ヒズボラは11日「レバノン国境に近いイスラエル軍駐屯地を対戦車ミサイルで攻撃した」と、イスラエル国防軍も「レバノン南部のヒズボラ駐屯地を無人機で攻撃し、対戦車ミサイルが発射された射点にも砲撃を加えた」と発表した。
参考:Netanyahu, Gantz agree to unity war government as IDF pummels Gaza
参考:Israeli Death Toll Soars to 1,200 and 2,400 Wounded as Israel Targets Hamas Leaders in Gaza Airstrikes
まだ北部戦線の行方や他勢力の介入は流動的で何も断言できない状況だ
イスラム教シーア派組織のヒズボラは11日「レバノン国境に近いイスラエル軍駐屯地を対戦車ミサイルで攻撃した」と表明、この攻撃は視覚的にも確認(イルオン周辺=Ⓐに停車していたM113A2を対戦車ミサイルで破壊)され、イスラエル国防軍も報復として「レバノン南部のヒズボラ駐屯地を無人機で攻撃し、対戦車ミサイルが発射された射点にも砲撃を加えた」と発表、レバノン国営通信社は「砲撃がマルワヒーン村=Ⓑとドゥハイラ村=(位置不明)を襲った」と報じている。
イスラエルとヒズボラは互いに越境攻撃を行っているものの「交戦規模」は限定的で、米当局者は「ヒズボラが本格的にイスラエルとハマスの戦いに介入する可能性が低い」と見ているが、レバノン領からのロケット弾が飛来したナハリヤでは「レバノン侵攻以降初めて要塞化された地下施設に医療サービスの一部が移された」と報じられ、国境沿いの集落からは住民の避難も始まっている。
バイデン政権はイランや他の過激派組織を牽制するため「空母ジェラルド・フォードの地中海派遣」を命じ、まもなく「空母アイゼンハワーの追加派遣」も発表する見込みで、これに反応してイランが支援するイラクの民兵組織=カタイブ・ヒズボラは「もし米国がイスラエルとハマスの戦いに介入すれば報復として米軍基地を攻撃する」を表明、まだ北部戦線の行方や他勢力の介入は流動的で何も断言できない状況だ。
因みにガザ地区方面では激しい戦闘が進行中で、イスラエル国防軍は「ガザ地区を前例のない規模で攻撃している、2006年(レバノン侵攻)以来初めてM270をガザ地区の攻撃に投入した」と、ハマスも「報復としてアシュケロンにロケット弾攻撃を行った」と発表し、アシュドドやテルアビブに対するロケット弾発射、ボートやダイバーを用いた地中海からのイスラエル領侵入を試みているらしい。
どこまで戦いがエスカレートするのかは不明だが、ガザ地区では「イスラエル軍の空爆で950人が死亡し、5,000人が負傷した」と報じられている。
IDF says that on Monday, for the first time since 2006, it used an M270 MLRS to target a Hamas site in the Gaza Strip. Footage shows the 334th Artillery Battalion of the 282nd Regiment launching a long-range Romach missile. pic.twitter.com/9ufl2GEdZg
— Emanuel (Mannie) Fabian (@manniefabian) October 11, 2023
追記:ネタニヤフ首相と野党のガンツ党首は戦争に対応した「統一政府(もしくは戦時政権)の樹立」で合意した。
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※アイキャッチ画像の出典:X(旧Twitte)経由
末端が統制に従わずに動いてるのか、それともヒズボラが口八丁で全面攻勢を防ぎつつ攻撃してるのか
イスラエルにしても今はガザに注力したいだろうし難しい判断やね
レバノンへの本格的な侵攻はまだないけど、徐々に攻撃の応酬が激化していってる感じはしますね。レバノンへの地上侵攻はイスラエルにとっても厳しい結果をもたらすのは自明で、そのことをイスラエル側で認識している人は恐らくたくさん居るんでしょうけど、そういった声が響かなくなってしまう雰囲気になっている可能性もあるんですかね。少なくとも、ガザへの前インフラ停止と爆撃前の避難勧告の停止なんて事は以前のイスラエルですらやらなかった事です。911直後の米国のように国全体が盲目的になっているとしたら、ガザだけでなくレバノン、それどころかシリアの敵対勢力に対しても抑制的な対応ができなくなるのではと危惧しています。
