米国関連

トランプ元大統領、欧州が公平な負担額を支払えばNATOに留まると発言

共和党の大統領候補に指名される可能性が高いトランプ氏は「欧州が公平な負担額を支払えばNATOに100%留まる」と述べ、POLITICO Europeは「(トランプ氏の発言が)米国のNATO脱退に対する懸念を和らげるのに役立つかもしれない」と報じた。

参考:Donald Trump says he won’t quit NATO — if Europe pays its way

トランプ氏が言及した「公平な負担額」が幾らなのかは不明

米大統領選への出馬を表明したトランプ氏は「分担金(GDP2.0%相当の国防支出)の支払いを加盟国が滞納するようならNATOから脱退する」と言及、ブルトン欧州委員はトランプ氏の大統領復帰の可能性を念頭に「自分達のことは自分達でやるしかない」と訴えていたが、トランプ氏は2月12日「国防支出が不十分なNATO加盟国を守ることない」「ロシアに(当該加盟国を)好きにすればいいと促す」と発言。

出典:Thierry Breton

トランプ氏は1,215人以上の代議員確保に成功しているため確実に共和党の大統領候補に指名され、バイデン氏がトランプ氏に勝利できるかどうかも不透明なため、欧州諸国(ハンガリーを除く)にとって好ましくないシナリオが実現になるかもしれない。

英メディアのインタビューに応じたトランプ氏は「欧州が公平な負担額を支払えばNATOに100%留まる」と述べ、POLITICO Europeは「この発言はトランプ氏が大統領復帰を果たした場合、米国がNATOから脱退するのではないかという懸念を和らげるのに役立つかもしれない」と報じたが、一部のNATO加盟国は「国防支出を2%から3%に引き上げるべきだ」と主張し始めており、トランプ氏が言及した「公平な負担額」も幾らなのか不明だ。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Monica Roybal

因みに1期目のトランプ氏は「NATO加盟国の国防支出増が米防衛産業界(米国製兵器の購入や兵器開発への米企業関与など)に流れ込む」と期待していたものの、欧州は増やした国防支出の一部を「米国の手が届かないEUの防衛基金」に移し、この基金を活用した開発・調達から「域外企業」を排除したためトランプ氏は不公平だと憤慨したことがある。

結局のところ「公平な負担額」が「米防衛産業界の利益」に繋がらないと政治的要求を釣り上げてくるかもしれない。

記事内容を批判するのは貴方の自由ですが「最近韓国兵器の話題ばっかでここに来てこれとか朝鮮万能論に改名したら?」はただの侮辱ですよね。

誰も読んでくれとはお願いしていませんし、管理人も自身の考えを他者に押し付ける気もないし、そもそも腹が立って幼稚な侮辱をするぐらいなら本ブログにアクセスしなければ良いのでは?

関連記事:トランプ氏の大統領復帰を恐れる欧州、防衛産業を強化して自分達を守るしかない
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関連記事:狡猾な欧州が仕掛けた罠? NATO加盟国が引き上げた「国防予算」を巡って欧米激突

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Spencer Slocum

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コメント

    • 名無し
    • 2024年 3月 20日

    管理人様いつも良質な記事をありがとうございます

    自分の意見にそぐわない内容に噛みついてくる方は残念ながら一定数いらっしゃいます
    掲示板のコメントの応酬ならまだしも読むも読まないも自由な記事を非難した所で何の意味も無いでしょうに…
    余りお気になさらないで下さい今後も管理人様の機知の富んだ興味深い記事を心待ちにしております

    66
    • ウルズ
    • 2024年 3月 20日

    韓国の防衛産業が活発で、各国が注目してソース記事がたくさんあるだけの話ですし、気にしない気にしない。

    35
    • 幽霊
    • 2024年 3月 20日

    まあ結局トランプ氏の主張はアメリカに金を払えさもなきゃ守らないぞと言う事ですかね?

