台湾メディアは「ランド研究所が台湾の防衛計画が時代遅れだと指摘している。ヘリテージ財団の研究員も台湾の防衛準備は壊滅的な評価だと述べており、米国は中国阻止にあらゆる手を尽くすべきだが、その前に台湾はその役割りを果たさなければならない」と報じている。
参考:Inflection Point
参考:Taiwan’s military not suited to defend against Chinese invasion: RAND
米軍がイラク戦争で見せた航空作戦はもう忘れるべきで、中国相手に絶対的な制空権の確保は困難
米シンクタンクのランド研究所は「もはや冷戦終結後に採用された米国の防衛戦略は破綻している。この戦略の本質は遠征力であり、米国の利益を脅かす敵が現れれば『圧倒的な通常戦力』を集結させて当該地域に投射し、敵に米国の意思を受け入れることを強制することで決定的な勝利を得ることを意味する。この戦略はあらゆる領域で米国の軍事力が敵の軍事力を凌駕していることを前提にしていたが、この優位性は失われている。中国に対する優位性は完全に失われ、他の潜在的な敵国に対しても重要な優位性が部分的に失われている。この優位性は残念ながらもう戻ってこない」と指摘した。
25日に発表された240ページに渡るランド研究所のレポート(Inflection Point)は大変興味深く、これを数千文字程度に要約するのは不可能なため「台湾有事に関する部分」のみに限定すると以下のようになる。
米国の防衛戦略=遠征力は「戦争前に大規模な部隊を編成して展開させる時間的余裕がある」「作戦地域に対する兵站は敵の妨害を受けない」「米空軍の航空戦力は作戦空域で永続的な制空権を確保できる」「宇宙領域は米国の聖域であり続ける」「米国は戦争を開始する場所とタイミングを選択できる」「戦争は数年ではなく数週間もしくは数ヶ月間を前提にしている」「米軍は敵国に決定的な技術的優位を持っている」「米軍は通常戦力による戦争に勝利できる」「米国は戦争による本土攻撃を受けない」という要素で構成されているが、もはや遠征力の優位性は中国やロシアに通用しない。
仮に米国と中国の中間地点に地理的条件の優劣が存在しない戦場があって、そこで同数のF-35とJ-20が機体のスペックとパイロットの腕を競い合うという類の話なら別だが、米国はイラクとの戦争に必要な戦力を戦闘地域に集積するのに約5ヶ月間もかかっており、中国は地理的なアドバンテージを活かして「米軍の準備が整う前」に軍事力を行使して大きな成果を台湾で確保するだろう。
さらに中国が保有するサイバー兵器や極超音速兵器は台湾周辺に展開しようとする米軍の兵站や部隊を攻撃して混乱と脅威をもたらすだろうし、何度も試みたウォーゲームで米軍は中国の高度な防空システムを制圧するのに失敗しているため、台湾周辺での戦いはイラク戦争のように絶対的な制空権を確保するのは難しく、根本的に中国本土に近くA2/AD戦略の脅威下にある台湾を舞台にした戦いは「圧倒的に中国優位な戦場環境」で、これを遠征力に基づいた防衛戦略で対処するのは不可能な話なのだ。
さらに問題なのは宇宙資産が提供する戦場認識力、ナビゲーション、通信、位置情報がなければ米軍の作戦能力は著しく低下する点で、これを中国軍が衛星攻撃兵器で狙わないはずがなく、圧倒的でなくなった米軍の軍事力で中国に対抗するためランド研究所は「部隊の前方配備」「同盟国の活用」「生存性の高い移動式プラットフォームによる接近拒否」「滑走路に依存しない無人機」が重要だと主張しているが、特に興味深いのはセンシング面での無人機活用だろう。
持続力が高いセンシングを構築にするには幾つかの方法があるが、もはや高価で性能が高い少数のプラットフォームに頼るのはリスクが高く、ランド研究所は「低コストで大量に調達可能な無人機で台湾海峡にグリッドセンサーを構築するのがもっとも持続力が高い」と主張しており、敵は地対空ミサイルや空対空ミサイルで無人機を破壊してグリッドセンサーを無力化しようと試みるだろうが「破壊を上回るスピードで安価な無人機を補充すればいい」と述べている。
つまりステルス性能が高い無人機はセンシングの一部に成りえるが、テンポの早い戦争において量を確保できないプラットフォームは「持続力が高いセンシング」とは言えず、質ではなく量を揃えられる無人機こそが宇宙資産をカバーするセンシングになるという意味だ。
他にもランド研究所は興味深い指摘(バルト三国に対するロシアの軍事侵攻など)を幾つも披露しているものの、台湾メディアは「ランド研究所が台湾の防衛計画が時代遅れだと指摘している。ヘリテージ財団のアレックス・ベレス・グリーン氏も台湾の防衛準備は壊滅的な評価だと述べており、米国は中国を阻止するためにあらゆる手を尽くすべきだが、その前に台湾はその役割りを果たさなければならない指摘した」と報じている。