収拾がつくまでにどの程度の期間が必要になるか分からなくなってきましたね。
別件でありますが、フィンランドとエストニア間ののパイプライン損傷についても、ロシア関与の可能性を言及し始めていたりとかなりきな臭くなってきてますし、世界各地で火種が大きくなってしまっているように感じられますね。
イスラエルとレバノンは、天然ガス開発のために(東地中海ガス田)、海上境界合意に成功した所だったんですよね。
レバノン経済界の中には、イスラエルとのガス取引により、経済振興するという動きも指摘されています。
レバノンは、政治体制や宗教などが複雑な国ですから、戦闘の強度が上がっていくのか推移を見守りたいと思います。
対ロシアの観点では、ヨーロッパが東地中海ガス田からの天然ガス調達に力を入れており、エネルギー安全保障にも影響します。
トルコも、イスラエルと資源外交を行っていましたが、外交の行方がどうなるのか気になります。
中東は、イスラエルを非難する国も(パレスチナに同情的な国)、イスラエルとの資源外交や経済外交を繰り広げていますから、なんとも複雑ですね。
パレスチナのハマスといいレバノンのヒズボラといい、この辺では中央政府が国内の武装組織を管理出来てないんですよね
だから政府同士で合意したり情報交換しててもすぐ覆されるし、最終的に誰と交渉すればいいのかがわからない
国民国家がいまいち成立してない、っていうのが中東情勢を考えるうえで非常に面倒くさい点ですね
仰る通りですね。
日本の戦国時代・江戸時代は、こんな形だったのかなあと感じながら見る事があります。
イスラエル周辺情勢を考える時に、交渉相手が分からないというのは、本当に面倒くさいですよね。
交渉相手とみなせないのは、該当地域の住民にとっては、大変不幸な事だと感じます。
交易や投資も増えないですから、(汚職や上流は除けば)豊かになる暮らせることが、ないでしょうし。
イスラエルがガザとの国境沿いにあるエジプトとの検問所を攻撃したり、人道的物資の搬入を拒む為の攻撃予告をしていたり正直エジプトがどう動くかが気になる。
イスラエル軍正規軍・予備役36万人の内
主攻撃軸は間違いなくガザ地区北部・東部に包囲する形で
展開していることが予想される
イスラエル北部レバノン国境及びシリア国境にも
戦力を張り付けているのは間違いないが
ガザ地区方面よりは相対的に陸上兵力は少ないのではないか
レバノンは、キリスト教マロン派・カトリック派・東方正教会派
イスラム教スンニ派・シーア派その他で構成された
オランダ・ベルギーのような(宗教)多極共存型国家であり
PLOを受け入れた結果、レバノン内戦を引き起こされたトラウマがあり
イランが支援するヒズボラのようなイスラム原理主義テロリストが
イスラエルを攻撃するのはあってもレバノン国家全体でイスラエルを
攻撃することはあり得ないだろうし、長い不況下にありその余力もない
シリアもご承知の通り、今現在も10年以上続くシリア内戦で戦国状態で
首都のダマスカスはアサド独裁政権がロシアの後ろ盾でなんとか維持しているが
北部はトルコ勢力、北東部はクルド人勢力、東部はISIS残党、イラン勢力
南部は反アサド民主派勢力やイスラム勢力で群雄割拠の状態で
とてもでは無いが、無政府状態で中東最強のイスラエル軍に太刀打ち出来ない
良くてレバノン同様シリアのイスラム勢力が散発的に攻撃してくる位ではないか?
イスラエルは、イランとロシアの関係性を鑑みて、中東地域の安定をおもんぱかってウクライナ戦争への消極的姿勢を開戦以来みせていたが、どうやらそのような行為も結果としては無駄だったのだろうか・・・。
どうせこうなるなら、イスラエルも同じユダヤ系のゼレンスキーを全面的に支援して、ウクライナ戦争を早期終結へ協力し、ウクライナ戦争以降緩んでいた『世界のタガ』を早めに修復することを優先していた方が、まだ良かったのだろうか・・・・。
イスラエルがウクライナを支援しようが早期終結などする訳がない
イスラエルは単独でもレバノン・シリア辺りまでは圧倒できると思いますし、ウクライナ戦争の経過に関係なく、ハマスは暴発した可能性は高いと思います。
ただ、ロシアとの関係を維持することで、間接的にイランを牽制したり、情報提供してくれるかもしれないと言う期待は完全に裏切られた形になり、この地域でのロシアのプレゼンスは著しく低下したでしょうね。
先行きかなり不透明ではありますが、仮に万が一、早期解決にいったら今度こそイスラエルはロシアに配慮はしなくなりますかね?