    18
      •  
      • 2024年 3月 20日

      しかしそこはトランプ、かつてトヨタがやったようにこれまでの投資額をさも新しい成果のように表明してトランプを満足させることができる
      安倍首相も同じようにF-35を100機購入(メディアでは爆買い扱い)と評して、ただのF-4EJ改の更新分を大げさに宣伝してトランプをご満悦させた
      つまり欧州も日本の接待プレー(リップサービス)をやれば実損はゼロのままアメリカを据え置くことが出来ると思う

      23
        • kitty
        • 2024年 3月 20日

        マネーパワーを政治力に変換する能力はどの国が優れているんでしょうね。
        まあ米国の効率が悪そうなのは確かですが。

        1
    • 名無し
    • 2024年 3月 20日

    まあ韓国に反発を持つ方もいるんでしょうし、自分自身韓国を手放しで好きって訳ではないです。
    ただ、正直言って防衛産業においては韓国の方が上手だと思います。K9はいまや世界的なベストセラーですし、何より売り込む姿勢が凄い。日本は憲法の縛りがある上ビジネスに繋げるやり方にまだ慣れていない感じがします。

    32
      • Whiskey Dick
      • 2024年 3月 20日

      日本の防衛産業に足りないものは実戦データ、外国に学ぶ姿勢、柔軟性であり、これは主な発注元の防衛省も同様です。親が駄目なら子供も駄目になり、しかも子供は親の機嫌取りだけ考えるパラサイトシングルと化している。
      西側の新興兵器輸出国として韓国、トルコ、南アフリカが挙げられるが、これらの国は常に危機に晒されている(若しくはかつて晒されていた)ので生き残りのためにあらゆる手段を用い、結果として世界に通用する兵器を作り上げた。センサーや動力部など一部のパーツは先進国に依存するが、パソコンを組み立てるように適切なパーツを組み合わせそれなりの物に仕上げている。兵器の設計・諸元を決定するには実戦データが不可欠であり、彼らは自国の実戦結果及び外国のトレンドの分析を怠らない。防衛省の妄想に基づき兵器を設計する日本の防衛産業は決して一流になれない。

      11
        • アシュラ
        • 2024年 3月 20日

        そこはまぁ長年なんちゃって平和主義の元、アメリカの力に頼り平和を享受しまくり国家存亡の危険とは事実上無縁の日々を過ごして自らの力で生き残る努力を怠ってきたツケが回って来た訳ですからね。

        結局のところ自然災害の発生頻度並みに戦争にでも直接晒されなければ日本の現状の問題点を改善するなど不可能かなと。

        5
          • kitty
          • 2024年 3月 21日

          災害出動だけなら間違いなく、自衛隊は世界一の練度でしょうね。
          まあ311での仙台空港の啓開みたいな装備的に無理なものもありましたが。

          3
      • kitty
      • 2024年 3月 20日

      結局、韓国の防衛産業を批判する日本人は、80年代に日本が米国に車を売っていた努力を無視して批判していた米国人の姿と重なるんですわな。

      8
    • ku
    • 2024年 3月 20日

    プーチン「トランプ勝て!トランプ勝て~!!」

    7
      • Whiskey Dick
      • 2024年 3月 20日

      但しトランプはウクライナにおけるバイデンの醜聞を入手するため、ジャベリン対戦車ミサイルを供与した実績があるので「取引」の内容次第ではロシアの思い通りにならない可能性もある。孤立主義者のトランプも流石にアメリカの面子を潰すようなことは避けるので、ロシアに圧力を掛けてある程度の妥協を飲ませると思われる。
      ロシアの特別軍事作戦(誤記)の大義はドンバス地域の解放(大嘘)とウクライナの非武装中立化だったので、ウクライナの東半分くらい手に入れればノルマ達成となる。ロシアもこれ以上の人的損失と軍事支出に耐えられないから、西ウクライナは諦める条件で停戦に応じるでしょう。
      ※戦争前のロシアには累進課税制度が存在せず、金持ちも貧乏人も平等に所得税が13%だった。今年は軍事費が嵩むので最大20%の累進課税を国民に課すとのこと。因みに第二次世界大戦時のアメリカの累進課税は最大90%!

      5
      • 774
      • 2024年 3月 20日

      トランプが勝ったらウクライナ戦争を問答無用で終わらせにかかるから、プーチンにとってはバイデン続投のほうが楽だぞ。
      8年前の選挙でトランプが勝ったのはロシアにとって嬉しいことだったかもしれないが、今年もそうとは限らない。

      2
    • ku
    • 2024年 3月 20日

    たとえ「公平な負担額」をしたとしても、事が起こった時「他国の戦争にアメリカ人の若者の血を流す必要はない」と言うだろ。

    36
      •   
      • 2024年 3月 20日

      まあ後からいくらでも理屈は捏ねられるので、全く信用ならないのは変わらないだろう
      世界の安全保障に関して何の信念も理念もお持ちになっておられない方なので当てにはならんだろうね