英国のFinancial Times紙も今年1月「台湾軍参謀総長を務めていた李喜明元大将(2019年に退役)は中国軍相手に空軍力や海軍力で対抗することを放棄し、侵攻してきた敵の脆弱な部分を叩く能力の構築=総合防衛構想を立案、これをベースに台湾軍は対称戦略から非対称戦略に転換するはずだったのだが、李大将が退役すると非対称戦略への転換は白紙化されてしまった」と報じて注目を集めたことがある。
FT紙の取材に応じた李元大将は「分散的な指揮権限の下でゲリラ戦に特化した領土防衛軍の創設を訴えてきたが、今回の計画を見る限り非対称戦略の概念を採用したくないのがよく分かる。これはウクライナやバルト三国の例を受け入れたくないという意思の現れだ」と指摘、別の退役将官も「現在の台湾軍は伝統的な概念=2008年以前の状態(兵力削減前)に回帰しているだけで、新しい戦略を国民に明確に伝える努力もなく盲目的に働き続けているに過ぎない」と政府や軍を批判。
この問題に精通した関係者は「蔡総統が徴兵改革を発表したタイミングで台湾を訪問した米国代表団も同様の欠陥を把握、台湾軍は戦術レベルにおいて熟練しているものの戦略的思考に欠けている」と述べたらしく、台湾メディアもFT紙の報道を引用して「台湾軍は旧概念に基いて動いている」と報じていたが、ランド研究所もレポートの中で「過去15年間の間に何人ものアナリストが台湾の防衛計画を改善するため多くの緊急勧告を行ってきたが、この危機感は台湾が伝統的な概念の戦略を優先しているためで、中国相手に役に立ちそうもないレガシー資産への投資を優先しているためだ」と指摘した。
資金の無駄遣いだと大きく取り上げているのが「制空権は戦闘機によって確保するもの」という伝統的で対称的な戦略に基づき調達されているF-16Vで、この防衛資産は「中国軍相手に対する生存性」も「制空権を確保するという目的」にも効果が低く、SLAM-ER、JSOW、HARMといった兵器調達も運搬するプラットフォーム=F-16Vが使用できなければ使い道がない。
12隻も建造予定の沱江級コルベットは「戦争が始まればまず生き残れない」と、国産潜水艦も「生存性は高いもののプラットフォーム自体の攻撃能力(弾庫容量に対するプラットフォームの調達コストと運用コスト)は限定的だ」と指摘しており、このようなレガシー資産に投資する資金があるなら生存性が高い移動式の地上レーダー、地対空ミサイル、地対地ミサイル、地対艦ミサイル、機雷の調達・拡充を進めるべきだという意味だ。
さらに戦術通信に対する台湾の投資も未知数で、ランド研究所は「台湾軍には国産システムと海外システムが混在しているため全ての能力を統合する努力は相当なものになる」と予想しているのが興味深い。
以上のことから大雑把に導き出せる結論は「米軍でさえ中国軍相手にイラク戦争の再現=制空権を確保→空からの攻撃で地上戦(もしくは海上戦)を圧倒的に優位に進めるという戦い方は不可能」で、ウクライナ軍とロシア軍の間で成立した接近拒否は米軍と中国軍の間でも成立する可能性が高く、この戦いの勝敗を分けるのは航空戦力ではなく長距離攻撃能力で、これを活かすためには持続力が高いセンシング能力を構築しておかなければならず、この答えは安価な無人機の大量投入だという話だ。
ある米ディフェンスメディアは「中国海軍の遼寧や山東は米海軍のニミッツ級やフォード級と比較して航空機の運用能力が劣るので、中国海軍は米海軍に肩を並べる存在ではないとロイターは過小評価しているが、これは遼寧とニミッツ級、もしくは山東とフォード級のスペックを比較した場合の話だ。台湾海峡で両軍が衝突する際、中国海軍の遼寧も山東も、米海軍のニミッツ級もフォード級も巨大な戦力群の一部でしかなく、中国本土に近い海域で運用されれば、強力なA2/AD戦略のバックアップを受けるため戦場にもたらす影響力がニミッツ級やフォード級よりも劣るという意味ではない」と指摘していたことがある。
管理人を含む一般的なミリオタは兵器のスペックに注目し、その優劣だけで戦争や戦場の優劣を予想しがちだが、どうやら戦争というものはそんな簡単な話ではないらしい。
関連記事:台湾軍の問題点、伝統的な概念に回帰しているだけで大戦略が未解決
関連記事:台湾政府が兵役の1年間延長を間もなく発表、国内では批判や反発も多い
関連記事:台湾の世論調査、回答者の73%が兵役期間を1年間に延長する案に同意
関連記事:米シンクタンク、なぜ台湾のために米軍兵士は死ななければならないのか?
