ロシア軍との戦いで小型の徘徊型弾薬が「攻撃」と「偵察」を両立させ活躍していることを受け、韓国航空宇宙産業と国防技術振興研究所が「モジュール式のノーズを切り替えることで対応任務を変更できる多目的無人機の開発」に乗り出すらしい。
韓国の無人機開発能力は先行する米国やトルコには及ばないものの相当なレベルを確保しているのかもしれない
徘徊型弾薬は指定された戦場を彷徨き「発見した脅威に自爆攻撃を仕掛ける」という無人機で、脅威の位置を特定後に使用される誘導ミサイルとは根本的に用途が異なり、兵士が直接リスクに晒されない交戦方法として主に陸上戦で爆発的に普及が進んでいるのだが、徘徊型弾薬は脅威を発見するためEO/IRセンサーを搭載しているため「簡易のISR任務」にも使用することができ、前線の兵士にとって徘徊型弾薬は視覚的な戦場認識力を拡張する存在としても重宝されている。
さらに最近では使い捨てだった徘徊型弾薬に帰還機能(自爆攻撃を実行しなかった場合の回収・再使用)を付与したタイプも登場しているため、もはや徘徊型弾薬は使用者側にとって「ISR任務」「自爆攻撃」「再利用」を兼ね備えた都合の良いシステムに進化を遂げているのだが、韓国もロシア軍との戦いでSwitchbladeやWarmateといった小型の徘徊型弾薬が「攻撃」と「偵察」を両立させて活躍していることを受け「モジュール式のノーズを切り替えることで対応任務を変更できる多目的無人機の開発」に乗り出すらしい。
韓国が想定している多目的無人機は陸海空軍で共通運用するため「標準化されたチューブ発射方式」を採用、モジュール式のノーズを切り替えることで偵察、通信、攻撃といった対応任務を変更することができ、開発を担当する韓国航空宇宙産業は「最終的にAIを活用した戦場認識力や群制御技術などを融合して数で性能を圧倒する新しい概念の武器体系に発展させる。ここで得られた技術はMUM-T(有人・無人チーミング)にもフィードバックしていく」と述べている。
つまり多目的無人機の構造自体はチューブ発射に対応したSwitchbladeに似ているが、モジュール式のノーズを切り替えるというアイデアはWarmateに似ており、将来的には自律的なスウォーム攻撃にも対応させて数で性能を圧倒する=安価で効果の高い攻撃手段に育てるという意味だ。
因みにKAIは韓国初の戦術UAV「RQ-101ソンゴルメ(1993年に開発開始/2004年に韓国軍が採用)」を実用化、現在は同機の後継機としてMQ-1に相当する次期軍団級無人機(UAV-II)を開発中で韓国メディアは「約30年間に渡り開発を続けてきたKAIは必要な無人機技術を確保している」と報じており、大韓航空の航空宇宙部門も20年近く無人機開発に取り組みMQ-9に相当するUCAV「MUAV」の開発を完了させているので、韓国の無人機開発能力は米国やトルコには及ばないものの相当なレベルを確保しているのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:한국항공우주산업
10月くらいからロシア軍のLancetがウ軍のs300、対空レーダー、装甲車両、M777を損傷させているとする映像が多く出てきていますよね。
逆にswitchbladeの映像はほとんど出てこない。
自爆ドローンの使い方はロシア軍は慣れているように見えます。
こういう汎用性のある機材は、有益だね。
我が国にもこの融通さが欲しい。
Switchbladeの戦果って出てきてます?