      13
    • 名無し
    • 2024年 3月 20日

    トランプ氏のいう公平っていうのは
    アメリカだけがガッツリ儲けられる状態
    を指すので

    13
    • 58式素人
    • 2024年 3月 20日

    今の状況で国防費の増額は仕方ないことでは?。
    増額したお金が米国に流れるか否かは、また別の事、かと。

    3
    • アラジン
    • 2024年 3月 20日

    ロシアに好きにさせれば良いって言う発言は別にしてトランプ氏の言っている事ってストレートに本人だけじゃ無く大半のアメリカ国民の本音だと思いますよ。
    例えアメリカの政権が誰になろうと、同盟関係で負担額を公平にしようが他国の戦争に自国の兵士を送って戦死させる事、国家を疲弊させる事を今のアメリカ国民が容認すると思えませんね。
    なぜなら中東で20年間嫌という程痛い目みてきた訳ですし。

    15
    • ブルーピーコック
    • 2024年 3月 20日

    バイアメリカンの強制なのか、アメリカの欧州派遣部隊の削減などの費用軽減なのか。その辺りが明確ではないし、意見をひっくり返す可能性もあるからな。公聴会で答えを引き出すか、実際に就任してみないと分からん。

    右派左派ともども、極端な『お気持ち表明』する奴らは認知が歪み過ぎて、別世界の住人なんだなと最近になって思うようになってきた。
    最強の技術と自衛隊を保有する日本も、弾圧と搾取を行ってる衰退国家ニッポンも奴らの脳内にしか存在しないし。どんな国だろうが良いとこ悪いとこ在るのが普通であって、悪いとこ無い国なんてそれこそ独裁国家だけだし。
    何が言いたいかゴッチャになってきたが、自分は管理人さんの意見の方が正しいと思うので、変な意見に流されず続けていただけると幸いです。

    5
    • 折口
    • 2024年 3月 20日

    トランプ氏は過激な言動の保守主義者ですが、最も根底にあるのはビジネスマンの思考なんですね。戦争や軍隊を資本家や経営者の目線で統制するという様式は米国ではパトリオットや大陸軍の時代から存在する伝統的価値観なので、彼が全てにおいて破天荒な伝統の破壊者(全ての良識ある米国人はトランプ氏が消えることを願っている)と思うと読みを違えそうですね。

    まぁ、もし自分が彼の立場なら軍事費くらいは気前よく払ってやったうえで欧州各国に軍縮を許して、そのうえでEUに民間市場の(米資本に対する)開放を突きつけると思いますが。これはかつて米国が日本に対してやったことです。しかし米軍のアジアでの動向を考えるとそのような論争を今からやっている時間もないのは自明で、やはり彼の主張はこの場合軍事的・経済的に合理性があるでしょう。上手い嘘は真実の中に隠されているとは言いますが、狂言の中にリアリズムが混じっている彼の政策提言は本当に厄介ですね。

    11
    • DEEPBLUE
    • 2024年 3月 20日

    まあ少し前までのドイツとか言われても仕方ない国があるのは事実ですからね

    2
    • たむごん
    • 2024年 3月 20日

    トランプ元大統領が以前指摘していましたが、ドイツ・フランスなどヨーロッパのNATO諸国が、ロシアにエネルギー安全保障(天然ガス・石油を友達価格で購入)の依存は深刻でした。
    ロシアが、ウクライナ戦争を開戦するきっかけに、他国の動向も気にするわけですから一因と言われても仕方ないなと。

    NATOの公平な負担額は、交渉事ですからお互いが高いラインを掲げて、妥結の時に交渉を頑張ったと誇示するのかなあと(個人的な想像です)。

    韓国の武器産業は、ウクライナ戦争の勝ち組と言われているのが、事実ですからね。
    日本は何が足りないのか、他国を分析して、改善点を探すのは有益だと考えています。

    6
    • ルイ16世
    • 2024年 3月 20日

    お疲れ様です
    彼らの脳内は善悪2元論で正義の我らと悪の奴らのリベラル的な世界でリアリズムの話は通用しない人達なので進化論を否定しているアメリカ人と同類と思った方が良いかと思います
    個人的には彼ら自体については興味深いですけどね。彼ら自身は目覚めたつもりでしょうがプロパガンダの法則通りに思考が出来上がっていますから

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