関連記事:台湾メディア、日本人の74%は台湾有事への自衛隊派遣に反対している
※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin
それでも俺は、リアップを信じて投資し続けます
経口薬のフィナステリドと亜鉛サプリメントも摂取すると効果が高い。ミノキシジルもフィナステリドも頭頂部の薄毛には効果があるが前頭部の薄毛にはあまり効かない。育毛剤が効かなくなったら生えている部分の頭皮細胞を移植する「自家植毛」という方法もある。勿論、自毛にこだわるレガシーな方法ではなく、植毛やカツラ、フリカケなども選択肢に入れよう。
素人からみると、対艦、対空ミサイルを分散してしこたま備蓄するしかないのかなぁという気がしますが。台湾からすると、海上封鎖されて兵糧攻めにあうのが一番嫌でしょうか。
台湾有事、有事というけど、中共がいきなり沖縄や洋上の米軍にミサイル打ち込むような真似するとは思えないから
何かしら台湾に制裁する口実となるような事件を待つか起こして、
米軍艦隊到着前に海上封鎖を実施、
あとはひたすらそのまま民間船舶を通さない以外は何もしない、中共側から発砲も上陸もしない、が一番有り得るシナリオだと思う。
台湾側から解放軍艦隊に先制攻撃すれば、占領の口実になるし、
米軍から先制攻撃なんて出来ないし、日本なんて遺憾の意しかしないでしょう。
何ヶ月もかけて台湾経済疲弊させて、海上封鎖の解除と引き換えに事件の再発防止を目的に解放軍の駐留を認めさせる、とか。
中共はプーチンと違って戦争で台湾奪うなんてリターンに見合わないことしないと思いたいが…
今年度の防衛白書で中国の第4・5世代機は1,500機と記載されています(実際はもっと多いのですが)。
中華イージスも大量生産中ですし中国相手に台湾が対称戦を挑もうとするのは自殺行為ですな。
さらに無人機についても中国の方が大量投入する勢いですし。
損耗を補える速度で無人機の大量投入と言っているけど、そんなことできるのかという疑問。
無人機掃討用自律攻撃無人機でも投入されると効率的にお掃除されてしまって損耗を補えなくなるかと。
そういう掃討用自律攻撃無人機に対抗するために、こちら側の無人機に限定的でも自衛戦闘能力を追加すると投入できる量がかなり減ることが予測できます。
センシング能力、戦闘力、補充可能性を計りに掛けてどこでバランスを取るかという話題だと思います。
高価値・高能力の資産と逆側に振った資産との両方が必要で、もちろん両方を十分に揃えることは不可能ながら、現在の高価値・高能力資産への投資を無駄遣いと断じるのも逆側の資産を意識し過ぎていると思います。
そして今般のウクライナ戦争では新技術による低価値資産の効力は実証されていますが、同時に高価値・高能力資産を重要な場面で投入したくともその補充は難しく、平時にあらかじめ準備した量であらかた決まることも実証されています。
そもそも、台湾の役割と言うのならば、有事には確実に実行される米軍による政経軍事あらゆる面での犠牲を覚悟した介入を約束せねば、米国側から言うところの台湾独自の役割に特化した防衛戦略の採用は不可能でしょう。
守る側としては、戦場での効力が未だ不透明な新機軸の戦闘資産への投資よりも過去に効力が実証されてきた資産への投資を優先したい心理もあると思います。
RANDや評論家の言うことを無視するべきでもないとは思いますが、いつもの当事者ではない人の気楽な提言だなあと感じています。
ちなみに無人機掃討用自律攻撃型無人機のことはkiller roombaと呼びたいと思っています。
そもそもイラク戦争の様な戦い方は米軍の圧倒的な力による物。他の国ができる物じゃない。ロシアですら出来なかった。まして世界有数の航空機量の中国相手には台湾では不可能に近いでしょう。ウクライナとロシアの戦争ですら予想外の連続でした。もしもアメリカと中国がぶつかった時はその様相は誰にも分かるはずが無いと感じます。(だからこそ一つでも多くシミュレーションや訓練を行う必要があるとも言えますが。)
その米軍含めたNATOの空軍が、ユーゴスラビアで苦戦してるんですよね。
イラク戦争は砂漠という好条件があったから良かったものの、本来は高度に隠蔽されたSAMを駆逐するのは米空軍でも簡単では無いということです。
