATOじゃないからです
スウェーデン「え?」
フィンランド「え?」
オーストラリア「え?」
でも、日本は悪目立ちしてきてると思います。
韓国も直接ではないですが、間接提供は行ってますし、
これで韓国が弾薬の直接提供を始めると悪目立ちも良いところ状態となるでしょう。
勿論対中戦が控えてますので、日本の軍需物資をホイホイと提供は出来ないのは確かにそうですが、
これは欧州戦線が困ってる時に、有事になっていない極東の日本が支援するという困っている相手から目線を反らさない姿勢の問題ですので、
ダイキンの製造ラインを拡充して、弾薬増産して韓国と同じくそれを米軍に提供することでの関節支援ぐらいは
既に乗り出していて当然ぐらいの時期と思います。
まあ湾岸やイラク何かで日本はそう言う国ってのは知らしめてるし、そんなに問題ではないでしょう。
日本の相手は中国であることは、流石に世界も分かってると思いますよ。
孤立しているというなら、それを批判している国や機関があるということですよね。聞いたことが無いので教えてください。
そういえばストルテンベルグ事務総長氏が入間基地に来てましたね。入間といえばパトリオットを運用する第1高射群の本拠地で、その高射部隊も視察したそうなので意図としてはそういう事なのでしょう(国内法規に触れる問題に直接は言及しないあたりがNATOらしい洗練を感じるところです)。残念ながら現時点では攻撃手段は海外に持ち出せませんし、そうなってもパトリオットを融通できるかというとかなり厳しいのではという気がしますが、通常国会での防衛装備移転規則改定への追い風にはなるでしょうね。