> 開発を担当する韓国航空宇宙産業は「最終的にAIを活用した戦場認識力や群制御技術などを融合して数で性能を圧倒する新しい概念の武器体系に発展させる。
以下コメント、記事の本題から脱線申し訳ないです。
AI活用した戦場情報の収集と判別等は米国のパランティアテクノロジーが開発したシステムがウクライナ軍でも活用されてて、今後は無人機の開発と並行してそれらから得た情報の活用方法もより重要になりそうです。
同じようなものを韓国も独自で作ろうとしてるんでしょうね。
この辺のドローンを使った月並みな表現で言えば戦場のDX化についてはどこもナゴルノとウクライナの事例を
基にして試行錯誤の段階なんで
日本も韓国も同じスタートラインなんで日本もちゃっちゃと着手した方が良いですね。
ドローンに積むセンサー類は日本の方が良いものを付けれそうですが、DXは組み合わせ方&ソフトウェアの世界なんで
センサーだけ高性能でも戦場での陸自の兵士へ戦場で勝てるアクションプランまで落とせる情報分析能力をつけないといけません。
逆に言えば情報を使った連携力&対応アクションの的確性で負けるとたとえ陸自の個々の兵士が有能でもサッカーで言えばブラジル代表のパス回し相手に戦わないといけない羽目になりますからチームプレーで負ける事になります。
ドローンによるDX化で戦場のウーダループは一気に早くなりますから敵と同等以上の能力が絶対必要な個所と思います。
言いたい事、全て分かりやすくコメント頂いて感謝です。
ご指摘の通り、ツールとしてのDXと効果としてOODAループを迅速に回せると良いなあと思ってます。
戦場の霧と言われる情報の不確実さや非対称性の解決にも役立ちそうですし。
韓国が兵器開発して軍備増強するのは喜ばしい
韓国にはアジアのポーランドになって貰おう
日本はドイツになって美味いところだけ持ってきますね😋
今どいっちゅらんと君は兵器採用で韓国様に負け続けてるんですが。。。🤮
韓国はポーランドほど強固に東側に対峙してる訳じゃないから盾になるのやら…
寧ろ中国に対しての立場を韓国と違い明確にしてる日本が西側の盾なんだよな
米国「日本も一緒に最前線で戦うんやで(暗黒微笑)
米国「何なら君ら当事国やで。何呑気に会議してんの?」
呑気だな。韓国は情勢次第で米国側にも中国側にもつける柔軟な国だよ。その上反日がアイデンティティーとなっているから日本海に本記事の徘徊型ドローンが飛び回って日本のEEZを度々侵害するのが当たり前になる。挙句の果ては対馬の領有権を主張して日韓版フォークランド紛争のようになる可能性もある。
自衛隊は頭コチコチの官僚組織だから、勝つためには何でもするという発想は無いので、こういう兵器は無理無理無理。大金がかかる大仰なものしか使わない。いまだに戦艦大和の発想の延長線。安くて役に立つものを追求するという日本企業の発想が自衛隊には無い。
話はちょっとずれますが、戦場でドローン(歩兵向けや車両向け)に追い掛け回される側になると、相当なストレスを受けることは想像に難くないので、安くて心理的に有効な兵器になり得るのでは。若い兵士向けの高周波発生器ドローンと併用とか。
裏返せば役に立つものでも安くなければダメだと?
それでは計画段階で斬新な発想はつぶされる。良いものには相応の値段をつけて手に入れるつもりでなきゃダメだよ。
失われた30年につながったとさんざん批判された平成デフレマインドを今更自衛隊に取り込まれても迷惑だろう。
昨日発表された令和5年防衛予算のスタンドオフ防衛力の箇所に「目標観測弾」とかいう謎カテゴリーが出現してましたね
以前から消耗前提のドローンを定数装備とか管理とか使用上面倒くさそうだよな…と思ってましたがまさかの弾薬扱いにしてしまうとは思わなかったw
自衛隊の無人機行政は再始動したばかりなので頭ごなしに無理と決めつけてしまうのは早計だと思いますよ
すみません返信先間違ってしまった…
徘徊型弾薬なども含む、多数の無人機を自衛隊は導入するんですけど。
詳しくは「我が国の防衛と予算 ~防衛力抜本的強化「元年」予算~」という防衛省資料を参照。
日本は「打撃用UAV」と呼ばれる徘徊型弾薬の開発なども既に進めている。
日本でコスパに優れた防衛装備開発の実績はほとんど無いのでは。ガラパゴス化という要因とは別問題に、ユーザーが自衛隊に限られていたため調達単価が海外同等品に対しべらぼーに高かったのは周知のことです。
逆を言えば、コスパが重視される装備品に関しては海外製品を導入する選択もありですし、近年では積極的にそうしてきてもいます。
俳諧型弾薬についても、多種多用な製品が各国で開発されている現状に鑑み、短期的には自衛隊の運用構想に適し且つ安定供給が見込める製品をチョイスするほうが当面合理的かと。予算さえ確保できれば短期間に所要数を調達することも可能ですし。
ここでも韓国の兵器開発がコスパを優先するという姿勢が表れておりますな。 陸海空共通の本体を大量生産で安く作り機能は個々の目的に応じて差し替えて対応するのは『戦は数やで、兄貴‼︎』派としては歓迎せざるを得ない。
兵器の単体性能も良いに越した事はないんやけど、日本の場合はそれを最上としたがっていて不安になるんよね。
世界最高品質の無人ドローンを開発したけど、できる事は他所と大差はなくて値段は5倍とかやらかしそうで怖い。
俳諧型ドローンの問題点は戦争へのハードルを著しく下げる危険性があること。特に係争地では両国の軍が度々ドローンを飛ばすことで緊張が高まり、先制攻撃を誘発しかねない。そして仮に徘徊型ドローンがスウォーム型ドローンを内包、もしくはそれ自体がスウォーム化した場合、核兵器並みの脅威をもたらす上、有人戦闘機の存在意義を完全に滅ぼすものになる。