自分より図体がでかい相手に正面からがっぷり四つ行っても軽く捻られるだけだからなぁ。弱者は弱者なりの戦い方を考えなきゃならない。
逆にそこを追求してきた人民解放軍に対してはアメリカ軍ですら余裕の横綱相撲とは行かなくなって来た訳で、当たり前の話ではあるけどいかに相手をメタるかが重要ですね。
台湾軍も自衛隊も、解放軍への対抗手段はもちろん研究しているのでしょうが間に合うのかどうか…
台湾は戦争を起こさない様にすることが主眼で、ランド研究所やアメリカ政府高官の指摘は台湾侵攻が起こる前提で台湾が存在し続ける事が主眼に聞こえます
そう思えば今の予算配分も主眼通りと捉えられます
アメリカは台湾が焼け野原になっても中国を撃退出来れば良いけど台湾は戦火を迎える事を拒否してるのでしょう
台湾人の気持ちは共感できるので非難など出来ませんが…
台湾有事となった場合、復興支援についても手形切らないと台湾の気持ちは変わらなさそうに思えます
そうですかね?抑止ってのは攻めるのを躊躇わせる体制作りだと思うので見た目だけ立派で有事に置物になるか初手で戦力が消えて後は中国の好きなようにされる可能性が高い戦力増強なんて侵攻する意思を助長させるだけでしょう。
有事が起こりウクライナのように粘り強く戦争を継続させ犠牲を強いるような体制作りをして、開戦すればベトナム、アフガン、ウクライナみたいに泥沼で自国の犠牲に対するリターンが期待出来そうに無いなら、侵攻自体諦めるかもしれない。今の台湾だと大国ばりに正面装備ばかりに力をそそいでいて継戦能力が実戦的かと言われると何とも言えない感じがしますね。F-16Vの金額で何がどれ位揃えられてその効果はとか検討するべきでしょう。ウクライナみているとセンサー類や強い通信環境とか結構必要だと思いますけどね。
備える脅威の幅が違うって話でしょう
・アメリカはウクライナの戦争のような全面戦争になる最悪のケースでの生存性を前提に
・台湾はそこまでいかないグレーゾーンでの小競り合いや開戦前夜の牽制合戦も視野に入れてる
こんな感じの
>何度も試みたウォーゲームで米軍は中国の高度な防空システムを制圧するのに失敗している
こんな状態でウクライナに在庫を放出し続けるのならもう台湾は諦めざるをえないだろう
一刻も早く支援を打ち切り対中にリソースを振り分けけてもらいたいものだ
アメリカがウクライナに供与している兵器は陸上兵器がメインです。
海上・航空兵器は放出していないので、海戦が主戦場になる台湾有事で先に諦めるのは愚策でしょう。
逆にアメリカがウクライナを見捨てたら、台湾市民はアメリカを信用できなくなり不安が増大するだけかと。
中国の防空システムを制圧するのが出来ないなら別に制圧する必要もないし、だからといって台湾が占領される訳でもない
台湾上空で中国軍機が自由に行動できないようにするだけでも構わない
10がゼロの論法なんて現実において価値もないし現実的に有り得ないよ
自衛隊も質量共に明確に優勢な中国軍相手に
持続不可能な兵器郡で伝統的な対称戦を挑む体制を堅持してますが、流石にこれもそろそろ変わってくるんでしょうね
日本で非対称戦を行えるかというと厳しいのでは
台湾は中国に近すぎるから米軍も兵站的に不利で非対称戦に期待せざるをえないわけだけど、そこから沖縄、さらに本土となると今度はどんどん中国の領域外になっていって「米国と中国の中間地点に地理的条件の優劣が存在しない戦場があって、そこで同数のF-35とJ-20が機体のスペックとパイロットの腕を競い合うという類の話」よりはさらに米軍有利な戦場になるのでは
「一般的なミリオタは兵器のスペックに注目し、その優劣だけで戦争や戦場の優劣を予想しがち」自分も何度ゲームチェンジャーという言葉に惑わされてきたことか…。 戦争だと余程劣っていない限り兵器の性能なんて誤差みたいなもんですからね。 2次大戦の時のパンターとシャーマンを彷彿とさせますね。
これ台湾について語ってるようで日本もどこかで方針変えるしかなくなることもあるんじゃないか
台湾軍の軍拡方針への批判は一理あるにはあるが同時に台湾側の感情も分からないわけではないんだよなぁ
つまりは本土決戦前提で市民や市街地が攻撃されるのも許容して戦闘しよう、という戦略は受け入れがたい
困難は分かっていても空軍海軍でもって海上で防衛したいら国土を蹂躙されたくないって話ですから
