イスラエル政府の高官は「人質が犠牲になっても攻撃を止めない」と述べ、アル・カッサム旅団は「パレスチナ市民が攻撃を受ければ警告なしで人質を処刑する」と脅したが、別のハマス関係者は「停戦協議に応じてもいい」と言及した。
参考:Israel pounds Gaza after Hamas threat to kill hostages, US warns Hezbollah to stay out
ハマスの脅しに屈しないイスラエル、拘束されたイスラエル人が犠牲になってもガザ地区に対する攻撃を止めない
レバノンとの国境沿いでヒズボラやイスラム聖戦との小規模な衝突が発生しており、イスラエル軍はレバノンのマルワヒン郊外=Ⓐを空爆、ヒズボラはイスラエル軍陣地=Ⓑに対戦車ミサイル(もしくはロケット弾)を撃ち込んだことが視覚的に確認され、イスラエル国防軍も「国境を越えたヒズボラの戦闘員と銃撃戦が発生し、レバノン領からイスラエル領に向けてロケット弾も発射された」と発表。
さらにイスラム聖戦も「レバノン国境からのイスラエル領侵入」について犯行声明を出したため、北部地域の状況も徐々にきな臭くなってきたが、ガザ地区では強気だったハマスが「停戦」に言及して注目を集めている。
イスラエル政府の高官は「拘束されたイスラエル人が犠牲になってもガザ地区に対する攻撃を止めない。もし人質の正確な居場所が判明すれば当該地点への攻撃を控えると約束するが、そのような情報が入手できない限り全ての標的を破壊する」と述べ、アル・カッサム旅団も「もしパレスチナ市民が攻撃を受ければ警告なしで人質を処刑し、その様子を映像と音声で公開することになるだろう」と対抗したものの、別のハマス関係者は「目的を達成したので停戦協議に応じてもいい」と言及した。
昨日までに人質獲得のためイスラエル領内に侵入したハマスの戦闘員はほぼ駆逐され、イスラエルメディアは「パレスチナ人テロリストの遺体が約1,500人分ある」と報じ、イスラエル国防軍も「ガザ地区近郊の支配権を取り戻した」と発表、ガザ地区に対する直接攻撃の抑止になると期待された人質も「犠牲になってもいい」とイスラエルが言い始めたため、ハマスは焦りだしているのかもしれない。
因みにイスラエル保険省は「7日に始まったハマスの攻撃で2,741人のイスラエル人が治療を受けている」と明かし、現地メディアも「死亡者は900人を越えた」と、エルサレムに拠点を置くZAKA国際救助隊も「入植地のベエリから約100体の遺体が運びだされた」と述べており、約1,000人が暮らしていたベエリがハマスの攻撃で完全に破壊されたため「犠牲者はもっと増える」と予想されている。
追記:アル・カッサム旅団のオブ・オバイダ報道官は「イスラエルの攻撃が行われている間は人質問題について交渉しない」と述べた。
追記:カタールは米国の支援を受けて「イスラエルの刑務所に収監されているパレスチナ人女性」と「ハマスに拘束されたイスラエル人女性」の交換交渉を進めていると報じられているが、イスラエル当局は報道を否定し「人質に関する交渉は行っていない」と述べた。
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※アイキャッチ画像の出典:Telegram経由 ガザ地区の空爆現場