核戦争を恐れて武力介入できない欧米諸国(同盟国じゃないから?同盟国以外にも武力介入して反米の人から侵略扱いされてたでしょう 核については支援内容ですらエスカレーション云々と恐れてる)
武力介入されたわけでもないのに圧勝できないロシア
これらにより欧米諸国もロシアも怖くなくなり「世界のタガ」が外れてしまった
アゼルバイジャンはロシアを恐れずアルメニアを攻撃できるし
パレスチナを支援するイランシリアもアメリカを恐れずイスラエルを攻撃できるようになってしまった
台湾有事で中国が核をチラつかせたときに
「例えアメリカが滅んでも原潜からの報復で中国も滅ぼすぞ。それでもいいならかかってこい。」くらい強気にいけるか心配です
それができなければ核の脅しで中国のやり放題になります
冷戦期のアメリカはそれくらい強気だったんですけど最近弱気なんですよね
地獄の釜が開きつつある…。どちらにせよ報復の繰り返しだ。大戦の周期が来てしまったと言う事なんだろうか…。大戦が起きなくても、後々の遺恨がトリガーになる可能性は否定できない…。
平和なんて、あっさり無くなるものなんだな…。
バイデンというかアメリカは先月、米国籍の囚人の解放と引き換えにイランの8800億円相当の資産凍結を解除したばかりだったのにコレじゃあな。
革命防衛隊の元司令官もハマスへの関与をベラベラ喋ってるし、間違いなく共和党は攻撃材料にしてくる。
ヒズボラが事前準備をみっちりして大規模な攻撃をしかけるようには見えないなぁ
イランも物質の支援はいくらかしたかもしれないが、作戦に関わるような支援はしてないんじゃないか
ヒズボラは直前に知ってとりあえず呼応したってだけで、基本はハマスが単独なんじゃないかなぁ
イランとヒズボラによる策謀ってのはイスラエルが自身の無能を誤魔化す為なんじゃないかと勘ぐってしまう
ヒズボラはあまりやる気無い感じですか
ハマスも機密優先であまり連携してないんですかね?
ゴラン高原はどうなりますかねぇ
こっちはイスラエルが違法に占拠中って事になってるので、シリアへの対応面倒そうですが
直近ヒズボラが大量にUAV飛ばしたとか出て来ましたね、レバノン国境での銃撃映像も出てます。
イスラエルは感情的になってますし、アラブ側も感情敵になる事をされたので落ちついて交渉する方向は無く、アメリカがやらないとなれば仲介者は無しと見ていいでしょう。
レバノンを助ける為、後は雪だるま式にアラブ諸国を巻き込んで行くだけですね。
そういやわが国は戦時内閣なるものを組閣できるのだろうか。戦争中でもモリカケしてそうだよな
M113は増加装甲ついてるんですかね
中の人は無事なんだろうか
コルネットでの攻撃らしいので乗員が搭乗しているとすれば残念な結果になっていると思われます…
はて、イスラエルに米軍基地なんかあったかなと調べたら、MD用のミサイル基地が2017年に場所非公開で解説されているという記事が見つかりました。
まあ、中東各国に薄く広く展開しているので、そっちを狙うんでしょうけど。
イスラエル側もトランプ政権の間甘やかされ続けたからか考えが甘くなってる気がする
奇襲を察知できなかったのもそのへんにあるし、報復の匙加減も間違える可能性がある 安易に支持せず少し距離を置いたほうが良いと思う
まともに地上戦になれば、地上戦≒トンネル戦になるのでは。
普通にに攻めれば、攻める側も犠牲が大きいような。
IDFはどう攻めるのだろう。
架空戦記などを読むと、こんな時は水攻め(笑)するのだけど。
地中海の海水をトンネルに注水でしょうか。
エイタンの生産開始で既存のM113は無人戦闘車化で良いのでは?車体の新造は不要ですし、車格が非常に小さいですからメガシティ戦では非常に使えると思います。
UGVは新造という前提がなぜかありますが、まずは既存車両の改造で運用経験したほうが良いとは思いますね。