国民からしても税金使うからには戦火は出来るだけ遠くに押しやりたいでしょうから各方面からの「現実的な」防衛計画は認められないのかもしれません
それはあるかもしれませんね。民主主義国家ですからね。
本土が焦土になる前提での防衛計画を策定した場合に、
世論が「それやったらもう香港のように中国に取り込まれようや」という風に傾くリスクを懸念してるのかもしれません。
本土が焦土になる事で守れるか守れないかというのが現状という現実を突きつけた戦略は、台湾国内の親中勢力の恰好の材料になりますからね。
だから台湾に現実を見ろというより、アメリカ側が台湾の現実を見ないといけないかもしれません。
台湾が中国側についたら第一列島線が崩れますから台湾は米国の繁栄維持にとって必須の島の一つです。
ですので、対称戦に拘る台湾を見限るという選択肢は本当は米国にはある筈がありませんので対称戦しか戦略の選択肢が無い台湾を前提にして台湾侵攻をどう戦うのかを策定すべきでしょうね。
> もはや高価で性能が高い少数のプラットフォームに頼るのはリスクが高く、
高価高性能の少数のプラットフォームがもしも有効に機能すれば台湾本土を損害少なく守り切れるというもっとも都合の良いシナリオを期待してそこに投資ってのは絶対的に不合理とも言えませんね。
もしリスクが高いとの指摘のように、開戦から早い段階で高価高性能の兵器が撃破され尽くしたなら台湾本島での決戦などに臨まずに降伏・停戦を選択する。
RANDなどの提言に従って損害を覚悟の上で継戦可能な体制を準備しても、大陸側に人命や領土及び資産の許容不能な損失を強いることができないなら、長く戦って結局台湾本島に損失を出し続けます。
高価高性能資産の整備で台湾本島への損失をごく限定できる可能性に賭け、失敗したら降伏。
or
継戦能力維持を重視して早い段階での降伏までは至らない体制を整え、本島での多大な損失を許容し大陸側の根負けを狙う。なおそれでも大陸側の根負けは保証されない。
米国からしたら台湾失陥から大陸への併合の可能性が一番大きくなる高価高性能資産を重視する路線が不合理にハイリスクに見えるでしょうが、台湾に住む者からしたら別の見え方があるでしょう。
自衛隊の評価は見ない方が良さそうだな・・・
>破壊を上回るスピードで安価な無人機を補充
少し違うけどロシアのシャヘド乱射みたいな感じかね
迎撃側のミサイルの方が高いっていう
別にそんなに悪いことは書いてないよ。むしろわりと高評価の上で取り組むべき課題をあげてる。ざっと要約すると「日米安保条約により自衛隊は日本本土防衛以外では米軍の作戦への参加義務はないので台湾有事では「矛」を務める米軍を守る「盾」を提供する役割に集中するものと考えられる。日本は近代的な陸海空軍を持ち、宇宙とサイバー空間で新たな能力を構築中だが、弾薬、基地の抗堪性などへの投資不足により継戦能力に難がある。そのため日米当局の計画立案者は基地の抗堪性向上、弾薬(精密誘導兵器に加え燃料、部品)備蓄強化、機動性(戦時の迅速な人員・物資・弾薬輸送のため輸送機と輸送艦を増勢)、明確な作戦計画の四分野に集中すべきである。」のような感じ。先の安保三文書のアジェンダと重なる内容なので、そういうことなんだろう。
もはや高価で性能が高い少数のプラットフォームに頼るのはリスクが高く、安価なドローンを破壊を上回る速度で補充し敵を圧倒とあるが、中国はより大規模に実行できるだろう。
また台湾にそのようなアセットを提供できる国は距離と安保環境から恐らく日本だけになる。
そして米中が直接交戦する事態になれば、後方支援基地ならびに補給ルートは確実に攻撃対象になる。台湾周辺のシーレーン壊滅と日本の港湾ならびに空港の事実上の壊滅は現実的なシナリオだ。
台湾の防衛の遅れも深刻だが日本の防衛態勢の遅れとドローン戦争時代への適応の遅れは極めて深刻だ。
>>安価なドローンを破壊を上回る速度で補充し敵を圧倒とあるが、中国はより大規模に実行できるだろう
そうそれ日米豪が頑張っても人口もそうだし物量でも到底敵わない
ウンカのごとく押し寄せるドローン、各種ミサイル、大量の軍艦、大量の武装漁船団
そしてそして国内で一斉蜂起する大量のぱっと見の区別がつかない大量の便意兵
日本も台湾も一緒
どーすんのこれ??
せめて中華が昔のような尊敬できる穏健な大国だったらねー
残念で仕方ない
もう一つ付け加え忘れた
大量に出回っている安価な監視カメラやタブレット
そして国籍が巧妙に隠されたアプリなどのバックドアが
一斉に作動し……
あかんわー
ランド研究所は10年以上前から同じ言動を取ってるので、目新しい話は一切ない
ウクライナでも部分的には立証された話題
しかし、そのウクライナが戦闘機や戦車などの伝統戦力を熱望してる
上記中国軍も世界最大クラスの陸上機甲部隊と艦隊整備に熱心だ
台湾は国土が狭く平野が少ない島です。
そして中国軍は多連装ロケット砲でも台湾全土を攻撃できます。
国土が広く平野が多いウクライナは兵力を分散して縦深防御を構築できますが、台湾は兵力の分散が難しいので生存性の低いレガシー資産は開戦と同時に破壊されるかもしれません。
台湾が中国を上回る海上・航空戦力を保有すれば問題は解決しますが非現実的ですね。
航空万能論の読者以前からランド研究所の西側にもA2ADをという言説には賛成していた
しかし、最近のウクライナやイスラエル周辺のドローンやミサイルの運用、及び重機械戦力調達運用を見るにむしろ伝統的火力や艦隊戦力、スペクトル支配、サイバー戦、宣伝戦の重要性を認識し少し考えを追加した
当ブログのおかげでもある
台湾海峡って概ね150km程度で、最狭部でも約125kmあるので多連装ロケットでは届きません。
中国本土から台湾全土を攻撃するなら最低400km程度の射程が必要なので、MLRSではなく弾道ミサイルか巡航ミサイルの出番ですね。
台湾島の面積は約32,000km2で、クリミア半島の約27,000km2よりも広いんです。
地形的にも陸地の大半が山岳で海岸沿いに平地/市街地が細長く伸びる形なので、山岳部で抵抗する場合掃討は非常に手間です。
肝心の市街地が台湾海峡側にあるので実現できるかは怪しいですが。
市街地が細長いために山岳部にレーダーを置くと海峡が丸見えなのも特徴的です。
ウクライナで露呈したソ連系の弾道/巡航ミサイルの命中率やSEAD能力の低さから見て、攻めるのは相当手間かもしれません。
>台湾海峡って概ね150km程度で、最狭部でも約125kmあるので多連装ロケットでは届きません。
これがまた、PHL-16の370mmロケットは射程200km以上と見られているので、西部の都市には届く可能性が高いんだな。
また中国はソ連系の弾道/巡航ミサイルを使用していないので、実際どの位の精度かは分からないんだよな(また、精度が低い兵器は大量投入して迎撃側の射耗を狙う、という話でもある)
中国軍のPCL-191多連装ロケット砲は射程220kmなので台湾に届きます(地対地ミサイルだと射程500km)。
台湾は山岳部でも運用できる生存性の高い兵器の調達を優先すべきだと思います。
クリミア半島はロシアがほぼ無血で陥落させておりますし、台湾の場合は海岸近くにある首都や大都市が陥落すれば台湾の実質敗北かと思います。
山岳部に撤退した台湾軍はサイパン島の戦いや沖縄戦末期のように掃討されるだけですし。
そりゃ世界最大の工業力と生産力のある国なら二兎でも三兎でも好きなだけ追いかければ良いですが。
人口50分の1しかない隣の小国が同じことやったらダメでしょう。
もともとアメリカは、蔣介石と毛沢東の国共内戦で、蒋介石の国民党軍を支援していましたが、蒋介石の国民党軍は大陸本土ではソ連の支援する毛沢東の人民解放軍に敗れ、台湾島に逃れてきました。
朝鮮戦争では、アメリカ軍は直接介入し、ソ連の支援する中国人民志願軍と直接交戦しましたが、戦局は38度線を挟んで一進一退となり、MiG-15の大編隊は鴨緑江上空でB-29を次々と撃墜し、F-86を投入しても、制空権奪回とはいかず、結局休戦となって今に至ります。
ベトナム戦争でも、アメリカ軍はソ連や中国の支援する北ベトナム軍に勝利できず、撤退し、南ベトナムは消滅しました。
そもそもアメリカ軍が地上、空中でソ連軍、ロシア軍、中国軍を圧倒できる兵力、優位を持っていたことなど一度もない、最初からないのです。
アフガニスタンではNATO軍が直接介入しましたが、タリバンを制圧できず、結局撤退、今はタリバンがアフガニスタンを支配しています。ランド研究所はそのことはすっかり忘れているのでしょうか?
無人機はアフガニスタンにもたくさん投入されているはずですが、結局それでタリバンを制圧することはできなかったのです。一体なぜでしょうか?
接近拒否という考え方になるのでしょうね。きっと。
相手(中共)の息切れを狙い、最終的には内部分裂へ導くのかな。
空の接近拒否は、ウクライナ戦役で方法の目処がついていますが、海の場合はどうでしょう。
相手の船をひたすらに沈めることと思えます。艦船でも、商船でも、漁船でも。
そして、相手の生産力と継戦能力を削ること。
マラッカ/ロンボク/バシー他海峡の通行を拒否し、海運を破壊すること。
沿岸の基地および生産拠点(造船所/エネルギー施設/etc)を破壊すること。
さらに他に隣接する国々との共同作戦も必要かな、と思います。
鉄道の切断と、物資供給の制限でしょうか。
米軍が全力で漸減邀撃作戦作戦に付き合ってくれて一撃講和に乗ってくれるんだっら大日本帝国だろうと勝てる戦い
中共は台湾を人質にすればそれが可能だと思ってるだろうが相手の意図が分かっていれば乗ってはいけない
仮に中共が南シナ海が戦場になり海上輸送が途絶した状態で日本にインド洋からの海路をマカッサル~ロンボク海峡迂回された上で攻略しなければならない、となると途端に立場が逆転する
忘れてはいけないのは最も重要なのは人命ではなく勝利ということである
中共は人口が多いですから、人命は、
おそらく、西側よりも安価でしょう。
人海戦術などを行うのですから。
但し、安価なのは非共産党員に限るようですが。
その場合でも、海員の人数は限られているでしょう。
必要なのは、中共の船を沈めることによって、
”財”としての船体/装備/載貨を喪失させるだけでなく、
限られた人的資源である”海員”を喪失させることと思います。
つまり(海員の)人命ではないか、と思います。
艦船と海員を失うと、中共は大陸に封じられてしまうと思います。
その他で、ミサイルと空軍の相手をするのは大変ですが、
これは装備の質と量での力比べになるのでしょう。
戦役の進行内容により中共が自国の体制維持に不安を抱くと、
彼等は引き下がり、戦役は下火になると想像します。
戦役であり戦争ではないので、終戦は無い、と思いますが。
これは米国がウクライナでのF-16への期待度の低さと通じるお話。
台湾はF-16をいつどういう役割で使うつもりなのか。
仮に、台湾がいまのウクライナのような防空システム、記事にあるような各種ドローンと中国本土への長距離反撃能力を十二分に(つまり膨大に)確保した場合でも、中国は台湾周辺を海上封鎖で兵糧攻めをし、昼夜を問わずに雨あられの飽和攻撃をするだろう。
当然、撃ち漏らしも、撃ち落とした後の破片の二次被害も火災も起こる。これでそもそもどのくらい維持できるのか。(維持とはバフムートにならずにか)
まず米軍が台湾周辺で体制を整えるまで、そしてシミュレーション結果のように勝利し中国軍を撤退させるまでに、本当にはどのくらいの期間を要するのか。
そして(不確定要素は多いだろうが)日本はどのタイミングからどういう役割を果たすのか。
結局、これらと台湾側の戦略戦術や武器等の整備がどこまで整合的になるかだろうな。
もしかすると水面下では本当は、米国の本格支援までは在日米軍と自衛隊が台湾を守るしかない、つまり短期的には中国に台湾と在日米軍基地/自衛隊への同時2正面作戦を強いるってことになっているかもしれん。。。
そもそも安価なドローンってのも台湾が開発するの?
アメリカが開発売却してくれるの?って話でもあるからね。
君ら台湾軍の人の事も考えてやれよ
軍人たるもの高価で高性能で他国に自慢できるような兵器が欲しいものだろう。防衛産業も儲かるし
実戦を本気で想定している者なんて米軍を除けば一握りで後は定年まで平穏無事に過ごして天下りする事を願ってる
特殊作戦群の人も辞めちゃったしガチでやる奴は組織内だと邪魔者なんや。理解しよう。
※皮肉です
先日日本で行われた現役議員や元官邸職員や各省庁官僚による台湾有事シミュレーションにおいても、中華民国空軍の航空機は大半が初手で地上撃破、運良く難を逃れた機体を沖縄の米軍基地や自衛隊基地や民間空港で受け入れるという筋書きになっていましたね。まぁ、これに関しては誰でもそう考えますよね(といっても同シミュレーションは戦時下での法的枠組みや運用規範の確認の意味合いが強いので、あえて困難な状況を狙って作っているのも確か)。
玉山級の就役なんか特に台湾の台湾有事観がよく出ていると思います。航空戦力で中国に圧倒的な劣位にあって水上戦力に至っては全く海峡側に近づけない状態と分かっていてなお、ほぼ丸裸のドック型揚陸艦を2隻も作ってしまってどうするんだよと当時も散々言われていました。あれは金門島(大陸側にある中華民国領の島)で低強度紛争や偶発的な衝突が発生した際に、そのまま押し切られて実効支配されてしまわないようにという意味合いが強い装備だという事らしいです。でも今の解放軍がそんなソフトタッチで満足するはずがないので、人員や戦車を満載で増援に向かったところを沈められるのが関の山でしょう。あるいは台湾侵攻後に沖縄やフィリピン海方面に退避して後日逆上陸をするという選択肢もあるかもしれませんが、揚陸艦を護衛できるような防空対潜フリゲートが解放軍相手では全然足りないのでこれはそもそも不可能でしょう(第7艦隊や護衛艦隊ですら船が足りないと言われるくらいなので)。
そういう意味でレガシーなドクトリンに回帰しただけという指摘はうまいと思います。中華民国軍の首脳部の世界観は未だに00年代、米国の空母派遣一下で解放軍が完全沈黙してしまった時代の感覚が抜けていないのかもしれないです。あるいはこのままだと「勝つ見込みがないので政治的な譲歩で融和を」という中国が最も求めていた結果を飲まされる事にもなりかねないですよね。中南海や解放軍のドクトリンにおいて最重要視されるのがまさに戦わずして勝つことで、台湾はその術中に腰まで浸かってしまっているようにも見えます。
>>一般的なミリオタは兵器のスペックに注目し、その優劣だけで戦争や戦場の優劣を予想しがちだが、どうやら戦争というものはそんな簡単な話ではないらしい。
FPSや戦争物のゲームをやっている人なら分かる事だけど、ネットで調べて出てくる最強の兵科やキャラ、ガジェット、武器を使ったところで使っている本人が初心者や下手だったり、相手が技術的に格上の場合どうやったって勝てない。逆に猛者はあえて弱い兵科やキャラ、ガジェット、武器を使ったとしても余裕で勝てたりする。
かと思えば猛者も一時の戦略的ミスを犯せばあっさり格下にやられたりもする。ゲームで例えるのはアレだけどやはりFPSのような感覚に近いのかもね。
人口比で考えれば、ロシアに対するバルト三国が中国に対する台湾だな(人口比60:1)
そう考えるとロシアに対するスウェーデンが中国に対する日本だな(人口比15:1)
スウェーデンはNATOの力を借りることにしたが、困ったことにヨーロッパでも東アジアでもアメリカはアメリカだし
東アジアには独英仏伊に相当する国がいない。弱者の戦いを真剣に検討すべきだな。
そもそも台湾の場合は売ってくれるかわからんというハードルがあるから政治的に兵器売却がフリーハンドでないとあえてでも劣った兵器に投資するしかないのでは?
こういう話で槍玉になる「古いプラットフォーム」の常連さんの戦車や自走砲、榴弾砲が出て来ないのが時代を反映してる。
コルベットはともかくそこそこの戦闘機は平時対応(スクランブル発進等)で必要なのでは。そもそも台湾はどう足掻いても戦時になれば壊滅的なのだから、戦争抑止の努力、つまり平時対応を優先するのは理にかなっている。
非対称戦術の採用も軍事的には合理的であっても、政治的には非合理で、国内の分断や親中派の躍進に繋がりかねないという判断がありそう。
中国は台湾を併合するにしても、2022のロシアのような「特殊軍事作戦」で軍事主体に動くのではなく、2014のクリミアのように戦わずして勝つ方法を取ると思います。
世界の金融センターの一角だった香港をそのまま手に入れたように、半導体産業が優れた台湾も戦乱で荒らすことなく、そっくり手に入れようと考えていると思います。
そうすると、台湾としては、まず、2014のウクライナのように情報戦で負けないことが重要。
だから、情報戦や脅しで国民感情が揺らがないよう、古典的で分かりやすい軍隊のチカラを国民に示さないとならないのかなと思いました。
この記事での前提条件をすべて肯定した上で台湾防衛を考えた場合、台湾はアメリカの大規模軍事介入無しでほぼ独力で中国軍を撃滅できる戦力もしくは抑止力を整備するしかなく、現代の軍事技術で達成可能な唯一の手段は核武装しか無い。
アメリカは台湾の戦術核の開発と実戦配備を承認する覚悟はあるのか?という問題に突き当たる
この現実は米中にとって非常に不都合な真実だが、台湾がその道を選択した場合アメリカはどうするのか実に興味深い
示唆に富んでいる記事だけど、抑止力という観点では正面装備を切り崩して非対称戦能力の向上に充てるのはどうなんだろうね
あと駆逐艦や戦車みたいなレガシー兵器って、台湾では老朽どころではないからいずれにせよある程度のものに更新する必要はあったのでは
機雷と地雷と携行ミサイルにパラメーターを思い切り振り分けよう
台湾全土に地下坑道掘って 硫黄島よろしく持久戦
連中が使うミサイルより高価な武器より圧倒的に安価で厄介な兵器を大量に持とう